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2018年11月20日(火)更新

新入社員 モチベーション

企業にとって新しい人材である新入社員の教育は、新人研修が終われば一安心というわけではなく、会社の戦力として成長していくように継続して実施する必要があります。企業と従業員の関係が一方通行では、ミスマッチが生じる要因になります。新入社員が自分からやる気を起こす、モチベーションが上がる環境をつくることは、企業にとって必要な人材を育てるために非常に重要です。この記事では、新入社員の仕事に対するモチベーションを上げ、やる気を引き出す方法をご紹介します。

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目次[表示]

新入社員について

新入社員の早期離職が問題になっています。売り手市場が続き採用難が続く昨今、コストをかけてようやく獲得した人材が早々と離職してしまうことは、企業にとって大きな痛手であると言えます。

早期離職の原因は様々ですが、新入社員と企業の間に考え方のギャップが存在したり、企業の経営体質に問題があったりすることなどが挙げられます。

この項では、近年の新入社員の傾向や、早期離職しやすい会社の特徴について解説します。

平成29年度の新入社員のタイプは「キャラクター捕獲ゲーム型」

新入社員について毎年「○○型」というネーミングを付けて社会人としての総括的な思考や行動パターンを分析する傾向が続いています。個人の思考や行動パターンは決して同一ではありませんが、日本の教育制度で同学年という学生時代を過ごしてきた事実を踏まえ、ひとくくりの集団で考えると共通事項がないとはいえません。

公益財団法人 日本生産性本部が毎年発表する新入社員の特徴では、平成29年度の新入社員のタイプは「キャラクター捕獲ゲーム型」と表現されています。

平成29年度の新入社員の就職は、売り手市場であり、キャラクター(就職先)を捕獲(内定)するのは難しくはなかったようです。しかし、捕獲が難しいレアキャラ(優良企業)を捕獲(内定)するのは困難で、情報を集めながらスピーディーに行動しなければなりませんでした。

キャラクター捕獲ゲームは、一時期ほど話題に上がらなくなりました。人事部の教育担当者は、「キャラクター捕獲ゲーム型」と表現される新入社員が、集中して入社した企業でも飽きて早期離職してしまうことがないように、モチベーションを上げ、やる気を引き出す必要があります。

【参考】公益財団法人 日本生産性本部:平成29年度 新入社員のタイプは「キャラクター捕獲ゲーム型」

ここ数年の新卒新入社員の傾向~新入社員意識調査より~

ここ数年の新卒新入社員の傾向を考える時、注目したいのが日本の経済状況です。平成26年頃から企業業績は堅調に推移し、その業績を受けて企業は人材をもとめて採用枠を拡大しています。新卒採用、中途採用ともにここ数年は売り手市場となり、応募者が企業を選べる傾向が続いています。

公益財団法人 日本生産性本部が毎年行っている新入社員意識調査より、ここ数年の新入社員の回答の中で特徴的な回答を3点あげてみます。

社会人生活への不安

1点目は「これからの社会人生活は不安より期待の方が大きい」という質問に対して「そう思わない」と答える割合が増加している点です。2013年41.8%、2014年46.8%、2015年46.1%、そして2016年は過去最高の52.47%の新入社員がこれからの社会人生活が不安だと回答しています。

【出典】公益財団法人 日本生産性本部:プレスリリース 2016年度新入社員春の意識調査

自分の時間を重視

2点目は、「残業が少なく、平日でも自分の時間が持て、趣味などに時間が使える職場」を好む割合が、2013年62.9%、2014年67.1%、2015年67.2%、そして2016年は過去最高の74.7%と上昇している点です。このデータから自分の時間を大切にするライフスタイルを好むここ数年の新入社員の傾向が見えてきます。

【出典】公益財団法人 日本生産性本部:プレスリリース 2016年度新入社員春の意識調査

転職も想定したキャリア

3点目は、転職についての回答です。「あなたは転職についてどう考えますか?」という質問に対し、2016年の新入社員の回答は、「しないのにこしたことはない」が33.7%、「それなりの理由があれば、1~2度の転職はしかたない」が48.0%、「それなりの理由があれば、何度してもかまわない」が約12.4%、「いずれでもない・わからない」が5.9%となっており、転職はしかたない(かまわない)とする割合が約62%に上る点があげられます。

【出典】公益財団法人 日本生産性本部:プレスリリース 2016年度新入社員春の意識調査

ここ数年の新卒新入社員の傾向を総括すると、「これからの社会人生活に不安をもちながらも、自分の時間が持て、趣味などに時間が使える職場を求め、それなりの理由があれば、転職はしかたない(かまわない)」と考えているという人物像がイメージできます。

