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2018年7月31日(火)更新

マイクロラーニング

マイクロラーニングとは、従来のeラーニングと比較し短時間で受講できる「マイクロコンテンツ」により学習を行う、新しい学習スタイルのことです。社員は日常の隙間時間を活用し、パソコンやモバイル機器など、様々なデバイスを通じて学習することができます。この記事では、マイクロラーニングが生まれた背景や、マイクロラーニングにより成果を出すためのポイント、マイクロラーニングを取り入れた企業教育サービスの例を紹介します。

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マイクロラーニングとは

マイクロラーニングとは、短い(=マイクロな)学習コンテンツを利用したeラーニングを指します。概ね1~3分(5分や10分以内の場合もあり)程度の学習コンテンツを、パソコンやタブレット、モバイル機器など、様々なデバイスを通じて視聴できることが特徴です。クイズなどゲーミフィケーション要素を取り入れたコンテンツも多く、時流にのった新しい学習スタイルと言えます。

「マイクロラーニング」という言葉は、世界的なバズワードとなっています。企業における人材開発の世界最大の組織、ATD(Association for Talent Development)が開催した「ATD2017 インターナショナルカンファレンス&エキスポ」において、ATDの会長であるトニー・ビンガム氏がキーメッセージとして紹介し話題となりました。

【参考】カンファレンスレポート/HUMAN VALUE

【関連】eラーニングとは?メリット・デメリットや用途別eラーニングサービスまとめも/BizHint HR

マイクロラーニングが生まれた背景

マイクロラーニングという学習スタイルが生まれた背景について解説します。

従来のeラーニングの限界

マイクロラーニングが生まれた要因の一つには、従来のeラーニングの限界が挙げられます。

従来のeラーニングの学習スタイルとしては、数十分~一時間ほどのボリュームがある学習コンテンツを、オフィスのパソコンを使って視聴する形式が一般的でした。しかしこのような学習スタイルには以下のような問題がありました。

忙しさが理由でコンテンツが視聴されない

日頃忙しく働くビジネスパーソンにとって、まとまった時間を捻出することは簡単なことではありません。そのため、学習コンテンツを制作しても中々視聴されず、閲覧されたとしても流し見や早送りされ、担当者が期待していた学習効果が得られないといったことが多く発生していました。

集中力が続かず、思ったような学習効果が得られない

従来のeラーニングでは、長時間の動画コンテンツなどで学習プログラムが提供されていました。しかし、長時間の学習は、集中力が続かず、思ったような学習効果が得られないことが指摘されています。

例えば、東京大学薬学部の池谷裕二教授が中学1年生を対象に行った「勉強時間による学習の定着・集中力に関する実証実験」では、60分間学習を行った「長時間学習」グループよりも、15分間の学習を3回繰り返した「積み上げ型学習」グループの方が、学習の定着・集中力に対して効果がある、という結果となりました。

【図表】勉強時間と成績の上昇の比較結果

【出典】学習時間を細かく分けた「45分」で「60分」と同等以上の学習効果を発揮 株式会社ベネッセホールディングスのプレスリリース/PR TIMES

一度しか見られず定着しない

繰り返し学習は学習内容の定着に効果的です。しかし、従来のeラーニングは手軽に学習できる仕組みではありませんでした。そのため、学習コンテンツは一度閲覧されたらそのままで、復習されないことがほとんどでした。結果として、知識や記憶が定着せず、思うような効果が挙がらないことも多く見られました。

以上のような「従来のeラーニングの問題」を解決する学習方法として、「マイクロラーニング」という概念が生まれることとなりました。

ミレニアル世代の志向

マイクロラーニングの誕生には、ミレニアル世代の志向も影響しています。

2020年には世界の労働力の3分の1以上をミレニアル世代が占めると言われています。一方、企業の人事制度や社員教育の仕組みの改革が間に合わず、ミレニアル世代の意向とのミスマッチが起きていることが問題視されています。

ミレニアル世代の志向としては、「学習の手軽さ、フレキシブルさ」、及び「パソコンではなくモバイル機器の利用を好む」ことが挙げられます。ミレニアル世代に適した学習手法として、マイクロラーニングの存在感や必要性が高まりつつあります。

