はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年6月15日(金)更新

評価者研修

評価者研修は、自社の人事評価制度に対する理解を深め、トレーニングを通して評価スキル向上のために行われます。評価における課題解決や人事評価制度の円滑な運用に役立てるために、必要なスキルと評価者研修の目的や内容、活用ポイントなどについてご紹介します。

評価者研修 に関するニュースやイベントの情報を受取る

公正な評価を行うためには

人事評価制度は社内制度のなかでも重要な役割を果たすため、円滑で公正な運用が求められます。

正しい運用が行われていない場合、被評価者が評価制度や評価者に対して不信感を抱き、意欲の低下を招く恐れがあります。その要因として以下に挙げる内容が考えられます。

  • 評価基準が曖昧なため、1次評価者と最終評価など評価者によって評価が異なる
  • 評価者の評価能力が低いため、主観的な評価など評価エラーが起きている
  • 被評価者の日常業務の観察が足りないため、客観的な事実を基に評価が行われていない
  • 人事評価に対する理解不足により、被評価者を納得させる説明ができない
  • 評価者研修を行っているものの、研修目的や評価の課題が解決されていない
  • 人事評価結果の情報公開が不十分なため、被評価者が不信感や不満を感じている
  • 評価面談がない場合や面談でのフィードバックが不十分なため、職場の雰囲気が悪化する

このような要因を排除して評価制度の適正な運用を行うために、評価者研修を実施することは有効な手段のひとつになります。

【関連】人事評価制度とは?評価対象や評価手法、企業事例などもご紹介/BizHint HR

評価者研修とは

ここでは、評価者研修の意味とその現状、注目される背景についてご紹介します。

評価者研修の意味

評価者研修は、評価者として必要な心構えと人事評価制度や評価方法、評価基準などに対する理解を深め、演習などトレーニングを通して評価スキルを向上させるために行います。人事評価制度本来の目的を達成するために、評価における課題を解決して円滑な運用を行うために導入するケースが増えています。

評価者に必要なスキル

評価者に必要とされるスキルとしては、以下のものが挙げられます。

  • 自社の人事評価制度について適切な理解に基づく評価情報の収集スキル
  • 客観的な事実に基づいた公正な評価を行うスキル
  • 目標管理を導入している場合、組織目標と役割に応じた適切な目標設定を行うスキル
  • 評価面談での納得感のあるフィードバックスキル
  • 評価結果を踏まえた上での有効な指導や育成を行うスキル

評価者研修の講義による知識の習得や演習でのトレーニング行うことが、スキルの習得や向上に役立ちます。

評価者研修導入の現状

産労総合研究所の「2016年 評価制度の運用に関する調査」によると、評価者訓練を実施している企業は71.4%で、7割を超える企業が評価者の評価能力の向上に取り組んでいることが分かります。

また、評価される側である被評価者の訓練を実施している企業は22.6%で、被評価者に対して評価の仕組みや評価される行動を伝えて評価制度への理解促進に取り組む企業も出てきています。

このように、評価者研修や被評価者研修を通して人事評価制度の目的達成に向けて施策を行う企業も増えてきています。

【参考】産労総合研究所/2016年 評価制度の運用に関する調査 評価制度の運用に関する調査

評価者研修が注目される背景

グローバル化など企業を取り巻く社会情勢の変化によって人事評価の重要性が高まるなか、評価者研修にも注目が集まっています。

処遇決定だけでなく人材開発にも

従来、主に人事考課と呼ばれていた頃は主に処遇決定の要素として重視されてきました。しかし、社会情勢の変化により人事考課あるいは人事評価を賃金上昇に反映しづらくなり、限られた賃金増額枠の中で公正な評価を行うことが求められるようになりました。

そのため、評価基準を明確にして公正な評価を行い、それを基に人材開発に繋げて業績を向上させ、社員に還元する仕組みを整備する必要性が出てきています。

成果主義による上司と部下の年齢や経験の逆転

成果主義が主流になったことで、上司と部下の年齢や業務経験が逆転するケースが増えています。また、少子高齢化社会を迎えてシニア世代の専門性や豊富な経験を活用する企業が増え、今後ますますの活躍が期待されています。

上司と部下の関係が逆転し、若手の上司が評価を行う場合には、公正な評価と評価面談で被評価者の納得の得られる説明を十分行えるよう、評価者研修を通してトレーニングすることが必要とされています。

評価者研修の目的

評価者研修を行う目的には、どのようなものがあるのでしょうか?

