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2018年9月11日(火)更新

オフサイトミーティング

企業をどう発展させるか、バブルの崩壊やーマンショックなど社会経済が悪化した時にどう生き残るか、こうした課題解決には、組織的なチーム力が重要です。近年、チーム力を育み企業を活性化する手法として「オフサイトミーティング」が脚光を浴びています。

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オフサイトミーティングの意味とは

オフサイトミーティングとは、オープンで活発な議論を促すために、あえて職場から離れた場所・環境で行う会議のことを言います。日本では、株式会社スコラ・コンサルトが、場所を変えるだけでなく役職や肩書きを超えて「気楽にまじめな話をする」ことを「オフサイトミーティング」として広めています。 ※「オフサイトミーティング®」は株式会社スコラ・コンサルトの登録商標です。 なお、海外では、企業幹部がリゾート施設などでオフサイトミーティングのことをリトリート(retreat:隠れ家)、実績ある実践技法など取り入れ、企業の変革を図ることを組織開発(OD)と呼ぶこともあります。

【図表1】

【出典】スコラ・コンサルト:オフサイトミーティング

オフサイトミーティングはなぜ必要?

設立当初は、企業理念に燃え、会社全体で活発な企業活動に邁進していても、業績が安定し、企業規模が大きくなると、どうしても組織は硬直し、風通しが悪くなります。 こうした「組織の老化」は、新しいものへのチャレンジ精神が失われる、柔軟な発想が出にくくなるなどの体質を醸成、いずれは企業風土として定着してしまうことが少なくありません。このうした悪しき企業風土は、働く社員の意欲を減退させ、企業危機に相応できなるだけでなく、社内の関係性悪化から企業活動の停滞や衰退にも繋がります。 オフサイトミーティングは、固定した職場(固定した企業風土)から物理的に離れた場所での自由な意見交換などによって、組織の風通しを良くし、企業風土の固定化の防止やその改善といった組織変革に効果がある取組みです。

オフサイトミーティングと会議の違いとは?

社内で行われる「会議」と「オフサイトミーティング」では、どちらも会議には変わりがないものの、その目的や特徴は大きく異なります。オフサイトミーティングを単に「場所や環境を変えて行なう会議」と考えてしまうと、その意味は無くなってしまいます。 社内で行なわれる「会議」は、アジェンダがあり、それを基に比較的短い時間の中で、組織に沿った進行により意見をまとめる「収束型」で、時間内に一定の結果を出すことを目的としています。 対して、オフサイトミーティングは、決められたテーマについて時間をかけて話し合い、参加者の思いや考えなどを出し尽くすことで、お互いの考えを共有する「発散型」の特徴を持ち、チームを強化することを目的としています。 つまり、オフサイトミーティングを場所や環境を変えて行なうのは、「発散型」によるチーム力の強化を手助けするものであり、「収束型」の会議を効率よく行なう(会議の結果を出し易くする)わけではありません。

【図表2】 【出典】スコラ・コンサルト:オフサイトミーティング

オフサイトミーティングの目的とは?

これまで見てきたように、オフサイトミーティングは、日常と異なるリラックスした環境での意見交換等によりチーム力を高めることが第一の目的ですが、それだけでなく、積極的な意見交換による社内コミュニケーションの活性化、前向きな意見による社内イノベーションの誘発にも繋がります。こうした効果を総合すれば、オフサイトミーティングは「企業の体質改革」や「企業活動の活性化」が広義な目的とも言えます。

オフサイトミーティングのメリットとは?

広義に「企業活動の活性化」に繋がるオフサイトミーティング。具体的には以下のようなメリットが期待されます。

コミュニケーションの改善

個々の不満や改善案といった思いや考えを出し合い、相手の意見を理解できるまで聞くことによって、「何を言っても、聞いても大丈夫」と思える環境が整い、社員間の信頼関係が構築されます。

チーム力向上

「互いの考えを共有する」、「目的などの認識を統一する」ことでチーム力が向上します。

対話習慣の醸成

自由な意見交換は、縦横の組織的垣根による対話の壁を薄くし、日常業務においても部署間、担当間の連携が取り易くなります。

主体性の喚起

共通認識された目的は、上から一方的に与えられた目的ではなく、自身の意見や議論が反映されたものであるため、目的に対する社員個々の主体的取り組みが期待できます。

オフサイトミーティングのデメリットとは?

