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2018年8月15日(水)更新

KPI

組織や事業における達成目標を計測するためのKPI。定量化しにくい業務や組織改革においても成果を測ることができる有効な指標です。多種多様な目標を対象にできる反面、現場の負担が増す、企業経営の目標を見失うなどの課題も指摘されています。今回はKPIの意味やKGIとの違い、目標達成から今後の分析まで幅広くご紹介いたします。

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KPIとは

企業の経営戦略、事業戦略に欠かせない重要な指標であるKPIには、関連する指標が多く、それらの関連指標や注目される背景を一緒に知ることで、理解を深めることができます。

KPIの意味とは

KPI(Key Performance Indicator)とは、企業目標の達成度や進捗度、プロセスを計測する重要業績評価指標、または重要目標評価指標を意味するビジネス用語です。

経営学から派生した概念であり、短期的な目標の達成度・進捗度を計測する指標として使用され、訪問客数、Webサイトへのアクセス数など企業の売上や利益に直結する要因を数値化することに適しています。

業界や部門に関わらず、定量化できるメリットがあり、営利企業・事業であれば、必ず使用されるため、企業経営に欠かせない指標として認識されています。経営者や幹部社員の経営管理はもちろん、一般社員の目標管理や意思統一にも使用される汎用性の高い評価基準です。客観的な根拠、改善点を示すのに優れており、重要な経営判断の材料としても活用されています。

また、KPIには関連指標が複数存在しており、CSF(主要成功要因)やKSF(重要購買決定要因)、OKR(目標と主な結果)とともに併用され、企業の経済活動促進のために運用されています。

KPIが注目される背景

KPIは、2000年代以降に本格導入された、「財務の視点」、「顧客の視点」、「業務プロセスの視点」、そして「成長・学習の視点」で企業業績への影響度を測るBSC(バランススコアカード)に設定される要素として活用が始まりました。主にWebマーケティングを運用するインターネット関連企業で積極的に用いられたのが始まりといわれています。その後、情報化社会の浸透やIT技術の発達により、政府や地方自治体が成長戦略を推進する上での政策目標数値として採用されるまで浸透しました。

今後、ビッグデータの活用やIoT社会の実現により、追跡可能なデータも増えることから、多様化する顧客ニーズや価値観の分析対象を数値目標の指標としても最適です。同時に膨大なビッグデータから主要KPIを洗い出し、分析するデータアナリストやデータサイエンティストなど新たな職種も登場しており、今後もKPIを中心としたマーケティング活動が続いていくことが予想されます。

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KPIの関連用語

企業経営に重要な判断材料をもたらすKPIは、関連する指標が複数存在し、併用して運用されます。今回はその中でも目にすることが多い指標の一部をご紹介いたします。

CSF(Critical Success Factor)とは

CSF(Critical Success Factor)とは、さまざまな指標がある中で、企業目標を達成するために決定的な要因を示す重要な指標を意味するビジネス用語です。組織や個人が目標を達成する上で最も注力するべき要因を特定し、経営資源(ヒト・モノ・カネ)を投入する際の判断材料として活用されます。

主に経営戦略やITガバナンスを決定する際に用いられ、経営陣や幹部社員が目にする機会が多い指標です。企業のマネジメントシステムにおいては、KPIやKGIまで細分化されることもあり、企業戦略から個人目標にまで落とし込まれる指標でもあります。

KSF(Key Success Factor)とは

KSF(Key Success Factor)とは、事業を成功させるための必要条件を示す指標であり、経営戦略を策定する際に用いられるビジネス用語です。外部環境や社内の状況、技術力、規模といったビジネスを展開する要素を分析の対象にし、具体的な経営戦略の立案につなげることができます。

競争優位性のギャップや顧客対応能力、顧客ニーズの発掘の際に用いられることが多い指標です。また、革新的な技術やサービスを開発した異業種の企業が異なる業界に参入する現代において、業界構造自体が劇的に変化しているため、KSFも変わりやすく、KSFの選択は柔軟に運用されるべきと指摘されています。

OKR(Objective and Key Result)とは

OKR(Objective and Key Result)とは、目標(ゴール)と主な結果を示す目標管理手法のひとつであり、KPIやKGI、CSFなどの目標値とリンクさせて、企業や組織、個人が向かうべき方向性を示すことができる管理手法です。経営層、部署、個人の目標を同じ方向に向かわせる効果があり、目標の明確化とその達成度を測るKPIを組み合わせ、定量化する管理手法として採用されています。

外資系企業やグローバル企業が積極的に採用しており、企業トップから現場社員を対象にした連動性のある目標を決定する際に使用されます。また、上司・部下に関わらず、可視化されるべきものであり、上司が部下の個別支援や業務量コントロールの判断軸としても活用されています。

