新入社員 モチベーション
企業にとって新しい人材である新入社員の教育は、新人研修が終われば一安心というわけではなく、会社の戦力として成長していくように継続して実施する必要があります。企業と従業員の関係が一方通行では、ミスマッチが生じる要因になります。新入社員が自分からやる気を起こす、モチベーションが上がる環境をつくることは、企業にとって必要な人材を育てるために非常に重要です。この記事では、新入社員の仕事に対するモチベーションを上げ、やる気を引き出す方法をご紹介します。
新入社員のモチベーション
モチベーションとは一般的に「動機」や「やる気」のことを指します。組織の中の職場で働く社会人としてのモチベーションとは、 組織から任された業務の仕上がりの期待度をさらに上回る仕事をしていこうという意識 です。
仕事に対するモチベーションを上げるという習慣は、プロ意識のある先輩社会人にとっては当然のことですが、多くの新入社員の意識はまだそこまで到達していません。
新入社員は、会社全般の内容や実際に自分が担当した業務内容について、まだまだ分からないことが多い状態です。業務をこなしながら、仕事をした後の満足度や、達成感を味わっていくことになります。
つまり、新入社員のモチベーションとは、すでに意識の中に出来上がっているものではなく、 企業に入社して職場で働きながら形成されていく「動機」「やる気」 を指すことになります。
「新入社員はなんで自分たちが当然のように感じている仕事に対するモチベーションがないのだろうか?」と悩む必要はありません。また、新入社員に「なんで君は仕事に対するやる気がないんだ」と問い詰めることもナンセンスです。
【関連】モチベーションの意味とは?低下の要因や上げる方法、測定手法や企業施策までご紹介 / BizHint
新入社員のモチベーションを高めるべき理由
新入社員のモチベーションを高めるべき理由は、以下の3点が考えられます。
「早期離職」を防ぐ
新入社員のモチベーションを高めることは、早期離職の防止に有効です。
新入社員の早期離職は、業務遂行のために必要な人員の喪失による人手不足を招くほか、採用から新人教育までにかけてきたリソースやコスト面で考えても企業にとって大きな損失となります。
【関連】若者の早期離職の原因とデメリット、企業がとるべき対策まで徹底解説 / BizHint
企業にとって必要な「人財」を育てられる
新入社員のモチベーションを企業が適切にサポートすることで、入社後のミスマッチを克服させ、職場での先輩や上司と良質なコミュニケーションをとりながら成長していくことができます。そのまま早期退職することなく中堅社員へと成長してくれれば、 企業にとって重要な人財 になることでしょう。
企業が防がなければならないのは、 新入社員が成長を感じられないことでモチベーションを下げてしまう事 です。なぜならば、自分自身の成長(スキルアップ)をモチベーションにしている新入社員は、プロ意識のある企業にとって必要な人材に成長していく可能性が高いからです。
【関連】人材育成とは?対象別の求められるスキルや育成方法、成功ポイントまでご紹介 / BizHint
企業の活性化
新入社員のモチベーションを上がると、その模範となる 先輩や上司のモチベーションも上がります。 新入社員のフレッシュな姿は、企業全体を活性化する効果があるのです。
特に、新入社員の育成を担当する若手社員にとっては、当たり前になりつつあった仕事の意味や効率的な進め方を再度考え直し、大きく成長するきっかけになります。
また、指導役の先輩社員には、新人に良い所を見せ、模範であろうとする心理が働きます。結果的に、個人の能力や業績も向上にもつながっていくのです。
【関連】組織活性化とは?取り組みの方法・手法・施策および事例をご紹介 / BizHint
新入社員のモチベーションが下がる原因
まずは、新入社員のモチベーションが下がってしまう要因から理解していきましょう。
リアリティー・ショック、 会社や仕事への理解不足によるアンマッチ・ミスマッチなど
