はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年11月13日(火)更新

幹部候補

幹部候補とは、将来的に上位管理職や企業経営者などの重要な役職に就き、大きな成果を出すことを期待されている人材を指す言葉です。幹部候補の発掘や獲得、育成の成否は組織の未来を大きく左右するといっても過言ではありません。幹部候補の育成や活用を成功させるために必要な情報やノウハウを、幹部候補という言葉の意味や対象範囲、求人募集方法や採用基準の構築、育成方法などの項目に整理して分かりやすく解説致します。

幹部候補 に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

幹部候補とは?言葉の意味と対象範囲

幹部候補とは、将来的に組織内の幹部ポストに就き、大きな成果をあげることを期待されて採用または選抜された人材のことです。組織によっては幹部候補生と呼ぶこともあります。

幹部とは『組織の中心となる人物』のことであり、明確な線引きはありません。そのため、トップマネジメント層の候補者のみ幹部候補として扱う場合もあれば、部長や次長(副部長)の候補者まで幹部候補に含める場合もあるなど、組織の規模や方針によって幹部候補として扱う範囲は大きく異なります。

幹部候補という言葉は自衛隊や公務員にも用いられている

幹部候補という言葉は企業や会社に属する従業員や会社員だけではなく、自衛隊員や自衛官、公務員に対しても用いられます。また、自衛隊員や自衛官の場合には幹部訓練生と呼ぶこともあります。

なお、当記事では企業や会社に属する従業員や会社員を対象として、幹部候補の求人募集方法や採用基準、育成方法などについて解説していきます。

幹部候補の求人募集方法や採用基準の構築とポイント

次世代を担う幹部の育成は、求人募集や採用の段階からすでにはじまっています。

全ての組織が最重要課題として掲げる幹部候補の確保と育成を成功させるため、求人募集の方法や採用基準の構築や抑えておくべきポイントについてしっかりと学んでいきましょう。

社内公募制度の構築と活用を検討する

幹部は組織を俯瞰的に捉え、全体のバランスや関係性を十分に意識しながら意思決定を行っていく必要があります。そのため、組織内部の人材から幹部候補を選抜する社内公募制度はとても有効な施策となります。

社内公募制度活用の最大のメリットはこれまで組織内で培ってきた経験や知識を最大限に活かせることです。また、社内公募制度を構築することによって「いつかは自分も幹部候補に立候補しよう」と高い意識を持ち、組織全体に興味を示しながら日々の業務に取り組む従業員を増加させることができます。

組織全体の士気や緊張感を高め、緊急時には即戦力としての活躍も期待することができる社内公募制度は、幹部候補確保という重大課題の解決方法の一つとして大いに役立ってくれることでしょう。

【関連】社内公募制度とは?メリット・デメリットや注意点を一挙ご紹介 / BizHint HR

中長期経営計画に基づいた人材育成計画を立てる

幹部は全従業員の先頭に立ち、どんな困難に対しても臆することなく勇敢に突き進んでいけるリーダー的存在でなければなりません。

しかし、だからといって限られた育成期間であらゆる状況に対して的確な対応を取れる人材を育成するというのは極めて困難です。そのため、幹部候補の人材育成計画はシンプルかつ適切なものである必要があります。

多くの組織は中長期経営計画(中長期経営戦略)に基づきながら将来ビジョンの実現に向けて日々邁進しています。そして、中長期経営計画からは幹部候補の確保と育成を成功させるために欠かすことのできない多くの要素を洗い出すことができます。

  • 将来的に必要となると予測される幹部の人数と役割
  • 次世代リーダーに求められる人材特性やスキル、能力
  • 実施するべき教育内容と自社環境に最適な実施方法

中長期経営計画から洗い出したこれらの要素を基に人材育成計画を作成することで、自社を取り巻くマクロ環境の変化にも柔軟に対応できる幹部候補育成を実施することが可能となるでしょう。

応募要件や採用基準、人材募集方法、採用後の待遇などを決めていく

幹部候補の人材育成計画が完成したら、その内容に沿って次のような内容を決めていきます。

  • 求人応募に必要となるスキルや能力、その他の条件
  • 人材募集メディアの選定や募集期間の設定
  • 採用直後の配属部署や給与体系
  • 幹部候補独自の給与体系や待遇の適用タイミング

トップマネジメント層が中心となってこれらの内容を詰めておくことにより、採用担当者の認識ミスによる人材のミスマッチをなくし、幹部候補の育成を計画通りに進めることができる人材を獲得することが可能となるでしょう。