【関連】OKRでプロジェクトを達成しやすくする!効率的な目標管理の方法とは / BizHint HR

KGI(Key Goal Indicator)との違い

KPIとともに重要視される指標、KGI(Key Goal Indicator)。KPIと混同されることも多く、明確な違いを押さえておかなければ、重要な局面で、判断を誤ってしまいます。

KGIとは企業が定める最終目標が達成されているかを計測する重要目標達成指標を指すビジネス用語です。KPIが短期的な目標を達成するための指標として活用される一方、KGIは1~5年と中期目標の達成度合いを測る指標として活用されます。また、KGI達成のために複数のKPIに細分化され、従業員全員の目標を統一する形でも使用されており、売上高やブランド認知度、顧客満足度、サポートコストなどが対象となります。

具体的なKPIを設定する際には、指標自体が企業の最終目標であるKGIとずれていないかを確認するためにも活用され、最適な経営戦略を策定する際の要となります。KGI達成においては、KPIとともにKSFを明確にすることで、KGIの実現性や設定レベルを決定することもあります。

【関連】「KGI」の意味とは?KGIとKPIの違いを徹底解説/ BizHint HR

KPIを設定するメリット

KPIは目標の達成に向けて取り組む際、目に見えない情報を分析や意思決定の判断材料として活用できる汎用性に優れた指標です。公平性に優れ、人間の感情に依存することがないため、ビジネスにおいて、さまざまなメリットがあります。

本章ではKPIを設定することのメリットをご紹介いたします。

進捗度の可視化

KPIは事業の進捗度を計測・評価し、可視化できるため、掲げた目標(ゴール)を実現するために軌道修正やプロセスの改善を行なうことができます。

評価が難しい接客や顧客対応における顧客満足度の測定は、対応する社員に対する感情が調査に影響するなど客観的な計測が難しいとされています。しかし、視点を変えて、接客サービスの評価を新規顧客数や既存客のリピート率、顧客の紹介率をKPIに設定することで、客観的な顧客満足度を把握することが可能です。

他にもチーム単位で期限付きのタスクや課題を処理するにあたり、各メンバーの作業進捗度を「作成されたレポート枚数」という具体的なKPIを設定することで、抽象的な進捗パーセントよりも管理者やチームメンバーの認識を統一させることができます。

その結果、管理者が具体的な進捗度を基に作業の再分担を実施する、期限から逆算したスケジュールの再作成など、柔軟な対応策の実施が可能です。

目標の「見える化」

KPIの設定は、目標までの進捗度を可視化でき、目標達成に向けた組織や個人の業務内容を明確にすることができます。現在、行なっている施策の妥当性の判定や見直しの検討にもKPIを活用できます。

成果主義が採用されやすい営業部門では、売上目標や新規商談件数の達成に向けたプロセスを計測するために積極的に活用されています。個人やチームの営業活動を検証するKPIに「1日にかける営業電話の本数」などの営業活動を設定することで、効果的な契約成立のプロセスとして正しかったかどうかの検証が可能です。また、KPIで具体的な営業活動内容を可視化することで、全ての営業担当者の行動指針を統一でき、組織の生産性向上にもつながります。

一方で、KPIを高める(営業電話を増やすことだけに終始する等)こと自体が目的となってしまい、かえって生産性が低下し、最終目標(KGI)の未達成につながる恐れもあります。そのような自体を防ぐためにも定期的にKPIを評価し、KGIとずれていないかを確認することが大切です。

目標の統一による組織力の強化

KPIは感覚的な管理に陥りやすい業務進捗を、具体的な作業や結果を定量化し、全従業員に共有できる目標を作成することにも長けています。そのため、共通の尺度をもって、チームや個人の進捗度を把握でき、意識統一による組織力の強化につながります。

また、共通する指標があることで、達成度合いをチームメンバー全員で共感でき、モチベーションや従業員エンゲージメントの向上にも役立ちます。

さらに進捗度に遅れが生じている、想定していた売上高に届いていない際、チームメンバー全員で課題に対する改善策や対応を考えることができ、自律性・主体性を持った組織を形成することも可能です。

優先順位の明確化による労働生産性の向上

政府が主導する「働き方改革」や日本人の労働生産性を向上させるためにも、KPIを活用することができます。

生産性を指摘されやすいホワイトカラーについて、どのような課題や問題が生産性を阻害しているかを想定します。所定外労働時間・残業時間、有給休暇習得率、年間総労働時間、コスト削減率などをKPIに設定することで、業務プロセスを明確化でき、改善策を打ち出すことが可能です。

