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2017年12月1日(金)更新

人員配置

人員配置とは組織内の人員数や人員構成、配置状況を最適化することによって生産性の高い組織を構築する人事マネジメントの手法です。従業員と業務内容のマッチング精度を飛躍的に高め、全従業員が最高のパフォーマンスを発揮できる組織を構築するために必要な情報やノウハウを、人員配置という言葉の意味や人員配置の見直し・再配置が必要となる理由、最適化によるメリット、最適化するためのプロセスなどの項目にまとめて分かりやすく解説致します。

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人員配置とは

人員配置とは人材の持つパフォーマンスやポテンシャル、業務適性、仕事観、経験などの人材特性を十分に踏まえた上で行う、戦略的人事異動を指す人材マネジメント用語です。

慢性的な人材不足時代を乗り切り、激しい市場変化を繰り返す現代社会を勝ち抜くことができる組織構築の実現に向けた人材活用戦略の1つとして大きな注目を集めています。

人員配置の英訳と意味

人員配置という言葉は『personnel distribution』、『personnel positioning』、『staff assignment』など様々な形に訳すことができます。また、それぞれの英訳に含まれる英単語の意味は下記の通りとなります。

【人物を指す英単語】

  • personnel…人員、要員
  • staff…スタッフ、職員

【人物以外を指す英単語】

  • distribution…分布、配分
  • positioning…ポジショニング、位置取り
  • assignment…割り当て、配属

これらの意味を統合することにより、『組織内に存在する全てのヒューマンリソース(人的資源)を対象とした各部門や各業務への再配分』を実施する施策が人員配置であることが分かるでしょう。

【関連】人的資源とは?その意味や特徴、人的資源管理までご紹介 / BizHint HR

人員配置の見直しや再配置を適宜実施する理由

人員配置はたった一度実施するだけで永久的な効果が得られるものではありません。人員配置による効果を持続させるためには、組織内における人材配置状況の見直しや再配置を適宜実施しなくてはならないのです。

人員配置の効果が時間経過とともに薄れてしまう理由には次のようなものがあります。

変化し続ける組織内人材と業務内容

人員配置の主な目的の1つに人材と業務のマッチングがあります。しかし、様々な社会的背景により人と仕事が変化し続ける現代社会において、人材と業務のマッチング精度を維持し続けることは容易ではありません。

組織内人材の多様化

日本政府や経団連によるダイバーシティ(多様性)の推進により、多くの国内企業で人材の多様化が進んでいます。その結果、経営者や人事担当者は国籍、人種、性別、年齢、障害、宗教、国民性、生活習慣、仕事観、価値観などが異なる、多様な人材を適切に評価しなければならなくなりました。

【関連】ダイバーシティとは?意味や経営を推進するためのポイント / BizHint HR

業務内容の多様化と高度化

組織内において大きな変化が起きたのは人材だけではありません。パソコンやスマートフォンといった情報通信機器の普及や高性能化に加え、高速で安定性がある光回線(FTTH)の利用料金が一般家庭でも気軽に導入できるレベルにまで引き下げられたことにより、多くの組織や企業で業務のIT化が急速に進められました。

また、ライバル他社との差別化を図るための新分野進出や、日々変化し続ける市場需要(市場ニーズ)への対応のため、組織全体で扱う業務は日に日に多様性を増していきました。

マッチング精度維持の困難化

一昔前まで行われていた『業務遂行に適した人材を選定して配置する人事』であれば、個々の業務内容に対して組織側視点で最適な人材を選定するだけで組織内人材の最適化は完了していました。

しかし、『組織と従業員がそれぞれに描く2つの理想的未来を同時に実現させるための人事』を実施するとなると簡単にはいきません。

  • 得意な業務と苦手な業務
  • 所属部門や業務内容に対する希望
  • 今後どのように成長していきたいのか

多様な人材に対して1人ずつ上記の内容を確認しながら適した業務を選出したとしても、人材側の希望や想いは時間の経過と共に変化していく可能性があります。また、業務内容の詳細変更や業務プロセスの修正によって求められる技術やスキルが変化することで、人材とのマッチング精度が低下してしまうこともあります。

このように変化し続ける組織内人材と業務内容に対して迅速な対応を取るため、人事に関わる人物自らが常日頃から従業員の声に耳を傾け、業務内容や職場環境をチェックした上で、必要に応じて人員配置を再実施しなければならないのです。

