はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年11月14日(水)更新

スペシャリストとは

スペシャリストとは、ある特定の業務範囲に特化し仕事をする人のことです。仕事の領域を限定し、専門性を上げることで、特定の分野に関する知識や技術の習得、向上を狙うことができます。会社としてスペシャリスト育成に取り組むことで、より技術的に難易度が高い業務に関しても遂行することが可能になるでしょう。この記事では、ゼネラリスト(ジェネラリスト)との違いや、スペシャリスト育成のポイントもあわせて解説します。

スペシャリストとは に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

スペシャリストとは?

この項では、スペシャリストとは何かについて説明します。

言葉の意味

スペシャリストとは、ビジネスにおいて、ある特定領域に特化して仕事をする人材を指します。この際の特定領域とは、担当する分野や技術領域、資格に関するものまで、様々なものが挙げられます。

スペシャリストの特徴

仕事の領域を限定し専門性を上げることで、特定領域に関する知識や技術の習得、向上を狙うことができます。組織的にスペシャリスト育成に取り組むことで、より難易度の高い業務に関しても遂行することが可能になるでしょう。

ゼネラリストとの違い

「スペシャリストとは何か」について、「ゼネラリスト」との違いを比較すると理解しやすいです。ゼネラリストとは何か、その違いについて解説します。

ゼネラリスト(ジェネラリスト)とは

ゼネラリストとは、ビジネスにおける広範囲の知識や技術、経験を有する人材を指します。転籍や転勤などを想定した大企業の総合職に多く見られる職能の一つです。

スペシャリストとゼネラリストの違い

スペシャリストとゼネラリストの違いを説明します。

スペシャリストの場合は、ある特定領域に絞り業務を行うことになります。スペシャリストとして働く人材に、業務知識や経験、技術を特定領域に集中する形で蓄積させることができる為、その領域における習熟度を比較的早く向上させることが期待できます。反面、習得する技能や知識が偏ったものになりますので、どの部署でも活躍できるマルチな人材を育てるには不向きとも言えます。

ゼネラリストの場合は、スペシャリストと比べ領域を絞らず業務を行うことになります。様々な業務経験を積ませることで、視野が広く幅広く業務ができる、汎用性の高い人材の育成が期待できます。また、多くの部署との交流が生まれるので、部署横断的なアイデアや活動が生まれやすくなることも期待できるでしょう。反面、業務における専門性の向上には繋がりにくいとも言えます。

【関連】BizHint HR:ジェネラリストとは?スペシャリストとの違いとは?

スペシャリストとプロフェッショナル、エキスパートの違い

「スペシャリスト」と同じような意味で使われる言葉に、「プロフェッショナル」、「エキスパート」があります。これらの言葉は、似たようでいて異なる意味合いを持ちます。この項では、「スペシャリスト」と「プロフェッショナル」、「エキスパート」の違いについて説明します。

対義語で考えよう

違いについては、対義語で考えると理解しやすいでしょう。

「スペシャリスト」「プロフェッショナル」「エキスパート」の違いを、対義語も含め一枚の図で示すと、次のように整理できます。それぞれ「軸」が異なります。

【図表】「スペシャリスト」と「プロフェッショナル」、「エキスパート」の違い

「スペシャリスト」の対義語は、「ゼネラリスト」に当たります。専門性が高く業務範囲が特化されているか、幅広いかの違いです。

プロフェッショナルの対義語は「アマチュア」

プロフェッショナルという言葉について考えてみます。プロフェッショナルとは、自分の担当する仕事に責任や誇りを持ち、お客様との約束を守り、クオリティ高い仕事をし、期待を超え成果を上げ続ける、一流のビジネスマンの事です。

プロフェッショナルの対義語は「アマチュア」です。アマチュアは、仕事に対する意識や上げる成果が低かったり、ムラがあったりします。

仕事へのスタンスや上げる成果に関する言葉が「プロフェッショナル」という言葉ですので、業務範囲の広さや狭さを意味する「スペシャリスト」「ゼネラリスト」とはまた別軸の言葉です。プロフェッショナルなゼネラリストも存在しますし、アマチュアなスペシャリストも存在します。

エキスパートの対義語は「ビギナー」

エキスパートという言葉について考えてみます。エキスパートとは、特定の仕事領域に関する熟達者を指します。

エキスパートの対義語は「ビギナー」です。ビギナーは、ある仕事領域において熟達しておらず、キャッチアップを始めたばかりの人材のことです。スペシャリストの中で、より熟練した知識や技術を持つ人材のみ「エキスパート」と呼ばれ、かけだしの人材は「ビギナー」と呼ばれます。