【参考】公益財団法人 日本生産性本部:新入社員意識調査・特徴とタイプ

新入社員が早期離職しやすい会社の特徴

新入社員の早期離職には、企業側に致命的な原因があるケースも多く見られます。では、新入社員が早期離職しやすい会社には、一体どのような特徴があるのでしょうか。

採用のミスマッチが起きている

新入社員が早期離職しやすい会社の特徴として、採用のミスマッチが発生していることが挙げられます。

具体的には、そもそも自社の企業文化にあわない人材を採用してしまうケースや、人事が人員を確保するために実態にそぐわない採用活動を行ってしまい、入社後に問題が生じてしまうケースなどが挙げられます。

このような場合、会社が本当に必要としている人材像を明確にし、適切なアプローチとコミュニケーションを重ね、双方納得の末入社してもらうよう、採用の仕組みを見直す必要があります。

【関連】採用失敗の原因とは?ミスマッチを防止し、採用に成功するためのポイント/ BizHint HR

人材育成の仕組みがない

人材育成の仕組みがないことも、早期離職しやすい会社の特徴として挙げられます。特に平均年齢が高い昭和気質の会社や中小企業に多く見られるケースです。

このような企業は、人材育成の仕組みが弱く、優先順位を必要以上に低く置いてしまいます。人材育成は現場任せのOJTとなり、新入社員は仕事の目的や意義を教わらないまま、先輩社員から「とにかく見て学べ」と言われるばかりに働くこととなります。結果として、新入社員が育ちづらく、自信ややる気を失い、離職につながってしまうことになります。

【関連】OJTの意味とは?計画~実行までのフロー、失敗例まで徹底解説/ BizHint HR

長時間労働が当たり前になっている

前述の通り、公益財団法人日本生産性本部の実施した「新入社員意識調査」によると、最近の新人は残業の少ない会社を好み、自分の時間を重視する傾向があります。

一方、長時間労働を是正する動きは一般化しつつありますが、まだまだ「新人は長時間労働が当たり前」という価値観を持つ企業も多く存在します。このような会社に入社した新人は、長時間労働に慣れた上司や既存社員が想像する以上に疲弊し、モチベーションが下がっていきます。結果として離職につながってしまうことになります。

【関連】長時間労働の原因とは?削減に向けた対策・厚生労働省の取組をご紹介/ BizHint HR

ネガティブな言葉使いが多い

最近の新入社員の一般的な特徴として、ネガティブな言葉の影響を受け、傷ついてしまいやすいと言われています。幼少期から叱責される経験が少ないため、自分に対してネガティブな言葉がかけられた際に、想像以上に傷つき、モチベーションが低下してしまうようです。

また、会社や職場に対してネガティブな態度をとる先輩社員や上司の姿を見て、大きな影響を受けるケースも見受けられます。新入社員がネガティブな会話や飲み会での愚痴を耳にすることは、上司や先輩社員が想像するよりも、遥かに新入社員のモチベーションを下げてしまうことになります。

モチベーションとは

モチベーションとは一般的に「動機」や「やる気」のことを指します。組織の中の職場で働く社会人としてのモチベーションとは、組織から任された業務の仕上がりの期待度をさらに上回る仕事をしていこうという意識になります。

【関連】モチベーションの意味とは?低下の要因や上げる方法、測定手法や企業施策までご紹介 / BizHint HR

新入社員のモチベーション

仕事に対するモチベーションを上げるという習慣は、プロ意識のある先輩社会人にとっては当然のことですが、多くの新入社員の意識はまだそこまで到達していません。

新入社員は、会社全般の内容や実際に自分が担当した業務内容について、まだまだ分からないことが多い状態です。業務をこなしながら、仕事をした後の満足度や、達成感を味わっていくことになります。

つまり、新入社員のモチベーションとは、すでに意識の中に出来上がっているものではなく、企業に入社して職場で働きながら形成されていく「動機」「やる気」を指すことになります。

新入社員のモチベーションが、入社数年後の先輩社員とは異なる事を意識することは、人事担当者や研修担当者だけではなく、実際に新入社員が配属された職場の上司にも大切です。「新入社員はなんで自分たちが当然のように感じている仕事に対するモチベーションがないのだろうか?」と悩む必要はありません。また、新入社員に「なんで君は仕事に対するやる気がないんだ」と問い詰めることもナンセンスです。