終身雇用制度の崩壊と勤労者意識の変化

日本経済の長期低迷や少子高齢化の影響を受けて、日本型雇用システムの1つである終身雇用制度が事実上崩壊したことで、若者の勤労者意識にも大きな変化が起きました。

ワークライフバランスを重視する若者たち

【出典】平成29年度 新入社員「働くことの意識」調査結果

公益財団法人日本生産性本部と一般社団法人日本経済青年協議会が平成29年度の新入社員を対象に実施した『働くことの意識調査』の調査データを見ると、ここ数年で『社会貢献』や『自分の腕試し』よりも『楽しさ』や『経済性』を重視して働く若者が急速に増加していることが分かります。

【出典】平成29年度 新入社員「働くことの意識」調査結果

また、仕事に対する個人的な考えや希望を問う質問への回答からも、『ワークライフバランスに積極的に取り組む職場で働きたい(91.8%)』や『これからの時代は終身雇用ではないので、会社に甘える生活はできない(77.5%)』など、自分の意思で仕事を選択し、会社に依存することも私生活を犠牲にすることもしないという強い意志を感じ取ることができます。

若者は責任やチャンスに対して消極的になっている

【出典】平成29年度 新入社員「働くことの意識」調査結果

ワークライフバランスへの関心が高まった影響からか、自身に与えられる仕事量や責任、チャンスに関しても消極的な意見が目立ちます。『人並み以上に働きたいか』という問いに対しては、平成24年度から年々『人並み以上』という回答が減少しているのに対し、『人並みで十分』という回答が増加しているという対照的な動きが見られました。

【出典】平成29年度 新入社員「働くことの意識」調査結果

同じように『若いうちは進んで苦労すべきか』という問いに対しても、『苦労すべきだ』という積極的な回答は減少し、『好んで苦労することはない』という消極的な回答が増加していました。

仕事の面白さよりも保有スキルや個性との相性を重視

【出典】平成29年度 新入社員「働くことの意識」調査結果

会社の選択理由を問う質問への回答からは、面白い仕事や高い将来性を持つ組織よりも、自身の保有するスキルや知識、個性を十分に生かすことのできる環境が整備されている組織の方に魅力を感じるという若者の声を読み取ることができます。

この『面白さを優先しない』という回答は『楽しさを重視する』という回答と矛盾しているようにも感じますが、決してそんなことはありません。『面白さ』は職業に対する強い興味や風変わりな業務内容など仕事そのものに対して生まれる感情ですが、『楽しさ』は前向きな気持ちを持って日々の仕事に取り組むことによって生まれる感情であり、似て非なるものなのです。

新卒者や若年労働者に組織内で活躍してもらうために

『働くことの意識調査』の調査結果をまとめると、新卒者が次のような想いを抱いていることが分かります。

  • ストレスや負担、プレッシャーの少ない楽しい生活を送りたい
  • 一定の収入が得られる環境を維持したい
  • 生活に不自由がなければ努力や苦労による収入アップは望まない
  • 仕事そのものの面白さよりも保有しているスキルや能力、個性との相性を重視する
  • プライベートを犠牲にすることなく、自分らしい毎日を過ごせる職場を希望している

これらの想いを受け入れられる職場環境を整備し、適切な役割を与えることによって若い力を組織内で活用することが可能となります。 しかし、その環境を構築し、ただ維持するだけでは若年層の人材活用戦略としてまだ不十分です。

平成7年度以降、平成21年度(28.8%)を除く全ての年で大卒新入社員の3年以内離職率が30%を超えるなど、新卒者や若年労働者の早期離職が問題視され始めから長い年月が経ちますが、政府も企業も未だに明確な解決策を見出すことができずにいます。

そしてその背景には、忍耐力の低さや打たれ弱さといった被雇用側の問題だけではなく、『新卒者や若年労働者を全面的に受け入れられる体制を作ろう』と決めた段階での需要に応えることで満足してしまい、その後一切の見直しを行わないために再びミスマッチが発生していることに気付くことができず対応が遅れてしまうという、雇用側の問題も存在しています。『働くことの意識調査』の調査結果を見るだけでも若者の想いが年々大きく変化していることが理解できるでしょう。

