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2018年11月20日(火)更新

障害者雇用促進法

障害者雇用促進法の平成25年の改正により、平成30年4月以降は障害者の雇用義務が生じる企業の範囲が広がります。また、障害者雇用促進法は「法定雇用率」と呼ばれる一定の割合を下回る企業には納付金を納めるよう義務づけ、義務違反の場合には罰則もあるので注意が必要です。今回は、法改正の概要や法定雇用率、障害者雇用に関する助成金などについて詳細に解説します。

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障害者雇用促進法の概要

障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)は、昭和35年に制定された法律です。その後、対象とする障害者の範囲などの見直しが行われ、直近では平成25年に改正があり、段階的に施行されているところです。

障害者雇用促進法の目的

障害者雇用促進法の目的は、障害者の雇用を促進する措置や障害者が働きやすい職場環境の改善、あるいは職業リハビリテーションなどの職業生活の自立を促す措置を講じることより、障害者の職業の安定を図ることです(法第1条)。

障害者雇用促進法では、障害者への差別の禁止や合理的配慮の提供義務、職業リハビリテーションの推進や障害者雇用率制度、障害者雇用納付制度などを制定しています。

障害者とは

障害者雇用促進法の第2条第1号では、「障害者」を以下のように規定しています。

障害者とは、身体障害や知的障害、発達障害を含む精神障害、その他の心身の機能の障害により、長期にわたり職業生活に相当の制限を受ける者、あるいは職業生活を営むのが著しく困難な者をいう。

上記のように、障害者を「職業生活を営むのが著しく困難な者」と定めているのは、障害者雇用促進法では重度の障害がある人も対象とすることを明らかにするためです。

【参考】電子政府の総合窓口e-Gov/障害者の雇用の促進等に関する法律

対象障害者とは

平成25年の改正障害者雇用促進法では、以下の障害者を「対象障害者」としています(第37条第2項)。

  • 身体障害者
  • 知的障害者
  • 精神障害者(精神障害者保健福祉手帳の所持者に限る)

障害者であることの確認は、障害者の種類ごとに定められた方法、たとえば、身体障害者手帳の交付の有無、または知的障害者判定機関の判定書などを用いて行います。

【参考】障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律

障害者雇用をとりまく問題点

障害者雇用については、どのような問題があるのでしょうか。

障害の種類による格差

「障害者の雇用」と一口にいっても、障害の種類により雇用対策や雇用状況には大きな違いがあります。たとえば、障害者雇用促進法が制定された昭和35年当初は、障害者として法律の対象となったのは身体障害者だけでした。その後、知的障害者が、企業の雇用すべき障害者として定められたのは平成9年のことです(施行は平成10年7月1日)。

しかし、精神障害者に対する雇用義務化はさらに遅れ、平成25年にようやく法改正が行われました(施行は平成30年4月1日)。平成9年以来の大幅な改正とされる平成25年の改正は、上記のような障害の種類による格差是正が目的の1つといわれています。

精神障害者の雇用に関する問題

民間企業の雇用障害者数を障害別にみると、身体障害者がもっとも多く、平成26~28年はおよそ7割を占めています。しかし、前年からの伸び率でみると、身体障害者は2~3%、知的障害者は7~9%に留まっているのに対し、精神障害者は21~25%と著しい伸びを示しています。

厚生労働省:平成 26 年 障害者雇用状況の集計結果厚生労働省:平成 27 年 障害者雇用状況の集計結果厚生労働省:平成 28 年 障害者雇用状況の集計結果の情報を基に作成

一方で、精神障害者の雇用に関しては、職場の上司や同僚などが障害特性を理解できるかといった課題や、「精神障害の人は短期間で辞めてしまう人が多い」などの問題が指摘されています。

平成25年公布の「障害者雇用促進法」改正内容

平成25年に成立した改正法は、一部を除き平成28年に施行されました。主な改正点を施行日の早い順に並べると以下のようになります。

  1. 障害者の範囲明確化(平成25年6月19日公布日施行)
  2. 障害者の権利に関する条約の批准に向けた対応(平成28年4月1日施行)
  3. 法定雇用率の算定基礎見直し(平成30年4月1日施行)

1.障害者の範囲明確化

障害者雇用促進法における障害者の定義はすでに紹介しましたが、以下が改正点です。

改正前は身体障害と知的障害、精神障害を「障害」と総称していましたが、改正後は精神障害に「発達障害を含む」と明記され、「その他の心身の機能の障害」も追加されました。