【関連】仕事のモチベーションを上げるために、人事としてできることは? / BizHint HR

新入社員のモチベーションが下がる原因とは

新入社員の思考の傾向は、新入社員自身の傾向ではありますが、変化してきた日本における企業と従業員の関係性も大きな要因になっています。

日本の正社員雇用の大きな特徴に終身雇用がありました。終身雇用とは企業に入りさえすれば、特に大きな問題を起こさない限り定年まで雇用される慣行でした。そのため、自分の人生の大きな時間と収入を保証してくれる企業に対して、モチベーションとやる気で答えるのは、違和感なく自然に実行できることだったのです。

しかし、この終身雇用の神話は今や崩れ去り、モチベーションを高めるためには、自分自身の成長(スキルアップ)や仕事に対する満足度といった理由を意識的に企業や職場の中で見つけていかなければなりません。

まずは、新入社員のモチベーションが下がってしまう要因から理解していきましょう。

【関連】終身雇用の意味とは?歴史とメリット・デメリットを解説/ BizHint HR

リアリティショック、 会社や仕事への理解不足によるアンマッチ・ミスマッチなど

新入社員のモチベーションが下がってしまう理由に、リアリティショック、 会社や仕事への理解不足によるアンマッチ・ミスマッチがあります。

リアリティショックとは、新入社員が企業に入る前に描いていた職場や仕事に対する理想や期待と、実際に企業に入社して体感する現実(リアリティ)とのギャップから受ける衝撃(ショック)のことを指します。会社や仕事への理解不足によるアンマッチとは、新入社員がそもそも入社すべきではなかった会社に入社してしまったケースを指します。ミスマッチとは、企業と新入社員の意識のずれを指します。

リアリティショックや、会社や仕事への理解不足によるアンマッチ・ミスマッチなどが新入社員の意識の中に起こってしまうと、モチベーションは下がってしまうばかりでなく、場合によっては早期離職の要因になります。

【関連】リアリティー・ショックとは?原因と対策も併せてご紹介 / BizHint HR
【関連】ミスマッチの意味とは?アンマッチとの違いや原因、対策をご紹介/BizHint HR

成長を感じられない・成果がでない

人は自分自身の成長(スキルアップ)を実感できた時、モチベーションが高まります。それが企業に入ったばかりの新入社員であれば尚更です。もし配属された職場での業務が自分自身の成長(スキルアップ)につながらないと感じたときには、新入社員のモチベーションは下がってしまうことでしょう。

同様に、配属後の仕事で思うように成果が出ない場合も、新入社員のモチベーションは下がります。晩成型の人材には特に注意が必要です。同部署や他部署で活躍する同期と比べ、自信ややる気が下がってしまうケースが見受けられます。

先輩や上司との人間関係・コミュニケーション

終身雇用を描くことが難しい企業と従業員の関係性の中で、新入社員が仕事に対するモチベーションを上げ、やる気を引き出す方法を自分だけの力で探し出すのは容易ではありません。

そんな環境の中で先輩や上司との人間関係・コミュニケーションをうまく取れなかった場合、新入社員のモチベーションは下がってしまいます。

【関連】社内コミュニケーション活性化の方法と事例をご紹介! / BizHint HR

「女性の働きやすさ」の問題

女性社員にとって「働きやすさ」は仕事へのモチベーション、特に出世意欲や管理職志向に大きな影響を与えると考えられています。

新入社員時点では、出世や昇進意欲を持っている女性社員も多くいます。しかし一方で、1年目から2年目にかけて、女性社員の管理職志向が男性と比較して顕著に低下します。2017年5月に独立行政法人国立女性教育会館が発表した「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査」の結果によると、2年目に管理職志向を失う女性が2割ほど存在することがわかりました(男性は1割)。

毎日新聞が行ったアンケート調査によると、管理職志向を失う原因としては、「身近な女性管理職の働きぶりを見てワークライフバランスを実現する難しさを感じ取ったこと」が挙げられました。女性管理職が仕事と家庭の両立に苦労する様子を見て、「自分はそこまでして管理職を目指さなくても良い」と心情が変化する女性が多いようです。

【参考】独立行政法人国立女性教育会館「男女の初期キャリア形成と活躍推進に関する調査」結果
【参考】毎日新聞:女性社員:なぜ「入社2年目」で管理職志向を失うのか

やる気を感じられない新入社員の特徴

新入社員が会社の業務に「やる気」を持っているのか、持っていないのかを判断するのは上司にとって必要なスキルになります。なぜならば自己表現の方法に個人差があるためです。

