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2018年11月18日(日)更新

新入社員教育

新入社員教育(研修)とは、企業が実施する研修のうち「新入社員」を対象に行われるものを指します。この研修は、主に入社前後の3〜4月からスタートする企業が多く、期間は数週間から1年間に亘る場合もあります。今回は、この新入社員教育(研修)についてご紹介します。

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目次[表示]

1.新入社員教育とは

そもそも、新入社員教育とはどのような意味なのでしょうか。

新入社員教育とは

新入社員教育(研修)とは、企業が社員に対して実施する研修のうち、「新入社員」を対象に行われるものを指します。主に入社後の4月以降に実施されますが、一部入社前の3月から行われる場合もあります。期間も企業により様々で、数週間で終わる場合もあれば、数ヶ月〜一年間の研修を課す場合もあります。主に自社内の研修施設や会議室などで行われますが、外部でセミナー等を受講したり、近年では野外等で開催されるケースもあります。

3つの研修スタイル

新入社員教育(研修)には、主に3つのスタイルがあります。

集合研修

一般的に新入社員研修で必ず実施される形態がこの集合研修で、Off-JT(Off the job Training)とも呼ばれます。実際の業務からは離れた場所で実施され、ワークショップ・セミナー等様々な手法があります。

OJT研修

集合研修とは対象的なOJT(On the job Training)は、実際の業務を遂行しながら教育訓練する事を言います。新入社員は、実際の仕事を通して必要な知識・技術などを習得します。

【参考】OJTの意味とは?計画の立て方、研修の内容・手法・メリットをご紹介 / BizHint HR(人事の悩みにヒントを届けるニュースサイト)

e-ラーニング

e-ラーニングとは、インターネット等の電子媒体を利用して教育訓練を実施するシステムの事。学習者は、主にパソコンやタブレット等を通して学習する事ができます。集合研修との違いとしては、時間や場所を選ばず「いつでもどこでも」学習ができる事、また、自分のペースに合わせて何度でも繰り返し学べる事です。教材には動画が使用される場合も多くあります。

【参考】eラーニングとは?人材育成・企業研修サービスも一挙ご紹介 / BizHint HR(人事の悩みにヒントを届けるニュースサイト)

2.新入社員教育の目的

それでは、新入社員教育はどのような目的で実施されるのでしょうか。

新入社員教育の実施目的

HR総合調査研究所の調査(対象389社)によると、企業が入社時導入研修の実施目的として最も重視している点は、「学生から社会人へのマインドチェンジ」(76%)となりました。

  • 1位…学生から社会人へのマインドチェンジ
  • 2位…コミュニケーション力養成
  • 3位…ビジネスマナー習得
  • 4位…積極性・チャレンジ精神養成
  • 5位…自律性養成

【出典】HR総合調査研究所「新入社員研修に関するアンケート調査」

新入社員は、短期間のうちに「学生」から「社会人」へとその立場を変えます。消費者から生産者に、与えられる側から与える側へと変化します。主に自分自身の事、勉強やアルバイト、遊びに集中していた学生時代から、給料をもらって労働を提供し社会貢献するという義務が生まれます。しかし、どうしても学生気分が抜け切れていないのが新入社員。そのため、そのマインドを社会人にスイッチする事を目的とした研修が必要とされています。

2位以降のコミュニケーション力・ビジネスマナー・積極性・自律性なども、全て学生から社会人へのマインドチェンジの延長線上であるとも言えます。

社会人基礎力とは

経済産業省は、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として2006年から「社会人基礎力」の意識的な育成を提唱しています。これは産学の有識者による委員会において定義された考え方です。 この「社会人基礎力」とは、下記の3つの能力・12の能力要素から構成されており、「基礎学力」や「専門知識」を活かすための重要なスキルと位置づけられています。つまり、新入社員教育において、この「社会人基礎力」は身につけるべき必須のスキルであるとも言えます。

  • 前に踏み出す力(アクション)…主体性・働きかけ力・実行力
  • 考え抜く力(シンキング)…課題発見力・計画力・創造力
  • チームで働く力(チームワーク)…発信力・傾聴力・柔軟性・状況把握力・規律性・ストレスコントロール力

