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生産年齢人口

2020年3月30日(月)更新

生産年齢人口とは、生産活動の中心となる15歳以上65歳未満の人口を言います。日本の生産年齢人口は1995年をピークに減少し続けており、2055年には総人口の51%程度になるという推計もあります。今回はこの生産年齢人口のこれまでの推移と今後の推計、海外との比較、また生産年齢人口が減少する事によって起きる問題、そして企業ができる対策について詳しく解説します。

「生産年齢人口」とは?

生産年齢人口とは、「人口統計で、生産活動の中心となる15歳以上65歳未満の人口」を指します。「生産年齢人口」以外の人口は、「従属人口」と呼ばれます。

我が国の「生産年齢人口」は年々減少しており、この要因は人口減少や少子高齢化にあります。

【出典】デジタル大辞泉「生産年齢人口」/コトバンク

労働力人口との違い

生産年齢人口は、しばしば「労働力人口」と混同される事があります。

「労働力人口」とは「15歳以上の人口のうち、就業者と完全失業者の合計」を意味します。「就業者」とは、労働力人口の調査期間中に少しでも仕事に従事した実績のある人、「完全失業者」とは、働く能力および意思があり求職活動を行っているが、仕事に従事していない人を指します。

生産年齢人口には「15歳以上65歳未満」という年齢の上限があること、就業の意思は考慮しないことなどの違いがあります。

【関連】労働力人口とは?労働力人口の減少に企業はどう立ち向かうべきか?/BizHint

生産年齢人口の推移と推計

【出典】平成29年版情報通信白書/総務省

それでは、生産年齢人口はこれまでどのように推移してきて、今後どうなっていくのでしょうか。

生産年齢人口の推移

生産年齢人口は、1995年をピークに減少に転じています。

2019年9月時点の人口推計の結果によると、生産年齢人口は7504万6千人でした。

ピーク時には8,700万人を超えていた生産年齢人口は、この20年あまりで1,000万人以上減少した計算となり、その深刻さが伺えます。

【参考】人口推計(令和元年(2019年)9月確定値,令和2年(2020年)2月概算値)/総務省統計局

生産年齢人口の推計

今後はさらに生産年齢人口の減少テンポが速まります。

総務省の将来推計を見てみると、2030年の生産年齢人口はおよそ6,700万人。2055年には5,000万人を割り込むと予測されています。総人口に占める割合は現在の約60%から51%程度に低下。

つまり、25〜30年後には、人口の半分しか働き手がいない社会になってしまうことが推測されているのです。

【参考】平成29年版情報通信白書/総務省

海外と日本の生産年齢人口の比較

世界的に見ても生産年齢人口は減少傾向であるものの、特に日本の減少ぶりは、比較してみるとその深刻さがわかります。

下のグラフは、世界的な金融会社モルガン・スタンレーによる調査で、生産年齢人口(15~64歳)のうち、55~64歳の高齢層の割合の推移を示したものです。

【出典】Global Labor Force Ageing Rapidly / BUSINESS INSIDER

高齢層の割合が高いということは、すなわち若年層、未来の担い手が少ないことを意味します。主要国平均(グラフ:World)でも高年齢化が進んでいるものの、2016年で13%ほど、2040年でも15%となり、「労働者の15人に1人の割合で高齢層が含まれる」との予測にとどまっています。

これに対して日本(グラフ:Japan)は、2016年で世界平均の倍近い21%、2040年には27%と圧倒的な差をつけて高齢化が進行し、若い世代の労働力の確保が難しくなることが予測されています。

生産年齢人口の減少による問題

それでは、生産年齢人口が減少すると、どのような影響が出るのでしょうか。

経済の停滞

消費の多い生産年齢人口が減少する事により、国内需要は減少します。それにより、各業界の経済規模が縮小し、経済の停滞を引き起こしてしまいます。また、先述のように世界的に見ても生産年齢人口の減少が深刻な日本においては、国際競争力の低下も招く恐れがあります。