労働生産性の向上は、企業の利益に直結するだけでなく、最適な労働環境の構築にもつながるため、重要な経営戦略に位置付けられます。KPIの設定は、新たな人事制度や組織改革の成果を検証する重要な指標として活用できるため、経営企画室や人事部門でも積極的に採用されています。

PDCAサイクルの促進

ビジネスの基本であるPDCAサイクルは、KPIを設定することでうまく機能します。中でも計画の段階で、「どのように評価するか」を明確にしておくことがPDCAサイクルを機能させる重要な要因です。

KPIを明確にすることで、PDCAサイクルを加速し、迅速なPDCA改善の実施が可能となります。部門やチームが担う改善策から個別の作業まで落とし込むことできるため、役職や等級に関係なく、導入したい検証作業のひとつと考えられます。その際はKGIから細分化されたKPIを予め定め、全従業員の意識を統一させておく必要があります。

KPIを設定する上での心得

目標達成までのプロセスや進捗・達成度を分かりやすく示してくれるKPIは、数値化の対象や使い方を誤ると効果が激減し、現場の混乱招く危険性があります。

ここでは、KPIを設定する上で注意しなければならない心得について、ご紹介いたします。

【関連】KPI設定を行う理由や方法、目標設定例、効果を高めるコツをご紹介/BizHint HR

SMARTへの理解を深める

SMARTとは、明確性、計量性、現実性、合意可能性、結果思考または関連性、適時性のそれぞれのアルファベットの頭文字を取ったビジネス用語で、KPIに落とし込む際に意識したい重要な視点です。

KPIの設定時に対象とする具体的な活動が、SMARTの性質を持っているかを判断することでKGIの達成率を飛躍的に向上できます。

明確性(Specific)

明確性には、「特定の」、「具体的な」、「詳細な」といった意味合いも含まれます。また、KPIに明確性を持たすためには、状況に応じて、ひとつのKPIを複数に細分化する必要も生じます。例えば、購入者数はKPIに設定されやすい指標ですが、さらに新商品提案数や新商品開発件数など複数のKPIを設定することで、各部門の従業員の業務内容や目的を明確することが可能です。

KPIは経営者や従業員にとって、目標に向かうための道標です。その道標が人によって、解釈が異なり、組織としてまとめることができないものであれば、最終目標であるKGIの達成は困難となります。そのため、KPIを設定する際は組織の誰もが共通した認識を共有できる明確性が求められます。

計量性(Measurable)

計量性には、「測定可能な」「測定できる」などの意味合いが含まれます。KPIを設置・管理する際は、対象となる業務や内容を数値化し、可視化しなければいけません。設置した数値の変動によって、目標管理を行うため、KPIにとって欠かせない要素といえます。

計量可能なKPIを設定する際は、必ず単位が明確になっているものを選択しなければいけません。販売件数やアクセス数といった誰しもが共通の認識を得られる、そして計測し続けられる対象が適しています。これにより、業務進捗はもちろん、プロセスの是非の判断、改善策の打ち出しが可能となります。

現実性(Achievable)

現実性には、「達成可能な」「成し遂げられる」「達成できる」などの意味合いが含まれます。希望的観測によって設定された目標は実現性に乏しく、事業者にとっては相応しい目標ではありません。

そのため、KPIを設定する際には、現在の企業規模や労働生産性を正しく把握し工夫や努力を重ねる事で、達成できる範囲のものにしなければいけません。そのため、過去の売上げ推移を分析し、企業として利益を追求できる達成レベル内で目標を設定する必要があります。

合意可能性(Agree on)

合意可能性には、「意見が一致する」という意味合いが含まれます。企業の最終目標としてKGIを設定し、そのKGIを達成するためにKPIに落とし込んでいく作業が一般的ですが、実際にKPIを活用した目標に取り組むには従業員や労働者の協力が不可欠です。そのため、KPIを設定する際には現場の声にしっかりと耳を傾け、経営と現場の意見を交わし、合意可能性を高めておく必要があります。

経営陣は現場の負担を低減しつつも、生産性向上を促進するための設備投資や労働環境・条件の改善を提示し、売上高・利益率の向上の合意を取らなければいけません。現場の適性能力を把握し、品質の維持や従業員のモチベーション向上につながる案を打ち出せるかどうかが経営層の腕の見せ所です。

結果思考または関連性(Result-oriented or Relevant)

結果思考または関連性には「関係のある」、「関連した」、「関連性のある」などの意味合いが含まれており、単に関連性と表現されることもあります。KPIを単体で使用しても情報を可視化することはできますが、経営・営業戦略を行う際は、関連性のあるKPIとリンクさせなければ、想定していた成果を得ることができません。