【参考】ミレニアル世代のキャリア 2020年に向けたビジョン/マンパワーグループ

コンテンツ配信方法の多様化

情報技術の発達に伴い、LMS(学習管理システム)、社内SNS、ナレッジマネジメントシステム、モバイル機器など、様々なプラットフォームからコンテンツを配信できるようになりました。これにより、学習者が自身に適したプラットフォームで学習できるようになり、企業としてマイクロラーニングが実施できる学習環境が整ってきました。

【関連】LMS(学習管理システム)とは?意味やメリット、導入方法からLMSの今後までご紹介/BizHint HR
【関連】ナレッジマネジメントの意味とは?成功&失敗事例や促進ツールもご紹介/BizHint HR

マイクロラーニングのメリット

マイクロラーニングを実施するメリットについて解説します。

社員がスキマ時間に学習できる

最も大きなメリットとして、社員が隙間時間を利用し、マイクロコンテンツを学習できることが挙げられます。

移動中にスマートフォンを通じて動画コンテンツを閲覧したり、オフィスでの業務と業務の合間の数分を有効活用したりと、まとまった時間をとりにくい社員であっても、学習を進めることが可能です。

学習内容が定着しやすい

知識や記憶、学習内容が定着しやすいことも、マイクロラーニングの大きなメリットです。

定着しやすさの要因としては、「復習がしやすいこと」「学習内容の理解度を都度確認できること」「興味がある分野を学習できること」の三点が挙げられます。

復習がしやすい

マイクロラーニングの学習コンテンツは一つ一つが数分で終わる簡潔なショートコンテンツとなります。そのため何度も復習しやすく、記憶の定着が狙えます。

学習内容の理解度を都度確認できる

ショートコンテンツの最後には、学習内容の定着を確認するための短いクイズや確認テストを設けることも一般的です。しっかり内容を理解できているか、コンテンツごとに確認しながら学習を進めることが出来ます。

興味がある分野を学習できる

受講者は、その時々で自身に必要なテーマやeラーニングコースを自発的に選択し、学習することも可能です。社員がそれぞれ興味のある内容を学べるため、学習内容が習得・定着しやすくなります。

学習教材の制作、修正が容易

マイクロラーニングでは、プログラム一つ一つがコンパクトな学習コンテンツとなっています。従って、コンテンツ制作や修正が、従来と比べて容易です。

これにより、アジャイル開発のような、スピーディで効率的な研修・人材開発プログラムの提供が可能となります。

マイクロラーニングのデメリット

マイクロラーニングには、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

向かない学習コンテンツも

マイクロラーニングに向かない学習内容も存在します。

例えば、ディスカッションやワークショップ形式の学習、1on1のような面談を通じた人材育成など、対面での人と人との相互作用による学習には不向きであると言えます。

また、マイクロラーニングのコンテンツは、短時間で学べる内容であることが条件となります。そのため、資格の取得・維持のための学習や、複雑でじっくり理解する必要のある内容の学習など、まとまった学習量・学習時間を必要とする社員教育にも不向きであると言えるでしょう。

【関連】1on1の意味とは?話す内容や注意事項、効果を最大化するポイントをご紹介/BizHint HR

学習コンテンツを配信するシステムが必要

マイクロラーニングには、学習コンテンツを配信するためのシステムが必要です。そのため、システム管理のためのマンパワーや、システム利用料というコストが発生することとなります。

マイクロラーニング活用で成果を出すポイント

マイクロラーニングを活用して成果を出すポイントについて解説します。

コンテンツを分割しない

マイクロラーニングの定義とも言える原則として、「Not Chunking、Not Continuation、Not Breaking Down Docs(大量ではなく、続編もなく、文書を分割することもしない)」という考え方があります。連続講座ではなく、一回一回が独立して完結するようなマイクロコンテンツとすることが重要です。

適切な配信ツール、プラットフォームを選ぶ

マイクロラーニングで成果を出すためには、学習環境へのアクセスしやすさが非常に重要な要因となります。どのような配信ツールを使えば社員がリーチしやすいのか、ストレス無く自発的に学習するのかを見極めるようにしましょう。

