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OJD

2020年2月17日(月)更新

国際競争力が重視される世界経済において、多くの日本企業が環境変化に対応できる人材の確保・育成を急務と位置づけています。そこで注目されているのが、長期的な人材開発手法であるOJDです。今回は既存のOJTとの違いやOJDの目標、メリット、必要性、導入事例などを中心にご紹介いたします。

OJDとは

OJD とは、「On the Job Development」の略で、新入社員や若手社員を対象にしたマネジメント能力の開発・育成 の一種です。日々の仕事を通して直属の上司が指導とサポートを行うことで、将来的に必要とされるさまざまな能力を身につけることができます。

OJDと同じ、現場の業務上で行われる「OJT(On the Job Training)」よりも 中長期的な能力開発施策 として位置づけられています。

OJDが必要な理由

今や日本は少子高齢化社会へと突入し、新たな労働力の確保がますます困難に。企業においては迅速な人材の確保と育成が重要な課題であり、そのため若手社員の即戦力化が急務です。

さらに、日本を含む世界経済がグローバル化し、今後も国際競争の激化が予想されており、グローバル社会へ柔軟に適応する優秀な人材の育成は必要不可欠です。しかし、そのような人材は一朝一夕では育たないため、数年先を見越して、日頃からマネジメント能力を開発するプログラムや人材育成の環境整備が必要です。

このような背景から、若手社員の早期戦力化を目指すOJDの必要性が高まっているのです。

OJD実施の目的

OJDの実施には3つの目的があります。

マネジメント能力を持つ人材育成

労働力人口が不足する日本企業では、チームの業績や状況に応じて、人員を適材適所に配置し、チームメンバーの業務量や人員数を調整するマネジメント能力に長けた人材の確保が急務です。

しかし、これらのマネジメント能力は、実際にチームを主導する実務を経験することでしか習得できません。OJDでは、現場での指導や教育のサポートを行いながらマネジメント能力の開発・育成を行っていきます。

【関連】マネジメント能力とは?構成スキルや向上させるための方法を解説 / BizHint

学習できる組織作り

情報が瞬時に拡散され、ビジネスモデルや顧客ニーズが即座に変化する日本経済において、柔軟な思考を持つ人員は必要不可欠です。さまざまな情報を分析し、自ら学習できる組織の形成は、経営者にとって、重要な経営戦略の一つでもあります。

また、日本企業には正社員だけでなく、派遣社員や契約社員などさまざまな雇用形態を持つ従業員が存在し、複雑な人員構成となっています。そのため、最適なマネジメントを行える人材が必要不可欠であり、マネジメント能力を開発できるOJDは、学習できる組織作りにも応用できる人材開発手法といえます。

目標を達成できる人材の輩出

OJDは部下が主体的に学べる仕組み作りの一環でもあるため、主体性を持った人材を育成することができます。

会社から託された目標を達成するためには、従業員が自ら考え、行動する主体性を持つ必要があります。OJDでは会社から将来求められる能力(マネジメント能力や課題解決能力など)を身につけることを目的としているため、成果を出せる人材の育成にもつながります。

OJDとOJTの違い

OJDとOJTの違いをまとめました。違いを理解し、使い分けていくことが重要です。

中堅社員以降に必要なマネジメント能力の習得

OJTは、配属直後の新入社員の業務遂行に必要な技術(定型業務)習得や向上を目的としている、短期的な業務支援システムといえます。

一方OJDは、日頃の業務遂行能力の習得に加え、マネジメント能力など数年後に必要とされる能力の習得を前提にしており、中長期での支援となる点が特徴のひとつです。

マネージャーなど管理者になる前の若手社員の教育支援としても活用できる戦略的な人材育成支援システムといえます。

長期的なキャリア開発支援の一環

先述した通り、OJTは「業務遂行に必要な技術(定型業務)習得や向上を目的」にしているため、個人のキャリアについては、OJTでサポートしていくことはありません。

しかしOJDでは、社員に自分のキャリア形成を意識させることも重要な目的であるため、長期的なキャリア開発支援の一面も持ち合わせています。社員の希望と企業が求める人物像と丁寧にすり合せ実施していくことで、従業員のモチベーション向上にも効果的です。