経営・営業戦略としての一貫性を持たせるためにも、全てのKPIやKGIがツリー状で繋がりを持っているKPIツリーを作り出さなければいけません。どれかひとつのCSFやKSFからKPIを導き出すのではなく、それぞれがどのようにKGIに影響していくのかを分析・理解することで、ずれのないKPIを設定できます。

CSFやKSFから直結したKPIの設定は、KPI自体が最終目標となってしまい、実現性の乏しい計画に終始してしまうので注意しましょう。

適時性(Timely)

適時性には、「時宜にかなっている」、「時機の良い」などの意味合いが含まれています。 また、適時性と同様の意味として期限(Time-bound)を用いる場合もあります。

KPIには必ず期限が設定されており、明確な評価を実施しなければいけません。そのため、企業目標を掲げる際は「いつまでに目標を達成させるか」という期限の設定が欠かせません。

また、極端に短い期限で設定された目標は実現性が乏しいため、経営層と現場の認識を調整する必要があります。具体的な期限を定めることで、前年度の比較や改善策の効果検証が可能となり、より実現性の高い目標設定が可能です。

KPI設定時の注意点

KPIを設定する際は、先にご紹介したSMARTを意識した上で、現場を混乱させないためにも「設定範囲」、「組織内のメンバーの同意」、「妥当性」に注意を払いながら設定しなければいけません。

コントロール可能な設定範囲

KPIを設定する際は、行動によって、コントロールが可能な範囲のものを選定しなければいけません。

KPIは目標達成のためのプロセスを計測・評価するための指標であり、KPIの設定自体が目的となってしまっては、原因がわかっているのに改善策を打ち出せないという事態に陥ってしまいます。そのため、KPI自体がそもそも行動でコントロールが可能なものかどうかを判断しなければいけません。

同時に全従業員が理解・比較しやすいかどうかも設定条件に組み込み、最適な設定範囲を決める必要があります。

組織メンバーの納得を得る

KPIは組織に属するメンバー全員が共有する指標です。しかし、中には業務内容によって、不要なKPIとなってしまう従業員も出てきてしまいます。その際は、従業員の担当業務や部門を考慮した上で、役割や業務内容の中から適切なKPIを再選定・再設定しなければいけません。

定めたKPIが所属する組織メンバー全員が納得いくものにするためにも、綿密なコミュニケーションとさらに細分化されたKPIの設定が必要です。組織メンバーの納得を得る作業は、経営層と現場の従業員の信頼関係の前提となり、経営者は組織が一丸となって、目標に邁進するための必要不可欠な作業と認識しなければいけません。

設定したKPIの数の妥当性

KPIはさまざまな事象や行動を定量化できるため、設定の際はバランスを考慮した上で、最適な数に絞り込まなければいけません。

企業規模によっては、何百、数千というKPIの設定に及ぶことも珍しくありませんが、妥当性を欠いた数のKPIは優先順位をつけにくく、かえって会社経営の本質を見失う危険性があります。事業規模や目的内容によって、KPIの数を調整し、KGIの達成プロセスに相応しい数であるか、妥当性を検証しなければいけません。

課題解決を目的とする

KPIを機能するものとして活用する際は、課題解決を目的としたKPIの設定を心がけるべきです。

企業は製品(商品)やサービスを通して、顧客の課題を解決することで、対価を受け取っています。そのため、売上高を向上させるためにも、「何が原因でボトルネックになっているか」を分析し、課題解決を目的にしたKPIの設定が望ましいといえます。

KPIは仮説・実行・検証を行なうPDCAサイクルとも相性が良いため、企業や部門が抱える課題解決の糸口を見つけ出す有効な手段にもなり得ます。

適切な設定方法に則る

KPIの設定には、適切な設定フローやフレームワークの活用がおすすめです。

ロジックツリーやビジネスプロセスマップ、OGSMなどのフレームワークを使用したKPIの洗い出しは、KGIやOKRの設計にもつながる有効な手段です。また、KPIツリーといわれるフレームワークはKGIをKPIに細分化する際に役に立ちます。改善策や施策の計測や評価もしやすく、最適な測定期間の設定にも効果的です。

BIZHINTで掲載されている「KPI設定を行う理由や方法、目標設定例、効果を高めるコツをご紹介」では、詳しいKPIの設定方法を紹介しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

