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連載:第24回 中竹竜二さんが聞く【新しい組織・リーダー論】

ミスを「恥」と考える日本人 あなたは「自分の失敗」をネタにスタッフを指導できますか?

BizHint 編集部 2020年1月15日(水)掲載
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2019年2月「ワールド・レストラン・アワーズ2019」の「今年の新店」部門にて世界一を獲得した「INUA」。チーフシェフのトーマス・フレベルさんはドラマ『グランメゾン東京』の料理監修を務めたことでも知られます。後編では、多様なバックグラウンドを持つスタッフたちを育てている注目のチーフシェフにリーダーやコーチの育て方を聞きました。日本のリーダーはミスを「恥」と考えているので、ミスを言わないし認めない。そんな考えをどう解きほぐしていけばよいのでしょうか。

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INUA(イヌア)

チーフシェフ トーマス・フレベルさん

1983年生まれ、36歳。ドイツ・マクデブルク出身。イギリスの雑誌『Restaurant』が選ぶ「The World’s 50 Best Restaurants」(世界のベストレストラン50)で4度世界第一位を獲得した伝説的レストラン、デンマーク・コペンハーゲンの「noma(ノーマ)」へ2009年に入店し、研究開発のトップとして活躍。東京、シドニー、メキシコでのポップアップ店舗でも腕をふるい、エグゼクティブシェフ レネ・レゼピ氏の右腕としてnomaをリード。2018年6月に開業したレストランINUAのヘッドシェフに就任。2019年2月「ワールド・レストラン・アワーズ2019」〈今年の新店〉部門にてINUAとして世界一を獲得。2019年10月20日より放送されたTBS日曜劇場『グランメゾン東京』の料理監修を務める。11月発表の『ミシュランガイド東京2020』に掲載され二つ星の評価を得ている。


前編のまとめ

  • 「世界のベストレストラン50」で4度世界第一位を獲得した伝説的レストラン、デンマーク・コペンハーゲンの「noma」。この有名レストラン出身のシェフがヘッドを務める東京のレストランには、ここで働きたいという料理人たちが世界中から集まってきている。
  • お客様のみならず、働くスタッフも大事にしている職場環境では、週4日勤務体制を実現。
  • 週4日の勤務体制ができたのは分業ではなく、メンバーがすべての仕事をこなせるから。
  • 他人のミスを見逃すのは自分のミスと同じ。放置すれば「悪い状況」は変わらない。
  • 批評する側は、次は批評される側に……役割・立場を固定しないことで視野が広がる。

日本のリーダーはミスを「恥」と考えているので、「言わない」「認めない」

中竹竜二さん(以下、中竹): さて、後編ではまず「ミスを恥と考える文化」について、話をしたいと思います。前編で「人のミスを指摘しないままにしているのは、自分のミスと同じ。スルーしては悪い状況が変わらない」とおっしゃいました。そうした職場文化を構築するために、少人数グループによるプロジェクトを実施、レビューする機会を設け、お互い厳しく批評し合っていると。

仮に、フレベルさん自身が何かを間違えたとしても、「その指摘は喜んで受けている。チームにとっては大事な学習の機会になっているのだから」とも言っていました。私も同感です。しかし、日本には昔から「間違いを恥じる」文化があります。特にリーダーの立場の人が積極的に自分のミスをオープンにすることに抵抗があります。この点についてどう思いますか。

トーマス・フレベルさん(以下、フレベル): 確かに 個人の「間違い」は、その人にとっては大きな問題かもしれません。しかし、 ほかの人にとっては恥ではなく、成長の機会、役に立つものです。 なので、私がミスを犯したとしても「間違いがあった」と言います。その方が自分自身に正直でいられますし、スタッフたちに対しても正直な行動だからです。もし、あなたが間違いを認めて正直に「間違えた」と言えば、あなたは尊敬されます。それに、スタッフも「誰だって、間違いはするもの。ミスを犯すのは我々人間にとってごく自然なこと」ということも理解してくれます。

ミスを公言し、どう対処するか身をもって教えられるか

フレベル: ミスを公言した方がいいもう1つの理由は、仮に私が間違えたとしても、「この間違いに対して、どう対処するのか」をスタッフに具体的に見せてあげられるからです。「みんな、これは間違いだった」「理由はこうだ」「だから二度と同じ間違いをしないためには、こうしようと思う」と伝える。これこそが、ミスが二度と起こらないようにする方法です。一度や二度失敗するのはいい。だけど何度も何度も同じミスが起きることは避けるべきです。

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