非日常的環境でのある程度自由な意見交換は、自由であるが故に、その進行を誤ると、意見が混沌として、却って個々の反感や無用な対立を生むこともあります。加えて、意見が収拾できず、個々が言いっ放しただけで、結果的に何の効果も生まれないこともあり得ます。 こうした事態を防ぐためには一定のルールが必要ですが、こうしたルールを厳格化したり、細分化すると、結果として場所を替えた通常の会議に過ぎない、オフサイトミーティング本来の意味が薄れたものとなってしまいます。

オフサイトミーティングを実践するには?

このようにオフサイトミーティングを成功させるためには、通常の会議とは異なる視点の準備や進行が必要となります。

事前準備

会議に比べ時間をかけて話し合うとはいえ、際限なく時間を使えるわけではありません。時間内に目的を果たすためには事前準備が重要となります。

事前準備例 ・参加者の選定 なるべく少人数で行うようにします。 ・機材などの準備 会議室ほど機材が揃っていない可能性がありますので、会場の設備をチェックし、必要なものを準備します。 ・資料の配布 資料は事前に配布し、内容をあらかじめ共有しておきます。 ・ゲストや情報提供などの手配 テーマから話の展開を予測し、必要と思われるゲストや情報提供などの手配をします。

ファシリテーターの必要性

オフサイトミーティングでは全体を見渡せる第三者として、ファシリテーターの存在が必要不可欠です。参加者の意見をより引き出し、スムーズに話を進めるようフォローしつつ、活発な議論が収拾つかなくならないよう進行し、会議の目的を達成させます。 議論の場では、「立場」「利害関係」「人間関係」などが影響し、言いたいことも言えない、または意見を曲げてもらえず押さえつけられる、もしかすると議論がケンカ一歩手前となって険悪になることも考えられますが、それでは本来の目的が果たせません。ファシリテーターがいることで、議論のフォローをし、進行のイニシアチブを取るなど軌道修正を行うことで、場の雰囲気を悪くすることを回避し、参加者の気持ちに配慮しながら意思決定に至ることが出来ます。

場所の確定

オフサイトミーティングでは、場所の選定が何よりも大切です。テーマや開催日、参加者の顔ぶれによって、どこまで離れた場所で行うのか、どこまで日常との違いを出すのかなどによって開催場所が違ってきます。

富士屋ホテルチェーンリジート型オフサイトミーティングとして、観光地や自然の中などにあるリゾートホテルでも、オフサイトミーティングプランが用意されており、食事以外にも会議室や設備などが用意されています。

Spacemarket遠距離まで行かずに、少し職場から離れたところで気軽にオフサイトミーティングを行うには、レンタルスペースなどを活用するのも一つの方法です。 レンタルスペースは社内のような会議室とは限らす、カフェ風であったり、カラフルな部屋であったり、あるいは軽運動や料理ができる設備であったりと、様々な機能と個性があるため、近場であっても非日常を演出しやすく、目的に応じて選ぶことができます。

TKP宿泊や会議室、交通の手配まで一括で手配してくれる、研修手配サービスもあり、自社での手間を軽減したい、どこにしていいのかわからず相談したい場合などに利用することができます。

オフサイトミーティングを取り入れた事例

オフサイトミーティングを実施し、効果をあげている会社を成功事例ごとにご紹介します。

事例1 会社の文化にまで定着に成功

大日本住友製薬株式会社では、2007年からオフサイトミーティングを導入しましたが、導入当初は、すぐに医薬品の売り上げに結びつくイメージがなく、時間の無駄と捉えて否定する社員も存在していました。しかし現在は、業務時間内でも実施可能とし、およそ1400名の営業社員(MR)全てがオフサイトミーティングを体験済みであるなど、会社の文化に定着させるまでになっています。