長期にわたって新卒者や若年労働者に組織内で活躍してもらうためには、個々の従業員が思い描く理想の働き方や自己目標の変化を敏感に感じ取り、配置状況の見直しや再配置によって柔軟かつ適切に対応していかなければならないのです。

優秀な人材の社外流出

適切な人員配置は人材のモチベーションをただ維持するのではなく、大幅に向上させる効果を持っています。このようなリテンション効果は、常に高いパフォーマンスを発揮して大きな業績をあげている優秀な人材に対して特に有効であると考えられています。

優秀な人材は自己研磨できる環境や正当な評価を求めている

【出典】転職のきっかけ。2人に1人は給与・待遇への不満!転職者心理 2016|エン人事のミカタ by エンジャパン

エン・ジャパン株式会社が運営する人事、採用、労務の実務に役立つ情報サイト『エン人事のミカタ』で公開されている『転職者心理2016』によると、転職登録者の48%が『給与・待遇への不満』、37%が『仕事内容への不満』、28%が『成長実感が持てない』を理由に転職を検討し始めたことが分かります。この結果は責任ある立場や成長機会を強く望まない新卒者とはあまりにも対照的です。

自己成長に強い関心を持ち、大きな責任と役割を任せられたいと願う優秀な人材ほど、正当な人事評価によって自己成長と更なるスキルアップを実現させてくれる職場を探し求めていることを、十分に理解しなければならないのです。

適切な人材配置によって優秀な人材のリテンションを高める

【出典】転職者心理 2016-募集、面接、辞退防止の検討に役立つ!転職者9000人のホンネを調査!|エン人事のミカタ by エンジャパン

アンケート対象者9227人のうち、77%は転職について真剣に検討しているといいます。また、半数を超える54%が転職を考え始めてからすでに3ヶ月以上経過しているといいます。

この2つの情報から『真剣に転職を検討してはいるが、今の職場で自分のパフォーマンスを最大化できる可能性にも期待したい』という想いや『思い立ってすぐ行動に移すのではなく、転職という判断が間違っていなかったと心から思える転職先を選び抜きたい』という転職検討者心理を読み取ることができます。

優秀な人材の社外流出は組織にとって死活問題です。しかし、この問題に対して経営者や人事担当者が真剣に向き合うことにより、状況を一転させることができます。正当な人事評価を行える環境を整備し、更なる自己成長を望む労働者の想いに応えられる人員配置や人材活用戦略を実施することによって、優秀な人材のリテンションを高め、そのパフォーマンスとポテンシャル(潜在能力)を組織内で存分に発揮してもらうことが可能となるでしょう。

人員配置の最適化によるメリット

人員配置を最適化することによって組織は多くのメリットを得ることができます。

人件費の最小化

数あるメリットの中でも数字として現れやすいのがコスト削減効果です。人員配置を実施することによって、組織は人件費の最小化を実現させることができます。

生産性の向上

人手不足は業務の質やスケジューリングに多大な影響を及ぼす深刻な問題です。この人手不足はたった1部門で発生するだけでも全体の生産性を大きく低下させてしまいます。

各部門の業務量に適した数の人材を再配置することによってボトルネックを解消することができた組織は、業務の効率化による高い生産性を実感することができるでしょう。

【関連】「生産性向上」は日本経済の課題!知っておきたい法律や改善方法、導入事例をご紹介 / BizHint HR

優秀な人材の社外流出や離職を抑制

優秀な人材のリテンションは、全ての人材マネジメント業務担当者に共通する優先順位の高い重要課題です。人員配置により人材と業務のマッチング精度や業務遂行に対するモチベーションが向上することによって、優秀な人材の社外流出や離職を抑制することができるでしょう。

【関連】リテンションの意味とは?優秀な人材の流出を防ぐ施策 / BizHint HR

メンタルヘルス対策

組織内におけるメンタルヘルス不全の原因は『人間関係』と『業務の質』、『業務の量』に大別することができます。この3つの原因に対して、人員配置は同時かつ多角的なアプローチを行うことができます。

