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2018年12月20日(木)更新

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングとは、企業と顧客の双方向コミュニケーションを通して、顧客反応を測定・分析し、顧客ニーズに即したプロモーションを展開する手法のことです。顧客ニーズが多様化するなか、顧客一人ひとりに合わせた最適なアプローチができる優れた手法として注目され、重要性も高まっています。本記事ではダイレクトマーケティングの定義やメリット、実施方法から企業事例をご紹介します。

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ダイレクトマーケティングとは?

ダイレクトマーケティングとは、企業と顧客の双方向コミュニケーションを通して、顧客のレスポンス(反応)を測り、自社の商品(製品)・サービスとの相性が良い見込み客に絞った上で、適切なプロモーションを展開するマーケティング用語です。

One to Oneマーケティング(顧客ひとり一人の購入履歴やニーズに合わせて、訴求するマーケティング)の流れを汲んでおり、マスマーケティングに代わるマーケティングと認識されています。

ダイレクトマーケティングは「顧客中心の価値創造」が求められる企業とも相性が良く、従来のカタログ販売やダイレクトオーダーでは限界があった見込み客の獲得や販売チャネルへの誘導、LTV(顧客生涯価値)の最大化などに効果的です。主に通販業界やネット通販サイト、資料請求を積極的に行っている企業に採用されています。

ダイレクトマーケティングが注目されている理由

情報化社会の到来とテクノロジーの発展により、ダイレクトマーケティングの重要性が高まり、顧客と直接コミュニケーションを取る企業が増えています。ダイレクトマーケティングが注目される理由には、以下の社会的背景が考えられます。

電子商取引市場の拡大

経済産業省が発表している2017年の電子商取引市場規模(BtoC向けEC)は16.5兆円(前年15.1兆円、前年比9.1%増)を突破し、BtoB向けEC市場に至っては317.2兆円(前年291.0兆円、前年比9.0%増)にまで拡大しています。

【日本のBtoC-EC市場規模の推移】

【出典】経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模が16.5兆円に成長。国内CtoC-EC市場も拡大~」

中でもBtoC市場の拡大の要因には、個人間EC(CtoC-EC)の台頭が大きく影響しており、ネットオークションでは市場規模が1兆1,200億円のうち約4割(5,000億弱)がフリマアプリによる市場と推定されています。

【フリマアプリの推定市場規模(単位:億円)】

【出典】経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました~国内BtoC-EC市場規模が16.5兆円に成長。国内CtoC-EC市場も拡大~」

このように電子商取引市場規模の拡大とCtoC-EC市場の台頭によって、従来のBtoCビジネスモデルが通用しにくくなり、販売チャネル強化(通販事業・ECサイト)の必要性が高まっています。そのため、企業と顧客が強く結びつき、見込み客の獲得と囲い込みが期待できるダイレクトマーケティングが注目されていると考えられます。

ビッグデータ活用によるマーケティングの広がり

ビッグデータとは、個人ひとり一人のインターネットを介した位置情報や行動履歴といった無数に存在する膨大データを指します。

これにより、今までは構造化できなかった顧客データ(デモグラフィックやジオグラフィックデータ)を高性能なシステムおよびデータベースを使って、収取・分析を行える段階に至っています。さらにこれを活用して、共通した行動特性を持つユーザーを特定することで、顧客ひとり一人の購買モチベーションを呼び起こす動きが広がりつつあります。

ビッグデータの活用は自社の商品(製品)・サービスと相性が良い見込み客の顧客情報獲得につながり、ターゲットを絞った上で効果的なプロモーションを展開できます。これはダイレクトマーケティングの精度向上にもつながるため、ビッグデータとともにダイレクトマーケティングを採用する企業が増えていると考えられます。

ソーシャルメディアの台頭

ソーシャルメディアとは、SNSやブログ、動画・写真共有サービスに代表される情報の送受信を可能とするメディアを指します。強い発信力・拡散力を持つインフルエンサーが活躍する場所としても知られており、「顧客中心の価値創造」の重要な場としての活用が期待できます。

ソーシャルメディアは誰でも自由に参加できるため、企業と顧客の双方向コミュニケーションを促しやすく、企業としても見込み客の獲得・育成にもつながりやすいと考えられます。そのため、ソーシャルメディアの台頭は、ダイレクトマーケティング運用を促進につながり、採用する企業が増えたと考えられます。

ダイレクトマーケティングのメリット

「顧客中心の価値創造」がビジネスの前提となっている現代において、ダイレクトマーケティングの活用は多くのメリットをもたらします。ここでは、代表的なダイレクトマーケティングのメリットをご紹介します。

売上予測がしやすい

ダイレクトマーケティングは既存客や見込み客に対して、顧客一人ひとりのニーズに合ったプロモーションの展開が可能となります。そのため、商品(製品)・サービスの購買につながりやすく、また、アプローチする対象者数も予め決まっていることから売上予測もしやすくなります。

CMSやMA(マーケティングオートメーション)の活用により、LTV(顧客生涯価値)やCPO(新規顧客獲得単価)をKPIに設定することを可能とし、目標達成に向けた、精度の高い計画立案や有効な施策の実施が期待できます。

