はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年4月27日(金)更新

リチーミング

リチーミングの意味とは、フィンランドの社会心理学者と精神科医が開発した子供向けの教育プログラムがもとになったフィンランド式チーム活性化プログラムのことです。現在では、組織のチームワーク・やる気を高めるプログラムとしてヨーロッパを中心とした様々な企業で活用されています。

リチーミング に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

リチーミングの意味・内容

リチーミング(reteaming)とは、teamingに「再び」という接頭語であるreがついた「チーム再構築」の意味を示す言葉で、1990年代にフィンランドで精神科医ベン・ファーマン氏と社会心理学者タパニ・アホラ氏によって問題を抱える子供向けに開発された問題解決の教育のプログラムのことです。これが大人にもかなり有効だということがわかったので、現在では組織のチームワークを高め、やる気を引き出すことができる研修プログラムとしてヨーロッパを中心に世界16か国の様々な企業で取り入れられています。

なぜリチーミングプログラムは有効なのか

フィンランド式チーム活性化プログラムすなわちリチーミングプログラムは、なぜ世界の様々な優良企業で採用されるでしょうか。

また、一般的に行われてきた研修との違いは何なのでしょうか。その理由を問題へのアプローチの仕方に基づいて紐解いていきましょう。

問題志向型から解決志向型の考え方へ

仕事を進めていく上で何か問題が起きてしまった時、問題の原因や責任の追及ばかり考えてしまう問題志向型の考え方をしてしまうことが多々あります。しかし、問題志向型のアプローチでは責任を負うリスクや失敗への恐怖によって目標達成への障害を生んでしままいます。そこで、フィンランド式のリチーミングでは“人は問題の解決方法をすでに持っている”という解決志向型のアプローチのもと、問題の原因よりも解決方法を探ることをチームで考えます。これをすることによってチーム一丸となって課題に取り組むことができるようになるのです。

コーチングとの違い

よくスポーツをする環下ではコーチングという言葉をよく耳にしますね。コーチングというのは根本的に“個 対 個”でのコミュニケーションが基本になっています。これがコーチングを企業に用いてもうまくいかない理由です。企業というのは大きなチームであるので、個の育成に力を入れても最後はチームでの活動で苦戦してしまいます。個人の能力は伸びても、チームワークは育たないからです。それに対してリチーミング研修では個人個人の目標、すなわち自分たちの理想像をチーム全体で共有した上でゴールに導くという方法を取ります。よって、リチーミングは企業の研修プログラムに有効なのです。

【関連】コーチングとは?実施するメリットや進め方、資格や研修会社までご紹介 / BizHint HR

リチーミング研修が効果的な状況

リチーミング研修を会社に取り入れることで、社員のモチベーションが上がるなどの効果が得られますが、特に導入によって大きな効果が得られるシチュエーションがあります。ケース別に見ていきましょう。

仕事に無駄が多くストレスの原因になっている、または社員のモチベーションが低い状況

このような状況下では、仕事や目標を与えられているという意識が目標達成を阻害していると考えられます。そこで、リチーミング研修を行うことにより押し付けではない自発的な目標設定を促すことができます。さらには、想定される障害への準備を行っておくことで問題に直面した際のストレスを軽減できる効果も得られます。

社内のコミュニケーションがうまくいっていないような状況

リチーミングプログラムの中で、課題を乗り越えるためには周りにどうしてほしいのかと考えるというステップがあります。このステップで得られる相手の問題を指摘するのではないお互いに解決策を考えるという解決志向のアプローチが有効に作用します。その結果、コミュニケーションが円滑になる効果が期待できます。

リチーミングプログラムの鍵を握る12のステップ

  1. 理想像を描く
  2. 理想像に近づくために必要な目標を具体的に設定する
  3. サポートしてくれる人を募る
  4. 目標を達成することによって得られる利点を探る
  5. 目標達成のためにすでに努力していることを見つける
  6. 今後どのような成長ができるかを想像する
  7. 想定される障害に対して準備をする
  8. 自信をつける
  9. 初めの一歩として目標を周りに公言する
  10. 成長の記録をつける
  11. 想定される失敗に対して準備をする
  12. 成功を祝い、支えてくれた人に感謝する