人員配置の最適化は従業員のメンタルヘルス対策としても非常に有効な施策なのです。

組織内の人財を増加できる

全ての従業員は役割やパフォーマンス、組織に与える影響によって『人財』、『人材』、『人在』、『人罪』の4タイプに分類することができます。

  • 人財…組織に多くの利益と可能性をもたらしてくれる、存在価値の高い財産のような従業員
  • 人材…組織活動に協力的で多くの利益を生み出せるように努める、企業素材のような存在意義を持つ従業員
  • 人在…過剰な人員配置や本人の意欲低下などにより十分なパフォーマンスを発揮することができず、職場にただ存在しているだけの状態に陥っている従業員
  • 人罪…仕事をサボる、ミスが多い、他従業員の足を引っ張るなど、組織にとって害となる行動を取る従業員

新規雇用の場において候補者が将来的に人在や人罪になると見込んだ上で採用することは絶対にありません。それは裏を返せば、全ての従業員が人財や人材としての素質や能力を持っているということでもあります。

人と仕事のバランスを整え、高いモチベーションを維持できる施策を実施することによって人在を人材に変えることができます。また、個人特性を十分に活かせる部署への異動や相対評価から個々の業績や将来性を重視する絶対評価へ転換することで人罪を人材に変えることができます。そして、経営者の想いや現在の組織目標、今後の経営ビジョンについて従業員と共有することにより、人材は人財へと変わっていくのです。

人員整理というネガティブ思考によるその場しのぎの対応ではなく、相互理解を深めることでパフォーマンスの最大化を図るというポジティブ思考によって組織活性化を目指すことができる人員配置は優れた人材活用施策であるといえるでしょう。

【関連】人材と人財の違いとは?人罪や人在も含め解説 / BizHint HR

人員配置を最適化させる7つのプロセス

人員配置の最適化を行うためには7つのプロセスを正しく踏む必要があります。

1.業務の量と質を可視化する

適正な人員数の見極めを容易にするため、それに先駆けて部署ごとに業務の量と質の可視化を行います。なお、実施予定の計画などある場合には、実施計画書に基づいて追加される業務についても可視化します。

業務量は1回の作業時間を月間または年間の作業回数でかけることにより可視化することができます。この際、業務プロセスの見直しや改善も同時に行います。また、業務の質は業務遂行に必要なスキルや知識、判断力を総合的に評価することで作業難易度として可視化することができます。

2.適正な人員数の見極めと現状確認

可視化された情報をもとに、部署ごとの適正な人員数の見極めと現状確認を行います。改善箇所の洗い出しを行うため、以下の点を意識しながら現状確認を進めていきましょう。

  • 現在の人員数は適切か
  • 現在の業務担当者の保有スキルや知識、判断力は業務遂行に適しているか
  • 人員数や人材特性など、現在の部署に不足している要素はないか

3.従業員の希望や想いを確認する

適材適所によるパフォーマンスの最大化を実現させるためには従業員の声にしっかりと耳を傾ける必要があります。より深い部分まで正しく理解するため、チェックシートなどを用意しておくのも効果的です。ただし、圧迫感により本音を話しにくい環境を作ってしまわないよう十分注意しましょう。

  • 現在担当している業務の内容や量に満足しているか
  • 現在の業務に関して不安や疑問など相談したいことはないか
  • 担当業務外でどのような仕事に興味があるか
  • 現在の人材評価基準や自身への評価に不満はないか
  • 仕事を通じてどのように成長していきたいと考えているか
  • ワークライフバランスの実現のためにどのような企業努力を求めているか

4.人事異動計画の原案を作成する

ここまでのプロセスで収集した情報を整理し、部署内の人員バランスと業務とのマッチング精度の両方に気を配りながら人事異動計画の原案を作成していきます。『誰』を『どの部署』の『どの役職』に『どのようなタイミング』で異動するのか。組織全体を俯瞰的に捉え、人事異動後のパワーバランスや人間関係についても十分に配慮しながら検討を進めていきましょう。

5.人事異動対象者の意思確認を行い、人事異動計画を完成させる

考えうる最善の人事異動計画であっても、人事異動の対象者となる人物が心から納得し、満足していなければ異動先で高いパフォーマンスを発揮してもらうことはできません。そのため、異動理由や異動先の現状と課題、今後のサポート体制について詳しい説明を行った上で異動する意思があるかどうかを確認する必要があります。