少人数での運用が可能

WebサイトやDM(メールマガジン)などのインターネットサービスは、迅速な広告活動とアプローチを促進し、少人数体制でのダイレクトマーケティング運用を可能としました。

そのため、売上に直結するマーケティング活動に経営資源を集中させ、企業の生産性向上にもつながっています。

顧客ニーズの把握

企業と顧客の双方向コミュニケーションを前提としたダイレクトマーケティングは、商品(製品)・サービスに対する顧客のレスポンス(反応)を得られます。ダイレクトマーケティングで得られた、年齢や性別、居住地域などのデータや、カスタマーサポートに寄せられた意見やクレームは新商品(製品)・サービスの開発の貴重な情報となります。

また、ダイレクトマーケティングは優良顧客の囲い込みにもつながるため、顧客ニーズに沿った定期購入や月額課金などストック型ビジネスモデルの構築も可能です。

ダイレクトマーケティングの実施方法

一般的なダイレクトマーケティングは以下の方法で実施されています。

プロモーションによる集客

ダイレクトマーケティングを実施するためには、見込み客の獲得が必要です。また、獲得した見込み客と定期的なコミュニケーションを行うためにも以下の施策が必要です。

SEO対策やPPC広告などのオンライン対策

インターネット上の集客では、自社のWebサイトへ誘導するためのSEO対策(検索エンジン対策)やPPC広告(クリック課金型広告)といったオンライン対策が欠かせません。また、これらによるインターネット広告や自社サイトへの誘導は、迅速な集客を可能とします。

さらに、自社サイトの特集ページやPPC広告向けのランディングページは、ソーシャルメディアとの相性も良く、自社の商品(製品)・サービスに興味を持つ見込み客の受け皿としても活用できます。

ソーシャルメディアの活用

SNSを中心としたソーシャルメディアを活用することで、見込み客の発掘が行えます。プロモーション内容や業界によって活用するソーシャルメディアは異なりますが、新商品(製品)・サービスの認知では、情報拡散力が高いインフルエンサーの活用や動画共有サービスなどが効果的です。

最近では、企業向け公式アカウントを作成できるソーシャルメディアも登場しているので、長期的なソーシャルメディアの活用を検討している場合はアカウント開設してみてはいかがでしょうか。

見込み客の育成

プロモーションで集客できた見込み客(リード客)には、自社の商品(製品)・サービスに触れてもらい、利用・購買意欲を高め、継続的に利用してもらう必要があります。そのために、獲得した見込み客を育成する具体的な施策が求められます。

サンプル商品の送付

ダイレクトマーケティングの一環であるサンプル商品の送付は、ダイレクトに商品(製品)の良さを知ってもらい、新規注文の獲得につながる効果が期待できます。また、アンケート調査を実施することで、顧客レスポンス(反応)も確認でき、顧客ニーズに合わせた新商品の改善にもつなげられます。

商品情報の認知効果が高いマス向けの広告メディアは多大な費用がかかる一方、ダイレクトマーケティングによるサンプル商品の送付は広告投資費用を削減しつつ、費用対効果の高い新商品(製品)・サービスのアプローチが可能となります。

ダイレクトメール(DM)・メルマガの活用

ダイレクトメール(DM)やメルマガは、既にニーズを把握している顧客に直接アプローチできるため、成約率の高いプロモーションが期待できます。また、限られた流入経路でもあるため、効果測定もしやすいメリットがあります。

DMやメルマガは、一度だけしか購入していない顧客をリピーターに変えられる、見込み客育成ツールとして効果的です。

顧客満足度の向上とリピーターの創出

ダイレクトマーケティングでは、顧客満足度の向上とリピーターの創出を目指すマーケティング手法でもあります。そのためには、商品(製品)・サービスの信頼性を高め、企業と関係性を強化するための戦略や施策を打ち出さなければいけません。

カスタマージャーニーの作成

カスタマージャーニーとは、ペルソナ(自社の商品を利用するターゲット像)の行動特性を時系列で可視化したものです。カスタマージャーニーは、最適な情報を届けるために、企業が顧客にアプローチするタイミングを把握できます。

これによって顧客への理解が深まり、顧客目線での発想や迅速な意思決定が可能です。

顧客セグメント毎の施策の実施

価値観の多様化に伴い、ニーズが異なる顧客セグメント毎のアプローチがとても重要になっています。ダイレクトマーケティングでは、顧客ニーズや属性でセグメント化された顧客それぞれに適切な情報を届けられます。

そのためには、データを分析して既存客・見込み客に分類し、それぞれの顧客層毎の施策を検討しなければいけません。顧客セグメント毎の施策はRFM分析(最終購入日、購買頻度、購入金額の3つの要素で顧客分析を行い、セグメントする分析)の活用が効果的です。

効果測定・PDCA

ダイレクトマーケティングの効果測定では、アプローチに対するレスポンス率、プロモーションの最終成果(購入や会員登録)に対するコンバージョン率、そして費用対効果に対するROI(投資利益率)の3つの測定が可能です。

