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2018年7月17日(火)更新

脳科学

最近、メディアで脳科学をテーマとするものを良く見かけるようになりました。人間の生活のさまざまな分野に関連するとされる脳科学とは、どのようなものなのでしょうか。脳科学への理解が、ビジネスに与える影響はあるのでしょうか。脳科学に関する基礎知識と共に、人事面での活用の可能性を探っていきます。

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脳科学とは

脳科学の追求は、人間の心の動き、および生命システムのすべてを理解するためのカギとなります。人の心はハート(心臓)ではなく、脳の動きによって生じることはすでに常識となっていますが、認知・行動・記憶・思考がどこからどのようにして生み出されるのかはこれまで未知の領域にありました。

脳科学の発達により、これらすべては神経物質の伝達、シナプスの働きによるものであることが解明されています。さらに領域別の脳の神経の働き・ホルモンの影響が、人間の行動のどの部分に関わるのか、性格や人間性、「やる気」や記憶、意思決定などを定めるものとして研究が進められています。

今なぜ脳科学なのか?

今、脳科学が着目され、その解明が急速に進んでいるのには次のような理由があります。 ・脳の回路を操作できるテクノロジーの発達 ・遺伝子操作による動物実験の広がり ・脳の解析技術の進歩

これら3要素によりこれまで外部から観察するのみの対象であった脳が、さまざまな試験の対象へと変化しました。これに伴い各国が国家規模で、脳科学の発達に向け、力を入れ始めています。脳科学の進歩が、将来的な国家戦略を大きく左右するという共通の認識が示されていると言えるでしょう。

脳科学はどのように利用されているのか

医療分野での脳科学の活用

脳科学の発達ともっとも結びついているのが、医療の現場です。脳科学によって解明されるものは多数あります。原因究明とともに、患者に施すべき正しい処置への直接的なヒントが与えられています。

一見意識がないように思われていた患者であっても、生き残った神経組織へのアプローチで、外部とのコミュニケーションが復活する可能性が大きく開けていきます。さらに、脳とコンピュータ機器、手足指の代わりをする身体補助具との連携も、脳科学の発達に従って開発が進められています。最新の技術では脳信号によって意志を伝え装置を動かすといった、介護機器分野での研究に期待が集まっています。

ビジネス分野での脳科学の活用

脳科学によって、人の好みや購買に向かう深層心理なども解明されつつあります。ニューロマーケティングは、脳科学の見地から消費者の反応を探り、マーケティングに応用するというものです。広告やPR効果などは、従来の数値化する手法でも、明確に説明しづらい分野でした。

ニューロマーケティングでは、脳画像(MRI),脳計測(COE),脳個性診断(SRI)などを利用し、消費者心理や商品・サービスが脳に与える影響を直接計測して情報を得ることができます。この手法では、商品のデザインやイメージが与える心理現象を具体的に判断し、どのような方向性がマスとしての消費者に受け入れられやすいのかを知ることができます。

脳科学で人の行動は説明できるのか

人は“報酬”によって行動の動機付けをする

脳科学により、モチベーション・やる気を高める仕組みが理解されてきました。人が達成感を得るとき、脳はドーパミンという神経伝達物質を放出します。達成感を得られることが、行動の動機づけと関係していると言われています。簡単な動機づけの例としては、1時間のタスク後10分休憩を取るというものがあります。まったく休憩を取らない場合に比べて「やる気」の高まりが数倍にも変化します。

業務やプロジェクトの実行に対し、動機付けが行なわれる条件には、外発的報酬・社会的報酬・内発的報酬の3項目があります。外発的報酬の例としては、報奨金などがこれに当たります。社会的報酬は賞賛や尊敬など、SNSが発達している現代には動機付けの大きな要因となり得ます。内発的報酬は、自分自身が目的を持って行動を起こす場合です。内発的に動機付けられて開始したものに対し、外発的報酬を中途付加すると、内発的動機が低下してしまうという傾向があります。

表情を失うと営業成績が落ちる?

ボトックスで表情筋の働きを抑えると、コミュニケーション能力が低下する傾向があります。脳神経の観察により相手の表情を無意識に真似することで、共感し、心情を察する機能が高まると説明されています。

表情豊かな営業マンほど成績が良いというのは、単に愛想の問題だけでなく、相手から信頼を得る能力が高いからです。これは社員への面談や、営業職の社員へのアドバイスに活かせる理論です。仏頂面のまま向き合っても、信頼感を勝ち得ることはできません。

脳科学と人事・ビジネス

社員のやる気を導くためには、人事担当者の提供できる“報酬”の内容を考える必要があります。先に述べられているように動機付けには以下の3つがあります。

  • 適切な給与・待遇などの外発的な報酬
  • 達成感、満足感、自己実現に関連する内発的報酬
  • 他者からの評価やチーム内への貢献感などの社会的報酬

人事の配置や社員の教育・フォローの場で、意欲低下という課題解決のためには、これらについて理解しておかなければなりません。

脳科学を活用して提供されているサービス

日立ハイテクノロジーズ「健康経営支援ソリューション」

脳科学を元に活力のある職場づくり・リスクマネジメント支援するプログラムを提案しています。社員の気分計測を行なう携帯型脳活動計測装置を活用。業務の現場での活力を可視化し、潜在する課題解決・リスク回避に役立てるものです。

NTTデータ「脳科学・ニューロテクノロジーコンサルティングサービス」

脳科学を活用しR&D、マーケティング、ヘルスケア、リスクマネジメント、教育、マネジメントなど多岐にわたり、各社に適応する戦略支援・管理支援を行なっています。各企業のニーズに合わせた脳科学の応用戦略を策定、実行に際してのサポートサービスを提供しています。

まとめ

  • 脳科学は人間の心の動き、および生命システムのすべてを理解するためのカギ
  • 脳科学を追求することで、人間の行動への理解が深まる
  • 脳科学は生活に関わるすべての分野に応用できる
  • 行動の動機付け理論は人事担当者の参考にできる

人を理解しようとする時、脳科学を応用した考え方が役立ちます。社員のモチベーションの動機付けがされる条件を知れば、人材の配置や社員教育・指導の参考となるでしょう。急速な進歩を遂げる脳科学。今後はさまざま分野にも、さらに影響を与えることになりそうです。

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