人事異動計画原案は従業員の希望や想いを反映させながら作成しているため対象者から拒否されることはそう多くありません。しかし、万が一異動に対して拒否があった場合には、その従業員の現部署でのパフォーマンスや取り組み姿勢、生活環境やライフスタイルなどを加味した上で『現業務の担当継続』か『人事権行使による異動』を選択しなければなりません。

『人財』や『人材』と評される従業員であれば、現在の業務を継続することで十分な成果を期待することができますが、『人在』や『人罪』と評される従業員の場合には解雇などの厳しい選択肢も視野に入れて検討する必要があるでしょう。

意思確認の結果によっては人事異動対象者の再設定が必要となる場合もあります。この作業を繰り返し、全ての異動対象者の同意を得ることができたら、全体周知や計画実行の期日などを設定し、人事異動計画を完成させましょう。

6.人事異動を実施する

人員配置の適正化は同時進行中の経営戦略や将来ビジョンとリンクし、尚且つ従業員の満足度とパフォーマンスを最大限に高めることができて始めて成功したといえます。人事異動の実施は計画通りに行うことが望ましいですが、異動元部署や異動先部署、従業員周辺の環境変化によっては柔軟に対応する方が良い結果に繋がることもあります。

人間を単なる労働力ではなく、組織の健全な運営と成長に必要不可欠なヒューマンリソースとして認識し、冷静な現状分析によって臨機応変に対応することを心掛けましょう。

7.人員配置による効果を測定、評価する

人員配置の実施後は必ず定期的にその効果を測定し、評価しなければなりません。以下の項目について評価を行い、効果が維持できているかどうか確認を行いましょう。

なお、異動対象者と担当業務だけが人事異動による影響を受けているとは限らないため、効果測定や評価は全部署、全従業員を対象に実施するようにしましょう。

  • 従業員満足度
  • 職場環境や労働環境に対する不安や不満の有無
  • 労働生産性やエラー率、作業効率
  • 部署内の人間関係やチームワーク
  • 人員数と業務量のバランス

8.人員配置の再実施を検討する

定期評価の結果から人員配置による効果が薄まってきていると感じた場合には人員配置の再実施を検討する必要があります。また、評価結果において効果減少が確認されなかった場合でも、事業環境の変化に伴う事業計画の変更や新規事業の立ち上げによる業務や人員の追加など、人員配置再実施の必要性が生まれた場合には速やかに実施しなければなりません。

人員配置の効果を最大化させる方法

人は組織の活力であり宝です。ところが、その想いを施策や環境整備といった形で正しく反映できている組織はそう多くありません。

人員配置の最適化は従業員の将来設計とワークライフバランスの実現をサポートする素晴らしい施策であり、全ての組織が最優先で取り組むべき重要課題です。人員配置の効果を最大化させるために押さえておくべきポイントを学び、より高度な人員配置を実施できるように努めましょう。

【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?企業の取り組み事例と実現のポイント / BizHint HR

穴埋めではなくプラスを生み出す

人手不足の部署や部門に対する人員補充は人員配置の適正化を進める上で大切なことですが、人員過剰な部署や部門から必要人数を異動させるだけといった穴埋め作業を行ってはいけません。人員の異動には明確かつ戦略的な理由が必要です。

ある部署のマイナスをゼロにするために別部署のプラスが減少してしまうことはどうしようもないことだと諦めるのではなく、マイナスをプラスに転換しつつ、元いた部署のプラスも維持または増加できるような人員配置を目指しましょう。

【関連】玉突き人事の意味とは?起こる理由と弊害、人事異動で組織活性化するポイントをご紹介 / BizHint HR

多能工化によるフォローアップ体制を整える

1人の作業者が1種類の作業だけを専門的に受け持つ「単能工」のみで構成された組織内で人員配置の最適化を突き詰めていくと、突然の離職や体調不良等による欠員に対処することのできないトラブルに弱い組織になってしまう恐れがあります。それに対し、1人で複数の異なる作業や工程を遂行できる技能を身に付けた「多能工」を複数人有する組織であれば、トラブル発生時に複数の業務を一時的に兼業してもらうことによって最悪の事態や機会損失の拡大を免れることができます。

