はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年8月11日(土)更新

ラテラルシンキング

ラテラルシンキングとは、前提を無くして水平方向に発想を広げる思考法です。例えば、斬新でユニークな発想でイノベーションを起こす、あるいは既存のものを組み合わせて新しいアイデアを生み出すといった活用が期待できます。ラテラルシンキングとロジカルシンキングは相互補完の関係にあり、組み合わせることで思考の幅も広がるでしょう。

ラテラルシンキング に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

ラテラルシンキングとは

ラテラルシンキングとはどのような思考法なのでしょうか?ここでは、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングとの違いと、ロジカルとラテラルの関係についてご紹介します。

ラテラルシンキングの意味

ラテラルシンキング(Lateral thinking)を和訳すると水平思考という意味で、1967年にエドワード・デボノが提唱した思考法です。ラテラルシンキングとは、思考の制約となる既成概念や固定観念を取り払い、水平方向に発想を広げる思考法です。そのため、斬新でユニークなアイデアや発想に向いています。

ロジカルシンキング(論理的思考)との違い

ロジカルシンキングとの違いは、思考の前提と過程にあります。ロジカルシンキングは垂直思考とも呼ばれ、既成概念を基に筋道を立てて深く掘り下げて考えるため、論理的に正しい結論は1つです。

一方、ラテラルシンキングは既成概念に囚われず、多角的な視点と自由な発想で創造的な問題解決を図るため、結論は1つではありません。

【関連】ロジカルシンキングの意味とは?トレーニング方法やおすすめ本をご紹介/BizHint HR

クリティカルシンキング(批判的思考)との違い

クリティカルシンキングとの違いは、思考の過程にあります。クリティカルシンキングは批判的思考と呼ばれ、思考する前提や過程、論理に渡って「本当にそうだろうか?」と問い続けながら思考します。一方、ラテラルシンキングは既成概念や常識の枠を外して、多角的にとらえて自由に思考します。

【関連】クリティカル・シンキングとは?基本姿勢や他思考法との違い・研修会社や書籍までご紹介/BizHint HR

ロジカルとラテラルは相互補完、クリティカルで精度を高める

それぞれの思考法の違いで見てきたように、ロジカルシンキングとラテラルシンキングは異なる思考法であり、それぞれ強みを発揮できる分野が異なります。ラテラルシンキングは今までにない新しい発想や問題解決に、ロジカルシンキングは筋道のある現実に即した問題解決に強みを発揮します。

そのため、まずはラテラルシンキングで考え、次にロジカルシンキングで正しい1つの結論に導く形で活用することで、思考法として相互補完することができます。その時に、クリティカルシンキングを活用することで、精度の高い結論に導くことができるでしょう。

例題でみるラテラルシンキングの特徴

ラテラルシンキングで導かれる結論はどのようなものでしょうか?ここでは例題からその特徴について触れるほか、イノベーションとの関わりや具体的な活用シーンについてご紹介します。

ラテラルシンキングの例題

ラテラルシンキングを理解するために、一般的に知られている「オレンジの分け方」クイズを例題に考えてみましょう。

例題:3人の子供に13個のオレンジを公平に分けるにはどうしたらいいでしょうか?

・解答例1:オレンジを1人4個ずつと残りの1個を3等分に切り分けて与える
・解答例2:1人4個のオレンジの重量を計り、残りの1個を1人当たりの総重量が同じになるように切り分けて与える。
・解答例3:オレンジをジュースにして3等分する
・解答例4:オレンジを1人4個ずつ分け、残り1つの種を植えて実ったオレンジを同じ数ずつ分ける

【出典】ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門 木村尚義著

解答例1と2は、「今すぐ分け与える」、「公平に分ける」といった常識を前提に論理的に考えられた結論です。一方、解答3と4はそのような前提がなく、「オレンジを加工してジュースにする」、「今すぐだけでなく将来に渡っても」という自由な発想から結論を導いています。

