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オンボーディング

2020年4月15日(水)更新

オンボーディングとは、これまで行われてきた新人研修とは大きく違う継続的かつ効果的な戦力化施策であり、組織の一体感を高める新しい人材定着プロセスです。組織がオンボーディングを導入することによる効果やメリット、導入時に気をつけるポイントについて解説致します。

オンボーディングとは

オンボーディングとは、組織に新しく加わった人材を1日も早く戦力化し、組織全体との調和を図ることを目的とした育成プログラムのことを指します。

『機内』や『乗船』という意味を持つon-boardから派生して生まれた造語であり、直訳すると『飛行機や船に乗り込んでいる』という意味です。

ある地点からある地点まで乗組員を運ぶという意味合いに、初めて物事に関わる人が、一定の理解を得て習慣的な利用が行えるようになるまでの期間を援助するといった考え方が加わり、ソフトウェアやネットサービスなどの分野においてはチュートリアルガイドツアーという形でオンボーディング機能が導入されるようになりました。

その後、プライムジェネシス社取締役のジョージ・ブラッド氏と共同経営者であるメアリー・ヴォネガット氏が、この考え方は人材育成や人材定着にも応用出来るのではと考え、人材戦略におけるオンボーディングの必要性を提唱したことがきっかけとなり、新たな育成プログラムとして導入する企業が増加しています。

オンボーディングは、組織に対する人材の定着と即戦力化を目的としているため、新卒社員や若手社員だけに限定することなく、中途社員や経験を多く積んできたプロフェッショナルなど全ての新規社員を対象としています。

オンボーディングが注目され始めた背景

新しい人材定着プロセスとして注目を集めているオンボーディングの背景には、人材育成の費用対効果(ROI)の低さに悩む人事部や経営者の姿がありました。

時間と人材を割いて新規採用を行っても、戦力として成長する前に早期退職してしまう、あるいは、戦力まで育ったとしても、数年後には退職してしまうなど、人材定着率が低すぎるという問題が挙げれらます。

新規採用者の早期戦力化や、人材定着は人材育成に携わる者にとって理想であり目標です。 だからこそ現状を打破し、大きく変えてくれる可能性を秘めたオンボーディングに多くの注目が集まることとなったのです。

オンボーディングの効果

企業は人材育成の場にオンボーディングを導入することによって、どのような効果を期待することができるのでしょうか。

一人が戦力化するためにかかる所要期間を短くする

新規採用者が戦力になるまでにかかる期間は半年から1年といわれています。 しかし、1年未満で退職する若者たちは「仕事が覚えられないから」「自分には合ってない気がする」「職場に上手く馴染めない」という理由を挙げがちです。

オンボーディングは新規採用者が仕事を覚え、自分のスキルとして活かせるようになるまでの道筋を明確にするツールであるため、即戦力化を実現したい企業にとっては無くてはならないものです。

オンボーディングを導入することにより、これまで行ってきた育成方法よりも短い所要期間で新規採用者を戦力化させることが可能となるでしょう。

従業員エンゲージメントを高めることができる

組織の一員として受け入れられ、認められることによって、組織内におけるアイデンティティが確立され、自分の働き方や組織に対する貢献の仕方が見えてきます。また、早期戦力化によって自身への採用判定に対するリターンを積極的に行うことも可能となります。

組織と従業員の利害関係が明白となり、お互いに貢献し合うことにより一体感が生まれ、組織への愛着度や忠誠心といったエンゲージメントが高められていくのです。

【関連】従業員エンゲージメントとは?企業の取組事例や向上施策、メリットまで徹底解説 / BizHint

組織としての結束力を高める

これまでの育成方法においては上層部や教育係、同じ部署のメンバーに対する面識しかない状態で数年間過ごすことも少なくありませんでしたが、オンボーディングではより広い範囲の人間を巻き込んで育成を行うことになります。

そのため、通常業務での連携の活性化や、部署をまたぐ大規模プロジェクトに対しても効果を発揮し、組織全体の業績向上に大きく貢献してくれることでしょう。

お互いの存在を把握し、結束し合うことにより、結果的には組織力の更なる向上を期待することができるでしょう。

オンボーディングのプロセス

様々な効果をもたらしてくれるオンボーディングですが、導入する場合にはどのようなプロセスを踏む必要があるのでしょうか。

人材補充を必要としているポジションでの採用活動

採用では、そのポジションに就く人材にどんな活躍を期待するのか、そしてどのようなスキルを求めるのか。 ポジションの必要性の再確認と合わせ、求める人材像を明確化させておくことで、スムーズに行うことが可能となるでしょう。

企業と同じ価値観を持つ人材を採用する

人材募集時には、明確にした理想の人材像を出来るだけ分かりやすく示すようにします。 そうすることで条件の異なる応募が激減し、リクルーターは人材選択に集中することが可能となるのです。

面接では、採用した際の育成方法や期待する役割についても具体的に伝え、それに対する応募者の意気込みや反応をしっかりとチェックします。

オンボーディングではこのような採用プロセスを通して、組織との調和を図りやすい人材の選別を行っていきます。

自社の描く理想の人物像を具体的にイメージし、それに向かって突き進もうとする強い意志を持つ人材を採用することで、オンボーディングプランの作成も行いやすくなり、即戦力化に対して更なる期待が持てるようになるのです。