医薬品業界は大変規制が多く、他社との差別化が出しにくいため、それぞれの社員と顧客との信頼関係が売り上げにも影響します。そのため、個々の社員が顧客から信頼され、延いては同社自体のファンを増やしていきたい。しかし、会社や自分自身のこうありたいと願う理想の姿と現実にはギャップがあり、だからと言ってその差を埋めるために会社が事細かに指示できるものでもないことから、そのギャップは社員それぞれで判断して埋めていく、つまりは、理想に近づくための判断軸を社員たちで持つしかありません。

オフサイトミーティングを導入しても、効果が見えてくるまでには時間がかかります。それでも経営陣はそこに投資していくことを決め、社員同士がお互いに「問いかけ」「意見を交わす」ということを繰り返していくことで判断軸が共通化されていきます。そのおかげで、今では社員全員の行動が徹底されつつあります。

こうした組織の体質改革は、効果が出るまでの時間をショートカットできる奇策はなく、いかに実施を積み重ねるかが重要になるため、「他社がまねするにしても5年かかるだろう」と事務局を務める幸寺正晃営業統括部DSPアンビション推進グループグループマネージャーは語っています。

【参考】[ITPro:柴田氏が行き着いた組織風土改革の手法1、気楽にまじめな話をする「オフサイトミーティング」] (http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130531/481105/?P=2)

事例2 コミュニケーションの改善に成功

トヨタカローラ秋田株式会社では、オフサイトミーティングを取り入れたものの、4〜5年は大きな成果は出ず、一進一退の状態。特に初めは社員から社長に対し「会社のがんだ」「死んでもらっていい」などの暴言が続出するなど、社員は社長こそが一番の問題であると思っていました。しかし、そんな状態からであっても、変化し始めると、さらに変化を呼び、急速に変わっていきました。回数をこなすうち社員が悪口を言い尽きはじめ、徐々に気持ちが自分に向いたことで状況を理解し、自分のすべきことが見え始め、行動が目に見えて変化してきたと伊藤社長は語っています。

社長に対して辛辣な言葉を吐いていた社員の一人であった取締役管理部長の阿部さんは、ついには、あれほど悪口の対象だった相手(社長)のファンになったと公言しています。他の参加者もオフサイトミーティングを重ねるたびに相手を理解しようという意識が芽生えてき、コミュニケーションが大きく改善したことで、組織内のチームワークを構築することに成功しています。

【参考】株式会社ビジネス・ブレークスルー:【第6回】「経営と社員のチーム」をつくる 06【参考】日経ビジネス: カローラ秋田に学ぶ 考え抜く人たちが作る職場

事例3 業務改革に成功

株式会社リコーでの導入のきっかけは、1992年にできた電子部品技術統括室は2000年に初代室長が病気で亡くなり、組織内のバランスを保つことが難しくなったため、部門内の組織変革としてオフサイトミーティングを導入しています。 今では、1カ月に1回、9時から5時までの1日の時間で行うようになりました。導入当初は上司批判が多かったものの、回数を重ねると「こんなことを言っていても仕方がない」という気持ちに変化し、必要があれば話し合おうとする雰囲気や、お互いのことを知ることで共感する土台ができ始めました。こうして継続していくうちにコミュニケーションが改善していくだけでなく、徐々に課題や問題解決に向かう流れができていき、お互いの意見から、実は業務フローに問題があることを発見。すぐに別のミーティングで問題点の改善と最適化が図られるなど、業務改革につながる例も出てきました。会議や通常業務では見つからない改善点がオフサイトミーティングで発見し、解決できたことは、導入の大きな成果といえます。

【参考】自在株式会社:ザ・チェンジ・エージェント<実践編>「組織が抱える問題は、個々人が抱える問題の総体変革の実現に向け、本音で語れる場を創り出す」

まとめ

・日本でのオフサイトミーティングの意味は、職場から離れた場所での会議だけではなく、コミュニケーションの改善など組織活性の目的が含まれている。

・議論を収束させていく会議と議論を発散させていくオフサイトミーティングは、同じ会議でありながら違う特徴を持っている。

・オフサイトミーティングは、企業内のチーム力を向上させる有効な方法の一つだが、スムーズな信仰にはファシリテーターが必要である。

・オフサイトミーティングの効果が発揮されるには時間がかかり、継続が必要。成功事例のどれもが回数を重ねることで効果を出している。

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