はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2017年12月23日(土)更新

従業員満足度調査

従業員満足度調査とは、会社の従業員を対象にした、会社での業務内容や社内の人間関係、待遇や会社への愛着など、会社生活の満足度に関する調査のことです。企業や組織、職場の問題点を分析する為に実施されています。この記事では、従業員満足度向上の目的や効果、質問項目の種類、アンケート調査などの実施方法や、その他実施のポイントも含めて解説します。

従業員満足度調査 に関するニュースやイベントの情報を受取る

従業員満足度調査とは

従業員満足度調査とは、その名の通り会社の従業員を対象にした、仕事生活の満足度に関する調査のことです。会社での業務内容や社内の人間関係、待遇や会社への愛着などが質問項目として挙げられます。

従業員満足度調査の目的

従業員満足度調査は何のために実施されるのでしょうか。その目的について解説します。

従業員満足度の向上

一つ目の目的は、従業員満足度の向上です。従業員満足度の向上には、現状分析や施策前後の変化観測が必要です。その手段として従業員満足度調査が実施されます。従業員満足度向上の意義については後述します。

【関連】BizHint HR:従業員満足度とは?上げる方法と、向上事例・施策をご紹介

組織の課題を浮き彫りに

二つ目の目的は、経営層が認識していない組織の課題分析です。モチベーションの低下や経営層や人事層と従業員の認識の差異など、組織の課題がこのような調査を通じて発覚することがあります。

人事、組織面での経営指標としての活用

三つ目の目的は、人事、組織面での経営指標としての活用です。経営戦略を考える上でのバロメーターとして、従業員満足度を定点観測していくことで、会社の人的リソースをより正確に把握し、経営戦略や人事戦略の検討に活用することができます。

従業員満足度(ES)を向上させる意味や効果

従業員満足度(Employee Satisfaction:ES)の向上には、どのような意味や効果があるのでしょうか。

顧客満足度の向上

従業員満足度の向上は、従業員のモチベーション向上につながります。モチベーション向上に比例する形で従業員の生産性やパフォーマンスが向上し、結果として顧客満足度(CS)の向上につながると考えられています。

業績の向上

前述したとおり、従業員のモチベーション向上や、顧客満足度の向上の結果、業績の向上につながることが期待できます。

例えば大手インターネット企業である株式会社サイバーエージェントは、従業員満足度の向上に取り組んだ結果、社員のモチベーションやロイヤリティーを高め、結果として業績も向上させることに成功しています。

【参考】BizHint HR:従業員満足度とは?上げる方法と、向上事例・施策をご紹介

モラル、倫理観の醸成

会社からの扱いに不満を持つ人間が、その報復のために全社を巻き込むような犯罪や、情報漏えいなどの重大事件を起こす事件が発生しています。従業員を不幸にしないことはもちろんですが、会社への愛着や会社生活の満足度が高まることで、愛着ある会社の一員として恥ずかしくないような言動や行動を促進することが期待できます。

従業員満足度の向上は、このように従業員のモラルや倫理観の向上にも寄与するでしょう。

勤務態度の向上

会社への愛着や会社生活の満足度が高まることで、勤務態度の向上も期待できます。マナーや礼儀などの会社の一員としてふさわしいふるまいの推進や、欠勤、遅刻、無断早退、業務時間中のサボりなどが減ることも期待できるでしょう。

モチベーション向上、働きがい創出

「ゆとり世代」や「ミレニアル世代」と言われる若い世代は、給与や地位よりも、ワークライフバランスややりがい、働きがいなど、働く意義や総合的な会社生活の満足を求めています。従業員満足度の向上は、彼ら若い世代のニーズを満たすことになります。

【関連】モチベーションの意味とは?上げる・高める・維持する方法をご紹介 / BizHint HR

メンタルヘルス対策

メンタルヘルス対策の必要性が叫ばれています。従業員満足度の要因としては、社内の人間関係や仕事量、精神的な負荷に関する項目が含まれます。これらを把握することで、適切な対策を組織的に検討できるようになるでしょう。

定着率の向上

現在は人材の流動性が高く、新卒入社者ですら数ヶ月後に退職してしまうことが当たり前の時代となっています。会社によっては離職率の高さが大きな経営課題となっていることでしょう。従業員満足度を向上させることで、人材の定着率の向上も期待できます。