【出典】経済産業省「社会人基礎力」

3.︎新入社員の特徴

全員に当てはまる訳ではありませんが、2017年卒の新入社員の主な特徴をご紹介します。

2017年卒は売り手市場

株式会社リクルートキャリアの調査では、2017年卒の大学生の卒業時点での就職内定率は95.5%となりました。これは、前年同月と比較すると0.2ポイント上昇し高水準を保持しています。

また、リクルートワークス研究所の調査によると、2017年3月卒業予定の大学生(大学院生含む)対象の大卒求人倍率は1.74倍となりました。この数値は、同調査において2010年以降最も高い数値となっており、完全な「売り手市場」であったと言えます。

【出典】株式会社リクルートキャリア「2017年3月度(卒業時点) 就職内定状況(2017年卒)」
【出典】リクルートワークス研究所「第33回ワークス大卒求人倍率調査」

さとり世代

2017年卒の新入社員は、現役の学部卒であれば1994〜1995年(平成6〜7年)生まれ。所謂「さとり世代」と言われる世代です。この「さとり世代」は、諸説ありますが大まかに1990年代生まれを指し、「ゆとり世代の次世代」とも言われています。

この世代は日本が不景気だった時代に生まれた事で、「安定」に幸せを求める傾向にあります。そのため欲が無く、車・ファッション・お酒や旅行などあまり趣味などにお金をかけず、堅実に貯金をするという特徴があります。一方で、あまり努力を好まない、過程より結果を求めるなど、仕事面では心配な特徴も挙げられています。

ゆとり世代

これまでよく耳にした「ゆとり世代」。こちらも諸説ありますが、学習指導要領の改訂時期と併せて見るとおおむね1987〜1996年までに生まれた人を指します。すなわち、今年入社した新入社員も未だ「ゆとり世代」に含まれるという事になります。また、ゆとり世代の始まりとされる1987年生まれは今年30歳。つまり、指導的立場にある社員、指導を受ける社員双方が「ゆとり世代」という事になります。

ゆとり世代は、バブル崩壊前後に生まれ、その後長く続くデフレ不況の中で育ちました。その特徴としては、「失敗を過度に恐れる」「ストレス耐性が弱い」「自主的に動かず指示を待つ」などが挙げられます。ネガティブな面がクローズアップされがちな世代ですが、「素直で柔軟性がある」「自己肯定力が強い」「現実的に物事を判断できる」等のポジティブな面も挙げられます。

デジタルネイティブ

現在の新入社員は、デジタルネイティブであると言えます。子どもの事からパソコンやインターネットが身近にあり、学校でもパソコンの授業を受けていた世代です。そのため、IT関連の能力には長けています。

一方で「現実とインターネット上での出会いの区別がつきにくい」「相手の属性や肩書きを気にしない」「情報=無料と考えている」などの特徴も挙げられます。仕事面では、「対面でのコミュニケーションが苦手」であり、分からない事は何でもネット検索するという発想が根付いているため、先輩や周りの社員に質問しにくいという心配な点もあります。

4.新入社員とのコミュニケーションのポイント

先の特徴を踏まえ、新入社員とのコミュニケーションのポイントをご紹介します。

声かけが重要

何より大切なのは「声かけ」です。新入社員はまず会社というものに慣れておらず、常に不安を抱えています。指導担当や直属の上司だけではなく、同じ部署の社員全員で新入社員に挨拶や声かけを行い、緊張をほぐすと共に質問しやすい環境を作りましょう。

世代的には「対面のコミュニケーションが苦手」「分からない事はネットで調べる」などの特徴も挙げられています。これらの声かけを実施する事により、質問しやすい環境が醸成され、結果的に新入社員のスピーディーな成長に繋がります。

周囲との繋がりを作る

世代的に、部署の飲み会やイベント等に参加したがらないという傾向があります。しかし、仕事の人間関係は業務上のコミュニケーションだけで構築できるものではありません。また、総合職などの場合は、会食が取引先とのコミュニケーション手段の一つにもなり得ます。新入社員が関わる業務の関係者などを集めて、一度懇親会などを設定し、社内での人間関係を作る手助けをする事も大切です。

相手に敬意を払う

新入社員は、後輩と言えども同じ会社で働く仲間であり、これから自社を背負う事となる戦力です。「先輩面」と言われるような偉そうな態度は厳禁です。相手に敬意を払い、態度には気をつけましょう。

