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2019年4月9日(火)更新

ナレッジワーカー

ナレッジワーカーは、専門的な知識によって企業や社会に付加価値のある知的生産物を生み出していく労働者を表します。経済のグローバル化が加速する現代において、ナレッジワーカーは企業にとって必要不可欠な知識資産と言えるのではないでしょうか。そこで今回は、企業価値を高めるナレッジワーカーについて徹底解説しながらご紹介します。

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ナレッジワーカーの意味とは

ナレッジワーカーは、マネジメントの生みの親として知られる経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)が提唱した用語として世界的に広まりました。ナレッジ(知識)とワーカー(労働者)を組み合わせた造語であり、「知識労働者」とも呼ばれています。ドラッカーは、1969年に発刊した著書「断絶の時代」のなかで、知識経済を根本から支える高度な専門知識をもつ労働者として位置付けているのです。

ナレッジワーカーの特徴は、労働力に見合った報酬よりも社会的な影響や貢献度などの評価を重要視するとドラッカーは指摘しています。40年以上も前にドラッカーが予見した通り、量より質の高さが求められる現代の知識経済において、ナレッジワーカーは企業にとって欠かせない存在となりつつあるのではないでしょうか。

【参考文献】ダイヤモンド社「断絶の時代」ピーター・F・ドラッカー:著 上田惇生:訳

ナレッジワーカーを有効的に活用する方法として、ナレッジマネジメントが注目されています。ナレッジマネジメントとは、ナレッジワーカーのナレッジ(知識)を企業全体で共有して経営に活かす手法のことです。企業の経営者や人事担当者を対象とするポータルサイト「日本の人事部」では、ナレッジを構成する要素として以下のように定義付けています。

【出典】日本の人事部:人事マネジメント「解体新書」 第十一回 「ナレッジマネジメント」活用で強い組織を作る

ナレッジマネジメントは、データから得た情報を知識や知恵によって組織的な手法を用いて経営戦略に活かす効果的な方法なのです。ナレッジワーカーの登用と育成を進めながら組織化していくことが、今後の人事マネジメントの課題と言えるでしょう。

【参考】日本の人事部

ナレッジワーカーの反対語「マニュアルワーカー」とは

ナレッジワーカーの反対語として定義される「マニュアルワーカー」とは、その名の通り決められたマニュアルに沿った仕事を行う労働者を表す言葉です。一般的に、高度成長期を根底から支えてきた製造業に従事する「ブルーカラー」と呼ばれてきた労働者が含まれます。マニュアルワーカーは、マニュアル通りの仕事をこなし、労働力によって生産性と作業の効率性を高めることが重要視されます。

労働時間や労働人数の多さで生産性が向上していた高度成長期には、階層レベルに合わせた画一的なマニュアルによる人材育成が積極的に行われてきました。しかし、目覚ましい技術の進化によって、生産性向上に繋がっていた時代は過去のものとなり、マニュアルワーカーの仕事のほとんどは最先端の機械や管理システムに取って変わりつつあります。

また、ブルーカラーに定義づけられる肉体労働者のみならず、「ホワイトカラー」と呼ばれる事務系の労働者も、ある意味では「マニュアルワーカー」と言えます。終身雇用制が特徴の日本型雇用システムでは、個人の能力より企業の一員としての資質が何よりも重要視されてきた背景があるからです。多くの日本企業において終身雇用制の崩壊が進む中、マニュアルワーカーからナレッジワーカーへのシフトが急速に求められています。

ナレッジワーカーとマニュアルワーカーの違い

ナレッジワーカーとマニュアルワーカーの違いは、その働き方と意識にあります。ここでは、マニュアルマーカーとナレッジワーカーの特徴を比較しながら違いについてご紹介します。

ナレッジワーカーの特徴

ナレッジワーカーは、高度な専門知識を活かして自ら考え行動していく姿勢が特徴です。豊富な知識はもちろん、知恵を働かせて企業にとっての知的資本を新しく生み出すことを追求します。会社ではなく、専門領域に対して帰属意識が強い上、他の分野にも広く関心をもつことを惜しみません。また、研究心が旺盛であり自分の知的創造力や専門知識、知恵を高めながら、仕事の目的や価値観、達成感を重視する特徴があげられます。

マニュアルワーカーの特徴

マニュアルワーカーは、企業の規則に沿って与えられた業務を効率的にこなすことが求められてきました。仕事に対する評価は、労働時間や仕事量によって画一的に判断され、決められた会社の規則を守ることが何よりも厳守される働き方が特徴です。したがって、求められる以上の仕事をする必要がなく、指示通りに動く受動的な働き方となります。さらには、企業に対する帰属意識が高く、現場主義に基づいた専門分野のみに集中する傾向がみられます。

それぞれの特徴を比較すると、働き方を含めて大きな違いがあることがわかります。企業にとってマニュアルワーカーはいつでも補充できる「人手」である一方、ナレッジワーカーは貴重な「資源」と言っても過言ではありません。

ナレッジワーカーが注目され始めた背景

ITの急速な進化とともに、国の枠を超えた企業間の競争力が激化しています。日本企業は、グローバル化に対応するために、コスト削減を含めた事業の効率化が求められる時代が到来しているのです。

企業独自のナレッジを創造する必要性

高度成長期の経営資源として、「ヒト」「モノ」「カネ」の3つがあげられます。これらの主となる経営資源を量的に集約し生産することで、事業を発展させ拡大してきた背景があります。しかし、ITの活用とともに多様化する現代の経済社会では、競合他社が真似のできない企業独自のナレッジ(知識)の創造が必要不可欠です。つまり、量ではなく質をビジネスに活かす手法が組織力を高めるために効果的と言えます。

 ナレッジを組織的に共有するIT技術の進化

IT技術の進化は、グローバル化による競争社会を拡大する一方で、企業内での業務を効率化するツールとして活用されています。ナレッジワーカーのナレッジをデータベース化し、保存されたファイルを組織内で共有することが可能となりました。ナレッジワーカーとの関係性が高いナレッジマネジメントが注目される背景になったのではないでしょうか。

ナレッジワーカーになるための条件

ナレッジワーカーになるためは、暗黙知を深化させ形式知に変換するナレッジを合わせもつことが必須条件とされます。暗黙知とは、個人がもつひらめきやアイディア、独自のノウハウや高度なスキルなどの目には見えない知識のことです。個人の能力や経験によって深化の度合いには違いがあります。形式知とは、文章や表、図など誰でも認識できる形で表現する知識を指します。暗黙知は個人独自の知識ですが、形式知は組織的に活用できる知識と言えます。

ナレッジワーカーは、常に問題意識をもち、知識に対する感度を研ぎ澄ませることが必要です。そのためには、自由な発想力と仕事に向かう情熱が欠かせません。さらには、リスクを恐れないチャレンジ精神もナレッジワーカーとして必須の資質と言えます。そして最も大切なのは、他人の意見に振り回されず、自分自身で深く考える思考能力を身につけることです。

個人がもつ普遍的な暗黙知を引き出せる環境を整え、形式知として創造することが、企業にとって競争社会を勝ち抜くために必要な課題なのではないでしょうか。

【参考】ナレッジマネジメント-その背景と仕掛け-

まとめ

  • ナレッジワーカーは知識社会を根本から支える役割を担う存在である
  • マニュアルワーカーからナレッジワーカーへのシフトが急がれる
  • 競合他社との差別化のために企業独自の知識創造が求められる
  • ナレッジワーカーは、暗黙知の深化と形式知への変換が必須となる

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