人間関係の改善、雰囲気のよい組織へ

会社によっては、例え業績は良くても、どこか職場がギスギスしていたり、沈黙が多く活気がないことでお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような状態では、世代や役職、部門を横断するような取り組みや、イノベーションの創出は期待できません。従業員満足度の向上により、社内の人間関係が改善され、雰囲気のよい組織となることが期待できます。

採用力の向上

やりがいや働きがいに満ちているような従業員満足度が高い職場は、求職者や転職希望者にも魅力的に映ることでしょう。採用力の向上も十分期待できます。

従業員満足度に影響する要因

ここからは従業員満足度について、具体的に影響する要因を解説します。

フレデリック・ハーズバーグの「動機づけ・衛生要因理論」

従業員満足度に関する有名な理論として、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した「動機づけ・衛生要因理論」(Frederick Herzberg’s motivation-hygiene theory)があります。

ハーズバーグは、職務満足に関する要因を「不満足要因(衛生要因)」と「満足要因(動機づけ要因)」に分類した上で、人の仕事への満足度やモチベーション向上に関するメカニズムについて解説しています。

従業員満足度調査の実施や、調査結果に基づく改善プランの検討には、これら二つの要因の違いを理解することが非常に重要といえます。

不満足要因(衛生要因)

不満足要因(衛生要因)とは、一定の水準に満たないと不満を覚えますが、一定の水準を満たした後は、それをいかに充実させても満足感を与えない要因のことです。例えば福利厚生の他,経営方針の明示状況,対人関係,組織風土,報酬の水準,その他の労働条件などが挙げられます。これらを一定水準以上に向上させても、従業員満足度は向上せず、コストパフォーマンスの悪い結果となるでしょう。

満足要因(動機づけ要因)

満足要因(動機づけ要因)とは,満足度を強化する要因のことであり,充足すればするほ ど満足度を高める要因のことです。例えば上司からの良好な育成支援、責任権限の付与や裁量の向上、仕事のやりがいや働きがい、業務を通じての成長などが挙げられます。

参考に、ハーズバーグによる満足・不満足要因を下の図に示します。次に説明する「従業員満足度調査で調査すべき項目」と見比べてみてください。

【図表】ハーズバーグの動機づけ・衛生要因

【出典】モチベーション向上の法則:ハーズバーグの動機づけ・衛生理論

従業員満足度調査で調査すべき項目

ここまでは、要因の種類として、満足要因と不満足要因の二種類があることを解説してきました。ここからは、要因として調査すべき具体的な項目について解説します。

仕事に関する項目

仕事の難易度の適切さ、裁量権、仕事内容の面白みといった仕事内容の充足に関する項目や、仕事を通じて身につく知識や能力、昨年以前と比較しての成長感、成長スピードに関する満足感など、人材育成や自己成長への満足度に関する項目が挙げられます。

【関連】人材育成とは?目的と実施方法について / BizHint HR

業務負荷に関する項目

仕事の量、労働時間、ワークライフバランス、業務へのストレスといった項目が挙げられます。

【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?企業の取り組み事例と実現のポイント / BizHint HR

処遇に関する項目

評価制度への満足感、給与の納得感、異動や昇進の公平感、福利厚生の充実といった項目が挙げられます。

【関連】人事評価の目的と方法から、書き方・進め方まで一挙ご紹介 / BizHint HR
【関連】【事例あり】福利厚生で従業員のモチベーションを上げるには / BizHint HR

職場に関する項目

助け合い称え合う風土の有無、モラルの高さ、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントの有無など、職場の雰囲気に関する項目です。

【関連】組織風土とは?意味と改善方法、組織風土改革の企業事例をご紹介 / BizHint HR
【関連】「パワハラモラハラ」の違いは?ハラスメントの対処法・防止法を交えてご紹介 / BizHint HR

上司に関する項目

上司・部下間の関係性、上司や上役への尊敬度、OJTや指導への満足度などが挙げられます。

【関連】OJTの意味とは?計画の立て方、研修の内容・手法・メリットをご紹介 / BizHint HR

会社に関する項目

会社の経営理念やビジョン、戦略や将来性、設備・インフラなどに関する項目です。

【関連】経営理念とは?その目的や策定方法、企業事例までご紹介/ BizHint HR

総合的な項目

総合的な満足度や、定着に関する意向などに関する項目です。

従業員満足度調査の実施フロー

ここからは、実際に従業員満足度調査を実施する上でのフローについて説明します。

調査目的の明確化

従業員満足度調査を実施する上で、目的の明確化を行いましょう。漠然とした目的設定では調査結果も漠然としたものになり、結果として有効な対策が検討できない、といったことが起こりえます。