オンボーディングプランの原案作成

採用者に対して採用通知を行った後、オンボーディングプランの原案作成を開始します。

オンボーディングプランは個別に作成する必要がありますが、全て1から作成しなければならないわけではなく、基本となる部分は共通するものを使用して構いません。

面接時にチェックした採用者の特性を踏まえながら、活躍や成長への期待を練り込み、より具体的に、より誘導的に教育プランを組み立てていきます。 採用者の入社後の活躍をしっかりとイメージしながら作成することで、魅力的なオンボーディングプランの原案を作り上げることができるでしょう。

オンボーディングプランの完成

企業側が募集して招き入れているとはいえ、そこは完全なる未知の世界。 就業初日、新入社員は大きな不安を感じています。 だからこそ、面識のあるリクルーター自らが出迎え、受け入れてあげましょう。

各部署の案内や既存職員への紹介を行った後、オンボーディングプランの原案について説明し、質問や意見を受け付けます。 ここで新入社員の思いや考えなどを盛り込んでいき、話し合いの中でオンボーディングプランを完成させます。

リクルーターから新入社員に対し、自分達と一緒に企業の発展と業績向上を目指して欲しいという想いをしっかりと伝えることによって、同じ目標に向かって努力していく仲間として迎え入れられた実感が沸き上がります。 その感情は企業とのエンゲージメントを高めるきっかけとなり、自分の成長を促すことを目的としているオンボーディングプランに対しても強い興味心を与えることでしょう。

【関連】リクルーターの意味とは?制度と活動、導入している企業について / BizHint HR

オンボーディングの実行、フォロー

完成したオンボーディングプランに従って基本業務の流れを学んだ後、段階的に課題をクリアしながら実践力へと変えていきます。 教育係や上司との関係性が確立するまでの間はリクルーターが積極的に接触を図り、疑問や不安などの吸い上げやフォローアップを行いましょう。

組織に必要とされており、自身の活躍によって大きな利益を与えているのだという自覚が生まれることで組織との一体化は進み、エンゲージメントが高まっていきます。 また、新入社員の育成過程に組織全体が関わることにより、生産性や連携力などを含む様々な組織力が向上していくことでしょう。

オンボーディングプランの見直し、再実行

個人に対するオンボーディングが一通り終了した後、効果や問題点などの評価を行い、必要に応じてプランを見直し再実行します。 計画(PLAN)、実行(DO)、評価(SEE)というプロセスを繰り返すPDSサイクルは、新入社員に自信がつき戦力化されるまで継続して行われるのです。

個人の育成が完了したら、今回のオンボーディングに対する最終評価を、新入社員、リクルーター、教育係、上司、人事部それぞれの目線から行います。 それによりオンボーディングプランの共通部分の質が向上していき、育成の度に良質なプラン作成が容易に行えるようになっていくのです。

オンボーディングを成功させるためのポイント

新入社員の成長速度だけではなく組織力も大きく高めてくれるオンボーディングですが、いくつかのポイントを押さえることによって安定した効果を期待することができます。

オンボーディングの必要性と効果を全従業員に伝え、正しく理解してもらう

従業員の理解不足のままオンボーディングプランを開始してしまうと上手く協力を仰ぐことができず、新入社員が疎外感を感じてしまう原因にもなってしまいます。 そのため、導入する際にはあらゆる努力を行い、全従業員の理解を得る必要があるのです。

また、全てのオンボーディングプランのベースとなる共通部分の情報も公開し、従業員であれば誰もが自由に閲覧出来るようにしておくことで、オンボーディングにおける自身の関わり方や役割を従業員1人ずつが再確認するきっかけとなるでしょう。

「経営課題」を意識する

より大きな効果を引き出すため、人材マネジメントを行う際には常に経営課題を意識しておく必要があります。 経営陣と人事部が中心となり、今企業が抱えている課題、必要としているポジション、人材に求めるスキルなどを明確にすることによって、採用時のミスマッチングを防ぐことができるのです。

定期的に費用対効果の測定を行う

オンボーディング実行中の新入社員がいない期間においても、定期的な費用対効果の測定は必要です。 また、ここでいう効果とはオンボーディングを行ったことのある社員個人の成績だけではなく、業績など組織全体に与えた影響も含まれます。

社員個人の成績をモニタリングすることにより人材定着への効果と戦力の継続性をチェックし、組織全体の業績をモニタリングすることにより組織力向上への効果をチェックします。 この測定結果が好ましくない場合には、オンボーディング導入による恩恵を正しく受けられていないだけではなく、気付かないうちに多くのリソースやコストを無駄に消費してしまっている可能性があるため注意が必要です。

まとめ

  • オンボーディングとは新規採用者の早期戦力化と人材定着を目的とした育成プログラムである
  • オンボーディングは組織全体を巻き込んで行うため、組織力の向上にも期待できる
  • オンボーディングの成功には全従業員の協力と理解が必要不可欠である

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