能動的か受動的か

OJTは、上司(先輩社員)が部下に対して、マンツーマンで業務に必要な技術を習得させる、いわば部下が受動的な立場で学ぶ教育方法でした。

しかし、OJDはマネジメント能力開発に重点が置かれているため、部下が能動的に学ぶ環境を作りやすいメリットがあります。

そのため、OJTのデメリットとして指摘されがちな「指導係の能力に依存する、指導係の負担が大きい、体系的な指導が難しい、応用力に弱い、学習能力などの主体性が育ちにくい」などを補うことが可能です。

【関連】OJTのやり方(計画~実行まで)とポイントを、失敗例も交えて解説/BizHint

OJDのメリット

若手社員のマネジメント能力を長期的に開発できるOJDには、人材育成におけるメリットが多数あります。

主体性を持った人材を育成できる

OJDでは複数の従業員を体系的に指導ができ、従業員自身が主体性を持って、成長できる組織をつくることができます。

長期的な人材開発のため、目標や計画を設定しやすく、 応用力が必要な新規事業と相性が良い とされています。また、必要に応じて、マンツーマンの教育や指導も可能です。

フィードバックの機会が多い

OJDは長期的な人材開発支援策のため、従業員へのフィードバックの機会に恵まれています。

マネジメント能力は短期間で身につけることができないため、半期・通年単位で成長の度合いを振り返る必要があります。そのため、フィードバック時に長所や短所を正確に見極めることができ、その後の業務に活かすことができます。

【関連】フィードバックの意味とは?実施時の注意点や最大化のポイントまで解説 / BizHint

丁寧な指導・教育ができる

OJDは従業員の希望を取り入れながら、指導・教育ができるため、指導を受ける従業員のモチベーションの低下を防ぎ、ストレスの軽減にも効果があります。

また、OJT同様にマンツーマンでの教育・指導も行なえるため、従業員に合わせたオリジナルの指導・教育も実施できます。

また、OJDは経営戦略の一つとして取り組まれるため、指導者の能力に依存することが少なく、会社が求める人物像に近い人材を育成することができます。

OJDの活用事例

マネジメント能力を培う支援システムであるOJDは、年々需要が高まり、既に人材育成や研修制度に組み込んでいる企業が登場しています。

コニカミノルタ株式会社

情報機器事業、ヘルスケア事業などを展開するコニカミノルタでは、新卒採用者・キャリア採用者に関わらず、人財育成にOJDを取り入れています。年度毎に直属の上司とのチャレンジ目標の策定をし、期末に成果検証を行い、その達成度を測っています。

また、専門性を高めるために必要なスキルアップや自分のキャリアデザインを社内ネットワーク上に登録・更新し、明確なキャリア形成を図ることができます。その他にも部下の評価者である上司のマネジメント能力や資質を評価・診断するための多面評価制度も実施しており、マネジメント能力の更なる向上にも力を入れています。

【参考】教育制度/コミカミノルタ株式会社

NEC(日本電気株式会社)

NECではOJDをベースにした3FP(3YEARS Fundamental Program)制度という独自の研修制度を採用しており、NECに必要な人材を育成しています。この3FP(3YEARS Fundamental Program)制度は3つのステージに分類しているのが特徴的です。

  • 【拡げる】1年目は既存の枠に捉われない思考や行動を養うステージ
  • 【高める】2年目は顧客・関係者目線で取り組む事業貢献能力や自身の強みを身につけるステージ
  • 【究める】3年目は責任感や納期遵守を前提とした行動力や自身の強みに磨きをかけるステージ

以上3つのステージで人材育成を行ないます。

新入社員は上司や先輩社員のバックカップを受けながら、NECのプロフェッショナルとして活躍できる人材を目指します。

【参考】人材開発・育成/NEC

まとめ

  • 複雑に変化し続ける世界経済において、OJDによる人材育成は、企業の競争力につながります。
  • 長期的な人材開発の一環であるOJDは、マネジメント能力のある人材育成だけでなく、主体性を持ったメンバーがプロフェッショナルとして活動する組織作りにも役立ちます。
  • 近年では、OJDに特化した研修制度を提供する人事コンサルティング会社も登場し、導入のハードルが下がっています。
  • 新卒入社やキャリア入社に関わらず、教育研修のベースをOJTからOJDへ移行する研修制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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