2.障害者の権利に関する条約の批准に向けた対応

「障害者の権利に関する条約」とは、国際連合が平成18年に採択した条約のことです。日本は翌19年に署名し、その後、日本は条約の批准に向けて障害者基本法の改正など国内法の整備を進めています。

障害者雇用促進法の改正も、国内法整備の一環として行われたものです。平成28年4月1日施行の改正により、事業主は雇用分野における障害者に対する差別の禁止や合理的配慮の提供義務などの義務を負うことになりました。

募集・採用における差別的取扱い禁止

募集や採用において、障害を理由とした差別的取扱いを禁じています。そのため、事業主は身体障害者や知的障害者、精神障害者、あるいは車いすの利用や人工呼吸器の使用などを理由として採用を拒否することはできません。

差別的取扱いの禁止は、障害者と障害のない人との間に生じる不当な差別を禁じたものです。障害者間の異なる取扱いについては法律上、規制されていません。

募集・採用における合理的配慮

障害者を募集・採用する場合、事業主は障害に合わせて採用試験の問題を点訳したり、回答方法を工夫したり、配慮しなければなりません。

また、雇用する場合には、事業主は障害者が働くうえでの支障を改善するために必要な措置を講ずる義務があります。たとえば、知的障害をもつ労働者に対して説明するときは、労働者の能力に合わせて言葉だけでなく、文字で書いたり、絵を描いたりしてわかりやすく説明するといった措置が必要です。

ただし、必要な措置を講ずることが事業主にとって過重な負担となるなど、事業主の負担が著しく大きい場合には提供義務は生じません。

苦情処理・紛争解決のサポート

事業主は、障害者から差別的取り扱い、および合理的配慮に関する苦情の申し出があった場合、自主的な解決を目指すことが努力義務とされています。

また、差別的取り扱いや合理的配慮に関する紛争については「個別労働関係紛争解決促進法の特例」を設け、紛争調整委員会による調停や都道府県労働局長による勧告などを可能とし、調停制度の対象になりました。

厚生労働省:障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の概要、p3の情報を基に作成

3.法定雇用率の算定基礎見直し

法定雇用率の算定基礎に関する見直しは、平成30年4月1日に施行されます。

障害者雇用率と法定雇用率

まずは、「障害者雇用率」「法定雇用率」それぞれの言葉の意味を理解しておきましょう。

【障害者雇用率】

障害者雇用率は、言葉の通り障害者を雇用している割合を指すものですが、障害者雇用促進法第43条第2項において以下のように定義されています。

障害者雇用率は、労働者(失業者を含む)に対する対象労働者(失業者を含む)の割合を基準として設定し、少なくとも5年ごとに労働者の中で対象労働者が占める割合の推移を勘案して政令で定める。

障害者雇用促進法において、障害者雇用率を定めて事業主に障害者の雇用を義務づけるのは、障害者に一般労働者と同じように常用労働者になりうる機会を提供するという目的があります。

【参考】電子政府の総合窓口e-Gov:障害者の雇用の促進等に関する法律

【法定雇用率】

障害者雇用促進法で規定する障害者雇用率を、一般的には「法定雇用率」と呼んでいます。法定雇用率は企業や国、地方公共団体などの区分ごとに規定されており、平成30年4月から民間企業における法定雇用率の算定基礎は以下のようになります。

※法定雇用率の分母(下の段)にある「除外率相当労働者数」は、建設業や金属鉱業などの一般的に障害者が就業するのは困難と考えられる特定の業種だけに適用されます。

また、事業主が雇用すべき障害者数を「法定雇用障害者数」と呼び、次のように求めます。

【参考】厚生労働省:障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の概要、p4

法定雇用率の引き上げ

障害者雇用促進法では、障害者の雇用機会を確保するために障害者雇用率制度を設け、事業主に障害者の雇用義務を課しています。具体的には、事業主は雇用している労働者数に障害者雇用促進法で定める障害者雇用率(法定雇用率)を乗じて求めた人数以上の障害者を雇用しなければなりません。

平成30年に障害者雇用率(法定雇用率)の引き上げが行われると、施行日以降は雇うべき障害者数が増える可能性があるので注意が必要です。

【平成30年4月以降に適用される法定雇用率】

平成30年4月1日以降、法定雇用率は全体的に0.2%の引き上げが行われるので、民間企業は「2.2%」になります。

厚生労働省:平成30年4月1日から 障害者の法定雇用率が引き上げになります の情報を基に作成

常時48人の労働者を雇用している民間企業を例に、法定雇用率の引き上げによる雇用すべき障害者数の違いを確認しましょう。

●施行前:平成30年3月まで
48人 × 2.0% = 0.96人  ⇒ 雇用義務なし(1人未満の端数は切り捨て)

