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2019年4月9日(火)更新

アセスメントセンター

アセスメントセンターとは、管理職やチームリーダーなどのマネジメント能力を、演習などを用いて客観的に評価する手法の事を言います。今回は、このアセスメントセンターについてご紹介します。

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1.アセスメントセンターとは

そもそも、アセスメントセンターとはどのような意味なのでしょうか。

アセスメントセンターの意味

アセスメントセンターとは、管理職やチームリーダーなどのマネジメント能力を評価する手法の事を言います。「アセスメントセンター方式」「アセスメントセンターメソッド」とも呼ばれます。

具体的には、実際の職務を想定したシミュレーションを元に演習を行い、被評価者の行動や言動を評価者(アセッサー)が評価します。その上で、管理者としてふさわしいのか、必要な能力要件を満たしているか、などの判断を行います。

アセスメントセンターが利用されるシーン

アセスメントセンターは、主に人材採用、昇進や昇格試験、人事異動、人材育成など人材マネジメントにおける様々なシーンで利用されます。特に、マネジメントについての評価という側面から、管理職向けの昇格試験や研修などに用いられる事が多いようです。主に中級管理職(課長職)クラスを対象に利用されるケースが多いようですが、初級管理職や上級管理職(部長職)の研修などに利用される場合もあります。

アセスメントセンターの歴史

アセスメントセンターの歴史は古く、元となった手法は1930年代頃にドイツ軍において士官登用のために開発されたもの、という説もあります。そして、その後アメリカにおいて第二次世界大戦での諜報員の選抜や育成にも利用されました。戦後は、民間企業であるAT&T社がこのプログラムを導入し、会社組織における管理者の育成や選抜の手法として定着しました。日本に伝わったのは、1970年頃であると言われています。

2.アセスメントセンター導入の目的とメリット

それでは、アセスメントセンターを導入する目的とそのメリットを見てみましょう。

アセスメントセンター導入の目的︎

先ほども触れたように、アセスメントセンターは主に管理者やチームリーダー層の人材採用、昇進や昇格試験、人事異動、人材育成(マネジメント研修など)などの場面で利用されます。これらの目的は、被評価者のマネジメント能力を、実際の職務場面を想定した演習上で客観的に判断する事です。

アセスメントセンター導入のメリット

それでは、アセスメントセンター導入のメリットをご紹介します。

評価の客観性を高める

アセスメントセンターを実施する事により、例えば昇格試験において、被評価者のスキルや能力が実際にどのように発揮できるのかを客観的に評価する事ができます。現在の職務における評価や情報だけで判断するのではなく、新たにマネジメント能力について客観的な評価を実施する事により、人事考課エラーも防ぐ事ができます。

【参考】BizHint「人事考課の意味とは?評価との違いと、ポイントをわかりやすく解説」

評価の公平性を保つ

アセスメントセンターでは、複数の人物を評価する場合、基本的に同じ演習や課題を提供し、同じ基準の上で評価します。そのため、面接官による評価のズレがなく、公平な評価が可能となります。

今後の活躍を予測

アセスメントセンターを実施せずに被評価者を採用・昇格させる場合、これまでの経験・スキルから今後の活躍を予測する事になります。しかし、例えばこれまでマネジメントの経験がない社員を管理職に登用する場合、その能力は推測でしかありません。アセスメントセンターを実施すると、実際の職務をシミュレーションした演習において、具体的にその活躍を予測する事ができます。

3.アセスメントセンターの構成要素

それでは、アセスメントセンターを実施するために必要な3つの構成要素についてご紹介します。

ディメンション(要件)

まず、人材に求める能力要件「ディメンション」です。被評価者が、組織においてどのような働き方を求められているのかなどの目標職務、そして、それはどのような人物像なのか、詳細に設定しておく必要があります。このディメンションは、後にご紹介する演習の内容にも影響します。

アセッサー(評価者)