スペシャリストのキャリアプラン

ここまで、スペシャリストとは何かについて、様々な言葉と比較しながら説明してきました。ここからは、スペシャリストというキャリアについて解説していきます。

歴史の変遷

まずは「仕事の専門性」に関する変遷について説明します。

以前はゼネラリストが主流

戦後から高度経済成長、そしてバブル期にかけては、作れば作るほど売れる、労働力と企業の売上が大きく比例した時代であったと言えます。

この時代では、人材のある業務領域における専門性の高さよりも、数としての労働力の方が利益に直結しました。その為、特にホワイトカラーの労働者は、スペシャリストよりもゼネラリストとしての育成が主流でした。

ゼネラリストの育成には、日本的雇用慣行(日本型雇用システム)がうまく機能しました。新卒での大量一括採用、終身雇用、ジョブローテーションといったメンバーシップ型の雇用制度と育成手法が日本の経済成長を支え、海外からも高く評価されていました。

【関連】BizHint HR:日本型雇用システムの特徴とメリット・デメリット
【関連】BizHint HR:ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違いとは?

専門技術の必要性が増し、スペシャリストの需要が増す

昨今では頭脳労働が企業活動の中心となり、ホワイトカラー層の持つ知識やスキル、業務遂行能力に関しても専門化が求められるようになってきました。

例えば法務や経理など元から専門性の高い部署のみならず、企画部や営業部のようなこれまで主にゼネラリストが活躍してきた部署においても、「特定の業界に明るい人」や「特定の製品について熟知している人」といったスペシャリストの必要性が高まってきました。

これら業務内容の高度専門化と、終身雇用制度の崩壊による転職市場の活発化により、特に中途採用市場におけるスペシャリストのニーズも増えています。スキルや知識、資格のみならず、「○○をした経験がある人材」、「○○領域で○年の勤務がある人材」といった専門的経験も大きく評価されるようになってきています。

スペシャリストからのキャリアプラン

総合職でも専門家として職務を遂行する人材が増えた結果、キャリアプランも多様化しています。スペシャリストのキャリアプランにはどのようなものがあるかを解説します。

管理職(ゼネラリスト)への昇進

ある業務領域内で係長、課長、部長と出世をし、管理職として従事するキャリアパスが考えられます。

このように現場からの叩き上げで昇進する場合、部下となるメンバーからも信頼が得られやすいメリットがあります。一方、専門家としては一流ですがマネジメントに不向きな人材を昇進させてしまった場合、一般的な企業では降格が難しいため、優秀なスペシャリストを喪失し、優秀でないマネージャーが誕生することになり、二重のデメリットが発生します。

プレイングマネージャーという形

昨今では「プレイングマネージャー」という働き方も一般的になってきました。現場の最前線でプレイヤーとして売上や利益に貢献する実務を担当する一方、部下の育成や指導を行う管理職を兼任する働き方のことです。

単純に管理職の人件費を減らすといった効果のみならず、プレイヤーとしてのパフォーマンスを発揮し続けている人材がマネジメントを行うことで、部下や周囲の納得感も得られやすく、指示命令系統がしっかりと機能するといったメリットがあります。また、常にプレイヤーとして活躍し続ける人材がマネジメントを行うことで、その豊富な経験や知識、ノウハウを常時アップデートしながら部下に伝えられることが期待できます。このように、人材開発の観点からも有効に働くことが期待されます。

うまく機能すれば有効な働き方ですが、陥りがちな落とし穴もあります。例えば、プレイヤーとしての自分像に固執し、マネジメント業務がおろそかになってしまう事や、プレイングマネージャーに業務が集中し負荷が高くなってしまう事などが考えられます。

対策としては、これまでの働き方との違いや陥りがちな落とし穴、そしてマネジメントについて学習できる教育プログラムの提供などが考えられます。

【関連】BizHint HR:プレイングマネージャーとは?求められる役割と陥りがちなこと

エキスパートへの道

スペシャリストは気質的に職人肌や学者肌の人が多い為、「現場から遠ざかりマネジメントしなければならないくらいなら昇進しなくて良い」と考える方も少なくないのではないでしょうか。専門領域を極めていきたいのにも関わらず、キャリアアップの道が管理職にしかないようだと、仕事へのモチベーションの低下や、転職や他社への引き抜きといった人員の流出にもつながる可能性があります。

管理職へ昇進せず、現場の第一線で活躍しながら昇進できるような、「エキスパート」への道を、キャリアプランとして用意できると良いでしょう。

スペシャリストをどう育成するか?