●施行後:平成30年4月以降
48人 × 2.2% = 1.056人 ⇒ 雇用すべき障害者数は1人

常用労働者が48人の民間企業は、平成30年3月までは雇用義務はありませんが、平成30年4月以降は障害者を1人以上雇わなければなりません。

【法定雇用率のさらなる引き上げ】

法定雇用率は、平成33年3月までに「0.1%」の引き上げが予定され、民間企業の法定雇用率は「2.3%」になる見込みです。具体的な引き上げの時期は「平成30年4月から3年を経過する日より前」のいずれかの日で、厚生労働省の諮問機関である労働政策審議会において決定されます。

【参考】厚生労働省:平成30年4月1日から 障害者の法定雇用率が引き上げになります 

対象となる民間企業の範囲拡大

平成30年4月以降、障害者の雇用義務がある民間企業の範囲は、法定雇用率の引き上げに伴い、常用労働者が「50人以上」の企業から「45.5人以上」の企業に拡大されます。

法定雇用率が引き上げになると、すでに雇用義務のある企業では雇うべき障害者数が増えたり、雇用義務のない企業には雇用義務が生じたりします。さまざまな変化が起こりうるので、今後も法定雇用率の見直しには注意を払いましょう。

【参考】厚生労働省:平成30年4月1日から 障害者の法定雇用率が引き上げになります 

報告等義務の対象企業も拡大

障害者の雇用義務がある事業主は、毎年6月1日時点における障害者の雇用状況を厚生労働大臣(所轄の労働基準監督署)に報告しなければなりません。報告義務自体は従来からありますが、平成30年4月1日以降は報告義務の生じる対象企業が拡大し、「対象となる民間企業の範囲拡大」同様、常用労働者が「45.5人以上」の企業になります。

また、努力義務ではありますが、障害者雇用推進者の選任義務も45.5人以上の企業まで対象範囲が広がるので注意してください。

【参考】厚生労働省:平成30年4月1日から 障害者の法定雇用率が引き上げになります、p1

対象障害者の範囲拡大

障害者雇用促進法では、これまで雇用義務の対象を「身体障害者または知的障害者」としていましたが、改正法では精神障害者を含めた「対象障害者」に改められました。そのため、平成30年4月1日以降の算定基礎の対象には精神障害者が加えられることとなり、法定雇用率の算定式の分子(上の段)には「精神障害者」が2か所追加されています。

精神障害者の人数を加えることで法定雇用率の引き上げが必要となりましたが、事業主にとっての負担増や準備期間等を考慮し、経過措置が設けられました。施行日から5年間(平成30年4月1日~平成35年3月31日まで)は「激変緩和措置」として、精神障害者の追加に伴う法定雇用率の引き上げ分について法律の規定より低くすることも可能となっています。具体的な引き上げ幅は、労働政策審議会の障害者雇用分科会において、障害者の雇用状況や行政の支援状況などを踏まえて決定される見込みです。

【対象となる障害者の算定方法】

障害者雇用率制度において「障害者」として算定対象となるのは正社員だけではありません。常用労働者に該当する労働者であれば正規、非正規を問わず算定の対象となります。また、一定の条件を満たす短時間労働者も算定対象です。

短時間労働者とは、以下のような労働者を指します。

  • 雇用期間の定めがなく雇用されている労働者
  • 一定の雇用期間を定めて雇用されている労働者で、雇用期間が反復更新され、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている労働者、または、雇入れのときから1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者

短期労働者のうち、算定対象となる短時間労働者は、週の所定労働時間が「20時間以上30時間未満」の労働者です。算定の際は短時間労働者1人につき「0.5人分」の労働者としてカウントします。

さらに、障害が重度の場合はダブルカウントが可能です。重度身体障害者や重度知的障害者のうち、週の所定労働時間が30時間以上の労働者は「2人分」、短時間労働者は「1人分」として算定することができます。精神障害者については重度の取り扱いはありません。

【参考】独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構:はじめからわかる障害者雇用~事業主のためのQ&A集~、p42

民間企業における法定雇用率達成企業の低迷

厚生労働省の「平成28年障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業の雇用障害者数と実雇用率はいずれも過去最高を更新し、雇用者数の更新は13年連続です。ただし、民間企業のうち、平成28年時点の法定雇用率(2.0%)を達成しているのは48.8%で、半数以下の状態が続いています。

