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2018年7月18日(水)更新

キャリアデザイン

政府主導で女性活躍推進や一億総活躍社会が叫ばれる中、これまで以上に自分のキャリアを考えさせられる機会が増えてきました。特に結婚や出産、子育てで就業継続が難しい女性にとって、キャリアデザインはとても重要になります。今回はキャリアデザインの意味や重要視されている理由、描き方の方法や手順をご紹介いたします。

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キャリアデザインとは?

キャリアデザインとは、理想とする将来の自分を実現するためにどのような仕事・職業や働き方が相応しいかを考え、目標設定を行い、実現に向けて設計することを指します。キャリアデザインの「キャリア」とは単なる職歴ではなく、今後の生き方や働き方という意味合いが強いのもキャリアデザインの特徴といえます。

現在、日本政府は来たる労働人口の減少に備えて、女性活躍推進・一億総活躍社会の実現を掲げています。バブル崩壊以前の日本企業が導入してきた終身雇用などの慣習の維持が難しくなり、定年後はのんびりと老後を過ごすということも当たり前ではなくなりつつあります。

そのため、自分自身の人生に責任を持ち、どんな生き方や働き方を実現したいかを真剣に考えることがすべての社会人に求められています。

キャリアデザインが重要視される理由

日本独自の雇用慣習や等級制度の見直しがされる中、まだまだ年功序列終身雇用を前提とした企業はたくさんあります。本来、必要とされなかったキャリアデザインが重要視されるようになったのはなぜでしょうか。

年功序列・終身雇用制度の廃止

年功序列終身雇用制度を採用している企業は中小企業に多く、日本を代表する大企業は次々と年功序列終身雇用を暗に否定する人事制度をどんどん策定しています。

2014年にはソニー株式企業が10年ぶりに人事・賃金制度を改革し、年功序列を前提としないジョブ・グレード制度の導入が話題となりました。このように現代社会では、右肩上がりの給与の上昇や雇用の維持が難しくなる中、自分の経験やスキルなどときちんと向き合い、今後の人生を主体的に設計していくことが求められています。

【参考】日本経済新聞 ソニー、10年ぶり人事・賃金改革 高コスト是正

日本独自の社会構造の打破

日本では「人」を基準とした年功序列終身雇用を前提としたメンバーシップ型雇用を採用してきました。そのため、一度職場を離れるとその後のキャリア形成が難しく、特に結婚や出産、子育てで就業継続が難しい女性にとっては深刻な課題といえます。

このような従来の社会構造が原因となり、働き手不足が加速し、深刻な労働者不足の要因ともいわれています。また、今後は少子高齢化社会がさらに加速し、メディアでも取り上げられている介護離職で貧困に陥る事例も散見されています。そのため、来たるライフコースに対応できるように今後の自分の人生や働き方などを真剣に考え、キャリアデザインを行う必要があります。

仕事に対するモチベーション向上施策として

右肩上がりの成長が難しい現代社会では、従来のような昇進・昇給ができなくなったため、社員の仕事に対するモチベーションをどのように維持していくかが課題となっています。

そこで、注目されているのがキャリアデザインです。社員が主体的に自らのキャリア作りを行うことで、社員のモチベーション向上につながるだけでなく、組織の活性化へとつながります。また、実力ある若手社員の登用施策である自己申告制度社内公募制度社内FA制度へ繋げやすいメリットもあるため、各企業の人事担当者が重要視しています。

【関連】モチベーションの意味とは?上げる・高める・維持する方法をご紹介 / BizHint HR

雇用形態や働き方の多様化

小泉政権下で行われた「構造改革」により、正規雇用だけでなく、非正規雇用が一般的になり、雇用形態が多様化しています。さらにIT技術や通信インフラの発達により、多種多様な働き方が可能となる環境が整ってきました。ネットワーク上で業務を受発注できるサービス「クラウドソーシング」(リモートワーク)がその事例であり、雇用関係に縛られない自由な働き方も可能となっています。

このような自由な働き方は過疎化する地域の活性化にも効果があると期待されています。しかし、拘束時間が短く、自由に働けるというメリットがある反面、正規雇用との格差の拡がりや収入が安定しないなどのデメリットも存在します。そのため、勤務する企業のみで通用する職務遂行能力ではなく、他社・異業種・法人・個人に関係なく、仕事・職業と人生をバランスよく両立できる職業的自立が求められる時代となっています。

キャリアデザインの方法と手順

キャリアデザインの形成方法には個人で行う方法と勤務する企業の制度を利用して取り組む方法の2種類存在します。企業側が社員にキャリアデザインを促すには、人事担当者が主導して支援体制を展開させる必要があります。