やる気があって堅実な業務を継続していても、クールで自己表現が苦手な新入社員は、上司の目には「やる気」がなく映ってしまうかもしれません。そんな人材に「もっとやる気をだせ」というアドバイスをしてしまうと、新入社員はギャップを感じてモチベーションを下げてしまうでしょう。

一方で、内心では「やる気」がなくても、コミュニケーションに長けていて自己表現が得意な新入社員は、上司の目にはやる気があるように見えているかもしれません。つまり、個人の性格を考慮して個別にみていく必要があります。また、同じ新入社員でも時間の経過や何かをきっかけとしてやる気を失ってしまう事もありますので注意が必要です。

上司が新入社員のやる気を判断するには、やる気を感じられない新入社員の具体的な特徴を指標に個々の性格を考慮して冷静に判断するのが良い方法です。

同様のミスを繰り返す

新入社員に限らず、業務ではミスが発生することがあります。ミスの原因が個人の人為的なミスで、新入社員が同様のミスを繰り返す場合は「やる気」がないと判断して良いケースです。ミスの内容をマニュアルなどで確認し、不明点はメモを取らせるように指導して、次回から同様のミスを起こさないように指導しましょう。

同時に新入社員との面談の中で、やる気を持てない理由をリサーチしていくように心掛けます。業務内容への不満や人間関係の悩みなどが原因で新入社員がやる気をなくしているケースも考えられます。

表情がとぼしくなる、姿勢が悪くなる、身だしなみが変化する

外見上で、新入社員に変化が見られたらモチベーションが下がって「やる気」を失っていると判断できます。表情や姿勢、身だしなみは内面の気持ちをあらわす無意識のサインです。

新入社員が言葉では表すことのできないヘルプサインを外に向けて発信していることになりますので、先輩や上司はサインを感じとりフォローする必要があります。

新入社員のモチベーションを上げることのメリット

新入社員のモチベーションを上げることのメリットは、以下の4点が考えられます。

「早期離職」を防ぐ

新入社員のモチベーションを上げることは、新入社員の早期離職を防ぐことにつながります。企業が良質の人材を継承していくためには、新入社員が早期離職することなく、先輩従業員となって、次の新人の育成モデルとして継続していくことが組織運営として望ましい姿です。

新入社員の早期離職は、業務遂行のために必要な人員の喪失による人手不足を招くほか、採用から新人教育までにかけてきたリソースやコスト面で考えても企業にとって大きな損失となります。

【関連】若者の早期離職の理由と対策・防止策をご紹介 / BizHint HR

企業にとって必要な「人材」を育てられる

企業の成長と継続に不可欠なのが良質な人材です。企業からは定年退職や、自己都合退職により常にリソースが減っていきます。順調に業務を遂行するためには適正なリソースが必要ですので、採用と育成は最重要課題です。

新入社員がモチベーションを上げてやる気を出すことで、早期退職することなく中堅社員へと成長し、企業にとって必要な人材へと育っていくことになります。新入社員が、モチベーションを上げることを企業が適切にサポートすることで、入社後のミスマッチを克服させ、職場での先輩や上司と良質なコミュニケーションをとりながら成長を感じさせることができます。

新入社員が成長を感じられないことでモチベーションを下げてしまう事は、企業が防がなければならないことのひとつです。なぜならば、自分自身の成長(スキルアップ)をモチベーションにしている新入社員は、プロ意識のある企業にとって必要な人材に成長していく可能性が高いからです。

【関連】人材育成とは?目的と実施方法について / BizHint HR

今までにないアイデアや変革が生まれる

新入社員のモチベーションを上げることで、今までにないアイデアを提案される可能性があります。また、新入社員が企業に求めるスタイルは、これからの企業と従業員の関係のベースとなります。現在の日本企業の課題であるワークライフバランスの方向性と新入社員の意識はリンクしているため大きな推進の原動力になるでしょう。

また、人事部スタッフが、会社のイベントやプロジェクトに新入社員を参加させ意見をヒアリングすることで、新しいアイデアを獲得できると同時に、新入社員のモチベーションアップにつながります。

企業が活性化される

新入社員のモチベーションを上げることで、その模範となる先輩や上司のモチベーションも上がります。新入社員のフレッシュな姿は、企業全体を活性化する効果があります。

特に、新入社員の育成を担当する若手社員にとっては、彼ら自身も大きく成長する良い機会となります。新人の指導を行うことは、育成を担当する若手社員にとって、当たり前になりつつあった仕事の意味や効率的な進め方を再度考え直す良い機会となります。