新入社員のモチベーションが下がってしまう理由に、リアリティショック、 会社や仕事への理解不足によるアンマッチ・ミスマッチがあります。
リアリティー・ショックとは、新入社員が企業に入る前に描いていた職場や仕事に対する理想や期待と、実際に企業に入社して体感する現実(リアリティ)とのギャップから受ける衝撃(ショック)のことを指します。
リアリティショックや、会社や仕事への理解不足によるアンマッチ・ミスマッチなどが新入社員の意識の中に起こってしまうと、場合によっては早期離職の要因になってしまうこともあるため、注意が必要です。
【関連】リアリティー・ショックとは?原因と対策も併せてご紹介 / BizHint
成長を感じられない・成果がでない
人は自分自身の成長(スキルアップ)を実感できた時、モチベーションが高まります。それが企業に入ったばかりの新入社員であれば尚更です。もし配属された職場での業務が自分自身の成長(スキルアップ)につながらないと感じたときには、新入社員のモチベーションは下がってしまうことでしょう。
同様に、配属後の仕事で思うように成果が出ない場合も、新入社員のモチベーションは下がります。晩成型の人材には特に注意が必要です。同部署や他部署で活躍する同期と比べ、自信ややる気が下がってしまうケースが見受けられます。
先輩や上司との人間関係・コミュニケーション
終身雇用を描くことが難しい企業と従業員の関係性の中で、新入社員が仕事に対するモチベーションを上げ、やる気を引き出す方法を自分だけの力で探し出すのは容易ではありません。
そんな環境の中で先輩や上司との人間関係・コミュニケーションをうまく取れなかった場合、新入社員のモチベーションは下がってしまいます。
【モチベーションが低いと判断する際の注意点】
新入社員が会社の業務に「やる気」を持っているのか、持っていないのかを判断するのは上司にとって必要なスキルになります。なぜならば自己表現の方法に個人差があるためです。
やる気があって堅実な業務を継続していても、クールで自己表現が苦手な新入社員は、上司の目には「やる気」がなく映ってしまうかもしれません。そんな人材に「もっとやる気をだせ」というアドバイスをしてしまうと、新入社員はギャップを感じてモチベーションを下げてしまうでしょう。一方で、内心では「やる気」がなくても、コミュニケーションに長けていて自己表現が得意な新入社員は、上司の目にはやる気があるように見えているかもしれません。
つまり、個人の性格を考慮して個別にみていく必要があります。また、同じ新入社員でも時間の経過や何かをきっかけとしてやる気を失ってしまう事もありますので注意が必要です。
上司が新入社員のやる気を判断するには、下記にあげる具体的な2つの特徴を指標に、 個々の性格を考慮して冷静に見極めましょう。
同様のミスを繰り返す
ミスの原因が個人の人為的なミスで、かつ同様のミスを何度も繰り返す場合はモチベーションが下がっている可能性があります。
ミスの内容をマニュアルなどで確認し、不明点はメモを取らせるように指導して、次回から同様のミスを起こさないように指導しましょう。
同時に、新入社員との面談の中で、やる気を持てない理由をリサーチしていくように心掛けます。業務内容への不満や人間関係の悩みなどが原因で新入社員がやる気をなくしているケースも考えられます。
表情がとぼしくなる、姿勢が悪くなる、身だしなみが変化する
外見上で新入社員に変化が見られたら、モチベーション低下のサインの可能性があります。表情や姿勢、身だしなみは内面の気持ちをあらわす無意識のサインです。
新入社員が言葉では表すことのできないヘルプサインを外に向けて発信していることになりますので、先輩や上司はサインを感じとりフォローする必要があります。
新入社員のモチベーションを高める「モチベーション・マネジメント」
新人育成における「モチベーション・マネジメント」とは、企業が生産性や成果を高めることを目的として行うもので、新入社員がモチベーションを高めるように動機付けを行い、やる気を持って業務を行うように管理することです。
