連載:第1回 医療・医薬・健康
花粉症による経済損失額は1日あたり2,213億円、患者の8割「仕事に影響がある」
春が近づくにつれ、毎年気になるのが花粉の飛散量。鼻水やくしゃみ、目のかゆみなど複数の症状があり、その重症度は人により大きく異なります。パナソニック株式会社が実施した「社会人の花粉症に関する調査」によると、花粉症を患う社会人の約8割が、「花粉症により仕事のパフォーマンスに影響が出ている」と回答しています。この労働力低下による経済損失額を推計すると、1日あたり約2,215億円にものぼることがわかりました。
花粉症で約8割がパフォーマンス低下、経済損失額は約2,215億円
花粉症の社会人に、花粉症の症状が自身の仕事のコンディションに影響しているかを聞いたところ、79.0%が「影響がある(「そう思う(32.4%)」「どちらかというとそう思う(46.6%)」)」と回答しました。
また、1日のうち花粉症により仕事のパフォーマンスが低下していると感じる時間は、平均で約2.8時間でした。これらの花粉症による労働力低下の平均時間を元に試算した、花粉症の社会人の労働力低下による経済損失額は、1日あたり「約2,215億円※」と推計されています。
仕事のパフォーマンスに最も影響を与える花粉の症状の上位には、「鼻水(37.0%)」、「鼻づまり(20.0%)」、「くしゃみ(13.3%)」がランクインしました。花粉症による鼻の症状から、仕事のパフォーマンスが低下していると感じる社会人が多いようです。
花粉症対策、6割以上の患者は花粉シーズンを迎えてから実施
春の花粉対策計画について尋ねたところ、毎年計画的に行っている人が51.0%と最も多く、次いで「症状がでてから」が31.6%、「対策をしていない」が10.3%となりました。
計画的に対策を行うと回答した人(653名)に、具体的な開始月を聞くと、春の花粉シーズンを本格的に迎える2月~4月に対策を開始する人が60.4%と多く、2月より前から花粉症対策をしていると回答した人は39.6%に留まりました。
花粉症の社会人の多くが、花粉シーズンを迎え、症状がでてから対策していることが多いと推察されます。
また、花粉対策にかけている費用について、花粉症の重症度別に聞いたところ、五千円未満と回答した割合が軽度、中度、重度のいずれも最も多い結果となりました。
しかし重度の花粉症の社会人で「一万円以上」と回答した数は約半数(44.0%)にのぼり、「十万円以上」費用をかけているという割合も5.7%いました。花粉の重症度によって、花粉対策や治療の費用に大きく差がみられる結果となりました。
実際に実施している花粉症対策で最も多かったのは「マスクをつける(70.4%)」で、次いで「目薬(54.2%)」、「空気清浄機の使用(35.6%)」、「自宅に入る前に服の花粉を落とす(23.9%)」、「加湿器の使用(22.1%)」となりました。
この結果から、一般的な花粉対策と知られるマスクや目薬による対策に加え、室内の空気中に漂う花粉対策も広く認識され、一般的な対策となりつつあることがうかがえます。
次に、花粉対策を強化するために、今後導入したいものを聞くと、「舌下治療(17.8%)」に続き、「空気清浄機の使用(15.2%)」、「花粉シーズン前にエアコンを掃除する(12.6%)」、「加湿器の使用(22.1%)」が上位を占めています。病院で行う治療以外に、清掃や家電の活用などの室内対策が注目を集めているようです。
花粉症の社会人、約6割が在宅を希望
昨今の「働き方改革」により、在宅勤務やフレックス・タイムの導入をはじめとした、多様な働き方を選択できる社会の実現が進んでいます。そこで、花粉が多く飛散する際に、有給休暇もしくは在宅勤務をしたいと思うかについて聞いたところ、そう思うと回答した割合は62.1%にのぼりました。
多くの花粉症を患う社会人は、会社へ出勤せず、自宅にいることを希望していることがわかりました。
また、ビジネスの場において、「花粉症ですか?」という会話をしたことがあるかについて聞いたところ、「ある」と答えた割合は67.8%でした。
相手が花粉症だった際に、親近感や好意を覚える割合も51.2%と高く、花粉症に関する話題は、ビジネスシーンにおける春のアイスブレイクのテーマになっていることがうかがえます。
商談や会議中に花粉症の方がマスクを着用していた場合に気になるかを聞いたところ、約6割(61.3%)が「気にしない」と回答しました。接客業などでマスクを禁止する店舗もある中、他者のマスクについては気にしていない人が多いようです。
一方で、くしゃみについては54.2%にあたる約半数が「気にする」と回答する結果となりました。
調査概要
調査期間:2020年1月17日(金)~1月19日(日)
調査方法:インターネット調査(協力:株式会社ジャストシステム)
調査方法:全国の20歳から60歳までの社会人(男女)6,081名を対象に、花粉症の罹患有無に関するスクリーニングを行い、「花粉症である」と回答した3,198名のうち、本調査の企画意図に合意いただいた3.067名から、無作為抽出した1,324名
有効回答: 1,324名(男性:662名、女性:662名)
※:花粉症による労働力低下の平均時間を元に、平成30年分民間給与実態統計調査結果(国税庁)と2019 年労働時間等実態調査集計結果(経団連)から、労働が低下すると感じる社会人の平均の給与を割り出し、本調査にて算出された社会人の花粉症患者の割合(53.0%:6,081名中3,198名)と、2019年11月分労働力調査(総務省)から花粉症の社会人数を算出した数値と掛け合わせて、花粉症に起因する労働力低下による経済損失額を算出。
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000337.000024101.html
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