また、指導役の先輩社員には、新人に良い所を見せ、模範であろうとする心理が働きます。そのため、指導を行う社員の仕事への態度も良くなり、個人の能力や業績も向上にもつながっていきます。

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新入社員のモチベーションを上げるためには

ここ数年の新卒新入社員の傾向は、「これからの社会人生活に不安をもちながらも、自分の時間が持て、趣味などに時間が使える職場を求め、それなりの理由があれば、転職はしかたない(かまわない)」という意識をベースにしています。

「これからの社会人生活に不安を持っている」新入社員には、企業として人を育てるという姿勢が大切です。新人教育は人事担当者が行うフォロー研修にとどまらず、新入社員にかかわるすべての先輩社員の目で実行していく必要があります。

特に実務上の職場での先輩や上司との人間関係・コミュニケーションを良好に保つことはモチベーションアップに大きく役立ちます。

意識の見直し

従業員との関係は仕事のみという意識の見直しが企業には必要です。「自分の時間が持て、趣味などに時間が使える職場を求める」傾向が新入社員にはあります。

仕事オンリーではなく、ワークライフバランスのとれた職場環境づくりを経営者主体で推進していくことは、新入社員の求めている職場をつくることにもつながり新入社員のモチベーションを上げていくことになります。

ワークライフバランスとは、内閣府が推進する日本の国全体で取り組んでいる課題でもあります。新入社員が企業に求めている職場は現在から将来に向けて企業と従業員の関係に不可欠な環境になります。

【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?企業の取り組み事例と実現のポイント / BizHint HR

信頼関係を作る

新入社員のモチベーションを上げるためには、信頼関係を作ることが大切です。信頼関係を作るように心掛けることは新入社員のやる気を起こさせるために必要です。新人のフォロー研修を行う人事担当者は信頼関係を作るためのスキルを学んで、実務上の職場での先輩や上司にも伝播しておくことが望ましいかたちです。

新入社員との信頼関係とは単に仲良くするという事ではありません。信頼関係とは「業務上での立場を守りながら、新入社員と先輩や上司が、良好なコミュニケーションがとれ、自由にお互いの意見を交わせる関係」です。

信頼関係を作るために心掛ける基本的な姿勢は、オープンマインド、共感、興味をもつという3点がポイントになります。

オープンマインド

会社がどのような方針ですすんでいるのか、新入社員が所属している部署では何を目標にどんな業務をすすめているのか、自分は新入社員と信頼関係を結びたいと思っているということなどを隠すことなくオープンな気持ちで接し、発信していくことです。

共感

先輩や上司が新入社員から、報告、連絡、相談、質問などを受けた時に心掛ける姿勢です。話の聞き手側になった時には、まず話を聞くことが大切です。新入社員の話すスピードを意識して、スピードに合わせてうなずくことで新入社員は話しやすくなります。声をだして「なるほど」「そうだね」「わかります」「そう思います」と相槌を打つことで共感していることを話し相手に伝えることができます。

興味をもつ

先輩や上司、同僚など新入社員と関わるまわりの人たちが、新入社員に興味を持つように心掛けることです。新入社員は、すでに出来上がっている職場のコミュニケーションの中に新しく入っていくわけですから、強いプレッシャーを感じています。興味がないと感じさせる無関心な対応は新入社員の気持ちを深く傷つけてしまいます。

会社ぐるみで、新入社員に興味をもつ環境や習慣を作り出すことも大切です。社内報や部門ニュースで、新入社員の人柄や趣味を公開するのも一つの方法です。人事部の新人教育担当者は、新入社員と先輩や上司が、良好なコミュニケーションがとれるような企画や提案を提供するのもいいアイデアです。

必要な言葉をかけることで、やる気を引き出す

実務上の職場での先輩や上司との人間関係・コミュニケーションをとる方法は会話から生まれます。社会人としても新人で、配属された職場では新参者の新入社員側から先輩や上司に話しかけていくケースは少ないことが予測されます。

新入社員のやる気を引き出すためには、職場の先輩や上司の方から積極的に言葉をかけることが必要です。言葉をかける時には、「やる気を引き出す言葉」を使うことがポイントです。「やる気を奪う言葉」は使わないように気を付けます。

言葉をかけるタイミング

やる気を引き出すために必要な言葉をかけるタイミングとしては、新入社員に仕事を依頼するときと、新入社員から仕事完了の報告を受けたときが有効です。

新入社員に仕事を依頼するときには、なぜこの業務を新入社員に依頼するのか、新入社員の能力を認めている意味を込めた言葉を含めて言葉をかけます。誉め言葉を継続してかけられることで、人は自分自身に力があるのではないかと思い込むようになります。