個人でできるキャリアデザインの方法と手順とは

キャリアデザインは企業の支援制度を利用することで形成できますが、前提として「将来、自分はどのような人生・働き方を実現したいか」をはっきりさせる必要があります。

将来の自分や理想とする自分を想像する

キャリアデザインを行う上で欠かせない作業が、将来の自分がどのような働き方や仕事・職業をしているかを想像することです。勤務している企業でどのような役職についているか、どんなプロジェクトを担当しているか、また海外勤務をしている姿を想像しても良いでしょう。さらにどのような技術やスキルを持っているか、10年後の労働市場で価値の高い人材はどんな人材かを考えながら、想像することも効果的です。

目標達成となる条件の洗い出し作業

将来の自分や理想とする姿を想像できたら、その目標を達成するための条件を洗い出します。海外勤務希望であれば、TOEIC・TOEFLのスコア、ITエンジニアであれば、取得が必要な言語、役職やリーダーへの昇格であれば、営業成績や人脈形成などが挙げられます。また、企業で実施されている自己申告制度社内公募制度社内FA制度で提示されている条件を掲げるのも良いでしょう。

いつまでに達成するかを明確にする

実現したい将来の自分や仕事・職業、働き方のイメージが固まり、達成すべき具体的な条件の洗い出しが終われば、いよいよ実践となります。ここで大切なのが、いつまでに成し遂げるかです。

1年後、3年後、10年後という形で期限を明確にするのも良いですが、キャリアデザインの場合はその先に待っている自分自身のライフコースに合わせて、設定すると良いでしょう。25歳に結婚、30歳に子供を産む、35歳に持ち家を購入、50歳から親の介護や家族と過ごす時間を優先させると、いつまでにどのような働き方や仕事・職業、キャリアを達成したらよいかがわかりやすくなります。キャリアデザインはライフとワークのバランスを考える良いきっかけにもなります。

【関連】ライフキャリア・レインボーとは?意味や歴史、年代別事例などもご紹介 / BizHint HR

企業が行う社員向けのキャリアデザインの支援とは?

現在、キャリアデザインは社員のモチベーション向上や優秀な若手社員の登用の施策として活用されています。そのため、キャリアデザインを形成しやすいように企業側が支援する体制を展開する動きが増えています。

研修やカウンセリングの実施

社員が主体的に自らのキャリアを考えさせる機会を設けることが、企業ができるキャリアデザイン形成の手順の第一歩といえます。新人研修や中堅社員向け、管理職候補向けプログラム、さらにはジェネラリスト、スペシャリスト志向など社員の考えを聞けるカウンセリングや面談を定期的に設ける必要があります。

常日頃から社員の技術、スキル、性格、考えなどを把握しておくことで企業・従業員ともに成長できるキャリアデザインの形成が可能となります。

個人と組織の目標のすり合わせ

企業が支援を行うことで、個人がキャリア形成を行いやすい環境になることは良いことですが、必ずしも個人が望むキャリアデザインに沿った異動や働き方を実現できるわけではありません。企業が社員に求める仕事と社員が望む仕事のバランスを整え、個人・組織に交通した目標を作りあげることが大切です。

そのためにも人事として、キャリア面談の実施や適切な目標管理制度の構築、評価制度・成績評価の透明性の実現、男女共同参画事業の立案、アドバイザーとして上司・先輩社員が新人を教育するメンター制度など、副次的に発生する整備が必要となることを肝に銘じておきましょう。

キャリア開発用の制度の確立

従業員と綿密にコミュニケーションを取り、個人と組織の目標のすり合わせができるようになれば、本格的な支援制度の構築が不可欠となります。そのため、自己申告制度社内公募制度社内FA制度の構築など社員が主体的に行動を起こせる受け皿を作る必要があります。

しかしながら、当然、自分が描くキャリアデザインが形成できない社員も出てきてしまいます。そういった社員に対してもモチベーション低下を招かないように、公正・公平な評価制度・成績評価の構築も同時進行で行う必要があります。また、希望通り、キャリアデザイン実現のための新たなポジションや職務をつかんだ社員の追跡とフィードバックも忘れてはいけません。思い描いたキャリアデザインにどれだけ近づいたかを企業、社員ともに定期的にチェックし、改善を行いましょう。

【関連】キャリア開発が必要とされる理由とは?企業のキャリア開発支援 / BizHint HR

まとめ

  • 今後、通信インフラやIT技術の発展だけでなく、AIやロボット産業の発達によって、働き方の多様化が促進される傾向にあります。
  • 現在、未来の労働市場の状況を勘案しながら、自分がどのような仕事・職業、働き方を実践しているかどうかを考え、生きていくことが必要です。
  • 個人はもちろん、企業も支援制度の充実に力を注ぎ、個人が主体的にキャリアデザインを形成していくことで共に成長していく時代がすぐそこまで来ています。

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