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連載:第11回 人材育成 各社の取り組みを追う

接客力で全国優勝の急成長・オーダーメイドまくら店。“徹底しすぎる社員研修”の中身

BizHint 編集部 2019年7月31日(水)掲載
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「オーダーメイドまくら」の市場を創り、“まくらぼ”ブランドで急成長している株式会社大和屋ふとん。2011年の創業から8年で全国に28店舗を展開し、2019年度の売上は初年度の15倍(18億円)を見込んでいます。対面販売であるがゆえに「接客力」を重視する同社は、接客の全国大会で優勝(2017年)、準優勝(2019年)と輝かしい成績を収め、どの店舗に足を運んでも“明るく親切”な接客が体験できます。 なぜ、これほどの接客が必要なのか?なぜ、すべての店舗で高い接客力が維持できるのか?今回、同社の接客・社員教育について代表取締役社長・齊藤淨一氏にお話を伺いました。そこにあったのは「社員採用への独自の取り組み」と「徹底しすぎるユニークな社員研修」でした。

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【プロフィール】
株式会社大和屋ふとん
代表取締役社長 齊藤 淨一 さん

2001年、大手寝具メーカー販売店に入社。2009年、代表取締役に就任。2011年7月に株式会社大和屋ふとんを創業し、オーダーまくら専門店“まくらぼ”を展開。関東・東北、中部地方に28店舗(2019年6月現在)。2018年ベストベンチャー100に選出。

「他社がいないところで」「共感してくれる人」を、必死で探す。

――創業の経緯について教えてください。

(齊藤淨一社長(以下、齊藤)):私はもともと大手寝具販売店の営業を行っていました。10万円以上する羽毛ふとんは、一流のブランドであっても販売するのはやはり難しい。人材が育たず多くの仲間が退職していきました。 そういった環境を「なんとか変えたい!」と考えるうちに 『まくらに特化する』 という選択肢が浮かびました。当時、まくらは羽毛ふとんについてくる“おまけ”のような存在。しかし、より良い睡眠のためには重要なものです。まくらであれば、ふとんより安価で購入のハードルも低い。その価値を正しく伝えられれば、支持されるはず……と。いわゆる『逆転の発想』ですね。その結果、「オーダーメイドまくら」というコンセプトが完成したのです。2011年7月に仲間と5人で創業し、9月にオーダーまくら専門店「まくらぼ」の1号店を東京・町田市にオープンしました。

――今日の多店舗展開まで、事業拡大は順調だったのでしょうか?

(齊藤): いえいえ。創業から2年ほどが経ち、2店舗目を出そうというタイミングで大きな課題となったのが「人材」でした。本当に忙しく、猫の手も借りたい一心で費用・時間をかけてアルバイトの募集をしても、なかなか応募が来ない。そして応募が来ても採用できない。採用できても長続きしない……。人材については本当に「ないない」という状態でした。 「お金をかけて採用しても辞められるのだったら……」という思いから、採用は長期雇用前提の「正社員のみ」に振り切りました。ただ、正社員採用に切り替えても応募は少なく、うまく行きません。様々なチャレンジをし、結果的にうまくいったのが無料で利用できる「職業安定所」でした。 ここがある意味、当社の人材採用の大きな転換点になりました。誤解を恐れずに言えば、「人材の質」のような部分で職業安定所の利用を控える企業もありますが、それは知名度がない当社にとって他社との競合を避けられるメリット。ここでも逆転の発想です。職業安定所を活用し、必死に「当社に合う」人材を探しました。

――「採用競合が少ない場所」で「自社に合う人材を探す」ということですね?

(齊藤): そうです。社員の採用・退職を繰り返す中で、当社に必要な人材は「当社の理念に共感」「私と思いを共有」いただける方という基準ができていきました。 決して「輝かしいご経歴を持った方」ではない のです。 何らかの事情で転職回数が多い方、それまでの職場で適応が難しかった方、様々な事情を抱えた方がいらっしゃいます。そういった方々の中から、 当社の理念に共感いただける方をいかに見つけ出すか?そして入社後、その方々にいかに成長していただき、戦力として働いていただくか? 当社の人材採用、育成はそういった部分に重きを置くようになっていきました。 近年始めた新卒採用でも、卒業を控えた4年生の2月のイベントに私自身が足を運びます。多くの企業が担当者クラスの社員を派遣して消化試合的なモチベーションでいる中、社長自らが来場して熱弁を振るっているのは当社くらいです。自然と注目が集まって話を聞いていただけますし、結果として優秀な人材を採用できました。諸事情があってまだ就職が決まっていなかった外国人留学生が「社長はおもしろい!」と共感してくれました。 「他社がやらない場所でいかに戦うか」 というのは、当社の勝ちパターンだと思います。

――社員の定着率はいかがですか?

(齊藤): 当社の理念に共感して入社いただいていることもあり、定着率も高いです。 入社時はもちろん、入社後も「思いを共有」することを大事 にしています。仕事をする上で “この会社で、この人たちと仕事をする自分が好き”というのがモチベーションになってくれればと思っています。 正社員に絞った採用を120名くらいまで続けてきましたが、2018年の夏ごろからは働き方に柔軟性をもたせたパートの雇用も行うようになりました。こちらも順調に採用ができています。

毎月の社員研修は全社員参加。社長自ら毎月、丸3日間を費やす。

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