「これからの社会人生活に不安を持っている」新入社員には、 企業として人を育てるという姿勢が大切 です。新人教育は人事担当者が行うフォロー研修にとどまらず、新入社員にかかわるすべての先輩社員の目で実行していく必要があります。
モチベーション・マネジメントには大きく分けて2つの方法があります。
- 会社全体の取り組みとして人事制度、福利厚生、職場環境などをより良くすることで、新入社員のモチベーションを高めいく
- 実務上の職場での先輩や上司との人間関係・コミュニケーションを良好にすることで、新入社員のモチベーションを高めていく
【関連】モチベーションマネジメントとは? / BizHint
特に実務上の職場での先輩や上司との人間関係・コミュニケーションを良好に保つことはモチベーションアップに大きく役立ちます。
ここでは主に、②の施策を中心にご紹介していきます。
信頼関係の醸成
新入社員のモチベーションを上げるためには、信頼関係を作ることが大切です。
しかし、新入社員との信頼関係とは単に仲良くするという事ではありません。信頼関係とは「 業務上での立場を守りながら、新入社員と先輩や上司が、良好なコミュニケーションがとれ、自由にお互いの意見を交わせる関係 」です。
信頼関係を作るために心掛ける基本的な姿勢は、オープンマインド、共感、興味をもつという3点がポイントになります。
-
オープンマインド
会社の方針や、業務内容はもちろん、相手との信頼関係を深めたいことを隠すことなくオープンな気持ちで接し、発信していく -
共感
新入社員から、報告、連絡、相談、質問などを受けた時に心掛ける姿勢。ポイントは「話を聞くこと」「新入社員の話すスピードを意識すること」「相槌を打って共感していることを相手に伝えること」 -
興味をもつ
新入社員と関わるまわりの人たちが、新入社員に興味を持つように心掛けること。無関心な対応は新入社員の気持ちを深く傷つけてしまう
会社ぐるみで、新入社員に興味をもつ環境や習慣を作り出すことも大切です。社内報や部門ニュースで、新入社員の人柄や趣味を公開するのも一つの方法です。人事部の新人教育担当者は、新入社員と先輩や上司が、良好なコミュニケーションがとれるような企画や提案を提供するのもいいアイデアです。
「心理的安全性」が確保された職場を目指そう
心理的安全性とは、従業員が安心して、自分の考えを自由に発言したり行動に移したりできる状態を指します。信頼関係の醸成には欠かせない要素で、チームの生産性向上にも寄与すると言われている、今注目のワードです。
【関連】心理的安全性が職場にもたらす効果と高め方、測定方法まで徹底解説 / BizHint
必要な言葉をかけることで、やる気を引き出す
実務上の職場での先輩や上司との人間関係・コミュニケーションをとる方法は会話から生まれます。社会人としても新人で、配属された職場では新参者の新入社員側から先輩や上司に話しかけていくケースは少ないことが予測されます。
新入社員のやる気を引き出すためには、職場の先輩や上司の方から積極的に言葉をかけることがポイントです。言葉をかける時には「やる気を引き出す言葉」を積極的に使いましょう。
言葉をかけるタイミングとしては、 新入社員に仕事を依頼するとき と、 新入社員から仕事完了の報告を受けたとき が有効です。
新入社員に仕事を依頼するとき
新入社員に仕事を依頼するときには、なぜこの業務を依頼するのか、相手の能力を認めている意味を込めた言葉を含めて言葉をかけます。誉め言葉を継続してかけられることで、人は自分自身に力があるのではないかと思い込むようになります。
心理学では「自己成就予言」と呼ばれるこの効果は、自信を失いがちな新入社員のモチベーションを上げて、やる気を引き出す方法として有効です。
【やる気を引き出す言葉の例】
- 「この仕事は○○さんにしかできない仕事だ」
- 「○○さんの頑張りはいつも見ているよ。そこで今回は○○さんにプロジェクトをお願いしたいんだ。」
新入社員から仕事完了の報告を受けたとき
新入社員から仕事完了の報告を受けたときには、業務内容の仕上がりを褒め言葉と次回も期待している言葉を伝えます。