後述するマイクロラーニングのサービスには、一定期間利用無料のトライアル期間を設けている場合もあります。サービスを利用する際には、期待する効果が得られそうか、トライアル期間中に試せると良いでしょう。

集合研修や実地でのトレーニングと併せて活用する

マイクロラーニングはあくまでeラーニングの一種です。eラーニング自体が不得意とするような学習領域をカバーできるようなものではありません。集合研修や実地でのトレーニングの方が優れた学習効果を示す場合も多いでしょう。

全てをマイクロラーニングに置き換えようとするのではなく、有効性を見極めた上で、他の学習手法と併せて活用することが重要です。例えば、集合研修の予習・復習用教材や、OJTの補完教材としての活用が考えられます。

【関連】OJTの意味とは?計画~実行までのフロー、失敗例まで徹底解説/BizHint HR

反転学習のツールとして活用する

反転学習とは、集合研修とホームワークの役割を「反転」させる学習方法です。事前にeラーニングコースの受講などにより新しい知識の習得を済ませた上で、集合研修では知識の確認や問題解決学習を行っていきます。元々は学校教育の現場で広まった教育手法ですが、企業内教育の現場にも導入が進んでいます。

この反転学習における「ホームワーク」のプロセスに、マイクロラーニングを活用することが有効であると考えられています。マイクロラーニングにより新しい業務知識の習得を事前に行った上で、対面での研修を実施します。討論や、事前学習の不明点の質疑応答、プレゼンテーションやディスカッションの実施などを通じ、単純な暗記だけではない、多角的で実用的な理解を深めていくことが可能であると考えられています。

マイクロラーニングのサービス例

マイクロラーニングを企業に導入する際に活用できるサービスについて解説します。

マイラ

マイクロラーニングサイト「マイラ」は、株式会社アイ・ラーニングが提供する社員教育インフラです。豊富な動画コンテンツを定額で、好きなだけ利用することができます。

また、「バッジ機能」や「ポイント機能」といったゲーミフィケーション要素を取り入れており、学習者の自発的な学習を促すことが可能なサービスとなっています。

【参考】マイラ:新しい社員育成インフラ/アイ・ラーニング

UMU(ユーム)

ユームテクノロジージャパン株式会社が運営する「UMU(ユーム)」は、マイクロラーニングを中心としたコミュニケーションツールです。

画像や質問、動画や音声などを組み合わせ、スピーディにコンテンツ制作が行える機能や、研修前後は勿論、研修中にもリアルタイムに試験を行い、理解度を確認できる機能などを利用することができます。マイクロラーニングを活用した、総合的な企業内教育を革新するためのサービスであると言えるでしょう。

【参考】UMU

LOGOSWARE Spotty

ロゴスウェア株式会社が運営する「LOGOSWARE Spotty(スポッティ)」は、店舗スタッフやアルバイトの学習教育に最適なシステムです。スタッフに対する写真や文章などのコンテンツ配信や、スタッフの閲覧状況の確認などを行うことができます。100名利用で月額9800円と、低価格で利用できることも大きなメリットです。

【参考】日常のちょっとした学びに特化したマイクロラーニングシステムSpotty

インソース

研修業界大手の株式会社インソースも、マイクロラーニングの導入支援サービスを提供しています。

スキルマップ・教育体系図の構築、マイクロラーニング用の教材作成、教材配信・運用のための環境構築など、総合的なマイクロラーニングの導入支援を行っています。

【参考】マイクロラーニング導入支援のご提案/株式会社インソース

まとめ

  • マイクロラーニングとは、数分で受講できるマイクロコンテンツにより学習を行う、新しい学習スタイルのこと
  • メリットとしては「学習のしやすさ」「学習内容の定着しやすさ」「コンテンツ制作のしやすさ」などが挙げられ、ミレニアル世代の志向ともマッチしている
  • コンテンツを分割しないことが原則。集合研修やトレーニングとの併用や、反転学習のツールとしての利用も有効

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