5.新入社員教育の心得とコツ

それでは、新入社員を実際に指導する際の心得とコツをご紹介します。

業務の目的をしっかり伝える

まずは、今行っている仕事や研修の目的をしっかりと伝え、相手が理解した事を確認した上で進めましょう。その際、この業務を進める事が自分自身や会社に対してどのようなメリット・影響があるのか、という点についても併せて理解させる必要があります。

自身で考えさせる

新入社員が失敗した際、すぐに叱ったり、あるいは解決方法を教えてしまうと、成長は望めません。まずは「この失敗の原因は何だと思う?」など、自分で考えさせるプロセスを踏みましょう。失敗は、新入社員の成長のためには必須の経験です。その失敗から、自分自身で考え学ぶ機会を与えるようにしましょう。

傾聴の姿勢を持つ

近年、人材マネジメントの世界では「アクティブリスニング」所謂「傾聴」が注目されています。このアクティブリスニングは、まず相手の立場に立ち、相手の目線で考えます。そして、相手の心情を無条件に受け入れます。そして自分自身もありのままの姿で向き合います。そうする事で、相手は安心してコミュニケーションを取る事ができ、仕事を行う上で必須である報告・連絡・相談がスムーズに実施されます。

【参考】アクティブリスニングとは?例や実践方法も分かりやすくご紹介 / BizHint HR(人事の悩みにヒントを届けるニュースサイト)

褒める・叱るのメリハリを付ける

まずは、「褒める」「叱る」をメリハリ持って行う事です。まず褒める場合には、相手の良い部分や評価すべき行動などを見つけ、様々なバリエーションの言葉で褒めましょう。新入社員は元々仕事に対しての自信を持っていないので、褒められる事で徐々にその自信を構築してゆきます。

逆に「叱る」場合には、頭ごなしに叱るのではなく、どこがダメだったのか、なぜダメなのか、どうすれば良いのかをきちんと理解させましょう。自身のイライラを解消するためなど、理不尽に叱る事は厳禁です。

新人と向き合う時間を作る

そもそも、指導担当者の姿勢として、「新入社員指導を行う事で自身の成長にも繋がる」という姿勢を持つ事が重要です。新人指導は通常業務と並行して実施される事が多々ありますが、指導も業務の一つ捉え、片手間ではなくしっかり時間を取って向き合いましょう。 ## 6.新入社員教育の︎注意点

次に、新入社員教育でやってしまいがちな、注意点をご紹介します。

他の新入社員と比較する

新入社員が失敗すると「◯◯くんはできたのに」「隣の部署の◯◯さんは優秀だ」など、他の新入社員と比較して批判するケースが見受けられます。これは、ただでさえ自信に乏しい新入社員の自信を更に削いでしまい、やる気やモチベーションも失ってしまう事になりかねません。

見て覚えろ、という姿勢

過去の新人指導は「先輩の背中を見て仕事を盗む」という手法をとる時代もありました。しかし、今では時代錯誤となっています。指導する業務に対しての基本的な知識や技術についてはしっかり具体的に説明した上で、実際の業務を見せ、また新入社員にも経験させ、成長を見守りましょう。

過度に高い目標を与える

どんなにやる気があったり能力の高い新入社員でも、過度に高い目標を与えてしまうと挫折の原因となります。最初のうちは「少し努力すれば可能」程度のレベルの目標を持たせ、それを一つずつクリアして行く事で成功体験を積み、成長を促します。

生産性のない仕事ばかり与える

新入社員でまだ仕事ができないからと、コピーやデータ整理など生産性を感じられない作業を延々とさせてしまうのはNGです。新入社員も、「何のためにやっているのか」と、自信の存在意義を見失ってしまいます。基本的な雑用なども経験させるのは大切ですが、業務がそればかりに偏らないようにしましょう。

「当たり前」の強要

例えば、新入社員も参加するミーティングでいきなり本題に入ったり、同行営業などでそれまでの取引先との関係や今回の目的を伝えずに商談に入るなど、自身の「当たり前」を強要しないようにしましょう。新入社員が触れる業務においては、その前提や目的などは先に共有しておきましょう。

