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2018年4月19日(木)更新

マインドフルネス

マインドフルネスとは「気づき」とも訳され、自分の身体や精神の状態のありのままを観察すること、またはそれを実現するために行われる瞑想などの行為を指す言葉です。 近年、ストレスの低減などの考課について実証的な研究結果が数多く報告され、注目を集めています。 一例としてGoogleではマインドフルネスを実践する独自の研修プログラムとして「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」が開発され、その後にSAP、フォード、LinkedInなど数多くの企業で自己認識力・自己管理能力を高める研修として取り入れられています。

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マインドフルネスとは 

マインドフルネスは、今この瞬間の自分に集中し、自分の心と体の状態に気持ちを向けることによって、感情や思考、雑念に影響を受けずに、現実をありのままに受け入れようとする心の持ち様です。

マインドフルネスは、意識を常に身体感覚に集中させることで、ストレスや身体の痛みを緩和させる効果があり、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)、パニック障害などの治療にも用いられて効果をあげてきました。

また、ストレス社会を生きる現代人たちのストレスケアやセルフケアとして、マインドフルネスは「心のエクササイズ」とも呼ばれ、注目を集めるようになりました。

マインドフルネスの起源

マインドフルネスは、マサチューセッツ大学メディカルスクールのジョン・カバット・ジン(Jon Kabat-Zinn)教授が仏教の指導者に学び、仏教の瞑想法をベースに西洋科学を統合させて1979年に生み出しました。

彼は、マサチューセッツ大学にストレス低減センター(マインドフルネスセンター)を作り、マインドフルネスによるストレス低減法を実践しています。

私たちも、呼吸や聴覚、視覚、触覚、味覚など身体の五感を使って感じとる練習をすることで、マインドフルネスな心を持ち、ストレスケアをすることができます。

マインドフルネスの効用と仕組み 

マインドフルネスの練習法のひとつに、呼吸瞑想法があります。正しく呼吸をすることによって、自分の体に起こる作用に神経を集中して感じていくトレーニングです。

この呼吸法の他、マインドフルネスな心を育む練習法には、日常生活の動作をしながら、そこに感覚を集中させて心を無にしていく様々なトレーニング法があります。

人間は、現実には起こっていないのに、つらいことを思い出したり想像したりするだけで、ストレスホルモンが分泌されます。

しかし、これらのトレーニングによって、今ある感覚に集中する癖がついてくると、あるいは過去の嫌な出来事についての想い出が蘇った時、その嫌な感覚に長く捕らわれ引きずられることがなくなり、気持ちを他へ向けて気にならなくなります。

マインドフルネスのトレーニングについては、科学的な検証も行われています。

ハーバード大学医学部のサラ・ラザー准教授らによる研究では、マインドフルネスの瞑想法を1日45分8週間続けた人は、脳の中で感情に関わる「海馬」の体積が大きくなるということも報告されており、ストレスや不安、恐怖に反応する「扁桃体」を縮小させる傾向にあることがわかってきています。

マインドフルネスで今に集中する力をつければ、ストレスを減らすことが可能となります。

ヴィパッサナー瞑想との違い

インターネットで「マインドフルネス」と検索すると、よく「ヴィパッサナー瞑想」という項目も同時にヒットします。マインドフルネスで用いる瞑想法と、このヴィパッサナー瞑想の違いはどこにあるのでしょうか。

ヴィパッサナー瞑想(観行)とは、サマタ瞑想(止行)と並ぶ原始仏教の瞑想法のひとつです。サマタ瞑想の目的が精神集中や心の鎮静化であるのに対し、ヴィパッサナー瞑想は物事を深く洞察し、沈んだ心に活力を与える手段といわれます。

「マインドフルネス認知療法」は、この仏教の瞑想法であるヴィパッサナーを取り入れたものですが、宗教色は排除されています。

瞑想することで、身体や間隔、心、法(それ以外の現象)に気づきを向け、これを連続させることでストレスを取り除き、集中力やEQをアップさせていくというメソッドです。

なぜビジネス界でマインドフルネスなのか?

