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2018年11月5日(月)更新

ライフキャリア・レインボー

ライフキャリア・レインボーとは、人のキャリアは職業だけではなく、年齢やライフステージ・役割の組み合わせであり、その経験の積み重ねにより形成されるとする考え方の事です。今回は、このライフキャリア・レインボーについてご紹介します。

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1.ライフキャリア・レインボーとは

そもそも、ライフキャリア・レインボーとはどのような意味なのでしょうか。

ライフキャリア・レインボーの意味とは

まず、ライフキャリアという言葉の意味からご紹介します。

ライフキャリアとは

まず、「ライフキャリア」という言葉についてご紹介します。そもそも「キャリア」という言葉は「職業・技能上の経験、経歴」という意味で、キャリア・コンサルタントの世界では「狭義のキャリア」と定義されています。

そこに「生命、生涯、生活」等の意味を持つ「ライフ」という言葉が付くと、「広義のキャリア」となります。これは、職業や経歴に限らず、家族や社会的な活動などにおける多様な役割を含んだ、その人の「生き方」全体を指す言葉です。

【引用】コトバンク「キャリア(きゃりあ)とは」/コトバンク「ライフ(ライフ)とは」

ライフキャリア・レインボーとは

「ライフキャリア・レインボー」は、「キャリアは一生発展し続ける」という理念のもと、このライフキャリアを年齢・役割(ライフロール)・場面(ライフステージ)の組み合わせであるとする理論の事です。人は生涯にわたり、社会生活や家族の中において、経験や役割を積み重ねてゆきます。そうする事で、人のキャリアは形成されてゆくという考え方です。

ライフキャリアの基盤となる「役割」は8種類のライフロール(役割)で構成されており、それらが半円形に並んだ概念図を表して「ライフキャリア・レインボー」「ライフキャリアの虹」と呼ばれています。

【出典】文部科学省「高等学校キャリア教育の手引き」

ライフキャリア・レインボーの歴史

ライフキャリア・レインボーの歴史は古く、1950年代にアメリカの教育学者でありキャリア研究家のドナルド・E・スーパー氏によって発表された理論です。これは、キャリア理論の「古典」とも称されています。古い理論ではありますが、時代が変わっても、そして国や地域が違っていても普遍的に応用できる理論とされています。発表者の名前を取った「スーパー理論」の一つとも呼ばれています。

2.ライフキャリア・レインボーの構成要素

ライフキャリア・レインボーは、「5つのライフステージ」「8種類のライフロール」そして「年齢」の組み合わせで表現されます。

5つのライフステージ

まず、5つのライフステージを見てみましょう。

①成長段階(0-15歳)

学校生活や家庭における家族との相互関係において、自分自身を形成し知る期間。また、これから迎える「仕事」に対しての関心や積極性を高める時期。

②探索段階(16-25歳)

引き続き学校生活・家庭生活・そして仕事において、その経験を元にトライ&エラーを繰り返し成長する時期。また、生涯の仕事を模索する時期でもある。

③確立段階(26-45歳)

生涯の仕事について模索するが、やがてキャリアビジョンが明確となり、その仕事においての専門性を高める時期。

④維持段階(46-65歳)

これまでに得た経験や地位を守る時期。時には、保守的になる場合もある。

⑤下降段階(65歳以上)

仕事をはじめとする活動を、精神的・肉体的な衰えから引退する時期。また、退職後に新しい役割を得るなどして、「セカンドライフ」を謳歌する時期。

8種類のライフロール

人間は人生の様々なフェーズにおいて、果たすべき役割を持っています。それを8種類のライフロールとして定めたものをご紹介します。

子ども

年齢の低いうちは、この役割が大半を占めます。家庭の中で保護され、自分自身は未熟であり、親と関わる時間が大半を占めます。成長に伴って、この役割から離れてゆきます。

学生

主に小学校・中学校・高校・大学と、「学業」を役割とします。

職業人

アルバイト・会社員・自営業など「働く」という行動を全て含めて職業人と呼びます。生活のため、収入を得るために職業を得ます。

配偶者

結婚し妻や夫を得ると自身も「配偶者」となります。ただし「結婚」にとらわれず、事実婚として共に生活するパートナーに対してもこの役割が適用されます。

家庭人

家族の一員としての役割の事を指します。それぞれが、家庭生活を保ち続けるために役割を担います。例えば、掃除・洗濯・食事作り・買い物など日々の生活に必要な活動の事です。

子どもを持つと「親」の役割が加わり、子どもに対して養育する義務を負います。最低限の生活の保証や、教育などを行います。

余暇人

自身の好きな事を楽しむための役割の事です。この立場を十分に楽しむため、仕事をしたり人とコミュニケーションを持ったり、見聞を深めたりします。

市民

社会の一員として、ボランティアなどの活動を担う役割です。社会貢献を目的に利益を求めずに行う活動です。

3.ライフロールの役割を果たすための14の価値観

それでは、ライフロールの役割を果たすための14の価値観を見てみましょう。

ライフロールと価値観

ライフキャリア・レインボーを発表したドナルド・E・スーパー氏は、先ほどご紹介した「ライフロール」の役割を果たすにあたり重要となるのが「14の価値観」であると提唱しています。そして、人は自身が重視する価値観を、職業人として、また他のライフロールにおいて実現しようとするという事も、併せて実証されています。

ライフロールの役割を果たすためには、楽しくやりがいのある事ばかりではなく、困難を乗り越えなければならないシーンも多く出てきます。その際にも、自身がどの価値観を重視しているのかを明確にしておけば、それを実現させるというエネルギーにより役割が果たされるという考え方です。

