連載:第25回 「人と組織の科学」―人事データ・ピープルアナリティクス最前線―
「テレワークが働きやすい」と思う人には分からない”落とし穴”
関東地方を基盤にLPガスや電気などの家庭用エネルギーを販売する三ッ輪ホールディングス。コロナ禍の影響を受け、実務や研修も原則テレワークに移行しましたが、浸透するにつれ、とある”落とし穴”が見えてきたといいます。代表取締役社長の尾日向竹信さんと、社長室企画担当マネージャーの塩﨑智さんに、人事データの専門家、鹿内学さんが話を聞きました。
シンクタンクを経て、2015年に三ッ輪産業株式会社の代表取締役社長に就任。ガスの供給だけでなく、リフォームや宅配水、電気の供給事業を行い、電気料金の支払いにビットコインを導入するなどさまざまな取り組みを行う。
ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社、EYS-STYLE株式会社を経て、2018年に三ッ輪産業株式会社に参画。人材開発担当として、研修のみならず人材モデル策定から、データドリブン組織への変革までさまざまな取り組みを行う。
奈良先端科学技術大学院大学、京都大学、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)で、10年ほど認知神経科学の基礎研究に従事。2015年よりビジネスサイドに軸足をうつす。経営に関わる株式会社シンギュレイトでは、京都大学と「群衆の知恵」の研究を進めている。
緊急事態宣言を受けて研修がリモートに
鹿内学さん(以下、鹿内): 新型コロナウィルスの影響を受けて、御社では新入社員研修をオンラインで実施されたそうですね。それはいつからでしょうか?
塩﨑智さん(以下、塩﨑): 2020年4月1日からです。1日8時間、2週間の集合研修を組んでいましたが、直前まで悩んで実施1週間前に中止を決定、テレワークで実施しました。
予定していたプログラムは集合研修が前提だったので……。オンラインでは成り立たず研修内容を根本から見直す必要がありました。Zoomでは一度に一人しか発言できないので、グループワークはなかなか難しい。当初、会社携帯を付与してテザリングで受講してもらおうと思っていたんですが、瞬く間にメンバーの通信量が不足するギガ不足になってしまって……。慣れない環境で集中力が途切れないよう、2時間ごとにコンテンツの時間割を区切りました。参加者からは「大学の授業みたいだった」という声もありました。
通常の新入社員研修のスケジュールは、4月に2週間の集合研修を受けたのち、いくつかの部署をローテーションする現場体験を経て9月に本配属となります。10月以降は、営業現場で必須となる国家資格「高圧ガス販売主任者 第二種販売」取得に向けた試験勉強にあてています。
鹿内: 現場体験を残した理由はなにかあるのでしょうか?
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