自社の人事評価制度への理解促進

企業にとって人事評価制度は、人事管理を公平で公正に行うための重要な手段です。それには、評価者である管理職が自社の人事評価制度全般に対する理解を深めることが欠かせない要素になります。

また、評価項目や評価方法、評価基準といったルールとその意義に対する理解を深めることも必要です。公平な処遇によるモチベーション向上や能力開発による生産性向上を図るために、評価者として正しい心構えを身につけることも大切でしょう。

【関連】人事評価の目的と方法から、書き方・進め方まで一挙ご紹介/BizHint HR

評価者同士の評価基準の統一を図る

評価者が評価基準を勝手に解釈して自主的判断で評価を行えば、企業内の評価の統一性が損なわれてしまいます。人事評価は、被評価者の今後のキャリア形成に大きな影響を与える可能性もあります。そのため、評価者研修でグループワークやディスカッションを行い、評価方法や評価基準における判断を統一するなど、公正な評価を行うための整備が必要です。

評価者のスキル向上による評価エラーの防止

公正な人事評価を行うためには評価エラーについて十分認識することが必要です。評価エラーの種類と内容を理解したうえで対策を立て、管理職の評価能力を向上させることが評価者研修においての重要な目的のひとつです。

例えば、グループで同じ被評価者についてそれぞれが評価を行い、評価が異なる場合には、評価の理由について意見を述べ合いディスカッションをすることで、評価能力や評価スキルを向上させるきっかけになるでしょう。

効果的なフィードバック面談の実施

人事評価を人材育成へと繋げたい場合は特に、面談で何をどのように伝えるのかが、被評価者の納得度合いや今後に大きな影響を与えるため、非常に重要となります。評価者研修では他の評価者のロールプレイを観察、より効果的なフィードバック方法や手順についてディスカッションを重ね、面談のスキルも磨いていきます。

具体的には、評価結果のほか、組織においてどのような役割を担ってほしいのか、組織に対してどのように貢献してほしいのか、といった点について現状と課題を伝えることで、人事評価を人材育成の一助として活用することができます。

【関連】面談の意味とは?面接との違い・コツや質問内容/BizHint HR

評価者に対する被評価者の理解と信頼を得る

特に評価が低い場合には、被評価者が評価者に対して不信感を起こしかねません。それを回避するためには、自社の人事評価制度の仕組みや評価方法などについて丁寧に説明し、被評価者の理解と納得を得ることが大切です。

それには評価者研修で人事評価制度全般について知識を身につけておくことが重要です。

評価研修の内容

一般的な評価者研修の例としては、以下に挙げるプログラム内容があります。

  • 人事評価制度の目的と基本構成:講義
  • 評価者の役割と心構え:講義
  • 評価エラーとその対策:講義
  • 評価基準について:講義
  • 評価の手順と方法、注意点について:講義
  • ケーススタディによる評価:個別演習、グループディスカッション、全体ディスカッション
  • 面談の事前準備と面談の流れ、注意点について:講義
  • フィードバックの方法とポイントについて:講義
  • 評価面談のロールプレイ:個別演習、グループディスカッション、全体ディスカッション

評価者研修は社内でプログラムを組んで実施する場合と、研修会社などに依頼する場合があります。どちらも人事評価における課題を明確にした上でプログラムを組むとより効果的です。

評価者研修の活用ポイント

ここでは、評価者研修を人事評価の運用に活用するポイントについてご紹介します。

企業特性と職務内容に応じた適切な評価基準の設定

人事評価の真の目的は、企業の業績向上を目指すためのものです。被評価者の信頼を確保しつつ運用を適正に行うためには、評価基準に対して被評価者の実績はどうだったのかを公正に評価することが必要です。

そのためには、被評価者の職務内容の性質に合わせて評価基準を整備していくことも大切になります。人事評価の問題点や課題に合わせて定期的に評価者研修を行うことで、適切な人事評価基準へと見直すきっかけになるでしょう。

評価者が公正な評価ができる仕組みづくり

人事評価を適正に運用するために、評価者研修を活用することができます。特に、人事評価の要である評価者が公正な評価を行える仕組みの整備に役立てるとよいでしょう。

その一例として以下が挙げられます。

  • 研修を通して浮き彫りになった評価の問題点を解決するために、評価が難しい場合にもガイダンスとして役立つ明確な評価基準を設ける
  • 定期的な研修を通して、評価スキルの向上と評価者同士が評価に対して共通の認識と価値観を持つようにする
  • 評価の検討会や評価後の振り返りなど、評価者同士が集まって評価について互いの悩みや問題点の解決に役立てる機会を設ける

このように評価者研修をきっかけに、人事評価の改善に繋げることができます。

日常のマネジメントに活かす

人事評価は、定期的に部下の成果や能力、情意を評価することで、良い点、改善すべき点を明確にし、今後の育成に繋げるためのものでもあります。その意味で、人事評価は日々のマネジメントの延長上にあるものとして捉えることができます。また、マネジメントのPDCAサイクルで計画、実行、評価、行動を回していくことで、評価とマネジメントを一貫させることができます。

日々のマネジメントでは、業務計画や目標管理に対して達成度合いや行動について把握し、問題があれば助言や指導を行って解決を図るものです。これを把握できていないと、事実に基づく客観的な評価はできなくなります。評価は研修で学んだ知識と手法を基に行うことで適正な評価に繋がります。このように評価とマネジメントを一連の業務として遂行することで、管理職としてのマネジメントスキルの向上にも繋がります。

