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戦略・経営

2019年11月9日(土)更新

「ピラミッド型組織」は「ネットワーク組織」に変われるのか【入山教授と語るFCバルセロナ、早稲田、ソニー「勝つ組織風土」】

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“サッカーファン”の経営学者、入山・早稲田大学教授と中竹竜二さんがサッカーやラグビー、ビジネスの組織風土について語ります。勝つ組織風土は、組織にいる人たちが何をしているとき、「楽しい」と思っているのかが鍵になります。「逆に、どんな状況になると組織を離れていくか、を観察・分析していく」と中竹さんは言います。ピラミッド型組織はどのようにすれば変わることができるのでしょうか。

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2回目のまとめ

  • 人間は負けが込んでいると「原点回帰」と言いたくなる。だが、変化が激しい時代に、昔の時代のやり方は通用しない。
  • 組織本来の設立目的、存在意義を確かめるため「原点」に戻るのはいいが、手段、スタイルに固執するのは悪手。
  • 常勝集団のFCバルセロナでは、試合以外の時間でも徹底的に選手たちのインテンションを高めるよう追い込んでいる。
  • 「仲間がゴールをきめた連中、控え選手たちが本気で喜んでいるかどうかを観れば、そのチームの組織力が分かる」

「勝利よりも勝者になろう」

中竹竜二さん(以下、中竹): 1996年、僕が早稲田のラグビー蹴球部の主将(キャプテン)になったとき、大きくチームの風土、カルチャーを変えようと思いました。そこで、チームの目標として最初に宣言したのが、「勝利を目指すのではなく、勝者になろう」でした。

勝利は試合だけの話。勝者とは人生での人間力を高めることです。この考えを説明するため部員の前で絵を描いたんです。y=axの一次関数のグラフです。x軸の先には「徳」を書き加え、縦軸のy軸の先には「勝利」の文字を書き加えました。「徳」を突き進めれば、勝利の可能性も高まるというわけです。そして、右肩上がりに伸びる線の延長線上にあるのが「勝者」です。

「徳」を伸ばすために必要なものとして挙げたのが、チームのスローガンである『謙虚』『感謝』『モラル』。 別に難しいことを求めてません。身の回りはきれいに掃除をし、コミュニケーションは丁寧に、頻繁にしよう。時間を守り、何かあれば誰かに相談する。試合後のロッカーはきれいにして帰り、普段お世話になっている地元関係者、警察には、試合前・イベントがあれば挨拶してまわる……。別にそれをしなければ罰則があるわけじゃないんですがしつこく言い続けました。「やはり、部室はきれいな方がいいよね」「試合でお世話になっている方々には挨拶しよう」とか……そんな感じです。

OB、関係者からは「おいおい、掃除をすれば勝てるのか」と心配されましたが、僕は「これができなければ勝てない」と言い切りました。

入山章栄さん(以下、入山): 実際、普段の行動が変わると、「目に見える」効果が出てきますよね。

中竹: これは、精神論じゃなくって、原因と結果がはっきり分かっているんです。部屋、部室の整理整頓ができれば、練習に取りかかるまでの準備時間は短縮されます。結果的に練習効率が高まるし、選手のコンセントレーションも高まります。

コーチ、同僚とのミュニケーションが密になれば部員のモチベーションが変わります。部員150人全員と話すのは無理でも毎月全員からレポートをあげるようにしていたのでチームの課題、個人の悩みが分かります。解決するまでの時間は早くなります。地域との挨拶、交流を密にすればファンが増え、部員たちのやる気も高まっていきます。

僕は「チームの目的を具体的な言葉にするように、みんなで決める。そしてビヘイビアをコントールすれば結果はでる。文化も絶対変わる」と思いました。

入山: このアプローチは企業、ほかのチームでもできますか。

中竹: できると思います。 組織にいる人たちが何をしているとき、「楽しい」と思っているのか。逆に、どんな状況になると組織を離れていくか、を観察・分析していきます。 メンバーたちが「違和感」が抱いていることがあるとすれば何か――。メンバーが抱える違和感を解消するためのスローガンになる「言葉」を用意し、具体的な行動を決めていくことで、流れは変えられます。

目的は組織によって違っていいんです。メンバー全員が一体感もつことを良しとする組織なのか、逆に「チームワークなど不要。おカネ儲けを徹底的に追及する集団」でもいいんです。リーダーもしくはメンバー全員が、何を一番重視して、何を捨てるのか。なんのための組織なのか。それで決まってきます。

リーダーが見えなくても動く「ネットワーク」組織とは

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