マインドフルネスは、ビジネス界でも注目を集めており、企業のリーダーシップ研修などでもマインドフルネス研修が導入されています。今、なぜマインドフルネスがビジネス界でも注目されているのでしょうか。

マインドフルネス ビジネスでの効果

マインドフルネスのトレーニングで、今の自分に意識を集中させることで、不安や恐れを抱いた自分自身を客観的に見つめられるようになります。

ビジネスで困難な場面に遭遇した時にも、冷静に判断することができるようになるでしょう。

また、職場で怒りや焦りといったマイナス感情が湧いても、それに捕らわれずにすぐにいつもの自分に戻ることができ、職場の人間関係もよくなります。

大きなプロジェクトを任せられたプレッシャーも、マインドフルネスな心であれば、上手に乗り越えていけるでしょう。

マインドフルネス ストレス体制の重要性

ストレス社会といわれる現代、日本では精神障害を原因とした労災認定件数の増加が問題となっています。

そこで、厚生労働省により、常時50人以上の労働者のいる企業には、従業員のストレスチェックが義務づけられました。

企業としては、ストレスのかかる従業員をいち早く発見してケアをし、その職場環境を改善する義務がありますが、同時に従業員の心のストレス耐性を向上させ、心の健康を維持する取り組みも必要です。

マインドフルネス研修で、ストレスに負けない心を育てることはとても重要なのです。

マインドフルネスと柔軟性

ストレスな場面に遭遇すると、人はパニックを起こし、否定や拒否の感情に襲われて身動きが取れなくなります。

条件反射のようにまた同じ場面に合うと、同じ拒否反応を示してしまい、それが続くと心が堅くなりもろくなってしまいます。

しかし、マインドフルネスな心があれば、柔軟性のある心ですぐにいつもの自分に戻ることができます。

グローバル化でこの先何が起こるかわからないビジネスの舞台で、マインドフルネスな心を育てておくことは予期せぬ困難への対処を容易にしてくれます。

日本での普及背景(アメリカ発 そして日本・全世界へ)

アメリカで生まれた「マインドフルネス」ムーブメント

アメリカではカリフォルニアを中心に60年代に数多くの禅道場が開設されたのをきっかけに、その後全米へと「禅」は広まって行きました。

2000年代になると、シリコンバレーのIT企業などが、禅修行のなかの「瞑想」を切り出して心のエクササイズとして特化した「マインドフルネス」に注目。社員の研修・教育プログラムに取り入れるようになりました。

これは瞑想がストレスの軽減やうつ病対策、集中力向上、さらには企業内での人間関係の円滑化に効果的であるという科学的な研究が進み、それを採用した企業が経験として効果を実感したことによるものです。

アメリカ発の「マインドフルネス」をビジネスや教育に取り入れていく動きは、日本だけでなく、ムーブメントとして全世界に広がっています。

日本でも「マインドフルネス」が広く浸透中

日本では2010年に、社会にマインドフルライフを定着させることを目的として「日本マインドフルライフ協会」が設立されました。

続いて2013年にはマインドフルネスに関する科学的・学術的研究の発展とマインドフルネス実践の有効性と安全性を高めることを目指し「日本マインドフルネス学会」が発足。

健康情報番組や科学番組、ニュース等メディアで取り上げられる機会が増え、一般的な「マインドフルネス」という言葉自体の認知度も上がってきています。

マインドフルネスのメリット

マインドルフルネスは私たちの日常生活にどのようにプラスとなってくれるのでしょう。いくつか紹介してみます。

集中力を向上させる

マインドフルネスは、集中力を向上させます。

人は雑念が入ってしまうと、物事に集中することができません。何かプロジェクトを遂行するために、集中しようとしても、「自分は経験が浅いからきっと失敗するだろう」「この方法が間違っていたらどうしよう」など何かしら不安に捕らわれてしまうと、気が散って集中できずに、その結果失敗してしまうかもしれません。

