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2019年6月27日(木)更新

メンタリング

メンタリングとは、マンツーマンのコミュニケーションによる人材育成手法の一つです。先輩社員など指導する立場にある社員を「メンター」、新入社員や若手社員など指導を受ける立場にある社員を「メンティ」として、継続的な対話によってメンティの可能性を引き出し、自発的な成長を促します。近年では「メンター制度」として導入する企業も増えて注目されています。今回は、この「メンタリング」について、その意味やコーチングとの違いおよび共通点、メンタリングの持つ機能、得られる効果や導入ポイント、学ぶ手法などについて、幅広くご紹介します。

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メンタリングとは

そもそも、メンタリングとはどのようなものなのでしょうか。

メンタリングの意味

メンタリングとは、マンツーマンのコミュニケーションによる人材育成手法の一つです。

上司や先輩社員など指導する立場にある育成者を「メンター」、新入社員や若手社員など指導を受ける立場にある者を「メンティ」とし、継続的な対話によってメンティの可能性を引き出し、自発的な成長を促していきます。

指導する際の立ち位置にも特徴があります。メンタリングはあくまで「メンティ」が主役であり、メンターが一方的に指導や誘導するのではなく、あくまでもメンティ自らの気づきを引き出し、それを育成に繋げるという姿勢で行うものです。

「メンタリング(Mentoring)」という名称は、古代ギリシャでホメロスという詩人が執筆したとされる「オデュッセイア」の登場人物で、国王やその息子への助言・教育を任された「Mentor(メントール)」の名前に由来すると言われています。

メンターとメンター制度

先ほども触れたように「メンター」とは、主に先輩社員などの指導者およびアドバイスなどを行う立場にある人のことを指します。

「メンター制度」はこれを制度化したものです。主に新入社員に対して比較的年齢の近い若手社員をメンターとし、仕事上の指導だけでなくメンタル面やキャリア面などの悩みを相談できる存在として配置します。定期的なコミュニケーションからメンティの可能性を引き出したり、人としての成長を促します。近年導入する企業が増えている制度です。

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メンタリング・マネジメント

「メンタリング・マネジメント」とは、メンタリングを企業の生産性を最大化させるために、組織の中で活用する経営手法のことを指します。

メンタリングによって社員それぞれの可能性を引き出し、開花させる事により、組織力で企業価値を最大化しようとするものです。

リバース・メンタリング

「リバース・メンタリング」とは、指導者である「メンター」と指導される側である「メンティ」の関係が逆転したものを言います。

例えば若手社員が経験豊富なシニア層の社員に対し、ICTなどの新しい技術や知識について技術面の指導や精神面のサポートを行い、習得まで伴走するなどの活用方法が挙げられます。

メンタリングとコーチング

混同される事の多い「メンタリング」と「コーチング」。その共通点や違いについて、見てみましょう。

コーチングとは

「コーチング」とは、対象者と指導者(コーチ)がコミュニケーションを重ねることで、その目標達成に向け、自らの気づきをもって自発的な行動を促す手法です。コーチは対象者を一方的に指導するのではなく、あくまでのサポート役として対象者自らの気づきを導いたり、視点や考え方の選択肢を増やす助言などを行います。

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コーチングとの共通点

コーチングとの共通点として一つめは、集団研修などと違い「マンツーマン」で実施する人材育成手法である事が挙げられます。新入社員など育成対象の人材に対し、担当の指導者1名を選任。キャリア面や精神面など、多方面からサポートします。

もう一つは、主役はあくまで「指導される側」であるということ。一般的な人材育成のように、指導者が一方的に業務内容などを教え導くのではなく、指導される側の内面から、気づきや自発的な考え・行動を引き出す点にあります。

コーチングとの違い

コーチングとの違いは、その目的にあります。メンタリングはキャリア形成や人としての成長など、テーマが大きく長期間に亘る一方、コーチングではビジネス上の目標やプロジェクトの成功など、比較的短期的な目的が多いという特徴があります。そのため、メンタリングは主に新入社員など経験の浅い人材、そしてコーチングは更なる飛躍を目指す経験者や、時に経営者に適応されるケースもあります。

また、メンタリングは「人としての成長」を支援するという背景から、その人の現状から将来までを見据えた上で心理的な側面からもアプローチします。時には、メンター自身がロールモデルになる事もあるでしょう。一方でコーチングは、あくまでその業務やプロジェクトの成功という目的に対して、必要な行動や気づきを引き出すなど、部分的な支援を行うものです。

メンタリングの2つの機能

メンタリングには、主に2つの機能があります。

キャリア的機能

まず、メンティのキャリア形成をバックアップする「キャリア的機能」です。これは、仕事上の課題解決や成長を促す事に特化した機能であり、外的な側面からのアプローチです。

具体的には、キャリア上の目標の明確化やそこまでのプロセスの支援。また、メンティに活躍の機会ややりがいのある仕事を与えてその成長を促します。

社会・心理的機能

次に、「社会・心理的機能」です。これは、主に自信やモチベーション、メンタル面などをバックアップするもので、内的な側面からのアプローチです。

仕事やキャリア面にかかわらず、メンティの悩みなどを受け入れて信頼関係を築き、相談相手となります。その上で、「人」としての成長をサポートします。

メンタリングの効果

メンタリングは本来、メンティの人材育成を目的としたものです。しかし、それ以外にも様々な効果があります。

メンティだけでなく、メンターの人材育成

冒頭でご紹介した通り、本来メンタリングは「メンター」が「メンティ」の人材育成を担うものですが、逆にメンター自身の成長にもつながります。

メンタリングを実施する事により、社会人としての基礎の振り返り、仕事を「教える」事によるさらなる業務への理解の深まり、そして「人を育てる」いう経験によるリーダーシップやマネジメント能力の開発など、様々な側面からの成長が期待できます。

