代ゼミ・高宮共同代表と語る「潜在的な能力を引き出す方法とは」

サピックス・代ゼミグループの高宮敏郎共同代表と中竹さんは今回「潜在能力を引き出す方法」についてお話をしています。大事なのは今の成績ではなく、本人の嗜好・スタイルだと言います。何が好きなのか嫌いなのか、何を目標にするのか。仮に失敗した時、どう対応するか――。先生や上司、親たちは、おさえるべきポイントを踏まえて指導すべきだと言います。


高宮敏郎さん

SAPIX YOZEMI GROUP 共同代表、学校法人高宮学園代々木ゼミナール 副理事長。1974年生まれ。97年慶應義塾大学経済学部卒業後、三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)に入社。2000年4月、祖父(故高宮行男氏)の興した学校法人高宮学園に入職。同年9月から米国ペンシルベニア大学に留学、大学経営学を学び、教育学博士号を取得。2004年12月帰国2009年から現職。SAPIX小学部などを展開する株式会社日本入試センター・代表取締役副社長、オンライン英会話スクールを運営する株式会社ベストティーチャー代表取締役会長なども兼務。


はじめに

前編では、SAPIX YOZEMI GROUP の高宮共同代表に、これからの時代に身に着けるべき力についてお伺いしました。高宮さんの答えは「ダイバーシティ」。多様な価値観を受け入れるだけの素養を持ち、自ら、多様な価値観の中で主体的に生きていく力、という本来の意味で言っています。これは勉強すれば備わるものではありません。多様性ある「環境」で学んでこそ得られるものだといいます。

<前回のまとめ>

そこで、一部の教育熱心な親の間では、リーダーを育てる欧米の「ボーディングスクール」に関心が集まっています。今後、中学・高校からの海外留学も増えそうです。 ただし、こうした留学した先の環境にすぐに適応できる子もいれば、なかなか慣れずに戻ってくる子がいます。中竹さんは「勉強ができる・できないといった表層的なパフォーマンスよりも、その子の好き・嫌い、スタイルを知ったうえで指導することが大事」といいます。 これは「親と子」の関係ばかりじゃなく、上司と部下の関係にも通じるお話だと思います。 後編では、上司が部下の能力を引き出すためにはどうすればいいのか、といった話題から始めたいと思います。

「開花していない才能」とどう付き合うのか。

BizHint編集部: 「親と子供」の関係と違い、「上司と部下」は常に一緒にいるわけではありません。その人の本当の能力を見極めてコーチングをすることは一層難しいと思います。職場だと、上司が部下に「期待をかける」のはいいんですが、本人がそのプレッシャーに耐えられず、「実力を発揮できない」という話はよく聞きます。

中竹竜二さん(以下、中竹): 私も早稲田大学のラグビー部の監督時代、とても優秀なプレイヤーを4年生の時に、キャプテンに抜擢したことがあります。最初は2日間の大会のみ限定のキャプテンでした。ただ、キャプテンとしてチームをまとめることができませんでした。そればかりか、その後、選手としての調子も落としてしまいました。私ばかりではなくコーチ陣から見ても彼は「すぐれたプレイヤーだし、リーダーとしてもできる」と思っています。でも、 本人が「嫌だ」「向いてない」と思っていると難しい。「嫌な」なことは行動が消極的になります。 ミスも誘います。ミスをすれば、「やはり、うまくいかない」「やはり、嫌だ」と思ってしまいます。

先ほど、早稲田大学ラグビー部の主将抜擢でうまくいかなかったお話をしましたが、実は、次の年からは主将の選び方を大きく変えました。一言で言えば、「主将らしい選手」ではなく、「自分のスタイルがある選手」を選びました。これまでお話したように、 その選手なりのスタイルが分かれば、目標設定がしやすいし、我々もサポートもできます。チームとしてまとまるスピードも違います。

高宮敏郎さん(以下、高宮): 何かきっかけがないと、マイナスのループから抜け出せないんですよね。

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