しかし、マインドフルネスな心を持っていれば、不安や前例に捕らわれることはなく、今その場でやらなければならないことだけに全神経を集中させることができます。集中力が高まれば、ベストパフォーマンスも期待できます。

意思決定力がアップする

マインドフルネスを高めることで、意志決定力がアップすることがわかっています。

マインドフルネスが注目されたことで、多くの神経科学研究者がマインドフルネスの脳への影響についての解明を行い、その中で、2014年、ブリティッシュコロンビア大学などの科学者グループが発表した研究によると、自己制御能力に関わる脳の部分である前帯状皮質が、マインドフルネスのトレーニングを行っている人は活発になっていることがわかりました。

この前帯状皮質の働きは自己制御力の他に、過去の経験を元に最適な意思決定を下す能力にも関係しているといわれています。

企業を取り巻く環境が刻一刻と変わっていく現代社会で、企業経営者は求められれば一瞬のうちに正しい意思決定を示さなければなりません。企業経営者にとっても、マインドフルネスを高めることはとても大切です。

ストレスを緩和させ、慢性的な健康問題を改善に導く

マインドフルネスのトレーニングで行う基本の呼吸法は、自律神経を正しくコントロールする助けをすることがわかっています。

自律神経には、交感神経と副交感神経があり、活動したり、緊張したり、ストレスを感じている時に働くのが交感神経で、睡眠中や休息している時、またリラックスしている時に働くのが副交感神経です。

この2つの神経は、交互に働き、片方が活発になっている時は片方が休んでいるというようにバランスよく働くことで、人間は、昼間は活発に動き、夜はゆっくり休むという健康的な生活を送れるのです。

しかし、このバランスが崩れて、交感神経の働きが強まると副交感神経が働かなくなり、休んでいても休息が取れないような、また筋肉が常に緊張しているような感覚が続き、慢性的な不調の原因となります。

マインドフルネスの呼吸法で、自律神経のバランスを正しく戻すことができれば、これらの慢性的な健康問題から解放されるのです。

健康的な食生活に役立つ

現代人の食生活は、かなり乱れています。忙しくて食事を抜かす、時間がなくて料理ができずカップ麺、ファストフードやコンビニ弁当ばかりなど、なかなかバランスの取れた食事が摂れない場合もあります。

また、食事中も、テレビがつけっぱなしだったり、スマホを操作しながらだったり、仕事の書類を読みながらという人も多く、何を食べたのか忘れてしまうくらい食事がおざなりになってることもあります。

マインドフルネスによる食事は、まず食事を見て(視覚)、香りを嗅いで(嗅覚)、味を楽しみ(味覚)噛んだ時の食感を味わい(触覚)、噛んだ時の音や食器の音に耳をすませる(聴覚)と、五感をフルに使って食事を楽しみます。

こうして食事をすることで、食事のメニューへの関心が深まり、五感をフルに使って食べることで早食いによる食べ過ぎも抑えられ、そして食べることができる喜びや感謝の気持ちが生まれます。マインドフルネスは健康的な食生活でダイエットや偏食の改善などにも役立ちます。

有名企業での実践事例

マインドフルネスは、アメリカの有名企業で実践され成果をあげています。そのいくつかを紹介しましょう。

Google社のSearch Inside Yourself(SIY)

アメリカGoogle社は、マインドフルネスを取り入れた人材育成プログラム「Search Inside Yourself(SIY)」を独自開発し、実践しています。

マインドフルネスを日々実践しやすくアレンジして、従業員の自己認識力や創造性、人間関係力を高め、公私に亘って生活を豊かにしてくれるプログラムとして、多くの従業員が受講しGoogle社内で絶大な支持を得ています。

今ではその解説本は26か国に翻訳され、プログラムはアメリカン・エキスプレスやLinkedInなどの企業や大学でも実践されています。

このプログラムの開発担当者は心理学者でも精神科医でもなく、Google社の古参のエンジニアであるチャディー・メン・タンです。

日本でも彼自身がユーモアを交えて詳細に解説した本「サーチ・インサイド・ユアセルフ―仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法」(英治出版)が出版されていますので、参考に読んでみてはいかがでしょうか。

