組織市民行動
組織市民行動とは、「従業員たちが報酬などの見返りを求めることなく、組織全体の効率を促進するため、自発的に他者を支援する行動」のことです。近年、成果主義やジョブ型雇用を導入する企業が増えていますが、「誰にも割り当てられていない仕事」の中には重要なものも多く、放置されると業務全体に支障が出てしまうことから、組織市民行動の重要性が見直されています。当記事では、組織市民行動に関する知識を深め、組織で活用するために必要な情報やノウハウを、組織市民行動の定義、5つの次元と具体例、社内に浸透させる方法などの項目に整理して分かりやすく解説します。
組織市民行動とは
組織市民行動(Organizational Citizenship Behavior:OCB)とは、 「従業員たちが報酬などの見返りを求めることなく、組織全体の効率を促進するため、自発的に他者を支援する行動」 のことです。
役割外行動のひとつ と言われており、わかりやすい例でいくと、「病気などで休んでいる人の仕事を代わりに行う」「仕事のやりたかがわからず困っている人がいれば自発的に教えてあげる」などが該当します。些細なことですが「職場にゴミが落ちていたら拾う」といった行動も、組織市民行動に含まれます。
組織市民行動の定義
日本大学の田中堅一郎教授は、インディアナ大学のデニス・オーガン教授が著書「Organizational citizenship behavior: The good soldier syndrome.」の中で記した組織市民行動の定義を次のように翻訳しています。
従業員が行う任意の行動のうち、彼らにとって正式な職務の必要条件ではない行動で、それによって組織の効果的機能を促進する行動。(しかも)その行動は強制的に任されたものではなく、正式な給与体系によって保証されるものでもない。
また、田中堅一郎教授は同論文の中でPodsakoff,MacKenzie,&Huiによる組織市民行動の定義についても次のように翻訳しています。
職場・組織における行動のうち、以下の条件を満たすものである。 (1)従業員が(組織市民行動を)示したことに対してはっきりと褒賞されるわけではなく、示さなかったことに対して罰せられることもないもの。 (2)従業員の職務記述書には含まれないもの。 (3)従業員が彼らの職務の一つとして行うように訓練されていないもの。
この2つの定義から、組織市民行動は以下の5つの条件を満たす行動であることが分かります。
- 従業員個人の自発的な行動によるもの
- 行動に対する賞罰や報酬が存在しない
- 職務記述書には含まれていない
- 行動に関する訓練を受けていない
- その行動によって組織の効果的機能が促進する
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