企業として生産力を維持しなければ、グローバル競争のなかで生き残ることはより厳しくなっていくでしょう。

人材不足

企業にとっては、働き手の奪い合いになることが想定されます。今も建設業や運輸業、飲食業、保育・介護などで人手不足が起きていますが、生産年齢人口の減少は、業種・職種を問わず、そもそも「働ける人がいない」状況をもたらします。

また、働く側にとっても負担が増えることが予想されます。

【関連】人手不足が深刻な業界と現状・原因から、企業が行うべき対策まで解説/BizHint

社会保障制度の崩壊

今後、高齢者が増加する事により、医療費や介護費の負担は増大します。逆に社会保障制度を支える生産年齢人口は減少するため、「給付」と「負担」のバランスが崩れ、現役世代の負担が増加する事も懸念されています。

【参考】平成30年版情報通信白書/総務省

働き手減少への対策

働き手減少への対策としては、生産力の維持・向上が挙げられます。

生産力は、労働力(労働者×労働時間)と生産性の掛け算で決まります。生産力の維持には、①労働力を増やす、②生産性を上げる、の2つのアプローチが必要です。

ここでは、4つの施策をご紹介します。

女性の活躍推進

働く女性が出産・育児で仕事を辞めなくても済むよう、育児休暇制度や短時間勤務制度など、特に大企業は競うように福利厚生を充実させています。

しかし、長い育休はブランクになる、早く帰ると周りに迷惑がかかる、重要な仕事を与えてもらえなくなる、昇進が遅れるなど、心配する声も多いのが現実です。

居心地が悪くなり、結局会社を辞めてしまう、という事態も少なくありません。「制度を整えたから、あとは自分で頑張って」ではなく、職場全体でワーキングママを支える雰囲気が必要です。経営者が方針を明確に示し、トップダウンで意識改革を進めることが重要です。

【関連】女性の活躍を推進するには?課題や企業が行うべきことなど解説/BizHint

ワーク・ラーフ・バランスを保てる仕組みづくり

例えば親の介護は、ある日突然生じうる制約です。育児ほど社会的に認知されていないため、職場に打ち明けられずに抱え込み、容量超過になって退職してしまうケースも後を絶ちません。

こうした「介護離職」は年齢的に管理職世代に生じやすく、企業にとっても働き手にとっても大きな痛手となります。そのため、休暇や時短などワーク・ライフ・バランスを保てる制度に広く門戸が開かれていることが必要になってきます。

【関連】ワーク・ライフ・バランスとは?正しい意味や取り組み、企業事例などご紹介/BizHint

高齢者の就業促進

高齢者も有力な労働力になります。定義上は65歳から高齢者に当たりますが、働く意欲のあるベテラン労働者は大勢います。

将来は高齢者も企業間の奪い合いになると考えて、嘱託・再雇用制度など長く働ける仕組みを整えておかなければなりません。

【関連】シニア活用を成功させるコツとは?課題と今後の展望を徹底分析/BizHint

生産性の向上

働き手を確保する一方で、生産性の引き上げも重要です。ITの活用はその代表例でしょう。モノとモノをインターネットでつなぐIoT、人工知能、自動運転技術など、人手不足に対応した新技術が次々と生み出されています。

IT化とは無縁と思える業種・職種でも、ムダな会議や資料作り、多すぎる決裁、似通った作業の重複など、見直せば効率化につながる部分は必ずどこかにあるはずです。

30年後も生き残れる会社にするために、今一度仕事の流れを見直してみましょう。

【関連】生産性向上のために行うべき5つの取組みと企業事例を紹介。個人でできる施策/BizHint

まとめ

  • 生産年齢人口は減少を続けており、この20年余りで1,000万人減少。そして近い将来、総人口の半分程度にとどまると見られている。
  • 生産年齢人口の減少によって、社会保障制度が崩壊するだけでなく、経済は停滞し、人手不足も深刻化する事が懸念されている。
  • 人手不足への対策として、女性の活躍推進や、働きやすい環境の整備、生産性の向上への仕組みづくりなどの対策が急務となっている。

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