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2017年7月5日(水)更新

ノウフー

ノウフー(know who)とは、誰がどのような知識を持っているのかを知る仕組みの事を指します。具体的には、社員が持っているスキル・経験・知識などを蓄積し、それを検索できる仕組みを作ることです。今回は、このノウフーについてご紹介します。

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1.ノウフーとは

それではまず、「ノウフー」について詳しくご説明します。

ノウフーの意味

ノウフー(know who)とは、文字通り「誰が知っているのか」つまり、組織の中で誰がどのような知識を持っているのかを知る仕組みの事を指します。

具体的には、社員が持っているスキル・経験・専門知識などを蓄積し検索できる仕組みを作ります。これにより、組織内で誰がその分野の専門家なのか、誰が経験者なのかをスピーディーに把握する事ができ、それを必要としている組織(チーム)や人とマッチングする事が可能となります。これはナレッジマネジメントにおいて必要不可欠であり、組織における人的資源の有効活用の実現にも重要な要素の一つです。

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントとは、一言で言えば「知識管理」という意味です。この知識とは、具体的には、社員それぞれが蓄積しているノウハウ・顧客情報・技術的な知識・様々な事業やプロジェクトの過程など、所謂「暗黙知」を指します。これらのデータ化・数値化の難しい知識を組織で共有し活用する事で、企業の生産性を向上させようという経営手法を「ナレッジマネジメント」と言います。つまり、「暗黙知」を「形式知」化させようという施策です。

【関連】BizHint「ナレッジマネジメントの意味とは?」

ノウハウとの違い

ノウフーと近い言葉で、よく耳にする「ノウハウ(know how)」があります。これは、技術的な知識や情報、また、物事を進める上での手法に関する知識の事を言います。しかし、個人が習得できる「ノウハウ」には限界があります。そこで、これらの「ノウハウ」について、誰が知っているのかを知る・検索する仕組みが生まれました。それが「ノウフー」なのです。

トランザクティブメモリーとの違い

「ノウフー」は、しばしば「トランザクティブメモリー」と混同される場合があります。トランザクティブメモリーとは、「組織学習」に関する概念の事で、組織全体で同じ知識を持つ事を目指すのではなく、組織の中において「誰」が「何」を知っているのか、という情報自体を把握する事が重要とする考え方です。分かりやすく表記すれば「What」より「Who knows what」を共有するという事です。

ノウフーとトランザクティブメモリーは、目指すものは同じであり、それが「仕組み」なのか「考え方」なのか、という点に違いがあると言えます。

【関連】BizHint「トランザクティブメモリーとは?組織の知を最大化する方法」

2.ノウフーの目的と背景

それでは、ノウフーの目的や導入される背景について見てみましょう。

ノウフーの目的

先ほども触れましたが、ノウフーで目指す大きな目的は、組織内の「暗黙知」を共有・活用し、最終的に企業の生産性を向上させることです。そのために、ノウハウを「誰が知っているのか」を可視化する事が重要になります。それにより、組織内でノウハウを持っている人と、それを必要としている組織(チーム)や人をスピーディーにマッチングする事ができます。

ノウフーが注目される背景

ノウフーが注目される以前は、人材育成において個人の「ノウハウ」の習得が重要視されていました。しかし、個人が習得できるノウハウには限界があります。 これらのノウハウを組織内で共有しようとする時、マニュアルや資料などを作成するケースが多くありますが、そもそもノウハウはデータ化や数値化が難しいと言う性質があります。それよりも、実際にノウハウを知っている人に直接聞く方が、スピーディーな問題解決に繋がり、結果的に生産性の向上に繋がります。近年では、このノウフーを使って労働環境や働き方の改善を目指す企業も増えてきています。

ノウフー導入のシチュエーション

ノウフーの導入においては、特に数百人・数千人など大規模な組織で特に有効であると言えます。大規模な組織では、個人が全ての知識を持つ事は不可能に近く、かつ非効率です。また、団塊の世代が大量退職した事により、組織内のノウハウが大幅に減少した、深刻な人材不足による人材の有効活用に課題がある、などのケースでも、ノウフーが有効であると言えます。

3.ノウフーの構築方法

それでは、ノウフーを実際に構築する方法について見てみましょう。

人材の情報を管理

まず、人材の情報を管理し可視化する方法です。

︎社内イントラネット

ノウフーを導入する際、主流なのは「社内イントラネット」の活用です。具体的には、社員や従業員が自分自身で業務の経歴や得意分野、スキルや資格等について登録し、イントラネット上で公開する手法です。 それが人的資源のデータベースとなり、検索機能を使ってその情報を引き出します。

人材管理システム

人材管理システムとは、社員のスキルや知識などのデータを一元管理し、可視化するツールです。これらのツールを使用する事により、人材情報や人的資源情報などの人事ビッグデータを活用し、暗黙知の活用のみならず、人材の育成・適材適所の人材配置なども実現する事が可能となります。