ダイレクトマーケティングでは、既存顧客や見込み客に直接アプローチできるので、目標達成に向けた精度の高いPDCAサイクルが可能となります。

ダイレクトマーケティングの企業事例3選

近年ではダイレクトマーケティングを採用することで、企業価値を向上させた企業が数多く存在します。本章では、ダイレクトマーケティングを実践している企業事例をご紹介いたします。

ドクターシーラボによるダイレクトマーケティング

健康食品・基礎系商品を販売する株式会社シーズ・ホールディングスが展開する「ドクターシーラボ」は売上比率の53.8%が通信販売で占められており、そのほか、対面販売、卸売販売といったダイレクトマーケティングを展開しています。

顧客のライフスタイルに合わせた販売チャネルへの誘導が特徴的で、自社サイト内の口コミ投稿・閲覧できる機能やコンテンツを投入し、企業と顧客の双方的なコミュニケーションを可能としています。

【参考】株式会社シーズ・ホールディングス「2018年7月期 決算説明会」
【参考】株式会社シーズ・ホールディングス「グループ全体の強み」

積極的に定期販売やキャンペーンを展開するネスレ日本

コーヒーを主力製品とするネスレ日本株式会社は、法人・個人向けにコーヒーサーバを提供し、コーヒーカートリッジの定期販売を展開しています。

個人向けの「コーヒーアンバサダー」では、知人紹介プログラムの実施やショッピングポイントの配布を行い、顧客の定着化を図っています。その他にも顧客ニーズを抽出するアンケートキャンペーンも定期的に行い、顧客満足度向上に努めています。

【参考】ネスレアミューズ「キャンペーン」

顧客ニーズに合った商品提案を行うダイレクト出版

「知識の商品化」というコンセプトを基にコンテンツマーケティングを行う株式会社ダイレクト出版は、商品化した本やコンテンツを無料・低価格で提供することで、見込み客(リード客う)を獲得し、利用者のニーズに合った商品提案を行っています。

ダイレクトメールやSNSを使ったニーズの高い顧客へのアプローチの他、ユーザーアンケートの実施で得た顧客の嗜好に合った商品の提案を行っています。

【参考】ダイレクト出版「ビジネスモデル」

ダイレクトマーケティングを学べる本3選

近年、ダイレクトマーケティングに注目する企業が増えていることからもダイレクトマーケティングに関する書籍も多数発売されています。本章では、ダイレクトマーケティングを学べる、おすすめの書籍をご紹介いたします。

シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは

アメリカでダイレクトマーケティングに携わったマーケターが執筆した、マーケティングの基本を中心に解説された書籍です。ダイレクトマーケティングにおける購入者の心理にまで深堀して、解説してくれおり、「消費者に何を伝えるべきか?」を具体的に紹介しています。参考例も多数収録されているので、実例集として使用するのもおすすめです。

ダイレクトマーケティングだけでなく、マーケティングに関する幅広い知識や基礎を学びたい方にぜひ読んでほしい書籍といえます。

【参考】amazon「シュガーマンのマーケティング30の法則 お客がモノを買ってしまう心理的トリガーとは」

Facebook広告運用ガイド ダイレクトマーケティングに生かす売上直結の活用術

世界最大のSNSであるFacebook(以下、フェイスブック)でのダイレクトマーケティングの詳細を紹介した書籍です。Facebookのタイムライン上に表示される広告効果を最大化するための見出しの付け方や画像の選出方法のほかにも「どのようにテストを繰り返し、PDCAを回していけばよいか」を丁寧に解説してくれています。

フェイスブックはダイレクトマーケティングを行う有力なソーシャルメディアのため、フェイスブック広告の知識や出稿を考えている方にぜひ読んでいただきたい書籍です。

【参考】amazon「Facebook広告運用ガイド ダイレクトマーケティングに生かす売上直結の活用術」

実践ダイレクト・マーケティング

ダイレクトマーケティングの権威であるドレイトン・バード氏が執筆した、ダイレクトマーケティング事例を紹介した書籍です。ダイレクトマーケティングの基本から設計、成功させるためのノウハウの他、著者が検証済みの実例を数多く紹介してくれています。

ダイレクトマーケティングの基本を学びたい方だけでなく、売上停滞に悩む経営者にもおすすめしたい書籍です。

【参考】amazon「実践ダイレクト・マーケティング」

まとめ

  • 「顧客中心の価値創造」の重要性が増す中、顧客のニーズを把握・理解した上で最適な情報を提供し、購買率の増加やリピーター創出につながるダイレクトマーケティングが注目されています。
  • ビッグデータの活用やソーシャルメディアの台頭、間接部門のアウトソーシング化が普及したことにより、ダイレクトマーケティングは少人数での運用も可能です。
  • ダイレクトマーケティングは売上予測がしやすく、コンバージョンやROIといったKPIを設定しやすく、売上目標達成率を向上させることができるほか、顧客ニーズの把握や商品開発・改善に有効な情報の獲得も可能です。
  • ダイレクトマーケティングでは、ソーシャルメディアやSEO対策、PPC広告で集客を行うとともにRFM分析やKPI分析によるPDCAを繰り返すことで、精度を高められます。

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