7.新入社員育成計画の手順

それでは、具体的に新入社員育成計画の作成手順をご紹介します。

①育成計画の立案

まず、育成計画を立案します。その際には、まず現場が新入社員にどうなって欲しいと考えているのかを探ります。その上で新入社員の「あるべき姿」を描き、具体的な育成の目標・目的を明確にします。

②カリキュラムの設計

育成計画を立案したら、それに沿った形のカリキュラムを設計します。基本的なビジネスマナーから、社会人としてのルール、仕事の進め方など、含むべき項目を抜け漏れのないよう洗い出し、一覧化します。

③プログラム(計画書)の作成

実施するカリキュラムができたら、研修スケジュールにそってプログラム(計画書)に落とし込みます。必ず、受講者である新入社員の立場になって考える事が重要です。初めて社会人となる新入社員が混乱せず、手順を追って理解ができるような計画を組む必要があります。

④テキストの作成(資料・マニュアル等)

プログラムが完成したら、その手順に沿った研修用テキストを作成します。作成者の「当たり前」を基準にせず、何の知識も無い人が見て分かるような内容にする必要があります。ビジネスマナーや社会人としての基礎知識などは、外部教材などを使用しても良いでしょう。また、配属後の業務関連の資料や、業務マニュアルなども、OJT担当者や現場の研修担当者と連携し、この段階で整備しておく必要があります。

外部セミナーの選定

自社で育成計画の立案から実施までを行う事が難しい場合は、外部のセミナーを利用する事もできます。おもに、ビジネスマナーや社会人としての基本的な知識などを学べます。複数の企業が参加する公開講座や、自社への講師派遣、eラーニングでの学習など、様々なスタイルがあります。 外部セミナーについては、「10.研修会社」でも詳しくご紹介します。

助成金について

新入社員教育(研修)の実施にかかる費用について、厚生労働省から「人材開発支援助成金」として助成金が受けられる場合もあります。

【参考】厚生労働省「人材開発支援助成金」

8.新入社員教育の種類とその内容

新入社員教育(研修)の種類と、その内容について詳しくご紹介します。

8-1.︎入社前

まず、入社前に実施される研修です。

内定者研修(入社前研修)

企業の内定者を対象とした研修です。主に入社前の3月頃から実施されますが、内定後から入社まで長期間に亘り複数回実施されるケースもあります。この目的は、内定者の入社前の不安を取り除いたり、内定者同士の横のつながりを深めたり、また企業側としては、内定者フォローの意味合いも込められています。

研修スタイルとしては、集合研修やeラーニングを利用される事が多いようです。

【内容例】

  • 業界についての基礎知識
  • 資格取得のための講座、語学など
  • 店舗や工場の見学など

8-2.入社時

入社後すぐに実施される研修です。

導入研修

導入研修では、業界・組織についての基本的な知識を学びます。自身が働く会社の背景や強み、今後の展望などを理解します。

【内容例】

  • 会社の基本情報(沿革・経営方針・理念など)
  • 会社の制度・組織について
  • 会社の商品やサービス・今後の展開について
  • 会社の規定・労使協定などについて

基本行動研修

ビジネスマナー研修をはじめ、実際の業務で使うスキルの体得、自身の役割について理解を深めます。時にはロールプレイングなどを利用して、得た知識を体感する事でしっかりと身につけます。

【内容例】

  • ビジネスマナー(挨拶・身だしなみ・言葉遣いなど)
  • 業務で使用する基本的なスキル(メール・文書・電話対応・報告連絡相談など)
  • 自身の立場の確認(期待される役割・仕事における責任の理解)
  • 組織でのコミュニケーションについて
  • 安全衛生・健康管理等について
  • 教養(英語などの語学教育など)

実務研修

総合職・一般職などそれぞれの職種に分かれて研修を実施します。この場合、座学ではなく、実際の現場(店舗や工場など)で実施される場合もあります。

【内容例】

  • 総合職…例えば営業職の場合、一連の営業活動の流れを学び、実際の商談をロールプレイング等で実践します。
  • 一般職…例えば事務職の場合、各部署で取り扱う業務の紹介や、基本的な社内システムの紹介、承認の流れなどを学びます。