新卒採用者と中途採用者それぞれに対する注意点を把握しておく

求人情報の公開からエントリー(応募)、書類や面接による選考という一連のプロセスは通常の採用活動と大きな違いはありません。

しかし、募集対象が組織の舵取りを行う幹部の候補者という重要な立場であることから、求人情報の作成時や採用判定時に押さえておくべき重要なポイントが存在します。

幹部候補としての意識を高める工夫を施す

幹部候補とは『当社のイメージ通りの成長をして頂けた暁には幹部として活躍してもらいます』という約束でしかなく、将来の幹部ポストを保障するものではありません。そのため、求人情報に幹部候補という表現を記載していても「自分が幹部に選ばれることはおそらくないだろう」と最初から諦めてしまったり、「幹部候補という言葉で応募者数を増やそうとしているのかもしれない」と疑ってしまう方が中にはいます。

高い意識と志を持ち合わせた人材に応募してもらうためには、通常採用との違いを明確に示し、応募者自身が幹部候補として実際に育成される姿を具体的にイメージさせる工夫が必要です。

自社webサイトの求人ページや会社説明会など、求職者が応募検討を行う際に参考とする場所で幹部候補募集専用のスペースや時間を設け、動画や写真を交えながら採用後の流れを分かりやすく説明することによって、より多くの求職者に幹部候補としての高い意識と志を持って応募してもらうことができるでしょう。

新卒者に対するフォローアップ体制を整えておく

昨今、大手企業を中心に新卒の幹部候補採用が増加傾向にあります。

従来の新卒枠とは別に用意された幹部候補枠を通じて採用された新卒者たちは、いわゆるキャリア組として輝かしい第一歩を踏み出すことになります。しかし、幹部候補として採用された新卒社員の中には、幹部候補という肩書きの重みや「高給に見合うだけの成果を出し続けなければ」というプレッシャー、「自分は日々成長できているのだろうか」といった不安から体調を崩してしまう方もいます。

そのようなストレスによって本来の能力が発揮できないことは、幹部候補本人にとっても組織にとっても望ましくないことです。社会経験の浅い新卒者を幹部候補として採用する場合には、客観的評価とポジティブフィードバックの活用、ストレスマネジメントの実施など十分なフォローアップ体制を整えておく必要があるでしょう。

中途採用の場合、自社との相性や人材特性に注目する

通常、即戦力の確保を目的とした中途採用では保有しているスキルや能力、技術、知識といったパフォーマンス面やこれまでの経歴などを重視します。しかし、中途採用によって幹部候補を募集する場合には、自社との相性や人材特性にも注目しなければなりません。

戦略的に変えていく場合にはその限りではありませんが、組織の現状を維持していくためには創業者や現経営者の思想に心から理解を示し、組織風土とマッチした人物を幹部候補に選抜する必要があります。

そして、その人物には幹部として成果をあげるために欠かすことのできないカリスマ性や先見性、洞察力や決断力などの人材特性も求められます。

幹部候補採用は組織にとって将来への先行投資です。たとえ中途採用であっても、幹部候補として採用する場合には、採用後の教育による育成や修正が困難な要素に重点を置いて採用判定を行う必要があるでしょう。

幹部候補育成の必要性と具体的手段を全従業員に周知する

幹部候補を育成する際の情報共有に対する姿勢は、「オープン型」と「クローズ型」の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめます。

オープン型幹部候補育成(情報を全社員と共有)

【メリット】

  • 幹部育成に対する理解や全面的協力を得やすくなる
  • これまで以上に明確な将来ビジョンを与えられる
  • 全従業員の意識と足並みを揃えることができる
  • 次期幹部と従業員との関係構築を早期に開始できる

【デメリット】

  • 意図的な妨害を受ける可能性がある
  • 派閥意識が強まる場合がある
  • 幹部候補の顔色を伺う従業員が発生

クローズ型幹部候補育成 (情報を一部社員のみ共有)

【メリット】

  • 知られては困る人物が存在する場合に有効
  • 組織内に余計な波風を立てずに進められる
  • 幹部候補育成に対する意図的な妨害を受けにくい

【デメリット】

  • トップマネジメント層や人事部に対する不信感の発生
  • 人間関係の悪化と連携力(チームワーク力)の低下
  • エンゲージメントやモチベーションの大幅低下
  • 組織内に淀んだ空気が蔓延する
  • 幹部候補が差別やいじめの対象となる可能性がある
  • 幹部候補の育成に対する理解や協力を得られない

組織の安定した将来に向けて幹部候補の確保と育成が必要だと判断した場合、できるだけ早い段階で全従業員に対して周知しておかなければなりません。なぜなら、わずかな対応の遅れによって、幹部候補育成の育成や活躍を妨げる多くのマイナス要素が生み出されてしまう可能性があるからです。

もしも、幹部候補育成の事実を全く知らない従業員が、一般採用者よりも多い給与を受け取り特別な教育を施されている幹部候補の姿を目にしたら、どのように感じるでしょうか。多くの従業員は自身の役割を果たすことに集中しており、大きく気に留めることはないかもしれません。しかし、中には「トップマネジメント層や人事担当者の私的感情による特別待遇だ」といった決め付けや、「自分たちは差別を受けているのではないか」といった誤解をしてしまう従業員もいるでしょう。