【関連】KPI設定を行う理由や方法、目標設定例、効果を高めるコツをご紹介/BizHint HR

KPIを活用しやすい部門や業界とは

目標達成に向けたプロセスや進捗・達成度を定量化するKPIはあらゆるビジネス改善に活用でき、全ての従業員が意識すべき指標ともいえます。中には活用しにくい部門や業種も存在しますが、今回はKPIを活用しやすい部門や業界を中心にご紹介いたします。

カスタマーサポート部門

顧客のニーズや製品(商品)の問題点を抽出する、カスタマーサポートはKPIの設定による改善がしやすい部門といえます。

サービス解約率や新規問い合わせ件数は、一見、カスタマーサポートの能力向上を測定する最適なKPIに見えますが、さらなる細分化も可能です。例えば、オペレーターが実際に顧客とつながる応答率をKPIに設定することは、感覚的になりがちなオペレーターの意識を統一し、顧客満足度の向上の具体的行動を可視化することができます。

このように営業部門や商品開発部門と共有できそうなKPIを設定するのではなく、カスタマーサポート独自の行動をKPIに設定することで、根本的な解決を図ることが可能です。

マネジメント(経営)部門

企業の行く末を左右する経営戦略は、KGI、KPIを設定することで、具体的な戦略を打ち出すことができます。主に会計指標がKPIに設定されやすいため、中間管理職や現場社員が納得し、業務に落とし込める戦略目標を定める必要があります。

経営層はより重要な意思決定を行なうため、数値を前提にした経営判断を行いがちですが、現場の意見を傾聴し、強力なリーダーシップを発揮するためにも、戦略目標達成の根拠となるKPIを打ち出さなければいけません。

製造業

製造業では、生産・販売・在庫管理といった一連の流れを汲む形態が多く、共通するKPIを定めることで、組織全体の意識を統一させることができます。製造業では、生産部門は稼働率や生産効率、販売部門は売り上げ目標や平均受注単価、在庫管理部門は欠品率や在庫保管コストといった独自のKPIが設定されており、他部門と利害がぶつかりやすい業界といえます。

しかし、経営・市場環境の変化により、全体最適が求められるようになり、全体の意識を統一し、全社的な利益を優先させるためのKPIが重要視されるようになりました。今後は、部分最適でのKPIを見直し、全体最適を前提としたKPIの設定が求められています。   ### マーケティング部門 KPIはマーケティング用語集にも掲載されており、主にインターネットを活用したサービスやビジネス、大企業の販促ツールの拡大により、マーケティングに根付いたといわれています。また、SNSの発達により、プロモーションや広告のあり方にも変化が起きています。

そのため、webに特化したKPI(ユーザーのアクセス数、購入リピート率、コンバージョン率など)を設定することも多く、専門のマーケターを必要するケースも珍しくありません。web戦略を最大化するためにも目標達成度を可視化できるKPIは重要な役割を果たすため、今後マーケティング活動に浸透していくことが予想されます。

また、Webメディアの運用やコンテンツマーケティング分野においてもKPIは活用されており、集客やプロモーションの一貫として取り組む企業も増えています。

今後のKPIの活用シーン

今後、AIやロボット産業の発展により、ビジネスパーソンを取り巻く環境は激変することが予想されます。同時に、今後のKPIの活用方法や分析方法も変わっていくため、将来のKPIのあり方も知っておきましょう。

ビッグデータの活用

AIの発達により、今まで解析不能といわれてきたビッグデータの活用が企業経営や意思決定の重要な材料となると期待されています。

世界経済は日々変化しており、経営者は迅速で最適な意思決定を求められます。AIを活用することで、複雑で膨大なビッグデータに隠れた顧客ニーズや方向性を抽出することが可能になり、KPI同士の関連性を見出す重要な手段として注目されています。また、今後はマーケティング活動だけでなく、生産工程管理などにもAIを活用していく動きが加速すると考えられます。

IoT技術を活用したKPI分析

「モノのインターネット」を意味するIoT技術は、消費者の身の周りにある製品がインターネットに接続され、新たなKPI抽出の技術として注目されています。消費者を取り巻く製品はもちろん、工場設備にも応用することができ、経営者・管理者向けの解析システムの導入による生産性向上が可能です。

IoT技術を活用した、産業分野向けKPI抽出の構築支援を提供する企業も現れており、今後の浸透に注目が集まっています。

まとめ

  • 経営陣から現場の社員まで活用できるKPIは、汎用性が高い指標です。設定する上での注意点や心得を意識するだけで、事業を促進し、目標達成の実現性を高めることができます。
  • 今後、イノベーションによる技術革新が起こる中で、ビジネスパーソンは高度化・複雑化した情報を取り扱わなければいけません。ビジネスの基本でもあるKPIへの理解を今一度深めてみてはいかがでしょうか。

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