例題からみるラテラルシンキングの特徴として、以下が挙げられます。

  • 思考するときに既成概念や常識、固定観念といった前提を一切持たない。
  • 結論を導く過程は問題にしないため、思考によっては過程がなく一気に結論に辿り着く場合もある。
  • 問題解決に繋がれば、どれも正解として複数の結論があってもよい。
  • 既成の枠を取り外して思考するため、今までにない結論を導くことができる。
  • 実行した結果、大きな成果が出る場合と出ない場合がある。

ラテラルシンキングがイノベーションを生み出す

AIに代表されるIT技術の進化が加速するなか、時代の変化に即した従来にない問題解決が求められています。また、グローバル化や多様化により、どの企業も競争力強化や差別化を図るために解決策を模索しながら企業努力を行っています。

これまで主流だったロジカルシンキングだけでは他社との差別化が難しくなっており、ラテラルシンキングによる斬新な発想で競争に勝ち残るイノベーションを起こす必要性が高まっています。

【関連】「イノベーション」の意味とは?種類や必要性、イノベーションの興し方から課題・事例をご紹介/BizHint HR

ラテラルシンキングの活用シーン

ラテラルシンキングの特性を生かした活用シーンとしては、以下が挙げられます。

  • 企業戦略として新たな方向性を見出してイノベーションを起こしたい場合
  • これ以上の成長が見込めない飽和状態の成熟した市場におけるマーケティングや新商品開発を行う場合
  • 既存のサービスや商品、技術を他に役立ててイノベーションを起こしたい場合
  • 新規開拓する未知の市場におけるマーケティングや商品開発を行う場合
  • リスクを伴う可能性があるが、大きな売り上げを出したい場合

このように、ラテラルシンキングはすでに飽和状態または未知の領域での活用だけでなく、既存のものの組み合わせによる新たな発想にも効果的です。

ラテラルシンキングの方法

ラテラルシンキングは実際どのように思考すればよいのでしょうか?ここでは思考する手順と方法をご紹介します。

前提を疑う

ラテラルシンキングの特徴のひとつに、思考するときに前提を持たないことがあります。まずは前提に対してクリティカルシンキングの手法を応用し、「ほんとうにそうだろうか?」という問いを投げかけてみましょう。前提に疑問を持つことで、ラテラルシンキングならではの結論を導くことができるようになります。

あるいは、思考の対象である問題そのものが変わる場合や、問題の本質をとらえるきっかけになる場合もあります。

新しい見方をする

新しい見方をするためには、解決策や発想を生み出すきっかけとなるツールを活用することが最も効果的です。『コトラーのマーケティング思考法』で紹介されている、ラテラルシンキングをマーケティングに応用した6つのチェックリストなどもありますが、ここではオズボーンのチェックリスト法をご紹介します。

オズボーンのチェックリスト法

ブレインストーミングの考案者としても知られるアレックス・F・オズボーンによるチェックリスト法は、以下の9項目についてそれぞれの質問に答えることで、発想のヒントにすることができます。

転用

既存の商品やサービスの使い道に囚われず、「そのままで他に新しい使い道はないだろうか?」と思考してみましょう。その他の質問例として以下が挙げられます。

  • 改善して他に使い道はないだろうか?
  • 違う商品や客層に使うことはできるだろうか?
  • 他の地域で使うことはできるだろうか?

応用

「他からアイデアを借りたらどうだろうか?」と、過去にヒットしたアイデアを模倣する、あるいは異なる分野の事例を参考にすることで思考が広がります。その他の質問例として以下が挙げられます。

  • 真似ができるだろうか?
  • 似たものはないだろうか?
  • 過去の歴史からアイデアを借りることはできるだろうか?

変更

既存の商品やサービスを構成する要素のうち「一部を変更したらどうだろうか?」と、何か1つだけ変更することで、他のターゲットのニーズに応えられる場合もあります。「意味や色、動き、形、場所を変更したらどうだろうか?」と思考を広げてみましょう。

拡大

商品などものの場合は「大きく、厚く、重く、強くしたらどうだろうか?」と、サービスの場合には「時間、頻度、価値を大きくしたらどうだろうか?」と思考してみましょう。「大きくしたらどうだろうか?」と、大きく拡大することで人の注目や関心が高まることが期待できるため、この効果を狙って発想することもできます。