特に、企業規模の小さい企業は、大企業に比べて法定雇用率に達成していない企業が多い傾向があります。

【参考】厚生労働省:平成 28 年 障害者雇用状況の集計結果、p2の情報を基に作成

表内の「実雇用率」とは、企業において実際に雇用している障害者の割合のことです。以下のように計算します。

特例子会社制度

法定雇用障害者数の算定は、通常、法人が異なれば子会社であっても別々に行います。しかし、特例子会社制度は、一定の条件を満たしていれば子会社(特例子会社)が雇用している障害者を親会社で雇っているものとみなすことができます。

また、子会社だけでなく、関係子会社を含め企業グループの分を親会社に合算して実雇用率を算定することもできるので、法定雇用率の達成につながるというメリットがあります。

特例子会社とは

特例子会社は障害者の雇用に配慮した子会社を指し、特例子会社として認定されるにはいくつかの要件を満たす必要があります。特例子会社を設立することによって企業にはさまざまなメリットがあるため、特例子会社数は徐々に増えています。

平成28年の特例子会社は448社に増加し、雇用されている障害者の実人員は18,950人、重度障害者を2人分としてカウントした障害者数は26,980.5人となりました。

厚生労働省:「特例子会社」制度の概要、p2 の情報を基に作成

親会社の要件

特例子会社の認定要件としては、親会社の要件と子会社の要件があります。親会社は、特例子会社として認定を目指す子会社の意思決定機関、たとえば株主総会などを支配していることが必要です。具体的には、親会社が子会社の議決権の過半数を有することなどを必要とします。

子会社の要件

子会社の要件は、以下のように規定されています。

  • 親会社との人的関係が緊密である。たとえば、親会社から役員が派遣されているなど。
  • 雇用している障害者が5人以上で、全労働者に占める障害者の割合が20%以上。 また、雇用している障害者のうち、重度身体障害者や知的障害者、精神障害者の占める割合が30%以上。
  • 障害者の雇用管理を適正に行いうる能力がある。具体的には、障害者のための施設を改善したり、専任の指導員を配置したりすることができる。
  • その他、障害者の雇用の促進、および雇用の安定が確実に達成されると認められる。

【参考】厚生労働省:「特例子会社」制度の概要

特例子会社制度のメリット

特例子会社制度のメリットについて、事業主と障害者に分けて見ていきましょう。

事業主のメリット

特例子会社制度は、事業主にとって以下のようなメリットがあります。

  • 障害の特性に配慮した仕事を確保することができ、また、職場環境の整備なども行いやすくなるので障害者の能力を引き出すうえで役立つ
  • 離職者が減少し、職場の定着率アップによって生産性の向上や採用コストの削減などが期待できる -障害者を雇用するうえで必要な設備投資、人材を特定子会社に集中して投入できる
  • 親会社とは異なる労働条件を設定することができるので、障害の特性に合わせた弾力的な雇用管理も可能となる
  • 障害者雇用に関する各種助成金を活用できる
  • 社内外に、企業としての社会的責任の履行を示すことができる

障害者のメリット

障害者にとってのメリットには次のようなものがあります。

  • 雇用の場が増えることで、就業の機会が増える
  • 継続して就業できることで経済的な自立につながり、地域での生活がしやすくなる
  • 障害者に配慮した職場環境の中で働くことにより、それぞれの人がもつ能力を発揮しやすくなる

障害者雇用納付金制度

障害者を雇用する場合、障害の特性に合わせた設備が必要になるなど事業主の経済的な負担は少なくありません。そのため、障害者雇用促進法は、障害者を雇用している企業と雇用していない企業との間に生じる経済的な負担の相違を調整するため、また、障害者の雇用機会を拡大するために障害者雇用納付金制度を設けています。

具体的には、障害者雇用納付金制度は法定雇用率を達成していない企業から、障害者雇用納付金を徴収して原資とし、雇用率を達成した企業への「障害者雇用調整金」や助成金の支給などを行っています。

障害者雇用納付金制度の適用対象となる企業の範囲は徐々に広がり、平成27年4月から常時雇用する労働者が 「100人を超える企業」 となりました。対象企業の場合、平成28年4月以降は前年度の雇用障害者数に基づき、障害者雇用納付金の申告が必要です。納付金の申告は未達成の企業だけでなく、達成している企業でも必要になるので注意してください。

なお、障害者雇用納付金制度にかかる納付金の徴収、調整金の支給などの業務を行っているのは独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構です。高齢・障害・求職者雇用支援機構は行政機関に準じた運用をしており、必要に応じて立入検査が行われることもあります。

