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2017年1月30日(月)更新

テレワーク

「テレワーク」とは、情報通信機器であるインターネットを通じてパソコンやスマートフォン、タブレット、さらに電話やファックスなどを使用して自宅などを始めとした、会社以外の遠隔地で仕事を行う形態のことです。インターネットの普及に応じて年々注目度が高まっています。時間、場所の制約を受けることがなく、多種多様な働き方ができることから老若男女問わず幅広い人材を集めることができ、雇う側にも働く側の双方ともにメリットがあります。

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目次

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    保育園の待機児童や長時間労働などが問題になる中、新しい働き方のひとつとしてテレワークが注目されています。テレワークを導入することで、どのような課題が解決されるのでしょうか。労務管理面だけでなく、生産性向上にも寄与するソリューションとして、テレワークを考えてみましょう。

    1. そもそもテレワークとは?

    テレワークとは「遠い」「離れた」を意味する接頭語「tele」と「work(働く)」をあわせた造語です。

    ICT政策のひとつとしてテレワークを推進している総務省のホームページでは「テレワークとは、ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。」と定義づけています。

    決まった時間に特定のオフィスなどに出社することなく業務を行う働き方のことで、「リモートワーク」と呼ぶこともあります。

    従来使われてきた「在宅勤務」もテレワークの一種ですが、ICTの革新的進歩やコワーキングスペース、サテライトオフィスなどの増加により、かならずしも「在宅」のみとはいえなくなってきています。

    2.テレワークの分類

    テレワークには、就業形態、場所、実施頻度によって、様々なスタイルが存在します。

    雇用か自営か

    まずは就業形態による分類です。大きく分けて2種類あります。

    ・雇用型:企業や団体に雇用されている従業員が、オフィス以外の場所で勤務するものをいいます。

    ・自営型(非雇用型):企業や団体に雇用されず、請負で行う個人事業主や、小規模事業者をいいます。コワーキングスペースやカフェなどを仕事場として利用しているノマドワーカーやSOHOフリーランスなどが該当します。

    働く場所による区分

    次に、働く場所による分類と、それぞれのメリットを紹介します。

    ・在宅勤務:主に自宅で就業する形態です。病気やケガなどの身体的事情があり通勤できない人や、育児、介護をしながら働きたい人にはとてもメリットの大きい業務形態です。

    ・モバイル勤務:外勤型テレワークともいいます。営業職など、移動が多い外回りの職種で活用されています。

    ICTを活用し、コワーキングスペースやシェアオフィス、ネット環境の整ったカフェなど、オフィス以外の場所で業務を行います。訪問の都度、オフィスに戻る移動時間のロスを防ぐことができるため、訪問件数の増加、営業成績の向上につながります。

    ・施設利用型勤務:サテライトオフィス、テレワークセンター、スポットオフィスなどを就業場所とするものをいいます。オフィスに通勤することなく業務を行うことができるため、通勤による疲労がなく、仕事の生産性、効率性の向上が見込まれます。

    実施頻度による区分

    次に、テレワークの実施頻度による分類です。

    ・常時テレワーク:テレワークでの業務を基本とするものをいいます。ほとんどの業務をオフィスで行わない在宅勤務やモバイル勤務が該当します。

    ・随時テレワーク:週または月に数日、一日のうち午前中のみ実施など、テレワークと出社就業を併用するものをいいます。基本的にはオフィスに出社し、都合に応じてテレワーク勤務と使い分ける働き方です。

    3.テレワークが注目されている背景と期待される効果

    このように、多種多様な業務形態を実現可能としたテレワークが注目される背景には、環境としてICT(情報通信技術)の発達と光ファイバーやWiFiなど、通信網の充実により、距離が離れていても業務連絡や情報管理・情報共有が可能になったことがありますが、以下のような社会問題に対するソリューションとしても注目されています。

    少子高齢化による労働力不足の解消

    通勤が困難な遠方在住者や障がいを持つ人、高齢者、長時間自宅を空けることが難しい育児中・介護中の人などの雇用継続が可能になるため、労働力不足の解消が期待されます。

    地方創生の推進

    サテライトオフィスを設置することによって、Uターン、Iターン、Jターンの誘引と、地方での雇用創出を目指すことができます。

    環境汚染・都市の過密化の解消

    通勤による交通機関の利用者が減ることによって、混雑・渋滞の緩和、オフィスの省力化によりCO2排出量の減少につながることが期待されます。

    有能な人材流出の回避

    育児や介護、家庭の事情による転居など、常時通勤が困難な従業員の継続雇用が可能になり、人材の流出を回避できるようになります。

    オフィスコストの削減

    常勤就業者の減少により、オフィススペース不足の解消にもつながり、ゆとりのあるオフィスレイアウトが可能になります。

    また、情報の電子的共有によるペーパーレス化によって印刷・コピーにかかる手間やコストの削減、オフィス内で使用する電力の削減、従業員の通勤・交通費などの削減が可能になります。

