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グローカル人材

2018年12月3日(月)更新

優秀な人材を他社に先駆け確保することは、採用担当者の至上命題です。優秀な人材の定義は各企業により多少異なりますが、広い視野に立って培われた教養や思考力を持つ人材にはどの企業も関心が高いはずです。今回は、このような能力を保有することが期待される「グローカル人材」について考えてみたいと思います。

グローカル人材とはなにか

あらゆる分野におけるグローバル化の流れは、日本の地域経済まで急速に広がっています。企業の競争力は人材によるところが大きく、優秀な人材の確保は日本企業全体にとって最も重要な課題のひとつと言えます。グローバル化の流れに対応可能な人材、グローバル人材という言葉を一度は耳にされたことがあるはずです。さて、今回のテーマ「グローカル人材」と「グローバル人材」の違いとはなんでしょうか。双方の定義を比較しその違いについて考えてみます。

グローバル人材

文部科学省により「グローバル人材とは、世界的な競争と共生が進む現代社会において、日本人としてのアイデンティティを持ちながら、広い視野に立って培われる教養と専門性、異なる言語、新しい価値を創造する能力、次世代までも視野に入れた社会貢献の意識などを持った人間」(産学官によるグローバル人材の育成のための戦略(平成23年4月28日産学連携によるグローバル人材育成推進会議)より抜粋)と定義されています。

好ましい人の典型が述べられているだけで、いったいどのような人物なのか正直よく分かりません。しかし、地球規模の競争と共生社会に適応し活躍している具体的な人物として思い描くとその輪郭がはっきりしてきます。

分かりやすい例をあげるとすれば、カルロス・ゴーン氏です。いわゆる世界を股にかけるカリスマ経営者、スーパーグローバルリーダーです。経営危機に陥った日産を救済するルノーの経営者として日本に乗り込み、見事に日産の再生を果たしました。

彼はブラジルで生まれ、レバノンで幼少期を過ごし、フランスで大学生活を送るという複数の文化圏で生まれ育った背景を持っています。ビジネスマンとなってからは、ミシュランを皮切りにルノー、日産などの多民族国のみならず日本のような単一民族国家の大企業で困難なプロジェクトを完遂していきます。

カルロス・ゴーン氏は、グローバルで活動するために最も大切なことは「アイデンティティを失わずに多様性を受け入れること」だと語っています。つまり、グローバル人材とは、自身のアイデンティティを見失わずに多様性を受け入れる器量があり、高度な問題や困難な局面で強力なリーダーシップを発揮することができる人材ということが言えます。

【参考】産学連携によるグローバル人材育成推進会議資料
【参考】「産学官によるグローバル人材の育成のための戦略(平成23年4月28日産学連携によるグローバル人材育成推進会議)」
【参考】日本経済新聞「日本経済新聞「私の履歴書:カルロス・ゴーン(1)機内から」2017年1月1日掲載」

【関連】グローバル人材を育てよう!世界に通用する企業になっていくために / BizHint HR

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