1から12までのステップをすべて行わなければいけないということは無く、必要に応じて取捨選択を行うことができます。

出典:EAP総研作成資料

企業にリチーミング研修を導入することで得られるメリット

リチーミングが企業にとっていい方向に働くのは前述した通りですが、具体的にどのようなメリットや変化がリチーミングプログラムを通じて企業にもたらされるのでしょうか。

目標を決め、達成する成功体験

ステップ1・2では理想像を描き、それを達成するために具体的な目標を決めます。この1・2がカギを握ってくるのです。何がいけないのか(問題志向)ではなく何をすれば理想に近づけるのか(解決志向)といったことを積極的に話し合うことができればおのずとチームの一体感は生まれ、それを達成することでそこにチームとしての成功体験が生まれます。そうして最後のステップの10・11・12で目標達成のアフターフォローを終えると、自然と今後のチームとしての自信すなわちチームワーク力に変化が出てきます。

社会人基礎力

社会人基礎力とは、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力である3つの能力と経済産業省が定義しています。リチーミングを通してこの三つの社会的基礎力は向上します。

  • 考え抜く力
    与えられた目標を達成するのではなく、自分やチームで自発的に目標や理想像を定めることによってモチベーションは上昇し、考えて行動することができるようになります。いわゆる指示待ち人間からの脱却ができ、計画力・問題発見能力が身につきます。
  • 前に一歩踏み出す力
    何度も述べたように、問題志向のアプローチでは前に進みづらかった環境を一変し、お互いに自信をつけることによって解決志向のポジティブなアプローチができるようになります。これによって、チームの中に主体性や行動力が生まれます。
  • チームワーク力
    お互いが緻密にコミュニケーションをとり、お互いの目標を理解することによって、チームワークが再構築でき、チームのメンバー間に発信力や積極性、さらにはお互いにストレスのコントロールがしやすくなります。

【関連】社会人基礎力とは?経済産業省の定義や育成方法、診断シートをご紹介 / BizHint HR

リチーミングが過去に用いられた事例と現在の実例

そもそもリチーミングはなぜこんなにも多くの企業の人事担当者の方々に知られるようになったのでしょうか?フィンランドの過去の大きな変化をもとに見ていきましょう。また、現在リチーミング研修を用いている企業では実際にどのような研修を行っているのかをフラフープの実例とともに紹介します。

破滅寸前のフィンランドを救ったリチーミング    

 

参照:the Grobal Economy.com

1990年代初頭、フィンランドの失業率は約16%ととても高い水準にありました。しかし、現在ではゴム長靴の専門ブランドで知られるノキアを皮切りに多くの企業が今ある人材のやる気・能力を引き出す方法としてリチーミングを導入し、90年代後半には徐々に失業率は低下していきました。まさにリチーミングはフィンランドの企業の縁の下の力持ちといっても過言ではないのです。現在では、フィンランドの人材開発者にはリチーミングを知らない人はいないといわれるほどに様々な企業でリチーミング研修が使われています。

企業研修にフラフープ?リチーミング研修の実例

ノキアやマイクロソフトさらには日本の旭化成など、ヨーロッパ各国から様々な企業に広がりを見せているリチーミング研修ですが、12のステップとはいうもののいったいどのようなアクティビティが実際に行われるのでしょうか。今回はリチーミング研修の中でもよく用いられるフラフープの研修を実例に挙げて説明します。このプログラムは参加者がグループを作り、それぞれが指一本のみを用いて協力してフラフープを運ぶという一見子供じみたアクティビティですね(ただし会話は禁止)。しかし、グループの人数が増えれば増えるほどこれが驚くほど難しいのです。皆が目で合図を送ったり、指示を出したりしようとすればするほど混乱が起きます。そこで、各グループでチームワークについて話し合い、理想像を共有した上でその重要性を再確認します。するとおのずと自分たちの問題点に気づき、ゴールできます。

参考書籍

ベン・ファーマン・タパニ・アホラ 著 EAP総研 “編強いチームをつくる技術―個と組織を再生する「リチーミング」の12ステップ”

まとめ

  • リチーミングは12ステップからなるフィンランド式チーム活性化プログラム。
  • 会社内で無駄・ストレスが多い、モチベーションが低いなどの状況にリチーミングは効果的。
  • 問題志向型から解決志向型への意識変化が重要。

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計200,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 事業運営のキーワードが把握できる
  • 課題解決の事例や資料が読める
  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

リチーミングの関連キーワードをフォロー

をクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードフォローの使い方

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次