心理学では「自己成就予言」と呼ばれるこの効果は、自信を失いがちな新入社員のモチベーションを上げて、やる気を引き出す方法として有効です。

新入社員から仕事完了の報告を受けたときには、業務内容の仕上がりを褒め言葉と次回も期待している言葉を伝えます。そうすることで、新入社員は先輩や上司の期待に応えようというやる気を出してモチベーションを上げていきます。他者からの期待に応えようとすることを心理学では「ピグマリオン効果」と呼んでいます。

【関連】ピグマリオン効果とは?意味と例をわかりやすくご紹介 / BizHint HR

やる気を引き出す言葉の例

新入社員に仕事を依頼するときには、依頼の理由と誉め言葉を入れます。

  • 「この仕事は○○さんにしかできない仕事だ」
  • 「○○さんの頑張りはいつも見ているよ。そこで今回は○○さんにプロジェクトをお願いしたいんだ。」

新入社員から仕事完了の報告を受けたときには、褒め言葉と次回期待の言葉を伝えます。

  • 「素晴らしい仕上がりだね。次も○○さんにお願いするよ。期待しているよ。」
  • 「私が期待していた以上の仕事だね。ありがとう。次回もお願いしていいかな。」

やる気を奪う言葉使いに気を付ける

新入社員のモチベーションをあげるためには、職場での先輩や上司が新入社員と信頼関係を作れるように心掛けなければなりません。信頼関係を作るためには、新入社員の言葉に「共感」し、新入社員の言葉に「興味をもつ」ことが必要です。

新入社員と関わる先輩や上司は、自分自身の日々の仕事も多忙ですが、新入社員との会話に中で「共感」や「興味をもつ」ことを失念してはいけません。共感のない否定の言葉や、興味がないことを伝える言葉は、新入社員の信頼を失わせやる気を奪ってしまいます。

やる気を奪う言葉の例

新入社員のやる気を奪う言葉には、以下のような例が挙げられます。

共感のない否定の言葉

  • 「そんなの常識だろ」
  • 「それは意味がない」
  • 「それは関係ない」
  • 「前も言ったよね」

興味がないことを伝える言葉

  • 「それは私には関係ない」
  • 「この仕事向いてないんじゃない」
  • 「忙しい時に話しかけるな」
  • 「もういい」

このような言葉使いが日常的に行われていないか、職場を見直すようにしましょう。

「驚き行動」にどう対応するか

とはいえ、社会人としての常識やマナーを逸脱し、頭ごなしに叱りたくなるような「驚き行動」をとる新人が存在することも事実です。

株式会社ディーアンドエムの調査によると、新入社員に見られた驚き行動としては、以下のような項目が挙げられました。

  • 1位 言葉使い
  • 2位 挨拶をしない
  • 3位 無断欠勤・遅刻
  • 4位 呆れる・理解出来ない言い訳が多い
  • 5位 謎な行動が多い
  • 6位 電話などではなく、LINEなどで連絡を済ます
  • 7位 居眠り
  • 8位 会社の備品を私物化する

【出典】勝手にランキング:新入社員の驚き行動!! 1位は言葉使い。2位は……

このような驚き行動には、どのように対応したらよいのでしょうか。

基本的には忍耐強く注意することが必要です。しかし、言葉を厳しくしすぎると必要以上に傷ついてしまい、モチベーションの低下や離職につながってしまう可能性もあります。「辞めたらそれまで」と割り切る方法もあるかもしれませんが、採用難の昨今、人手不足が解消されず自分自身の首が締まってしまうことにもつながりかねません。いつの時代でもジェネレーションギャップは存在します。可能な限り広い心で接することが理想であると言えるでしょう。

また、指導ではなく、本人が自分自身で、自分の行動が問題であると気づけるように促すことも重要です。例えば遅刻をしてきた新人に対し「遅刻をするな」と頭ごなしに叱るのではなく、「遅刻をすることでどんな不利益があると思うか?」などと問いかけ、自分で考えさせると良いでしょう。新入社員のモチベーションを下げず、問題行動を減らすことができるかもしれません。

成果より能力や姿勢を重視する

同期と比べて成果を出せず、モチベーションが下がってしまう新入社員に対しては、成果より能力や姿勢を評価するようにしましょう。

「晩成型の人材である」と認識した上で、すぐに成果を出すことよりも、社会人としての基礎的な能力や仕事へ取り組む姿勢の習得に注力し、伸びた能力や仕事への姿勢について褒めるようにすると良いでしょう。