近年注目される科目

近年、入社時の研修において採用する企業が増えてきている科目をご紹介します。

IT研修

ここでご紹介するのは、エンジニア向けの研修ではなく、新入社員に向けた「ITリテラシー」を学ぶ研修の事です。デジタルネイティブであり、Webとの関係が深いからこそ、そのセキュリティ意識やインターネット上でのマナーをしっかりと学んでおく必要があります。今や、情報漏洩は会社の信用を揺るがしかねない事態です。その事態を未然に防ぐためにも、まずはITリテラシーの研修が必要です。

ISO9001研修

そもそも「ISO9001」とは、品質管理・品質保証に関する国際規格。近年では、行政の入札条件に「ISO9001の認証取得」が必須条件となっていたり、大手企業との取引条件なるケースもあります。それにより、新入社員研修の科目として取り入れる企業も増えています。研修では、ISOの意味やその目的、詳しい規格について等、基礎的な知識を学びます。

8-3.︎配属後

最後に、配属後に実施される研修です。

OJT研修

先ほどもご紹介しましたが、配属後にはOJT研修が実施されます。入社時の研修で得た知識を、実際の業務を遂行しながら体得してゆきます。

フォローアップ研修

入社してある程度時間の経過した新入社員をフォローする目的の研修で、入社後から主に10ヶ月〜1年後を目安に実施する企業が多いようです。

実際に配属・業務を遂行して感じている事や自身の課題などを同期社員と共有し、先輩・指導員などからアドバイスを受けます。その上で、今後の目標などを設定しその目標から逆算して今すべき行動プラン等を作成する、などの内容を実施します。

【関連】フォローアップ研修とは?目的・対象者やタイミング・実施内容例や研修会社までご紹介 / BizHint HR

9.さまざまな研修

これまでご紹介した新入社員教育(研修)以外にも、様々なタイプの研修があります。その一部をご紹介します。

ゲームを使った研修

まず、ゲームを使った新入社員研修です。例えば、「協力型コミュニケーションゲーム」と呼ばれるジャンルに属する「脱出ゲーム」です。このゲームは、チームのメンバー全員が協力し合い、様々な謎を解決しながら、制限時間内に会場から脱出するというゲーム。チーム内での情報共有の大切さを理解したり、チーム全員が謎を解くために密なコミュニケーションを取る事でチームワークの大切さを体感します。

【参考】株式会社SCRAP「リアル脱出ゲーム研修&懇親会」

自衛隊生活体験研修

自衛隊の「自衛隊生活体験」を新入社員教育として取り入れるユニークな教育手法もあります。2泊3日程度、自衛隊第二術科学校の生徒と同じ訓練を体験し、基礎訓練や本格的なトレーニングに汗を流します。これにより、社会人生活に必要な精神力を養ったり、強固な横の繋がりを作る事を目的としています。

【参考】防衛省・自衛隊「自衛隊生活体験」

野外研修

近年では、登山・キャンプ・農業など新入社員教育に野外活動を取り入れる事例も増えています。その中でも、伊藤忠商事の「タフネス強化研修」が注目を集めました。これは、標高1,900mの高山への登山と、その道中でのキャンプを体験するというもので、食材や宿泊道具を詰め込んだ重いザックを背負い、総合職の新入社員が本格的な登山に挑戦します。参加した新入社員からは「辛い環境をチームで乗り越える事の大切さを学んだ」「困難から逃げない精神力を身につけられた」等の声が挙がっています。

【参考】日経Bizアカデミー「伊藤忠商事連帯登山、逃げぬ心養う」

10.研修会社

それではここで、研修やセミナーを請け負う研修会社をご紹介します。

ANAビジネスソリューション株式会社

近年の新入社員の傾向「協調性はあるが、自ら発信する事は苦手」「内面では真面目で、やる気はあるのにそれが見えない」等を踏まえた上で、「内定者研修」「新入社員研修」「フォローアップ研修」までの3ステップで新入社員の成長をサポートする事が可能です。