そうすることで、新入社員は先輩や上司の期待に応えようというやる気を出してモチベーションを上げていきます。他者からの期待に応えようとすることを心理学では「ピグマリオン効果」と呼んでいます。
【関連】ピグマリオン効果とは?意味と例をわかりやすくご紹介 / BizHint
【やる気を引き出す言葉の例】
- 「素晴らしい仕上がりだね。次も○○さんにお願いするよ。期待しているよ。」
- 「私が期待していた以上の仕事だね。ありがとう。次回もお願いしていいかな。」
やる気を奪う言葉使いに気を付ける
新入社員と関わる先輩や上司は、自分自身の日々の仕事も多忙ですが、新入社員との会話に中で「共感」や「興味をもつ」ことを失念してはいけません。共感のない否定の言葉や、興味がないことを伝える言葉は、新入社員の信頼を失わせ、やる気を奪ってしまいます。
新入社員のやる気を奪う言葉には、以下のような例が挙げられます。
【共感のない否定の言葉】
- 「そんなの常識だろ」
- 「それは意味がない」
- 「それは関係ない」
- 「前も言ったよね」
【興味がないことを伝える言葉】
- 「それは私には関係ない」
- 「この仕事向いてないんじゃない」
- 「忙しい時に話しかけるな」
- 「もういい」
このような言葉使いが日常的に行われていないか、職場を見直すようにしましょう。
想定外の行動をとる新人に対してどうするべき?
とはいえ、社会人としての常識やマナーを逸脱し、頭ごなしに叱りたくなるような「驚き行動」をとる新人が存在することも事実です。
株式会社ディーアンドエムの調査によると、新入社員に見られた驚き行動としては、以下のような項目が挙げられました。
- 1位 言葉使い
- 2位 挨拶をしない
- 3位 無断欠勤・遅刻
- 4位 呆れる・理解出来ない言い訳が多い
- 5位 謎な行動が多い
- 6位 電話などではなく、LINEなどで連絡を済ます
- 7位 居眠り
- 8位 会社の備品を私物化する
【出典】勝手にランキング:新入社員の驚き行動!! 1位は言葉使い。2位は……
このような想定外の行動をとってくる新入社員に対しては、どのように対応したらよいのでしょうか。
基本的には忍耐強く注意すること が必要です。しかし、言葉を厳しくしすぎると必要以上に傷ついてしまい、モチベーションの低下や離職につながってしまう可能性もあります。「辞めたらそれまで」と割り切る方法もあるかもしれませんが、採用難の昨今、人手不足が解消されず自分自身の首が締まってしまうことにもつながりかねません。いつの時代でもジェネレーションギャップは存在します。 可能な限り広い心で接する ことが理想であると言えるでしょう。
また、指導ではなく、本人が自分自身で、 自分の行動が問題であると気づけるように促す ことも重要です。例えば遅刻をしてきた新人に対し「遅刻をするな」と頭ごなしに叱るのではなく、「遅刻をすることでどんな不利益があると思うか?」などと問いかけ、自分で考えさせると良いでしょう。新入社員のモチベーションを下げず、問題行動を減らすことができるかもしれません。
会社全体の取り組み
新入社員のモチベーションを高めるため、企業全体としてできることはどのような内容でしょうか。
ここでは、一例をご紹介します。
ワークライフバランスのとれた職場環境づくり
従業員との関係は仕事のみという意識の見直しが企業には必要です。「自分の時間が持て、趣味などに時間が使える職場を求める」傾向が新入社員にはあります。
仕事オンリーではなく、ワークライフバランスのとれた職場環境づくりを経営者主体で推進していくことは、新入社員の求めている職場をつくることにもつながり新入社員のモチベーションを上げていくことになります。
ワークライフバランスとは、内閣府が推進する日本の国全体で取り組んでいる課題でもあります。新入社員が企業に求めている職場は現在から将来に向けて企業と従業員の関係に不可欠な環境になります。
【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?企業の取り組み事例と実現のポイント / BizHint
「プロ意識」をもってもらえるような制度づくり