【関連】BizHint「人材管理とは?意味と役立つ人材管理システムを総まとめ・徹底比較」

ノウハウを集める

次に、特定の課題に対して知識(回答)を集める手法です。

グループウェアを利用

グループウェアは、組織の業務効率化を目的とした組織内のコミュニケーションツールで、主にスケジュールやTODO、掲示板、プロジェクト管理など、組織内での業務上の情報共有や進行管理を主な機能としたサービスです。

ノウフーを目的として利用する場合は、この掲示板機能などを利用して、社員がその時に知りたい情報を書き込みます。すると、組織内でそれについて知っている人物が回答を書き込んだり、あるいは「それについて知っている人物」を知っている人が、「あの人に聞くと解決できる」などのアドバイスを行い、ノウフーを共有します。

ビジネスSNSを利用

近年導入が増えているビジネスSNSは、所属部署や役職などの関係性を超えた情報共有やコミュニケーションで、組織を活性化する事が目的であると言われています。

ノウフーの導入について、使われた方はグループウェアと似ており、そこに質問を書き込む事で回答を得る方法です。しかし、社内SNSの方がグループウェアよりも手軽に利用でき、心理的ハードルも低いため、質問と回答のやりとりだけではなく、例えばその場で様々な社員がアイデアを出し合い解決策を模索するというケースもあるでしょう。この場合、目的はノウフーであっても、積極的なコミュニケーションにより組織の活性化にも繋がっていると言えます。

【関連】BizHint「社内SNSとは?メリットや無料・有料サービスを徹底比較」

4.ノウフーの注意点

それでは、ノウフーの注意点を見てみましょう。

ノウフーは「誰が何を知っているのか」を可視化する仕組みですが、その「誰」が退職するなどで居なくなってしまった時、組織においてそのノウハウは消滅してしまいます。これは、人材不足が叫ばれる昨今の現状において大きなリスクにも繋がります。

データ化の難しいノウハウですが、可能な範囲でマニュアル化したり、ニュアンス的な部分は動画等で記録を残したり、あるいは退職に備えて新しい「誰か」を任命し、その個人にノウハウをしっかり伝授するなどの対策も必要です。

5.企業事例

それでは、ノウフーの実際の企業事例を見てみましょう。

株式会社NTTデータ

NTTデータには、社内SNS「Nexti」があります。これは2006年に導入されたシステムで、3年後の2009年には社員の8割以上(8,300名)が参加。そして2013年にはグループ企業を含む14,000名が参加しています。

ノウフーの役割として使われているのは、主に「Q&A」のコーナー。平均1日に1件程度の質問に対して回答が寄せられており、「誰に聞けば良いのか分からない」と言った組織内の課題を解決する手法として利用されています。

【参考】ダイアモンドオンライン「日本が誇る社内SNSの成功例!NTTデータ「Nexti」の秘密」
【参考】企業広報プラザ「社内SNS”Nexti”の活用によるセクショナリズムの打破」

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、SNSにおける社内ブログに「個人ブログ」「オフィシャルブログ」の2種類が存在します。つまり「オン」「オフ」両方の面の情報発信をするという事です。この社内SNSは、当初ナレッジ・ポータルとして2001年に開設されました。途中利用率が下がった時期もありましたが、2005年以降にブログや検索機能の強化などの施策を行った事により、情報共有がより進む結果となっています。

オフィシャルブログと検索機能によって「誰が何を知っているのか」を知るだけではなく、「個人ブログ」で社員の人となりを知る事もでき、組織内でのコミュニケーションの活発化に繋がっていると言えます。

【参考】ITpro「マッシュアップがもたらすシステムの破壊と創造 - 第3回 個人が楽しむやり方が情報共有の主流に」

損害保険ジャパン日本興亜株式会社

損保ジャパンは、「現場の状況が経営層に届かない」「社内の情報流通において電話には限界がある」「組織内での横や斜めの情報共有が不十分」などの課題を解決するために、企業情報ポータル「損保ジャパンの窓」を立ち上げました。このポータルの大きな目的の一つである社員同士の交流においては、「Q&A」「個人ブログ」そして「ノウフー」というコミュニケーションツールが導入されました。

2010年時点で、参加者は社内外2,260名となり、約3.5名に1人が月に1回ログイン、そしてブログは1日に11件、コミュニティも約50件立ち上げられています。仕事に関する相談の見える化や、失敗事例などのリアルタイムでの共有、社員自身の新たな気づきなどの発見に役立っています。

【参考】ZDNet Japan「損保ジャパンとアフラックが取り組む「タイムリーな知識共有」が生み出した価値」

6.まとめ

  • ノウフーとは、ナレッジマネジメントの一環で、組織の中で誰が何を知っているのか、を知る仕組みの事を指す
  • ノウフーの目的は、ノウハウを持っている人と必要としている人をスピーディーに結びつけ、結果的に組織力を向上させる事にある
  • ノウフーの導入には、社内イントラネット・人材管理システム・グループウェアやSNSなど様々な手法がある

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