女性にも働きやすい職場をつくる

仕事と家庭の両立に苦しみ、キャリアアップを諦めてしまう女性社員も多く存在します。女性にも働きやすい職場をつくり、女性管理職や専門職など、様々なロールモデルを創出できると良いでしょう。女性社員のモチベーション向上や、採用力の強化にも大きく寄与するでしょう。

【関連】女性の活躍を推進するには?「女性活躍推進法」の概要や企業事例もご紹介/ BizHint HR

待遇を改善する

待遇の改善はモチベーションの向上に大きく寄与します。企業や地域のブランディング事業を展開する、むすび株式会社の実施した「新人社員の会社に対する愛着度調査」によると、新入社員からの不満として、「給与の低さ」「労働時間の長さ」に多く票が集まりました。日本企業において、生産性向上による待遇改善は今後更に必要となるでしょう。

【関連】日本経済の課題「生産性向上」の意味や改善方法、取り組み事例をご紹介/ BizHint HR

「プロ意識」をもってもらう

新入社員のモチベーションを上げるためには、「プロ意識」をもってもらうことが大切です。ここでいう「プロ意識」とは、プロスポーツ選手や芸能人、職人が持っている職業意識のことを指します。プロ意識には以下のような3つの特徴があります。

  1. 常に仕事のスキルを高めることを意識して行動している
  2. 指示を受けて行動するのではなく自ら仕事の成果が上がるように行動する
  3. 成果を出すことが仕事であり、成果が収入となる

プロ意識の3つの特徴を新入社員が持てば、自らモチベーションを上げるように努力するはずです。

新入社員にプロ意識を持つように伝える場合、企業は、プロ意識をもって行動し、結果を出した場合の青写真を示すと効果的です。例えば、営業職の場合、目標達成に対するインセンティブを出す。事務職の場合、昇給・昇格、インセンティブ、表彰などを行うなど、具体的に目に見えるかたちにしていくのも一つの方法です。

ただ単に、新入社員にプロ意識を持ちなさいと伝えてもそれは一方通行であり、プロ意識をベースにした企業と従業員の関係とはいえません。

モチベーション・マネジメントについて

新人育成における「モチベーション・マネジメント」とは、企業が生産性や成果を高めることを目的として行うもので、新入社員がモチベーションを高めるように動機付けを行い、やる気を持って業務を行うように管理することです。

モチベーション・マネジメントには大きく分けて2つの方法があります。

  1. 会社全体の取り組みとして人事制度、福利厚生、職場環境などをより良くすることで、新入社員がモチベーションを高めるようにしていく方法
  2. 実務上の職場での先輩や上司との人間関係・コミュニケーションを良好にすることで、新入社員がモチベーションを高めるようにしていく方法

メリット

モチベーション・マネジメントを実施することのメリットは、会社全体の取り組みとして人事制度、福利厚生、職場環境を改善し、新入社員個々への取り組みとして実務上の職場での先輩や上司との人間関係・コミュニケーションを良好にすることで、新入社員のモチベーションが上がる可能性が高まることです。

デメリット

個々へのモチベーション・マネジメントは、実務上の職場での先輩や上司が実践していくことになります。この場合、対応する先輩や管理職個々の対応にばらつきが生じるリスクがあります。新入社員への対応のばらつきは、モチベーションを下げてしまう可能性があります。個々へのモチベーション・マネジメントの実践にはスキルが必要であり、先輩や管理職にコミュニケーションスキルのすり合わせを行わなければなりません。

デメリットの解決策としては、管理職研修などを行い、新入社員とのコミュニケーションポイントや、モチベーション理論等を学んで対応の標準化を図ることが有効です。

【参考】日本総研:モチベーション・マネジメント再考

【関連】モチベーションマネジメントとは? / BizHint HR
【関連】モチベーション理論とは?やる気を高めるための理論を徹底解説 / BizHint HR

充実した研修による人材育成とフォロー

新入社員の育成は、現場任せの放任主義ではなく、理論的・計画的に実行していくことが望ましい姿です。

入社3か月、新入社員の8割が「能力・スキル不足」を体感している、といった調査結果もあります。それに伴い自信を喪失し、モチベーションが下がってしまう新人も多く見受けられます。充実した新人研修を実施し、人材育成やフォローをしっかり行うことが重要です。