このような情報は人から人へと伝わり、あっという間に組織全体へ広まってしまいます。そして、一度誤った情報が蔓延してしまうと、後から正式な情報を流したとしても素直に受け入れられにくくなってしまいます。

組織は様々な理由から幹部候補の確保や育成を検討します。また、その中には『経営方針や考え方が合わない幹部を辞めさせるため』や『高いカリスマ性を持つ人物が「そろそろ一線を退きたい」と希望している』など、全従業員に周知することで対立激化や士気低下を招く危険性のある理由も存在します。

そのような場合、重要情報をごく一部の関係者だけで共有し、その他の従業員たちには幹部候補を育成する真の目的や具体的な計画について伏せたまま進めていく、クローズ型の幹部候補育成を行うことがあります。しかし、組織全体が同じ目的意識を持っていないまま実施する幹部候補育成の効果は上がりにくく、予期せぬトラブルも発生しやすくなってしまいます。

幹部候補のポテンシャルを最大限に引き出し、組織の幹部として長期的に活用していくためにはオープンな人材育成環境が欠かせません。幹部候補育成の必要性と具体的手段を全従業員に周知することによって、組織全体で幹部候補の存在を受け入れ、育成していく環境を構築していきましょう。

幹部候補の育成方法とポイント

社内公募制度や採用活動によって幹部候補を確保することができたら育成プロセスに移ります。次のようなポイントを押さえながら、人材育成計画を進めていきましょう。

通常の人材育成よりも手厚いサポートが必要

幹部候補に対する教育は『知識の取得』と『経験からの学習』の2つに大別することができます。そして、これらの効果は教育対象者の教育内容に対する理解度や自己評価の精度と比例する傾向があります。

幹部になるための特別な教育を受けた経験を持つ人物はほとんどいません。また、そのような経験を持っていたとしても組織によって中長期経営計画や人材育成計画は異なるため、自社の実施目的を正しく理解してもらう必要があります。

このような事情から、幹部候補の育成初期段階においては、実施目的の説明や個人目標設定時の助言、自己評価と他者評価の比較など、通常の人材育成以上に手厚いサポートを実施しなければなりません。

育成初期の段階で『なぜこの知識を得る必要があるのか』や『この経験から何を学び取らなければいけないのか』といった実施目的や目標設定方法を理解してもらい、自己評価の精度を高めておくことによって、自ら考え、行動に移すことのできる幹部を育成することができるでしょう。

ロールモデルを作成する

ロールモデルとは、ある一定の目的を果たすために必要な行動や思考の模範となる人物のことです。ロールモデルは通常の人材育成においても高い効果を発揮しますが、幹部育成においては成否を分ける重要な存在となります。

  • 現幹部から学んでもらいたい点と今後変えていきたい点の洗い出し
  • 中長期経営計画の実現に向けて獲得するべき要素とその要素を保有している人材の特定
  • 同行や指導などロールモデルから幹部候補が学ぶことのできる教育プランの検討

ロールモデルを示すことによって、言葉や文字で説明する以上に目指すべき人物像のイメージが伝わりやすくなります。育成側と幹部候補が共通の人物像を描きながら取り組むことで、人材育成の効果は更に高まっていくでしょう。

【関連】ロールモデルの意味とは?必要性から、女性の場合の考え方まで / BizHint HR

数多くの実践経験を積ませる

激動のビジネス社会を生き抜く組織を作るためには、どのような変化にも適切かつスピーディーに対応できる力が必要です。そして、そのような力は幾度もの実践経験を通じて少しずつ身に付いていくものです。

実践ならではの緊張感は自分が幹部候補であるという自覚と刺激を与え、失敗が許されない重圧感は従業員とその家族の生活を守るために欠かすことのできない覚悟と度胸を育てます。また、トライアンドエラーを繰り返すことで俯瞰力や分析力、決断力、実行力を養い、成功体験によって自信をつけることができます。

OJT(職場内研修)やOff-JT(職場外研修)によって効率的に学べる内容も数多く存在しますが、決してそれだけに頼ってはいけません。幹部候補がストレスやプレッシャーで押し潰されてしまうことがないように十分なメンタルヘルス対策を実施しながら、積極的に数多くの実戦経験を積ませていきましょう。

まとめ

  • 幹部候補とは、将来的に上位管理職や企業経営者などの重要な役職に就き、多くの成果をあげることを期待されて採用または選抜された人材である
  • 幹部候補の育成と活用は企業規模や業種を問わず、全組織に共通する最重要課題である
  • 幹部候補の育成を成功させるためには、求人募集や採用判定などの初期段階から戦略的に取り組まなければならない
  • 時に手厚く支援し、時に困難事例に向き合わせることで、ストレスやプレッシャーに押し潰されることなく幹部に必要な要素を身に付けさせることができる

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計90,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 事業運営のキーワードが把握できる
  • 課題解決の事例や資料が読める
  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

この記事の関連キーワード

フォローボタンをクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードについて

人材育成の記事を読む

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次