新入社員のモチベーションを上げるためには、「プロ意識」をもってもらうことが大切です。ここでいう「プロ意識」とは、プロスポーツ選手や芸能人、職人が持っている職業意識のことを指します。プロ意識には以下のような3つの特徴があります。
- 常に仕事のスキルを高めることを意識して行動している
- 指示を受けて行動するのではなく自ら仕事の成果が上がるように行動する
- 成果を出すことが仕事であり、成果が収入となる
プロ意識の3つの特徴を新入社員が持てば、自らモチベーションを上げるように努力するようになるでしょう。
新入社員にプロ意識を持つように伝える場合、企業は、プロ意識をもって行動し結果を出した場合もセットで示すと効果的です。
例えば、営業職の場合、目標達成に対するインセンティブを出す。事務職の場合、昇給・昇格、インセンティブ、表彰などを行うなど、具体的に目に見えるかたちにしていくのも一つの方法です。
ただ単に、新入社員にプロ意識を持ちなさいと伝えてもそれは一方通行であり、プロ意識をベースにした企業と従業員の関係とはいえません。
充実した研修による人材育成とフォロー
成長意欲の高い新入社員については、充実した研修による人材育成とフォローも有効です。
新入社員の育成は、現場任せの放任主義ではなく、理論的・計画的に実行していくことが望ましい姿です。
入社3か月、新入社員の8割が「能力・スキル不足」を体感している、といった調査結果もあります。それに伴い自信を喪失し、モチベーションが下がってしまう新人も多く見受けられます。充実した新人研修を実施し、人材育成やフォローをしっかり行うことが重要です。
【参考】キャリコネニュース:入社3か月、新入社員の8割が「能力・スキル不足」を体感 社会の厳しさが「若者のバリキャリ離れ」を促進か
ここでは、新入社員に行うべき研修について紹介していきます。
内定者研修
新入社員に対するアプローチは、入社前から始まっています。
内定者研修は内定辞退を防ぐ文脈で活用されることが多いですが、社会人としての基礎的な能力やマインドセットを習得し、会社への理解を深め、モチベーションを高める手段としても有効です。
人事としては、入社後に必要なフォロー策を考える為に、面接では見えづらかった新入社員の性格や特性を把握する手段としても活用できます。
【関連】内定者研修における内容・時期などの企画ポイントを解説/ BizHint
新入社員研修
社会人としての自覚を持ち、基礎となる能力を培う研修としては、入社後すぐの新入社員研修が大きな存在となるでしょう。一方、慣例的な新入社員研修を行っても、思ったような効果を得られない可能性があります。ゴールを見据えて、目的を明確にした上で計画を立てるようにできるとよいでしょう。
【関連】新入社員研修の目的とは?内容一例や企業事例、研修会社もご紹介/ BizHint
新人フォロー研修
新入社員の仕事に対するモチベーションを上げ、やる気を引き出すためには、計画的に新人フォロー研修を実施することが必要です。新人フォロー研修は、社内で人事部担当者等が講師になって実施するほか、外部の研修会社に研修を依頼することも有効です。
参考に新入社員を対象としたフォロー研修のカリキュラムの事例を紹介します。
研修内容の例1
新入社員が担当部署に配属されて仕事に慣れてきた秋のシーズンに、「振り返り」をテーマにしたフォロー研修を実施。振り返りは、仕事をしてきた中で「成功したこと・ほめられたこと」と「失敗したこと・怒られたこと」をまずは個人で付箋などに書き出してもらいます。
書き出した内容はグループ内でブレインストーミングを実施して共有します。最後にグループごとの共有内容をクラス全体で発表し合い意見交換を行って気づきを深めます。
研修内容の例2
社会人としての基本的なマナーやスキルを再確認します。一般的なビジネスマナーやスキルだけでなく、担当業務によって必要なマナーとスキルを確認するために、営業担当者、事務担当者等担当業務別にフォロー研修を実施していきます。
具体的には、身だしなみや、お辞儀の仕方、名刺の渡しかた、電話応対、接客スキルなど、担当業務に必要な基本的なマナーとスキルを再確認していきます。