14の価値観

それではスーパー氏がまとめた、人が重要だと感じる「14の価値観」をご紹介します。

  • 能力の活用…自身の能力がその職業で活かせるか
  • 達成…目標や良い成績を達成できるか
  • 美的追求…美しいものを作り出したり、職務上で美しさを見い出せるか
  • 愛他性…他人の役に立てるか
  • 自律性…自身の職務の進め方を自身で決められるか
  • 創造性…新しいアイデアや商品を開発できるか
  • 経済的報酬…満足できる十分な報酬を受け取れるか
  • ライフスタイル…自身の信条に合うワークライフバランスが保てているか
  • 具体的活動…知識労働だけでなく、身体を動かす仕事も取り入れられているか
  • 社会的評価…自身の仕事が社会的に評価されているか
  • 危険性…適度な緊張感を持てるようなリスクがあるか
  • 社会的交流性…職務上で孤独を感じず、チームワークを保つ事ができるか
  • 多様性…単純な職務ではなく、様々な仕事を受け持つ事ができるか
  • 環境…職場は心地の良い環境となっているか

4.各年齢層におけるライフキャリアの例

それでは、具体的に各年齢層におけるライフキャリアの例を見てみましょう。今回は、仕事において所謂「現役」と言われる世代についてご紹介します。

20代のライフキャリア例

20代はライフステージにおいては「探索段階」から「確立段階」へ以降する時期です。主なライフロールは「学生」から「職業人」となり、「子ども」としての役割も薄れてゆくでしょう。自身の自己概念に基づき職業を選び、「職業人」として試行錯誤しながら、自身の能力と仕事との適正を見定め、方向性を模索します。

また、近年では社会人となっても学びを深める「社会人学生」が増加していると言われています。この場合、「学生」の役割も追加される事になります。

30代のライフキャリア例

30代のライフステージは「確立段階」の真只中。一生の仕事となる職業を見定め、それについての専門性を高める時期です。また、30代は役割が増える時期でもあります。

日本の平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.4歳(平成27年)となっています。多くの人がこの30代に結婚を迎え「配偶者」としての役割を持つ事になるでしょう。また、第一子の出産時の母親の平均年齢は30.7歳。「親」としての役割も果たす事になります。そうなると「家庭人」としての役割も、より強くなります。そして、特に女性は「職業人」としての役割を手放すケースも多くあります。

【出典】厚生労働省「平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」

40代のライフキャリア例

40代のライフステージは「確立段階」から「維持段階」への移行期です。仕事についての専門性をより高め、実績を積み、自分自身を確立する時期です。

特に男性は管理職となる人も増え、「職業人」としてのウエイトが高い年代であると言えます。一方で「配偶者」「家庭人」「親」としての役割が疎かになりがちな年代でもあります。また、女性においては「親」としての役割が一旦落ち着き、「職業人」の役割を追加するケースも増えてきます。

50代のライフキャリア例

未だ60歳定年が大半を占める日本では、現役世代としては最後の年代と言えます。ライフステージとしては「維持段階」であり、今まで自身が確立してきた実績・地位を維持する段階です。引き続き「職業人」としての役割を担いますが、その役割は徐々に減少してゆき、定年に向けて「余暇人」「市民」としての役割が増えてゆく場合もあります。

また、子どもが大学進学や就職などの節目を迎えるにあたり、「親」としての役割が増える年代でもあります。自身の親も高齢になる事から、介護などの負担が増え「子ども」としての役割も大きくなるケースもあるでしょう。

5.女性のキャリアとライフキャリア・レインボー

それでは、最後に女性のキャリアとライフキャリア・レインボーの関係についてご紹介します。

女性のキャリアの特徴

日本においては、未だに「女性は家事に専念すべき」という考えが根強い事などから、結婚や出産などを機に「職業人」としての役割を手放す女性が多いのが現状です。実際に日本の女性の労働力率のグラフは「M字」を描いており、30代女性がいったん仕事を手放す現状が顕著に表れています。実際、出産を機に退職する女性は多く、20代では73.1%、30代では50.5%という調査結果も出ています。

【出典】内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 平成25年版」
【出典】明治安田生活福祉研究所「2016年 20〜40代の出産と子育て」
【関連】BizHint「M字カーブの定義とは?問題の中身と原因、解消までの道のり」

女性のキャリアとライフキャリア・レインボー

女性がキャリア形成する上で、ライフキャリア・レインボーはとても有効な理論であると言われています。

女性は男性よりも、結婚・出産など、様々な要因によりライフロールの数、そしてその役割の大きさが変化しやすいという性質があります。これらの変化に対し、ストレスや不安、焦りを感じる女性が多いのも現状です。その際に、ライフキャリア・レインボーを使って人生全体を俯瞰して見る事により、自身の価値観と現状の役割を照らし合わせて、今の役割に向き合います。そして、それを達成してゆく事により自身の目指すライフキャリアの形成に役立てるというものです。

【出典】テンプグループ「”ライフキャリア・レインボー”に取り組んでみよう!」

6.まとめ

  • ライフキャリア・レインボーは、キャリアは職業だけでなく、年齢・ライフステージ・役割の組み合わせであり、その経験の積み重ねにより形成されるという考え方
  • ライフキャリア・レインボーは、各年代別に分けられた5つのライフステージと、人生の8つの役割によって構成されており、その役割を果たすためには14の価値観が重要となる
  • 人は様々なライフイベントによってライフロールを手放したり追加したりするが、女性は特にその機会が多いという性質がある

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