縮小

商品などものの場合は「短く、低く、軽く、濃縮、減少したらどうだろうか?」と、サービスの場合には「凝縮、省略、分割したらどうだろうか?」と思考を広げてみましょう。「小さくしたらどうだろうか?」と、小さく凝縮することで価値や利便性が高まることが期待できるため、この効果を狙って発想することもできます。

代用

「材料、素材、製法、人、モノ、場所を代用できないだろうか?」と、商品やサービス、工程の「一部を代用できないだろか?」と思考してみましょう。代用することでコスト削減や生産の効率化に繋がるアイデアも期待できます。

置換

「位置、順番、要素を入れ替えてみたらどうだろうか?」と、商品やサービス、工程など「入れ替えたらどうだろうか?」と思考してみましょう。例えば、職場のレイアウトを固定の席からフリーアドレスに置換することで生産性向上が期待できるなど、新たな気づきや変化をもたらすこともあります。

逆転

「上下、左右、前後、役割、立場を逆にしてみたらどうだろうか?」と、商品やサービス、工程などを「逆にしたらどうだろうか?」と思考してみましょう。逆転の発想と言われるように、弱みを強みに変えるようなアイデアを生み出す可能性があります。

結合

「要素、アイデア、目的を組み合わせたらどうだろうか?」と、商品やサービス、工程など「組み合わせたらどうだろうか?」と思考してみましょう。組み合わせ方や組み合わせる数によって、その可能性は無限大に広がります

組み合わせる

新たな解決策や発想を生み出しやすくするためには、思考の対象とチェックリストを組み合わせると効果的です。具体的には、商品やサービスの状況や用途、ターゲット、ニーズのほか、商品やサービスそのものいずれかに対して、先ほどのチェックリストを組み合わせて活用します。

例えば、ゲームの用途を対象にして不健康なイメージを健康なイメージに逆転する発想で、手軽にスポーツを楽しめるゲームのアイデアが生まれます。

ラテラルシンキングを鍛えるトレーニング方法

ラテラルシンキングはトレーニングによって身につけることができます。仕事でラテラルシンキングを活用できるようになるために、ここでは個人でできるトレーニング方法を3つご紹介します。

思考の癖から抜け出すための3つの視点

人は既成概念や常識、固定観念など、社会的、個人的な枠の中で思考する癖を持っています。ラテラルシンキングをするときには、こうした枠をはずして考えることが重要なポイントになります。そのためには思考の対象を複数の視点から捉えられるようにトレーニングすることが効果的です。

具体的には、自分の視点、相手の立場の視点、第三者の視点から思考することで新しい発想を試みてみましょう。思考するときには必ずこの3つの視点で考えてみる癖をつけると、思考の柔軟性が身につき、ラテラルシンキングがしやすくなります。

いつもの思考法を意識的に変えてみる

何かを考えるとき、いつもの思考パターンを変えてみることも効果的です。例えば、論理的でシステム化が得意な男性脳が優位な人は、直感的で共感が得意な女性脳で考えてみましょう。例えば、他者が相談してきたとき、いつもなら解決策をアドバイスしている場合には、相手の気持ちに寄り添うことで相手の気持ちを理解し、共感してみるのです。それによって、これまで無駄と思っていたアイデアや解決策に新たな可能性を見つけるなど、新たな視点や捉え方が身につきます。

その他に、尊敬する人物や子供、老人、商品の購入者、サービスの利用者などになり切って考えてみましょう。それによって、彼らの視点や思考法で考えることが、新たな発想を生み出すきっかけになります。

仕事や日常生活で積極的に活用する

ラテラルシンキングを鍛えるトレーニングにおいても、思考法を身につけるために数をこなすことが重要です。そのためには、仕事や日常生活の中で積極的に活用し、アイデアや解決策を考える習慣を身につけることが王道であり近道です。

はじめのうちは、他の優れたアイデアを真似する、あるいは組み合わせるといった成功例や先人の知恵をヒントにしながら考えてみましょう。たくさんのアイデアを生み出し続けて思考法が鍛えられるとアウトプットしやすくなるだけでなく、斬新な発想や新しい解決策など優れたアウトプットの可能性が高まります。