人材とのエンゲージメントの強化

メンタリングを導入する事によってメンターとメンティはより距離の近い関係となり、そこに信頼関係が生まれます。

主に社歴の浅いケースの多いメンターにとって、社内に信頼関係があり相談できる相手がいるという事は、精神面での支柱になります。また、普段からコミュニケーションを密にとる事により、メンターの異変も把握しやすくなります。

人材不足が叫ばれる中、人材の流出を防ぐためにも、メンタリングは画期的な手法であると言えます。

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上下のコミュニケーションの活性化による生産性向上

メンタリングによって職場に信頼関係が生まれるたり、上下のコミュニケーションが活発化する事によって社員全体のモチベーションの向上も期待できます。

メンターが、自分が「会社に受け入れられている」と感じる事により、失敗を恐れずチャレンジできる環境に変化します。そうする事によって新しいイノベーションが生まれ、結果的に組織全体の生産性の向上にも繋がります。

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メンタリング導入のポイント

それでは、メンタリングを導入する際どのような事に注意すれば良いのでしょうか。

メンタリングの導入目的・手法についてお互いに理解する

まずメンターとメンティ双方が、そもそも「メンタリング」とは何なのか、そして、その導入の目的やお互いの役割、進め方についてしっかり理解した上でスタートします。

導入目的についてはメンターだけでなく、より経営層に近い上司などから事前に話をすると、会社におけるメンティ自身の立ち位置や役割を理解しやすいかもしれません。

これが正しく理解されていないと、メンターが通常業務を優先してメンタリングの時間を削ってしまたり、メンティが報告や相談を遠慮したりと、誤解が生まれる恐れがあります。

主役はメンティである事を忘れない

メンタリングは人材育成手法の一つであるため、メンターは「指導」に重きを置いてしまいがちです。しかし「メンタリング」の場合、あくまでもメンティが主役である事を忘れない姿勢が必要です。

メンティの話に耳を傾け、話を聞く姿勢を保ちます。また、相手が話しやすい雰囲気づくりを心がけて自身は「質問」によってメンティの本音や思いを引き出しましょう。

すぐに答えを教えたり、自分のやり方を押し付けるなど、一方的に誘導することはメンタリングの本質ではありません。

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定期的に振り返り・フィードバックを実施

メンタリングを進めるにあたり定期的に振り返りを実施し、メンティに対してフィードバックすることも重要です。

そもそも目的を見失わずメンタリングを進められているか、メンティが主役であるという姿勢が保たれているのかといった形式的な事だけでなく、当初に設定した目的についても振り返り、その達成度についてお互いに確認します。

メンターは可能な限りメンティの良い部分にフォーカスし、的確なフィードバックを送りましょう。

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メンタリングを学ぶ方法

最後に、メンタリングを学ぶ具体的な方法をご紹介します。

※各方法の詳細は、2019年6月時点の内容となります。

講座・セミナー

まずは、講座やセミナーです。

メンタリング資格認定講座

株式会社ライフスタイル・ウーマンが提供する「メンタリング資格認定講座」です。

基礎の「ファシリテーター資格」を取得している人を対象に、メンタリングおよびキャリア支援を担当できる人を育成します。これにより、キャリアカウンセラー等を外部から召集するのではなく、自社内で人材のキャリア支援を完結できるようになります。

講座は1日(6時間)で、「部下を育成したい」「女性管理職を育成したい」「社内カウンセラーを育成したい」などの様々な目的で受講できます。

メンタリング・マネジメント公開講座

株式会社アントレプレナーセンターが開催する「メンタリング・マネジメント公開講座」です。

これは、部下の可能性を引き出すためのリーダーシップを育て、結果的に企業の生産性を最大化するメンタリング・マネジネントについて習得します。

講座では、メンタリングの概要から考え方を、企業への導入事例など具体的な例を交えながら、ワークやグループディスカッションなどで実践し、学びます。講座は1日(5時間)で行われ、21,600円で受講できます。

書籍

次に、書籍のご紹介です。

メンタリング入門

株式会社日本経済新聞出版社から刊行されている「メンタリング入門」(日経文庫)です。

立教大学大学院教授でカウンセリング心理学などを専門とする渡辺三枝子氏と、(株)リクルートマネジメントソリューションズでキャリア開発を担当する平田史昭氏の共著(肩書きは発刊当時)で、「メンター」となるための基本および、具体的な実践方法をケーススタディで学びます。

メンタリングの概要から、メンターになるメリット、良いメンターになる方法や、ケース別のメンタリングなど様々な角度から知識を得られます。

メンタリング・マネジメント

株式会社ダイヤモンド社から刊行されている「メンタリング・マネジメント〜共感と信頼の人材育成術〜」です。

先述のメンタリング・マネジメントに関する講座を開催するアントレプレナーセンターの代表であり、自立型人材の育成や研修や講演活動などを行う福島正伸氏による著書。基礎的な「人材育成」についての概念やマネジメントの種類、さらにメンターの要件からメンタリングの三つの行動基準などが紹介されています。

実践ノウハウや、メンタリングを実施する際の注意点なども詳しく書かれており、メンタリング・マネジメントの教科書とも言えます。

まとめ

  • メンタリングとは、1対1で育成対象者の可能性を引き出して自発的な成長を促すもので「メンター制度」などで多くの企業で取り入れられています。
  • メンタリングには外的なアプローチであるキャリア的機能と、内的なアプローチでメンタル面やモチベーションなどを支援する社会・心理的機能の2つがあります。
  • メンタリングを実施する事により、メンティだけでなく指導する側のメンターの人材育成や人手不足を解消する人材とのエンゲージメントの強化など、様々なメリットがあります。

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