主に、社会人としての自覚の醸成・組織の中で信頼される行動の習得(ビジネスマナー等)・コミュニケーションスキルの習得を目的とした研修を実施しています。

【参考】ANAビジネスソリューション株式会社「ANAの新入社員・階層別研修」

株式会社PHP研究所

「社会人としての心構え」「企業人としての役割意識」を重視した研修を提供しています。様々なスタイルの研修があり、公開セミナーや企業への講師派遣も可能です。また、「社会人の常識・非常識」「私たちのコンプライアンス」等、分かりやすいドラマ仕立ての研修用動画教材なども提供しています。また、「新入社員研修ノート」、報告書やレポートを兼ねた「配属後の業務日誌」なども取り揃えています。フォローアップ研修は、通信教育を利用する事もできます。

【参考】株式会社PHP研究所「新入社員研修・教育」

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

入社後すぐに必要とされる、社会人としての基本行動・ビジネスマナー・ビジネススキルの基本・コミュニケーション能力・モチベーションマネジメント等幅広い視点から研修を実施しています。また、半年後にはフォローアップ研修を実施する事も可能です。

様々な企業の新入社員を集めた集合研修であるため、1人からの参加も可能であり、幅広い業種や企業の同期と関わる事でモチベーションアップにも繋がります。

【参考】株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「新入社員研修」

11.新入社員教育の企業事例

最後に、実際の企業の新入社員教育の事例をご紹介します。

トヨタ自動車株式会社

まずは、2015年より教育改革を実施しているトヨタ自動車です。トヨタは、世界において急激に生産台数が増えた事により外注化が進み、社員が最後まで業務をやりとげる機会が減少しました。また、トヨタが大切にしてきた「教え、教えられる風土」「現場で現物に触れる事で本質を見極める」といった価値観が失われつつある事を問題視しての改革でした。

現在のトヨタの新入社員教育プログラムは、1年間の長期に亘って実施されています。

  • 4〜5月…集合研修でトヨタの理念やトヨタ式の仕事の手法など学ぶ
  • 6〜8月…全国各地の販売店にて2ヶ月以上お客様第一主義の心構えを身につける
  • 9〜12月…仮配属され、その部門でのOJT研修により実際の仕事を身につける
  • 1〜3月…関連工場での現場実習を実施し、物作りの重要性や「トヨタ生産方式」を体感

こうして新入社員は1年をかけて、トヨタ式の知識や技術を身を以て学びます。

【参考】プレジデントオンライン「トヨタの未来を担う新入社員教育「モノづくり研修」に潜入!」

株式会社博報堂

次に、OJTに注力し、新入社員だけではなくその指導を担うトレーナーの育成や研修にも力を入れる博報堂です。博報堂もトヨタと同様に、新入社員研修は1年間と設定しており、主に以下のようなスケジュールで実施されます。

  • 4〜5月頃…新入社員導入研修
  • 5〜6月頃…各職場に配属
  • 6〜10月末…OJT前期
  • 11〜3月末…OJT後期

【出典】ヒューマンキャピタルオンライン「第3回 現在の博報堂の新入社員OJT<1>」

博報堂のOJTは配属直後から実施され、入社から1年後(3月)のフォローアップ研修をもって終了となります。OJTが2つの時期に分けられているのは、トレーナーの新入社員に対する「任せ方」を変えているためです。前期は「任せて・見る」、後期は「任せ・きる」という意味合いを持たせています。

具体的には、前期は「組織における基礎的な仕事の全体像をつかむ」時期。難易度を徐々にアップさせつつ、できるだけ初めての経験を得られる仕事を選びます。そして後期では、「任せ方」のフェーズが変わり、トレーナーは仕事を選んだ後は本人がやりきるまで見守ります。これにより、最終的にはある程度の難易度の経験を乗り越えた状態を理想としています。

この研修でユニークなのは、新入社員教育のスケジュールとリンクして、トレーナー向けの研修を実施している点。新入社員の各研修が実施された1週間以内に、トレーナー向けのプログラムを実施する事で、同じタイミングで成長や育成について考える機会を設けたいとしています。

【参考】ヒューマンキャピタルオンライン「第22回 前期と後期で異なる「任せ方」の実践ポイント~OJTで大切な5つの要素(2)~」

12.まとめ

  • 新入社員教育(研修)は、主に学生から社会人へのマインドチェンジを目的として実施されている
  • 新入社員を指導する際、指導員が全てを教えるのではなく、まず自分自身で考えさせるステップが重要
  • 新入社員育成計画には、まず現場で新入社員に何が求められているのかを知り、「新入社員のあるべき姿」を模索するところから始める

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