障害者雇用納付金

常用労働者が100人を超えている企業のうち、雇用している障害者数が法定雇用障害者数より少ない企業は、不足人数1人につき月額「5万円」の納付金を納めなければなりません。ただし、常用労働者が100人超~200人以下の企業の場合、平成27年4月~32年3月までは月額「5万円」のところ「4万円」に減額となります。

月額4万円に減額されるとしても、年間にすれば1名の不足につき48万円です。減額の期間も限られているため、障害者雇用が進んでいない企業では障害者の雇用対策を後回しにせず、積極的に取り組む必要があるでしょう。

なお、常用労働者が100人以内の企業は、雇用率が未達成の場合でも納付金の徴収はありません。

【参考】厚生労働省:障害者雇用納付金制度の概要 
【参考】独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構:障害者雇用納付金制度の概要

障害者雇用調整金

常時雇用している労働者が100人を超え、雇用障害者数が法定雇用障害者数を上回っている場合は調整金が支給されます。調整金は、超過した人数1名につき月額「27,000円」です。調整金は、当該事業主の申請に基づいて支給されます。

【参考】厚生労働省:障害者雇用納付金制度の概要

在宅就業障害者支援制度

在宅就業障害者支援制度は、障害者雇用納付制度により、自宅などで就業する障害者に仕事を発注する企業に対して「在宅就業障害者特例調整金」や「在宅就業障害者特例報奨金」を支給するものです。

このうち、在宅就業障害者特例調整金は、障害者雇用納付金の申告、あるいは障害者雇用調整金の申請をした事業主で前年度に在宅就業障害者等に仕事を発注し、支払いをした場合、支払い総額に応じて支給されます。

【参考】独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構:障害者雇用納付金制度の概要

障害者雇用促進法における罰則

障害者雇用促進法は以下のような罰則を設け、法令遵守を図っています。

事業主の報告義務違反の場合

事業主が障害者雇用促進法で定めた報告義務(第43条第7項)を果たさず、報告しなかった、あるいは虚偽の報告をした場合は30万円以下の罰金が科せられます(第86条)。

障害者雇用状況の報告は電子申請による方法も可能です。利用しやすい方法を用いて報告義務を果たしましょう。

法定雇用率未達成の場合

法定雇用率が未達成の事業主には、ハローワークにより、障害者の雇入れに関する計画書の提出命令、計画の実施状況が悪い場合は適正実施の勧告、また、特別指導が行われることもあります。特別指導は、雇用状況の改善が著しく遅れている事業所に対し、企業名の公表を前提として行われます。

さらに、正当な理由がないにもかかわらず、勧告に従わない場合、厚生労働大臣は企業名を公表することができます。平成26年度には、8社の企業名が公表されました。

法定雇用率の未達成企業に対する指導は、以下のような流れで行われます。

厚生労働省:障害者雇用率達成指導の流れに基づき作成

障害者雇用促進法にまつわる助成金

障害者雇用に関する助成金にはさまざまなものがあります。

障害者作業施設設置等助成金

障害者の特性によって生じる就労上の課題を克服するために、作業を容易に行えるように配慮した作業施設や作業設備の設置、または整備が助成の対象となります。助成率は、設備・整備費用の3分の2です。

【参考】独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構:障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金のごあんない、p2

障害者福祉施設設置等助成金

障害者の福祉の増進を図るための保健施設や給食施設などの福利厚生施設の設置や整備を行った場合に、設備や整備費用の3分の1を助成します。

【参考】独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構:障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金のごあんない、p2

障害者介助等助成金

障害者の雇用管理のために必要な介助者を配置するなどの措置に対して、費用の一部を助成します。助成率は、措置にかかる費用の3分の2から4分の3です。

【参考】独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構:障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金のごあんない、p2

重度障害者等通勤対策助成金

障害者の通勤を容易にするための措置を行った事業主に対し、措置に要した費用の4分の3が助成されます。

【参考】独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構:障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金のごあんない、p3

重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金

重度身体障害者や精神障害者などを労働者として多数、継続して雇用し、安定した雇用を継続できると認められる事業主が、障害者のために事業施設等の整備を行った場合に支給されます。助成率は整備等にかかった費用の3分の2です。

【参考】独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構:障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金のごあんない、p3

まとめ

  • 障害者雇用促進法の改正により、従業員が45.5人以上であれば50人未満の企業でも障害者の雇用義務が生じることになりました。
  • 法定雇用率の未達成が続くと、納付金を納付し続けることになります。もし、資金的な問題が理由で障害者雇用に踏み切れないとすれば、助成金の活用を検討するとよいでしょう。- 労務担当者としては改正点を正しく認識して法令を遵守し、障害者とともに働ける職場づくりに取り組みましょう。

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