例えば「昨年改定した人事制度について当初狙ったとおりの効果を挙げているか検証したい」「従業員満足度向上により三年以内離職率を低下させたい」「業績向上につなげたい」といったように、何のために従業員満足度を調査するのか、明確に定義しましょう。その際は、企業の重点的経営課題とリンクするようにすると良いでしょう。

対象の選定

目的が決まれば、自ずと対象も見えてきます。全社員への調査を実施する場合もあれば、若手社員の離職率低下の為の調査のように、対象を限定する場合もあるでしょう。その他、事業部ごとや、役職、職位、年齢や性別ごとでの調査も考えられます。対象の選定には、このように条件を限定して調査する場合もありますが、調査対象者の属性情報を回収した上で広く調査を実施し、属性情報と回答内容をクロス集計で比較するような手法もよく採られます。

調査項目の検討

調査の目的やあらかじめ想定できる仮説を元に、調査項目を検討しましょう。前述の「従業員満足度調査で調査すべき項目」も参考にしてみて下さい。

調査方法の決定

調査項目とあわせて、調査方法も検討しましょう。調査方法を紹介します。

調査票による調査

調査票を調査対象の社員に配布し、期限内に記入してもらう方式です。紙面での配布の他、ウェブやイントラネットでのアンケートが考えられます。全体的な傾向がつかみやすかったり、匿名でしか聞けない内容を調査することができますが、調査票次第では大まかな傾向しかわからない可能性もあります。また、遠隔地にも調査がしやすいことがメリットとして挙げられます。

従業員へのインタビュー

ヒアリングや聞き取り調査のような形で、調査対象となる従業員へインタビューをする方式です。例えば管理職の意識調査など、対象が限られており、より詳細な質問をしたり、相手の反応や感情も含めて読み取りたい場合に有効な手段でしょう。一方、コストや時間などの制約上、調査対象全員にインタビューできない場合には、調査対象者選定の妥当性や、結果の代表性について検討が必要です。また、調査担当者や対象者が実際に移動しなければならないため、人的コストや移動コストが必要となります。

施設環境自体の調査

こちらは人に対してではなく、モノに対して調査をするケースです。各支店や工場、事業所などの老朽度、清潔度、広さなどのインフラに関してや、その他従業員の労働環境を調査したりする場合が挙げられます。

調査の実施

調査方法が決定したら、決められた手段に基づいて、調査を実施します。調査対象となった従業員にとっては「労働時間を圧迫する余計なこと」と捉えられ、非協力的な態度をとられがちです。その場合回答が適当に済まされ、実態とそぐわなくなったりと、正確な調査ができない可能性があります。後述する「実施のポイント」を参考に、調査への協力を促すようにして下さい。

調査結果の集計、分析、管理

調査結果を集計し、分析しましょう。収集したデータについては、分析したら終わりにするのではなく、翌年以降に調査する際に比較が可能なようにしておくとより良いでしょう。データの管理方法や利用するシステムについても事前に検討しておくことをお勧めします。

調査結果の活用

得られた調査結果を各種施策に反映させます。この段階で、特に施策に反映できるような調査結果が得られていないのであれば、調査方法の見直しや再実施についての検討が必要になります。

実施のポイント

従業員満足度調査を実施するにあたってのポイントについて解説します。

「センサス」か「パルスサーベイ」か

調査の種類には、多面的に課題を洗い出す「センサス」か、頻繁に定点観測する「パルスサーベイ」か、といった違いがあります。

センサスの場合、設問の数は多くなる傾向にありますので、従業員にとっては負荷となります。その為、頻繁には実施できなかったり、調査対象となる従業員の協力をその都度促す必要があります。

パルスサーベイの場合、「毎週1回」「毎月1回」といった頻度で回答していきます。ボリュームとしては、5問から10問程度、5分程度で済むものが多いようです。センサスよりも従業員にストレスをかけずに実施でき、そのためより細かく経時変化を追えるメリットがあります。