【参考】サーチ・インサイド・ユアセルフ―仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法/Amazon

メンターはトップ成績者?インテル社

インテル社は世界に10万人いるといわれる従業員に対して、9週間にわたってマインドフルネスの瞑想を中心としたプログラムを実施することを決定しました。

インテル社は、事前にこのプログラムのテスト版として、1500名の従業員に対してプログラムを行いました。

そして、研修の前と後で受講者自身に10点満点の自己採点をつけてもらうと、ストレスや切迫感がー2点、幸福感が+3点、新しいアイデア、クリエイティブな心、集中力、心の明晰さ、人間関係、チームのやる気、エンゲージメントなどが全て+2点という結果が出たのです。

この結果により、インテル社は全ての社員に対して、マインドフルネスプログラムを実施することを決定したのです。

【参考】インテル社が導入、「瞑想で業績を上げる」マインドフルネスプログラム

マインドフルネスを身に付けるための実践方法

私たちが気軽にはじめられる、マインドフルネスのトレーニングについて紹介します。

マインドフルネスを実践するには

マインドフルネスは、自分の五感を使って今ある自分に集中し気づきを得ることです。ですから、日常の動作でもマインドフルネスは実践できます。

たとえば、後でご紹介する呼吸法の他にも、五感で自分のまわりのものを感じる気づきの瞑想法、食事を五感で感じる食事瞑想法、歩きながら土を踏む感触など五感をフルに使う歩行瞑想法などです。

マインドフルネスのトレーニングは、少しの時間でいいので、毎日続けていくことが大切です。

マインドフルネスを身につける呼吸瞑想法

それでは、マインドフルネスを身につける呼吸瞑想法についてご紹介します。

① 椅子や床に座って背を伸ばし、身体を揺らしてバランスの良い位置を見つけます。

② 目を軽く閉じて肩の力を抜きます。

③ ゆっくりと呼吸をし、空気が入って来るとお腹が膨らみ、息を吐くときにお腹がへこんでいくのを感じます。

④ ③ができるようになったら、次は吸った空気が全身に行きわたっていく様子をイメージしながら呼吸します。

⑤ ④ができるようになったら、次は呼吸している空気が部屋を流れていく様子をイメージしながら呼吸します。

⑥ ここまで10分程かけて行い、最後はゆっくり目を開けて終了します。

雑念を払い、呼吸に注意を向けるために、空気を吸うときは「(お腹が)ふくらむ、ふくらむ」と心の中で解説し、空気を吐くときは、「(お腹が)へこむ、へこむ」と心の中で解説してみましょう。

呼吸を自分でコントロールするのではなく、身体の自由にさせる感覚で自然に呼吸が繰り返されるのを、後追いで心の中で解説している感じです。

こうしているうちに、マイナスの感情から心が離れて無になり、心が柔軟になっていることに気づくでしょう。最初は短い時間からでいいので、ぜひ毎日続けてみましょう。

動画で見るマインドフルネス

ことばで説明されても、なかなかイメージが湧きにくい「マインドフルネス」について、詳しく解説された動画をいくつかご紹介します。 実践法のみならず、マインドフルネスの概要についてもわかりやすく、コンパクトに解説された動画もあるので必見です。

(一般社団法人 マインドフルリーダーシップインスティテュート)

マインドフルネストレーニングの実践法を解説した動画です。 マインドフルネス全般についての解説もあります。

実践:歩く瞑想~マインドフルネス瞑想より~ 

yogalogより ゆっくりと歩きながら行うマインドフルネス瞑想のやり方をレクチャーしています。 インストラクターは松村憲氏

まとめ

マインドフルネスは現代のストレス社会の中で、心の平安を保つために有効なトレーニングです。企業研修に取り入れることで、従業員の心の幸福感が高まり、ビジネスの場面でもストレスが減り、今何をやるべきかに集中することができるでしょう。

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