    生産性の向上

    オフィスなど、一定の場所に縛られずにどこでも仕事ができるため、通勤や移動に使っていた時間を顧客対応や作業時間に充当することができ、顧客満足度の向上が見込まれます。

    非常時の事業継続確保

    オフィスを分散しておくことで、災害、悪天候などで交通機関が機能しなくなった場合や、感染症の流行などが発生した際にも、事業が停止してしまうことを回避できます。

    ワーク・ライフ・バランスの実現

    時間や場所に制約を受けずに働くことができることで、日々のゆとりが生まれ、家族と過ごす時間、自己啓発や余暇時間の増加が期待できます。

    4.テレワーク導入にあたっての課題

    このように、企業にとっても従業員にとっても多くのメリットが見受けられるテレワークですが、導入にはいくつかの課題点も指摘されています。

    労務管理上の課題

    まず第一に、従業員の労務管理についての課題です。

    時間管理

    在宅勤務の場合には、自宅にいることで家族に用事を頼まれたり、育児や介護など、やむをえない事情もあるため、オフィスで就業する場合と異なり、作業が中断しがちです。

    また、一方では、作業に集中しすぎて意図せず長時間労働になってしまったり、育児をしながら、家事をしながら仕事をしていると、公私の区別がつかなくなり、ずっと仕事をしているような状態になってしまうという問題も指摘されています。

    最近では、クラウドによる勤怠システムも存在し、インターネット経由でオフィスに出社した時と同様に、クラウド上のタイムカードを打刻することもできるようになりました。作業開始、休憩、作業終了などを細かく記録し、メリハリのある作業を心がける必要があります。

    労働災害

    在宅勤務者であっても、労働安全衛生法や労働者災害補償保険法は適用されます。作業中に負傷、疾病、死亡などの災害が発生した場合には、業務起因性、業務遂行性の要件を満たせば労災と認定されます。

    在宅勤務中の外出についても、外出で事故にあった場合には、労災に該当するかという問題が生じます。郵便や宅配などの発送業務で外出する際も、会社の指示に従い、事前連絡をとるなど、十分に注意をする必要があります。

    評価制度

    部下の仕事の様子が見えない中で、人事評価をすることは大変難しく、テレワークの導入に躊躇する企業も多いのが実状です。

    週に1~2回程度のテレワークの場合は評価制度を変える必要はありませんが、常時テレワークの場合は評価制度を検討する必要があります。

    現在テレワークを導入する企業の多くは、「目標管理制度」を採用しています。

    あらかじめ目標を定め、一定期間ごとに達成度と成果報告を行うことにより、目標に照らした業績の把握、評価を行います。

    実施時には、テレワーク実施者と非実施者との間に不公平感が出ないようにすること、テレワーク実施者に不利益が生じないよう配慮することが大切です。

    情報通信システム・機器の整備

    テレワークを実施するためには、常時連絡が可能な携帯電話、情報共有システム、クラウドサービスなどの利用が必要不可欠です。しかし、便利さの反面、セキュリティの問題が懸念されています。

    紙資料の持ち出し禁止をルール化したり、テレワーク端末にウイルス対策ソフトをインストールする、電子データを保存する際には必ず暗号化し、端末や記録媒体等の盗難に留意するなど、情報漏えい対策をあらかじめ講じておく必要があります。

    5. テレワーク導入事例

    では、実際にテレワークを導入している企業事例を紹介します。

    事例1:パナソニック株式会社

    ITを活用した働き方による生産性向上と社員のワークライフバランスの実現を目指し、2006年にe-Work推進室を設立。在宅勤務については1年間の試行期間を経て、2007年から本格導入しました。

    実施方法は、在宅勤務、モバイルワーク、スポットオフィスの利用、Web会議など、自宅、出張先、国内・外の拠点など場所を問わず、テレワークを活用しています。

    実施頻度としては、在宅勤務の場合、上限は月間勤務日数の2分の1と定め、半日単位での実施も可能です。出張の多い職種では、スポットオフィスの利用を推進し、月間のべ7,000名が活用しています。e-Workの象徴とされるWeb会議では、場所や時間を問わず開催が可能になったため、月間3000~4000回の開催が行われています。

    同社では在宅勤務実施者を対象としたアンケートを毎年実施していますが「生産性が向上した」と回答している人が7割を超えています。

    資料作成、規格構想、情報調査、プログラミングなどにおいて「集中して完成度の高い仕事ができるので手戻りが少なく効率的」「時間単位でアウトプットを意識するようになった」などの声があがっています。