研修内容の例3
担当業務の振り返りと、基本的マナーの再確認を踏まえ、新入社員自身の今後の目標を設定し、目標達成に向けた具体的な行動計画を立てさせます。目標は半年後や1年後の「理想の自分の姿」とします。
目標の設定にあたっては、初めに自分の強みと弱みを考えてもらいます。次に強みと弱みを考慮した「理想の自分の姿」を頭に描いてもらいます。最後に「理想の自分の姿」を実現するための具体的な行動計画を立てます。
個人の立てた「理想の自分の姿」を実現するための行動計画を何名かに発表してもらい、気づきとすり合わせを行います。
フォロー研修で立てた目標は、本人と研修担当者が保管し、半年後、1年後に連携をとり、継続したフォロー研修のデータとして活用していきます。
【関連】フォローアップ研修とは?目的・対象者やタイミング・実施内容例や研修会社までご紹介 / BizHint
OJT
OJTは日本企業においてよく活用されている人材育成手法です。業務を通じて新人の能力を伸ばすことができ、指導役の先輩社員にも成長機会を提供することができます。
しかし、現場任せになってしまい、うまくOJTが機能していない企業も散見されます。人事部と管理職、育成担当者が連携をとり、集合研修とOJTを効果的に組み合わせるなど工夫をするなどして、有効な人材育成プログラムとなるように設計できると良いでしょう。
【関連】OJTの意味とは?計画~実行までのフロー、失敗例まで徹底解説/ BizHint
まとめ
- 新入社員のモチベーションを上げることによって、早期退職を防ぎ、企業にとって必要な人材を育てることができる。また、組織の活性化にもつながる
- 新入社員の仕事の仕上がりや外見の変化は、やる気の度合いを見るためのサインのため、見逃さないように注意を
- 新入社員のモチベーションを上げるためには、信頼関係を作り、能力や成長に注目することが大切。やる気を損なう言葉使いには注意が必要。モチベーション・マネジメント、研修の充実なども重要
- プロ意識の醸成は、自分自身でモチベーションをコントロールできる人材育成につながる。インセンティブを出す、表彰制度を設けるなど、職種に応じた様々なやり方がある
人材育成の記事を読む
- アダプティブラーニング
- 社内研修
- コンピテンシー
- プロパー社員
- エンプロイアビリティ
- タイムマネジメント
- ストレスコーピング
- 自己効力感(セルフエフィカシー)
- オンボーディング
- Off-JT
- OJT
- 新入社員研修
- LMS(学習管理システム)
- eラーニング
- ジョブローテーション
- ナレッジワーカー
- 傾聴
- マイクロラーニング
- T型人材
- ブラザー・シスター制度
- ワールドカフェ
- グリット
- マネジメント研修
- 多能工化
- ストレッチ目標
- OJD
- ポジティブフィードバック
- サーバントリーダーシップ
- 新人教育
- レジリエンス
- OJTとは
- スペシャリスト
- 社員教育
- 人材アセスメント
- ジェネラリスト
- アグリゲーター
- 部下育成
- ロールモデル
- 経験学習
- コンセプチュアルスキル
- 次世代リーダー
- 社会人基礎力
- ケースメソッド
- 認知的徒弟制
- メンター制度
- 人材開発
- 評価者研修
- ラテラルシンキング
- グローバル人材
- コア人材
- マインドフルネス
- アサーション・トレーニング
- エフィカシー
- アクティブリスニング
- 中途採用 研修
- アクションラーニング
- フォローアップ研修
- 新入社員教育
- リカレント教育
- グローカル人材
- アイドルタイム
- 階層別研修
- 幹部候補
- マイスター制度
- ソーシャルラーニング
- 人間力
- インストラクショナルデザイン
- テクニカルスキル
- ヒューマンスキル
- セルフマネジメント
- サクセッションプラン
- インバスケット思考
- ビジネスコーチング
- 留職
- マネジャー育成
- 行動特性
- ホーソン効果
- ホーソン実験
- アンラーニング
- リフレクション