次に、アセッサーです。これは一般的に、専門的な訓練を受けている評価者を指します。アセッサーは、演習における被評価者の行動や言動について観察し、ディメンションを元に、客観的かつ多面的に、そして公平に評価する必要があります。

演習(シミュレーション)

そして「演習」です。これは、実際に管理職となった場合、遭遇するであろう状況をシミュレーションした演習課題について対個人、対組織など、様々なシーンを想定して行われます。

例えば、実際に管理者の立場に立った想定でマネジメントについて検討する「ケーススタディ」や、未処理の案件を職位に応じた意思決定で処理する「インバスケット」、管理者と部下の立場で実施する「面談ロールプレイング」や「グループディスカッション」など、様々な手法があります。

4.アセスメントセンター導入の基本プロセス

それでは、アセスメントセンターを導入する際の実際のプロセスを見てみましょう。

①人材要件の設定

まずは、人材要件の設定です。先ほどご紹介した「ディメンション」を構成する部分であり、アセスメントセンター全体に影響するものです。そのポジションに求められている人物像、そして被評価者がそのポジションに就いた時にどのような働き方が求められているのかを、明確にしておく必要があります。

②要件にあった演習・評価項目の設計

①で設定した人材要件を元に、演習の内容や評価項目の設計を行います。求められるスキルが、シミュレーションの中の言動や行動に現れやすいシチュエーションを設定すると、アセスメントセンターの精度が向上します。また評価項目については、評価者の理解に左右されるような表現は避け、分かりやすく誰もが公平に評価できる内容である必要があります。

③実施

実際に演習を実施します。そこで見られた被評価者の言動・行動により、アセッサー(評価者)が評価項目やディメンションと照らし合わせながら評価します。

④検証・課題抽出

得られた結果を検証し、昇格試験であればふさわしいと思われる人物を選抜します。人材育成が目的であれば、人材課題を抽出し、その部分を重点的に補填する人材育成プログラムを設計します。

5.研修会社

それでは、実際にアセスメントセンターを請け負う企業についてご紹介します。

日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)

日本能率協会マネジメントセンターでは、リーダーに求められる能力をあらかじめ設定し、以下のような基準を設けた上で、被評価者がこれらをどのレベルで保持しているのかを評価します。これらにより、一般的な管理職の候補者水準と被評価者を比較し、強み・弱みを抽出する事が可能となります。

【リーダーに求められる3つのスキル】

  • 課題解決スキル…組織の現状を把握した上で課題を見い出し、改善計画等を立案できる
  • 判断・処理スキル…様々な判断をスピーディーかつ的確に判断できる
  • 対人関係スキル…部下やその集団に対して、育成や目標達成に向けた影響を与える事ができる

他にも、人事要件に合わせた複数の演習を組み合わせた効率的なプログラムを設計できたり、アセスメントセンター後の人材育成に役立つ報告書やスキルアップガイド等、能力開発ツールの充実などの特徴があります。

【参考】日本能率協会マネジメントセンター「マネジメントスキルを評価するアセスメントセンター®」

株式会社マネジメントサービスセンター

株式会社マネジメントサービスセンターは、日本で始めてアセスメントセンターを紹介したとされている人材開発コンサルタント企業です。このアセスメントセンターでは、被評価者に対して行動科学に基づき設計された複数の演習課題を課し、行動観察技法を用いて評価を実施します。

マネジメントサービスセンターのアセスメントセンターには、目的に応じて「S型(人材の選抜・発掘)」「D型(能力開発や人材育成)」「I型(人材ポートフォリオの可視化)」の3種類の方式が用意されています。その他にも、スタンダードなタイプから、グローバルエグゼクティブ人材・グローバルマネジメント人材を対象としたプログラムまで幅広い層のアセスメントセンターを支援しています。

