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兼業

2018年11月13日(火)更新

兼業を希望する労働者が増え、政府も「働き方改革」の一環として兼業を推進しています。しかし、企業が兼業を認めると、長時間労働を助長するなどさまざまな問題が考えられるので慎重に検討することが必要です。ここでは、兼業と副業の違いや兼業の容認・推進に向けて検討すべき法的な観点を解説します。

兼業の意味

「兼業」は法律などで厳密に定義されている言葉ではありませんが、一般には以下のような意味で使われています。

兼業とは、職員が職務以外の他の業務に従事すること、又は自ら事業を営むことです。

【引用】熊本大学:兼業に関するQ&A 「Q1 兼業とは何ですか?」

「兼業」を理解するには、「兼業農家」を考えてみるとよいでしょう。兼業農家とは、農業以外の仕事(会社勤めなど)によって収入を得ている農家のことです。農業が「主」の場合と、本業が「主」で農業を「従」とする場合があり、いずれも兼業農家といいます。

農業(自営)と会社勤めのように、「兼業」は同時に二つ(二つ以上)の仕事を掛け持ちしている状態を指す言葉です。それぞれの仕事の関係は、一方が「主」で他方が「従」のこともあれば、ほぼ同等ということもあります。

副業との違い

副業も法律用語ではありませんが、総務省が5年ごとに実施している「就業構造基本調査」では副業を以下のように定義しています。

主な仕事以外に就いている仕事をいう。

【引用】総務省統計局:「平成24年 就業構造基本調査」、用語の解説、p4

「本業」といえる仕事をしている人が、たとえば短時間のアルバイトやフリーマーケット、株式投資などで収入を得ている場合、一般にアルバイトや投資などを副業と呼んでいます。しかし、兼業と副業は、日常的にはあまり明確な区別をせずに使っていることが多いです。

その中で、違いとして指摘されているのが雇用契約の有無(兼業は雇用契約あり)、あるいは労働時間や労力のかけ方が「本業とどの程度、違うか」、また、イメージの違いなどです。