ここまで、スペシャリストのキャリアプランについて、歴史の変遷も含め解説してきました。より高度な知識や技能、経験が求められるようになってきた中で、スペシャリスト育成の必要性も高まってきています。この項では、スペシャリストをどう育てればよいのか、そのヒントを紹介します。

スペシャリスト候補の採用

そもそもの人材適正として、人は大きくスペシャリストタイプの人材、ゼネラリストタイプの人材に二分されます。一般的にスペシャリストとして適性があるのは、特定の専門領域について極めたい、より探求したいという学者肌、職人肌の人材であり、プロダクトアウト型の人材と言えるでしょう。一方、ゼネラリスト型の人材は、物事に幅広く興味関心を持ち、領域やソリューションにこだわらない、マーケットイン型の人材であると言えます。

どちらが優れているというわけではありませんが、経営戦略としてスペシャリスト人材の人員強化を考えている場合は、スペシャリストとして適正のある人材の採用を検討しましょう。

例えば一般消費財メーカー大手のプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社は、「ゼネラリストではなくプロフェッショナルなスペシャリストこそが最良の人材である」という考えのもと、職種別採用を行っています。従業員本人の意向により社内公募へ申し出たり、上司との相談の上職種を変更することも可能ですが、基本的には職種間の移動はせずに、キャリアを積んでいくことになります。

【参考】留学ジャーナル:キャリアの達人に聞く「世界で活躍できるスペシャリストの採用・育成方法とは?」

キャリアパスの整理

スペシャリストとして活躍できるキャリアパスを用意することをお勧めします。先程紹介したように、現場に関わり続けられるマネージャーとしての「プレイングマネージャー」、マネジメントはせずに自分の専門性を磨き続けて昇進ができる「エキスパート」としてのキャリアパスが会社に用意されていれば、スペシャリスト枠の社員のモチベーション向上や、更なる専門性の向上に貢献するでしょう。

本人の意向の把握

スペシャリスト育成には、何より本人の意向が重要です。ある領域に対する専門性の 向上は、その本人の興味や志向に大きく依存する為です。

本人の理想とするキャリアパスと、上司が考えるキャリアパスを、評価面談の機会などで都度把握、すり合わせをしておくと良いでしょう。

配置転換時における配慮

日本では、定期的に配置転換があり、ジョブローテーションが行われる会社も多いでしょう。配置転換は、部署内の人員バランスを保ったり、経営資源を集中させたりするのに有効です。しかし、せっかくこれまで育てた専門性を放棄させてしまうのであれば、それはあまりにも勿体無い話です。

人事として可能な限り、個人ごとのキャリアパスや、長期的な人材育成計画に基づいた配置転換を行うことが望ましいでしょう。より戦略的なスペシャリスト育成と人員配置の為には、タレントマネジメントシステムの活用が役に立つかもしれません。

【関連】BizHint HR:タレントマネジメントシステムとは何か?求められる理由とその効果

評価

従業員のモチベーションの源泉となるのが評価(人事考課)です。スペシャリストとしての活躍と業績への貢献が正当に評価され、管理職と同じように厚遇されるようになるのが望ましいと言えるでしょう。

一方、スペシャリストの評価向上が賃金の増加につながり、経営の圧迫を招く可能性も考えられます。むやみに専門職の評価を向上させようとするのではなく、一定のルールを設けるなど、なんらかの対策を考えておく必要があるでしょう。

例えば電気機器メーカー大手のオムロン株式会社では専門職制度を導入していますが、専門職として認定されているのは2017年4月現在、オムロングループ全体で96人です。まさに少数精鋭であることが考えられます。

人数を制限したり、専門性の向上が業績につながるような評価制度を検討するなど、自社の運用にあわせた仕組みを考えましょう。

【参考】オムロン:専門職制度について
【関連】BizHint HR: 人事考課の意味とは?評価との違いと、ポイントをわかりやすく解説
【関連】BizHint HR:専門職制度とは?専門職制度の歴史・問題点・事例をご紹介

まとめ

  • スペシャリストとは、ビジネスにおいて担当する分野や技術など、ある特定領域に特化して仕事をする人材を指します。特定領域に関する知識や技術の習得、向上を狙うことができます。
  • 似た言葉に「プロフェッショナル」、「エキスパート」がありますが、意味合いは異なります。スペシャリストは領域の専門性、プロフェッショナルは挙げる成果、エキスパートは熟練度に関する言葉です。
  • かつての総合職はゼネラリスト育成が主流でしたが、頭脳労働の高度化に伴いスペシャリストの人材開発に注目が集まっています。
  • 育成に関しては、スペシャリスト候補の採用、キャリアパスの整理、本人の意向の確認、配置転換時の配慮、評価制度の整備などを検討する必要があるでしょう。

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計170,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 事業運営のキーワードが把握できる
  • 課題解決の事例や資料が読める
  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

スペシャリストとはの関連キーワードをフォロー

をクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードフォローの使い方

人材育成の記事を読む

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次