【関連】マネジメント能力とは?その意味と向上させるための方法を解説/BizHint HR

能力開発や人材育成

人事評価を能力開発や人材育成に活用するためには、組織として求める人材像を明確にしておく必要があります。これにより被評価者に対して今後どのように指導して能力開発や部下育成を行うべきかが明らかになります。

評価者研修でケーススタディによる評価面談の演習と、効果的なフィードバック方法や育成に繋がる伝え方を学ぶことで、実践しながら面談スキルの向上を図ることができます。さらに、継続的な学習によるスキル向上のための取り組みとして、定期的に研修を実施することが効果的です。

【関連】人材育成とは?育成手段や施策・対象別の目的や求められるスキル・育成方法までご紹介/BizHint HR

組織活性化による業績向上

研修後一定期間を経過した頃に、評価業務について現場での取り組み状況をヒアリングし、次の研修で共有することで、評価制度を活用した組織活性化を図ることができます。その目的は、良い取り組みは全社で実践して制度の運用改善に繋げることです。また、改善が必要な取り組みについては話し合うことで、管理職それぞれの現場における工夫を促す効果があります。

さらに長期視点で組織活性化による業績向上を目指す場合、経営計画を実践するための人事評価の仕組みや社員の能力開発を行う仕組み、社員の実績に報いる仕組みを整備して連携させていくこともポイントになります。

【関連】組織活性化とは?取り組みの方法・手法・施策および事例をご紹介/BizHint HR

評価者研修を行う会社のご紹介

ここでは、評価者研修やセミナーを行っている研修会社を3社ご紹介します。

株式会社インソース

株式会社インソースは、人材育成や採用など人事関連の研修やコンサルティングを幅広く行っています。

評価者研修では、人事評価の意義や重要性、評価手順、面談のポイントなどの講義のほか、ケーススタディを用いた評価や面談のロールプレイの演習を通して学びます。公開講座や講師派遣型研修、eラーニングのほか、人事評価制度のコンサルティングサービスも行っています。

【参考】株式会社インソース/【研修セミナー公開講座】評価者研修

ビジネスコーチ株式会社

ビジネスコーチ株式会社は、コーチングサービスのほか評価者研修プログラムを行っています。

クライアント企業のニーズに合わせたプログラムとケーススタディを作成し、課題解決に役立つ実践的な研修を提供しています。一例として、人事評価の重要性や評価者の心構えのほか、評価方法の具体的な解説、ケーススタディによる評価と面談のロールプレイ演習があります。

【参考】ビジネスコーチ株式会社/評価者研修プログラム

産能マネジメントスクール

産能マネジメントスクールは、ビジネス関連で幅広い分野のセミナーや研修を行っています。新・人事評価者研修は、2日間の研修を通して評価者に必要な知識とスキルを身につけるほか、自身の評価傾向と改善点の把握を目指します。

プログラムは、人事評価の基礎知識と評価の注意点、効果的な評価面談のポイント、人事評価の演習、自己分析による評価エラーの傾向と課題の把握などを行います。

【参考】産能マネジメントスクール/新・人事評価者研修

評価者研修に役立つ本のご紹介

ここでは評価者研修を補うものとして役立つ、人事評価について詳しく解説されたおすすめの本をご紹介します。

人事評価の教科書―悩みを抱えるすべての評価者のために/高原 暢恭

HRM分野専門のコンサルタントとして20数年の経験から、評価者のお悩み解決に役立つ知識が1冊にまとめられています。人事評価の目的や体系など基礎知識のほか、人事評価プロセスの解説、フィードバックのポイントなど必要な知識を詳しく解説しています。

【参考】Amazon.co.jp/人事評価の教科書―悩みを抱えるすべての評価者のために/高原 暢恭

人事の超プロが明かす評価基準/西尾 太

コンサルタントとして人事制度や採用、教育など人事労務全般に明るい著者による、特に評価基準について詳しく解説された本です。人事評価に欠かせない評価基準について階層別にコンピテンシー評価の45項目に及ぶ解説のほか、評価されるポイントについても解説されています。被評価者の人事評価に対する理解促進にも役立つ1冊です。

【参考】Amazon.co.jp/人事の超プロが明かす評価基準/西尾 太

まとめ

  • 評価者研修は、評価者が自社の人事評価制度に対する理解を深めると共に評価スキルを高める目的で実施されます。
  • 評価者研修は、人事評価を人材育成や業績向上へと活用する期待の高まりや、上司と部下の逆転による若手の評価者のスキル向上の必要性により、注目されています。
  • 評価者研修を通して見えてきた評価における課題解決のために、評価基準の見直しなど人事評価制度の改善に役立てることができます。

注目の人事トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計20,000人以上の会員が利用しています。

BizHint HRの会員になるとできること

  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • BizHint HR限定公開の記事を読める
  • 実務に役立つイベントに申し込める
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

この記事の関連キーワード

フォローボタンをクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードについて

チーム・組織開発の記事を読む

ニュースやイベントの情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次