ここでは、新入社員に行うべき研修について紹介していきます。

【参考】キャリコネニュース:入社3か月、新入社員の8割が「能力・スキル不足」を体感 社会の厳しさが「若者のバリキャリ離れ」を促進か

内定者研修

新入社員に対するアプローチは、入社前から始まっています。

内定者研修は内定辞退を防ぐ文脈で活用されることが多いですが、社会人としての基礎的な能力やマインドセットを習得し、会社への理解を深め、モチベーションを高める手段としても有効です。

人事としては、入社後に必要なフォロー策を考える為に、面接では見えづらかった新入社員の性格や特性を把握する手段としても活用できます。

【関連】内定者研修における内容・時期などの企画ポイントを解説/ BizHint HR

新入社員研修

社会人としての自覚を持ち、基礎となる能力を培う研修としては、入社後すぐの新入社員研修が大きな存在となるでしょう。一方、慣例的な新入社員研修を行っても、思ったような効果を得られない可能性があります。ゴールを見据えて、目的を明確にした上で計画を立てるようにできるとよいでしょう。

【関連】新入社員研修の目的とは?内容一例や企業事例、研修会社もご紹介/ BizHint HR

新人フォロー研修

新入社員の仕事に対するモチベーションを上げ、やる気を引き出すためには、計画的に新人フォロー研修を実施することが必要です。新人フォロー研修は、社内で人事部担当者等が講師になって実施するほか、外部の研修会社に研修を依頼することも有効です。

参考に新入社員を対象としたフォロー研修のカリキュラムの事例を紹介します。

研修内容の例1

新入社員が担当部署に配属されて仕事に慣れてきた秋のシーズンに、「振り返り」をテーマにしたフォロー研修を実施。振り返りは、仕事をしてきた中で「成功したこと・ほめられたこと」と「失敗したこと・怒られたこと」をまずは個人で付箋などに書き出してもらいます。書き出した内容はグループ内でブレインストーミングを実施して共有します。最後にグループごとの共有内容をクラス全体で発表し合い意見交換を行って気づきを深めます。

研修内容の例2

社会人としての基本的なマナーやスキルを再確認します。一般的なビジネスマナーやスキルだけでなく、担当業務によって必要なマナーとスキルを確認するために、営業担当者、事務担当者等担当業務別にフォロー研修を実施していきます。具体的には、身だしなみや、お辞儀の仕方、名刺の渡しかた、電話応対、接客スキルなど、担当業務に必要な基本的なマナーとスキルを再確認していきます。

研修内容の例3

担当業務の振り返りと、基本的マナーの再確認を踏まえ、新入社員自身の今後の目標を設定し、目標達成に向けた具体的な行動計画を立てさせます。目標は半年後や1年後の「理想の自分の姿」とします。目標の設定にあたっては、初めに自分の強みと弱みを考えてもらいます。次に強みと弱みを考慮した「理想の自分の姿」を頭に描いてもらいます。最後に「理想の自分の姿」を実現するための具体的な行動計画を立てます。

個人の立てた「理想の自分の姿」を実現するための行動計画を何名かに発表してもらい、気づきとすり合わせを行います。フォロー研修で立てた目標は、本人と研修担当者が保管し、半年後、1年後に連携をとり、継続したフォロー研修のデータとして活用していきます。

【関連】フォローアップ研修とは?目的・対象者やタイミング・実施内容例や研修会社までご紹介 / BizHint HR

OJT

OJTは日本企業においてよく活用されている人材育成手法です。業務を通じて新人の能力を伸ばすことができ、指導役の先輩社員にも成長機会を提供することができます。

しかし、現場任せになってしまい、うまくOJTが機能していない企業も散見されます。人事部と管理職、育成担当者が連携をとり、集合研修とOJTを効果的に組み合わせるなど工夫をするなどして、有効な人材育成プログラムとなるように設計できると良いでしょう。

【関連】OJTの意味とは?計画~実行までのフロー、失敗例まで徹底解説/ BizHint HR

まとめ

  • 新入社員のモチベーションを上げることによって、早期退職を防ぎ、企業にとって必要な人材を育てることができる。また、組織の活性化にもつながる
  • 新入社員の仕事の仕上がりや外見の変化は、やる気の度合いを見るためのサインのため、見逃さないように注意を
  • 新入社員のモチベーションを上げるためには、信頼関係を作り、能力や成長に注目することが大切。やる気を損なう言葉使いには注意が必要。女性にも働きやすい職場づくりや待遇の改善にも取り組めると良い。モチベーション・マネジメント、研修の充実なども重要 -プロ意識の醸成は、自分自身でモチベーションをコントロールできる人材育成につながる。インセンティブを出す、表彰制度を設けるなど、職種に応じた様々なやり方がある

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