研修会社のご紹介

ここでは、ラテラルシンキング研修を行っている企業2社をご紹介します。

株式会社インソース

全国各地に拠点を持ち、研修や人材育成を幅広く行っています。研修では柔軟な発想力や考え方を身につけることを目的に、ラテラルシンキングの特性や発想法について学び、アイデア出しの演習ワークを通して理解を深めていきます。研修は公開講座のほか、企業へ講師を派遣して実施するサービスも行っています。

【参考】ラテラルシンキング研修~新たな発想を生み出す力を養う/株式会社インソース

創客営業研究所

「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」をはじめ、ラテラルシンキングの関連書籍を多く出している木村氏が代表を務める会社です。研修では座学とワークを通してラテラルシンキングの考え方と実践法を学びます。さらにトレーニングによって創造的な企画力や問題の根本を捉えた解決力の獲得を目指します。研修講師には、20年の実績がある木村氏が指導にあたります。

【参考】ラテラルシンキング研修~未知の問題を解決する研修/創客営業研究所

ラテラルシンキングについて学べるおすすめ本のご紹介

ここでは、ラテラルシンキングを書籍で学びたい方へおすすめの本をご紹介します。

水平思考の世界/エドワード デボノ

ラテラルシンキングの提唱者であるエドワード・デボノ本人による著書です。水平思考について詳しい解説されているほか、トレーニング方法や活用例についても紹介されています。ラテラルシンキングについての理解を深めたい人におすすめの1冊です。

【参考】Amazon.co.jp/水平思考の世界/エドワード デボノ

ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門/木村尚義

ラテラルシンキング研修も行っている木村氏による著書です。そのため、初心者にもやさしい説明で理解しやすくなっています。豊富な事例を用いて、ラテラルシンキングについて解説しています。これからラテラルシンキングを始めたい人におすすめの本です。

【参考】Amazon.co.jp/ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門/木村尚義

3分でわかる ラテラル・シンキングの基本/山下貴史

ロジカルシンキングやラテラルシンキングを用いて日々コンサルティングを行う著者による、水平思考の手法について書かれた本です。日常に取り入れやすい実践法について、様々な手法が紹介されています。仕事にラテラルシンキングを取り入れたい人やトレーニング法を探している人におすすめの本です。

【参考】Amazon.co.jp/3分でわかる ラテラル・シンキングの基本/山下貴史

ラテラルシンキングの問題集として活用できる本のご紹介

ラテラルシンキングを鍛えるには、問題集を活用するのもひとつの方法です。ここでは、トレーニングにおすすめの本をご紹介します。

ポール・スローンのウミガメのスープ/ポール・スローン

水平思考推理ゲームとして有名な著書です。難易度が低い1から高い4までレベルごとに問題があり、その日の気分や自分のレベルに合わせて水平思考を行うことができます。この『ウミガメのスープ』はシリーズ化されているので、ラテラルシンキングを鍛え続けたい人におすすめです。

【参考】Amazon.co.jp/ポール・スローンのウミガメのスープ/ポール・スローン

「ずるい思考術」練習帳/木村尚義

おすすめ本で紹介した『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』の練習問題集です。ラテラルシンキングを体得するために基本となる3つの手法についての練習問題で構成されています。ラテラルシンキングの手法をマスターしたい人におすすめの練習帳です。

【参考】Amazon.co.jp/「ずるい思考術」練習帳/木村尚義

まとめ

  • ラテラルシンキングとは、思考の制約となる既成概念や固定観念を取り払い、水平方向へ発想を広げる思考法です。
  • ラテラルシンキングとロジカルシンキングを組み合わせて使うことで相互補完され、クリティカルシンキングで結論の精度を高めることができます。
  • ラテラルシンキングは他の思考法と同じく、仕事や日常生活でトレーニングすることでスキルが身につき、イノベーションや競争力強化、未知の問題解決などに役立てることができます。

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計60,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 厳選されたビジネス事例が毎日届く
  • BizHint 限定公開の記事を読める
  • 実務に役立つイベントに申し込める
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

この記事の関連キーワード

フォローボタンをクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードについて

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次