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2018年6月22日(金)更新

アクションラーニング

アクションラーニングとは数人のチームを結成し、action=行動+learning=学習、すなわち実際の行動を通して問題を解決する学習システムを意味します。現在世界トップ45社の多国籍企業のうちの半数以上がこのプログラムを取り入れており、企業内で多様化する問題に対する解決法を導くための教育メソッドとして実践しています。

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アクションラーニングの意味とは?

アクションラーニングの歴史は古く、その生みの親と言われているのがイギリスの物理学者ジョン・レバンス氏。1930年代にレバンスがディレクターを務めた石炭連盟では多くの課題がありましたが、その際に『行動+学習』を基盤とするアクションラーニング(原型)を試みたところ、連盟内のメンバーの『気づき』によって課題が次々と解決したことからこのメソッドの価値が認識されたのが始まりです。

アクションラーニングの核となっているのがプログラムの過程に含まれる『リフレクション』(振り返り)という要素。アクションラーニングは数名のチームによって実行されますが、このなかでメンバーは自発的に質問をする必要があります。

これによって言語化された課題をリフレクション(自分の質問がどうだったのか、他のメンバーの質問についてどう思ったかなどを振り返る)することによって、各メンバーは自分を含むメンバーの中にある疑問や課題を客観的に捉え、チーム全体として問題の本質をより深く客観的に認識できるという効果が生まれます。

アクションラーニングが注目される背景

アクションラーニングは多くの海外企業のコーポレートユニバシティ(企業内大学)のプログラムにも含まれています。このプログラムを習得することによって、実際の現場では従来のケーススタディだけでは対処しきれない現実問題を解消することのできる能力が身につくとされています。

多くの企業が直面している現実問題としてあげられているものには次のようなものがあります。

  • 理想とする方法論は知っているが実際に現場で実践できない。
  • 顧客・市場の変化に対応した商品・サービスの提供が追いつかない。
  • 社内で世代間の考えの相違があり、相互に理解できない状況である。
  • 組織を引っ張っていけるリーダーが欠如している。

アクションラーニングの効果とは?

アクションラーニングは数名のチームで取り組むという事が鍵となっており、これによって自分の中にある考えを他のメンバーと共有し、より深く掘り下げることができるというのが特徴です。これによって得られる効果にはつぎのようなものがあります。

  • 問題の本質を解明することで問題解決の糸口をつかむ。
  • メンバー間のコミュニケーションを円滑にする。
  • チームのパフォーマンスを上げることで、組織能力を高める。
  • 個人の学習能力開発やモチベーションの向上につながる。
  • リーダーとなる人材の育成につながる。

アクションラーニングのメリット

アクションラーニングの最大のメリットは、知識や教養として教えられるノウハウだけでは解決できない問題に対する解決法を見つけられることです。

現在のアクションラーニングでは、アクションラーニングのプ祖グラムを習得したメンバーを中心とし、直接プログラムを学んでいないメンバーも学習対象者として認識することがスタンダードな方法となっているため、プログラム習得者をコアメンバーとして組織内にちりばめることでプログラムの効果を数倍に還元し、大きな組織変革を可能にすることができるというメリットも同時に発生します。

アクションラーニングのデメリット

アクションラーニングは1930年代に初めて効果認められてから複数の試行錯誤を経て今日に至るもので、そのメソッドによる効果は多くのメジャーな企業によっても証明されているものですが、実践される環境や条件によっては期待するほどの効果を得られないという場合があります。失敗要因になりうるものとしては次のようなものがあります。

  • リーダー(アクションラーニングコーチ)が話し合いを先導するための十分なスキルをもっていない。
  • メンバーの自発性が少なく、核となる『質問』が出ない。
  • 持続して続けることが難しい。(自然消滅)

アクションラーニングの進め方

アクションラーニングは次の4つの段階で進行します。

ステージ1 – 問題そのものを再認識し、共有する。

潜在的な問題のうち、緊急性の高い問題についてチーム内のメンバーで認識し、共有する。この時にポイントとなるのが、『質問によって問題を発見する』という方法です。自分が知っていることを話すのではなく、自分が「知らない事」をチームになげかけることで問題にフォーカスするという手法でセッションを進行します。

ステージ2 – 問題に対する目標を設定する。

問題をメンバー間で共有したら、その問題に対して有効と思われる各自の行動と、それに付随する結果(目標)を設定します。

ステージ3 – 計画を実行し、手ごたえを確かめる。

アクションラーニングは定期的な頻度(二週間ごとetc)で話し合いが行われることがベストで、それによってメンバーが行動を実践し、手ごたえを確かめる時間が与えられます。その間得られた手ごたえ、目標の達成度は次の話し合い材料として用意されます。

ステージ4 – 行動を振り返る(リフレクション)

決定した行動に基づき実際に実行した際の手ごたえや目標の達成度などについて、チームのメンバーと共有します。この時目標の達成の障壁となる新しい問題が出た場合にはその問題を「行動を通して得た新しい問題」として設定し、チームで課題解決の方法を検証します。(ステージ1にもどる)

アクションラーニングの構成要素

アクションラーニングを構成する要素としては主に次の6つのものがあります。

①問題

アクションラーニングでは、社内で最も緊急性を要する問題を課題として設定する方法が効果的とされます。問題そのものを言語化し明らかにするという工程では、個々に持っている意見が相違する場合も、まずはチームメンバーの質問によって「分からないこと・知らないこと」を共有し、その根本的な問題を全員が認識するところからスタートします。

②チーム

アクションラーニングは4~8人のチームで構成されることが理想です。人数が少人数に設定されている理由は個々の自発性を損なわないため+発言に責任を持たせるためで、これによってチーム全体が最大限に活性化するとされているためです。

③質問とリフレクション

アクションラーニングで効果を出すための鍵となるのが『質問』と、その質問を個々が振り返る『リフレクション』です。自分と他のメンバーの質問を言語として客観的に捉えること、また、他のメンバーと自分の『質問』を振り返ることで問題の核心をより深く知ることにつながります。

④行動

アクションラーニングで肝ともいえるのがこの要素。行動によって得られる結果を持ち帰る機会が与えられる、(つまりミッションとして「行動」のプロセスが与えられる)ので、参加者は自発的に行動を起こすことができる仕組みです。

⑤学習へのコミットメント

アクションラーニングはオンサイト(現場)での実践とオフサイト(それ以外で設定された場所)でのセッションの繰り返しによって成り立つ学習プロセスであるため、学習者はアクションラーニング学習に対して常に責任をもって参加することが重要な要素となります。

⑥アクションラーニングコーチ

アクションラーニングコーチ(学習コーチ)はアクションラーニングを進めていく上で話し合いを効率的・効果的に進めるためのサポート役となる人物です。ラーニングコーチはチームで認識された「問題」の答えを言い渡すのではなく、グループメンバー間の話し合いを効率的に進めるためのスキルを持っていることが条件となります。(アクションラーニングコーチを育成するための研修プログラムも提供されています)

まとめ

  • アクションラーニングが単純な問題解決手法でなく、特別なメソッド・プロセスとして多くの企業で実践されている理由は、継続した組織学習(チーム学習法)によるものである
  • アクションラーニングによる問題解決プロセスは、その工程を繰り返すほどに効果が高まり、組織開発や社全体のパフォーマンス向上につながるメソッド
  • 複雑化する経営課題を柔軟に解決する方法として、アクションラーニングは今や無くてはならないプロセスの1つ

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