各部署において多能工化に向けた教育や研修を実施することで、フォローアップ体制の整ったトラブルに強い組織を構築することができるでしょう

【関連】多能工化の意味とは?メリット・デメリットと進め方 / BizHint HR

業務内容の細分化と統合化のバランスを考える

業務内容の細分化と統合化のバランス調整は、現場労働者や現場作業員の人事評価を行う監督者だけではなく人員配置の適正化を目指す経営者や人事担当者にとっても重要な課題です。細分化を進めるほど全体の業務量を正確に把握することができますが、その分調査にかかる時間が増加し、多能工化による業務カバー範囲の把握も難しくなっていきます。

また、統合化を進めるほど部署内でのフォローアップが容易となりますが、個々に求められるスキルや知識が増加するためストレスやプレッシャーを感じやすくなってしまいます。業務内容の細分化や統合化は組織全体に対して一括で行うのではなく、各部署の業務内容や人材特性に合わせて細かく調整するようにしましょう。

風通しの良い組織風土を構築する

どれだけ組織側がコミュニケーションの機会を設けたとしても、従業員が心を開き本音で語ってくれなければ人員配置の適正化に必要な情報を得ることはできません。

人員配置の適正化に先駆けて風通しの良い組織風土を構築しておくことにより、感情を押し殺すことなく、日常的な関わり合いの中で自然に仕事や組織に対する想いや希望を口にすることができる環境を築くことができるでしょう。

【関連】組織風土とは?意味と改善方法、組織風土改革の企業事例をご紹介 / BizHint HR

人事評価制度の見直しを行う

従業員のモチベーションやリテンションを高めるためには、理論的で分かりやすい人事評価基準が必要です。業績評価の基準を明確にし、自社の業務内容や理想の人材像に合致したアセスメントシートを作成することによって、中身の濃い人事評価を実施することが可能となります。

また、人事評価結果を数値やグラフを用いて可視化することで、自身に与えられた他者評価の受け入れや更なる自己成長への活用がスムーズとなります。

従業員の理解を得るためには理論的で明確な業績評価が有効ですが、個々の従業員が持つ将来性を正しく見極めるために理論的に扱うことが難しいポテンシャル評価も実施しなくてはなりません。業績評価に力を入れるあまり、ポテンシャル評価が疎かになってしまうことがないように注意しましょう。

【関連】人事評価制度とは?評価対象や評価手法、企業事例などもご紹介 / BizHint HR

RPAの導入を検討する

組織内の人材不足に対する対処方法は、人材の新規雇用や業務のアウトソーシング(外部委託)だけではありません。近年多くの注目を集めているRPAの導入と人員配置の最適化を組み合わせることによって、新規雇用や外部化よりも低いコストで高い効果を得ることも可能となるのです。

RPAとはRobotic Process Automationの略であり、ホワイトカラー業務の担当をロボットやAI(Artificial Intelligence=人工知能)に置き換えることによって業務の自動化や効率化を目指す取り組みを指す言葉です。専門性が比較的低く、マニュアル化しやすい定型業務をRPAに担当させることによって、導入部署のヒューマンリソースに大きな余裕を生み出すことができます。

RPAへの置き換えにより、業務担当から外れた従業員の保有スキルや知識、特性を最大限に活かすことができる業務や部署への再配置を実施することによって、人材不足の解消と組織全体の生産性向上を同時に実現させることができるでしょう。

【関連】RPAとは?意味や効果、導入方法、導入事例、RPAツールをご紹介 / BizHint HR

人員配置適正化支援システムや人員配置管理システムの導入を検討する

世の中には多くの人員配置適正化支援システムや人員配置管理システムが存在します。これらのシステムを導入して活用することにより、人員配置状況の把握や非正規従業員の勤務管理、シフト管理が容易となります。

組織内に蓄積されたノウハウが少なく、人員配置の最適化や非正規従業員の管理に自信がない場合にはシステムの導入を検討するのも1つの手段でしょう。

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まとめ

  • 人員配置とは従業員の希望や個人特性を踏まえて実施する戦略的な人事異動のことである
  • 人員配置を最適化することで生産性の高い組織を構築することができる
  • 人員配置が最適化された状態とは、組織内の人員構成や配置状況が適正であり、全ての従業員が保有スキルや個人特性を活かし、意欲的かつ積極的に仕事に取り組むことで高いパフォーマンスを発揮できている状態のことである
  • 人員配置の最適化により組織は多くのメリットを得ることができるが、その効果は様々な理由により低下していくため、見直しや再配置を適宜実施しなければならない

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