    テレワークで懸念される、コミュニケーションが疎遠にならないか、という問題点についても「報告・連絡をより丁寧にするようになり、周囲にもよい影響を与えている」「出社時に一生懸命コミュニケーションをとることを心がけ、実施前よりもよくなった」など、作業時間とコミュニケーションの時間のメリハリがよい影響を与えています。また「単身赴任から自宅通勤に切り替えることができた」「在宅勤務時には子どもの送り迎えを担当し、家族の関係がよくなった」等、ワーク・ライフ・バランスの実現にもつながっています。

    事例2:Sansan株式会社

    名刺管理サービス「Sansan」や「Eight」で知られるSansan株式会社では、「新しい働き方」を模索していく様々なチャレンジの一環として、2010年10月より徳島県神山町の中山間地区に築70年の古民家を再利用したサテライトオフィス「Sansan神山ラボ」を開設しました。

    日頃から情報共有も勤怠管理もクラウド上で行っているIT企業は、インフラさえ整備されていればテレワークと相性のよい業態といえます。

    サテライトオフィスでは、アプリの開発などを行うエンジニアが常駐しているほか、合宿や研修などにも活用しています。

    本社とは約600km離れていますが、Web会議システムによる本社と合同の「朝会」や、チャットツール、社内SNSを活用し、距離によるコミュニケーションのハンディを解消しています。

    自然に囲まれて集中して業務に取り組むことができ、かつ通勤ストレスとは無縁の環境は社員にも好評で、常駐者以外にも家族連れで長期滞在して勤務するなどフレキシブルなテレワークを実施しています。

    上山町にはSansanを皮切りに2015年までに12社がサテライトオフィスを構えました。

    その従業員に加え、飲食店経営者、Web技術者、映像作家など2008年以来、約100名が移住するだけでなく、県内での採用など新たな雇用も創出しています。テレワークが生んだ地方創生の成功例といえます。

    事例3:株式会社リクルートホールディングス

    2015年に「働き方変革プロジェクト」を発足させ「週2日の出社を上限とする」実証実験を行ってきた株式会社リクルートホールディングスでは、2016年1月から上限日数なし、雇用形態にかかわらずすべての従業員を対象としたリモートワーク(テレワーク)を本格導入しました。

    特徴的なのは、派遣元との合意と本人の希望があれば、同社で働く派遣社員もリモートワークの実施を可能としたことです。上司による実施判断があれば、上限なしで柔軟にリモートワークを実施することが可能です。

    同社では、この取り組みを「働き方の選択肢を増やし、この更なる成長と新しい価値の創造につなげる」としています。

    同プロジェクトでは自社グループの取り組みに加え、さまざまな働き方について特設サイトで情報発信も行っています。 http://re-recruit.jp

    6.テレワークに対する公的支援・助成金

    政府では2015年から毎年11月をテレワーク推進月間として、企業への導入働きかけを行っています。

    総務省の調査では、2015年時点でテレワークを導入している企業は16.2%ですが、政府では「2020年までにテレワーク導入企業2012年比3倍」を宣言しています。

    これを実現させるために厚生労働省や東京都などによる助成金や政府・自治体のさまざまな取り組みや支援が実施されています。

    導入企業に対する助成金、支援制度

    ・厚生労働省「職場意識改善助成金(テレワークコース)」:テレワークに取り組む中小企業を対象に実施に要した費用の一部を助成。

    ・総務省「ふるさとテレワーク推進事業」:自治体と企業等のコンソーシアムによるサテライトオフィス/テレワークセンター等の整備によるワーク・ライフ・バランスの向上、地域活性化に貢献する「ふるさとテレワーク推進事業」を公募し、採択候補となったプロジェクトに実績に応じた補助を実施。

    ・総務省ICT人材派遣制度:サテライトオフィス誘致に不可欠なICT活用を通じた地域活性化を推進する自治体に専門家(地域情報化アドバイザー/ICT地域マネージャー)を派遣し、アドバイスやシステム構築サポートを実施。

    ・東京都「女性の活躍推進等職場環境整備助成金」:育児・介護と仕事の両立や女性が働きやすい職場環境の整備について助成金を支給。テレワーク導入に伴うツールも助成の対象。

    ・東京都「TOKYO働き方改革宣言企業制度」:働き方、休み方の改善に向けて「働き方改革宣言」を行う企業を募集。支援は助成金のほか専門家によるコンサルティングや巡回・助言が行われ、生産性向上を支援。

    テレワーク導入に向けて

    このように、テレワーク導入に向けて、政府や自治体からさまざまな取り組みが行われています。

    働き方の多様化が進む現代では、テレワークという就業形態は企業の成長戦略の重要課題となりそうです。

    自社にあった形態のテレワークを導入するためには、まずは、現状把握を行い、導入した場合のメリット・デメリットをよく検討し、導入に向けた具体的な計画を策定してみましょう。

    半年から1年ほどの試行導入を行い、試行期間中の問題点、改善点などの評価を経て、導入する目的・ねらいが十分期待できるようであれば、本格導入をすすめてゆきましょう。

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