【関連】BizHint HR:「従業員サーベイ」

回答率を高める工夫を

前述の通り、従業員満足度調査には、回答者の協力体制が必要です。できるだけストレスなく、意義を感じてもらいながら調査に協力してもらい、正当な回答率を高めるようにしましょう。例えば、経営トップ層からの協力を促すようなメッセージを届ける、各事業所の繁忙期を考慮した実施スケジュールにし、十分な調査期間(2週間前後が妥当なようです)を設ける、質問項目はシンプルで最低限にするようにする、などが有効です

本音を聞き出す

回答者が安心して本音を伝えられるようにしましょう。特定の個人にも関わるような不満足要因を調査する場合、例えば、調査票の記入内容は匿名としたり、記入時や回収時にも関係する人の目には触れないようにすることが重要といえるでしょう。

「上と下」のギャップを浮き彫りにする

従業員満足度調査には、思い込みや先入観による問題意識の誤解を解消する役割もあります。例えば自分の指導は十分だと感じている上司と、具体的な指導が得られず苦しんでいる部下、といったギャップの存在が考えられます。このような「上と下」の認識のギャップが浮き彫りにでき、共通した問題意識を持てるような調査ができると良いでしょう。経営者と従業員、上司と部下、(上下とは言えませんが)人事と他部署など、問題意識のギャップがわかるような設問を設計しましょう。

パフォーマンス別に分析する

優秀な成果や業績を挙げているハイパフォーマーに対する満足度向上を重点的に取り組み、人材の定着率アップや、さらなるモチベーションの向上へつなげることは、企業の経営戦略として有効かもしれません。

調査結果の分析時に、パフォーマンス別に従業員満足度を分析することができるようであれば、実践してみる価値はあるでしょう。

【関連】BizHint HR:ハイパフォーマーの特徴とは?具体例と採用に活用する方法

調査会社の活用

従業員満足度調査に関しては、設問の設定や統計的な処理など、専門的な知識や経験が必要とされます。

従業員満足度の調査を代行してくれる会社やサービスがあります。例えば調査票のテンプレートやサンプル、雛形を提供しているサービスや、相談費用やトライアル価格が無料な調査会社もあります。これらの会社やサービスをうまく活用し、有効な調査ができるようにしましょう。

従業員満足度調査ランキングについて

参考として、従業員満足度調査に関するランキングを紹介します。

GREAT PLACE TO WORK® 働きがいのある会社ランキング

Great Place to Work® Institute Japanは、毎年「働きがいのある会社」の調査を行い、一定の水準を満たしていると認められたベストカンパニーを、各種メディアを通じて発表しています。選定に関しては、社長や役員を含む従業員へのアンケート調査と、企業風土づくりの取り組みを行う担当者や責任者への調査により選定されます、評価手法、評価基準は世界各国で共通して行われます。

評価項目の要素としては、「従業員のマネジメントへの信用度」「マネジメントからどれくらい尊敬、尊重されているかを測る尊敬度」「従業員が職場で感じている公平、中立、正義を測る公正度」「従業員の仕事、組織、会社に対するプライド」「従業員が職場で感じている連帯感」の5つを挙げています。

【参考】「Great Place to Work® Institute Japan:「働きがいのある会社」ランキング

Vorkers 働きがいのある企業ランキング

就職・転職のための企業リサーチサイトを運営する株式会社ヴォーカーズは、社員・元社員による職場環境に関する評価点を分析、集計し、「働きがいのある企業ランキング」を独自に作成、公表しています。

評価項目の要素としては、「総合評価」「オープンな社風」「成長環境」「ワークライフバランス」「待遇の満足度」「法令遵守意識」の6つを挙げています。

【参考】働きがいのある企業ランキング2016 Vorkers社員満足度レポート

まとめ

  • 従業員満足度調査とは、会社の従業員を対象にした、会社での業務内容や社内の人間関係、待遇や会社への愛着など、会社生活の満足度に関する調査のこと
  • 要因に関しては不満足要因(衛生要因)、満足要因(動機づけ要因)があり、「仕事」「業務負荷」「処遇」「職場」「上司」「会社」といった項目がある
  • 調査をする際は、回答者の協力姿勢が重要。回答期間や回答方法などに気をつけて、必要なデータがとれるようにしよう

注目の人事トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計20,000人以上の会員が利用しています。

BizHint HRの会員になるとできること

  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • BizHint HR限定公開の記事を読める
  • 実務に役立つイベントに申し込める
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

この記事の関連キーワード

フォローボタンをクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードについて

チーム・組織開発の記事を読む