【参考】株式会社マネジメントサービスセンター「アセスメントセンター方式」

株式会社日本経営協会総合研究所

日本経営協会総合研究所のアセスメントセンター試験では、あらかじめ設定された「管理者に求められる発揮行動」に基づいて、アセッサーが評価を実施します。

【管理者に求められる発揮行動】

  • 知的領域…情報の把握、分析、判断、決断の能力
  • 実行領域…計画、率先して邁進する、セルフコントロール、成果の管理能力
  • 主体関係性領域…自立、説得、組織のコーディネート、インフルエンスの能力
  • 需要関係性領域…傾聴、フレキシビリティ、センシティビティ、恊働の能力

被評価者は、2日間の集合研修に参加し、その中で4種類の演習に参加します。シミュレーションの中で出てきた行動や言動から、参加者の強みや弱みを抽出し、それらを人材開発等に活かす事を目的としています。

【参考】株式会社日本経営協会総合研究所「アセスメントセンター試験」

6.企業事例

それでは、実際の企業事例を見てみましょう。

ダイトエレクトロン株式会社

電子部品や半導体製造装置などを取り扱うダイトエレクトロン株式会社は、昇格審査にアセスメントセンターを導入しています。同社の課長職への昇級試験において、社内で実施される論文・筆記試験・面接などと併せて、客観的にどの程度のマネジメントスキルを保持しているかを評価するために、外部のアセスメントセンターを取り入れています。

同社では、昇格の判断のみならず、人材育成も目的の一つとして実施しています。まずアセスメントセンターを実施する前に、講義やトレーニングを実施し管理者としての意識の向上を諮ります。そうする事で、アセスメントセンター実施後に管理者としてのスキルを自分自身で振り返り、より理解を深めたり、マネジメントにおける自身の強み・弱みを把握する事ができます。その後、これらの結果を元に職場実践研修を行い、マネジメント能力の向上に役立てています。

【参考】日本能率協会マネジメントセンター「アセスメント活用事例Vol.2:ダイトエレクトロン株式会社:アセスメントセンターを昇格審査に導入し、育成にも活用する」

日本製紙株式会社

紙関連事業や土木・物流関係の事業を展開する日本製紙株式会社は、キャリア研修にアセスメントセンターを活用しています。

一般的に管理職向けに実施されるケースの多いアセスメントセンターですが、同社では「30歳キャリア研修」に導入されています。3日間の研修の中で、最初の1日をアセスメントセンターに割き、マネジメントケース演習やプレゼンテーション、グループディスカッションなどを実施し、アネッサーからの評価を受けます。これを実施する事で、被評価者は自身の強みや弱みに気づく事ができます。それを把握した上で残り2日間の研修を受講する事で、より研修効果を高め人材育成に繋げるのが狙いです。

【参考】日本能率協会マネジメントセンター「アセスメント活用事例Vol.1:日本製紙株式会社:アセスメントをキャリア研修に活用する」

その他

一般の採用試験において、アセスメントセンターを導入する企業もあります。

たばこ事業を展開する「フィリップ モリス ジャパン合同会社」では、2016年卒の新卒採用のインターンシップにおいてアセスメントセンターを導入しました。また、通常の採用においても、複雑な職務についてアセスメントセンターを採用する場合があります。

LCCであるジェットスター・ジャパン株式会社では、キャビンクルーや客室サービスマネージャーの採用試験において、アセスメントセンターを導入しています。書類審査・電話審査をクリアした対象者について、グループディスカッションやアームリーチ計測などの試験を実施します。不採用となった場合でも、受検者は希望すれば結果のフィードバックを受ける事ができます。

【参考】フィリップ モリス ジャパン合同会社「採用までの流れ」
【参考】ジェットスター・ジャパン株式会社「採用情報・キャビンクルー・応募資格」

7.まとめ

  • アセスメントセンターは主に管理職の昇格試験などに用いられ、シミュレーション演習などを使って実際の職務を想定した客観的な評価を行う
  • アセスメントセンターを利用する事で、人材評価の客観性が高まったり公平性を保てるだけではなく、今後の活躍をシミュレーションで具体的に予測できる
  • アセスメントセンターを実施する際の注意点は、人材要件の設定の際に求められるスキルや人物像についてできる限り明確にしておく事

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