はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年11月11日(日)更新

AISAS

AISASとは、インターネット普及後の購買行動モデルとして広告やマーケティング戦略に用いられています。このモデルは「Search(検索)」、「Share(共有)」というインターネット活用による消費者の行動特性が反映されているのが特徴です。積極的に情報検索や共有を行う消費者の行動を理解することは、ブランドや商品に対する施策に役立ちます。

AISAS に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

AISAS(アイサス)モデルとは

AISASモデルとはどのようなものなのでしょうか?ここでは、その意味と理論の特徴、誕生した時代背景についてご紹介します。

AISASの意味

AISASとは、インターネット時代の変化に対応した購買行動モデルのひとつです。「AISASの法則」「AISAS理論」と記載されることもあります。読み方は「アイサス」で、消費者の購買行動プロセスをAttention(注意・認知)、Interest(興味・関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)とし、それぞれの頭文字をとってAISASと呼ばれています。元電通の秋山隆平氏によって提唱され、2005年6月に電通が商標登録を行いました。

インターネットの普及によって消費者の購買に対する態度や心理は大きく変化したため、従来用いられていたAIDMAに変わる購買行動モデルとして活用されています。AISASモデルの登場後もSNSの普及などで消費者の購買行動は常に変化しており、これに対応するマーケティングモデルは次々と登場していますが、その多くはAISASの特徴を踏まえたものとなっています。

AISASの特徴

AISASの主な特徴としては、以下の2点が挙げられます。

  • 興味を持った商品についての情報をインターネットで検索して購買意思決定を行う
  • 消費行動は購買で終わらず、購入した商品についてインターネット上で共有する

インターネットの普及によって生じた「検索」と「共有」という消費者行動プロセスを組み込んだことが、このモデル理論の特性となっています。この特徴の表れとして、昨今では消費者によって共有された情報が第三者の購買行動プロセスにおける「注意・認知」や「興味・関心」、「検索」、「行動」を喚起させる役割を担うケースが増えています。

また、インターネットの検索によって得た情報が購入の決め手になるなど、商品購入に対する消費者の行動が積極的になっていることも表しています。

AISASが誕生した時代背景

1992年に日本で初めてインターネットプロバイダによる接続サービスが開始されて以降、インターネットは徐々に普及が進みました。モバイル機器の進化の後押しもあり、インターネット普及率が約70%に達した2005年頃には購買を取り巻く環境に様々な変化が起こりました。その一例として以下が挙げられます。

  • 商品に対する認知は、マスメディアを中心とした企業からの一方向コミュニケーションだけでなく、インターネットを利用した企業と消費者、あるいは消費者同士の双方向コミュニケーションが加わった
  • 商品についての情報収集の手段が、マスメディアによる受動的なものから口コミサイトやカスタマーレビュー、SNSなどインターネットを利用した能動的なものに変化した
  • 店舗によるリアルな市場に加えてネットショッピングなどサイバー市場が加わった

これにより消費者の購買行動プロセスにも変化したため、従来の購買行動に変わる新しいモデルとしてAISASが登場しました。

【参考】総務省/平成17年「通信利用動向調査」の結果

AISASの購買行動プロセス

ここでは、AISASの購買行動プロセスについてご紹介します。各プロセスについて知ることはマーケティング施策などへのモデル活用に役立ちます。

Attention(注意・認知)

消費者が商品に対してアテンションを引き起こすのは、従来からの店頭やマスメディアのほかに、インターネット広告やショッピングサイト、ブログ、口コミサイト、SNSなど多様化しています。

消費者の購買行動のはじまりは、アテンションをきっかけに起こります。インターネットの普及によって情報が過剰になったことで、消費者に商品を知ってもらうことがこれまで以上に困難になりました。そのため消費者に商品を認知してもらうためには以下のポイントを踏まえると効果的です。

  • フレームワークを活用して顧客セグメントの設定や顧客ニーズの把握を行い、顧客は誰なのか明確にする
  • ターゲットとなる顧客の注意・認知のプロセスについて調査した上で適切なメディアを選択する

商品やサービスと初めて出会うアテンションで消費者が持つ印象は、その後の興味・関心に繋がるか否かの分かれ道になるため、顧客についてよく知ることが前提として重要になります。

Interest(興味・関心)

認知した商品やサービスについて次の消費者行動は、商品に対する興味・関心のプロセスです。ターゲット顧客が商品に興味を持つためには、顧客の心を動かす必要があります。そのためのポイントは以下の2つが挙げられます。

  1. 顧客のニーズを満たす、あるいは顧客の価値観に合う商品であることを伝える
  2. 1の情報を提供する手法として適切なものを選択する(広告、記事、動画など)

顧客の興味や関心を喚起する内容の情報と伝える手段が適切であれば、商品やサービスだけでなく企業に対する信頼も高まり、次の購買行動に繋げる架け橋になります。顧客がどうしたら興味や関心を持つかを想定するために、ペルソナを設定して人物像を明確にすることも効果的です。

Search(検索)

興味や関心を持った商品やサービスに対する次の消費者行動は、消費者自身で検索を行って購入を検討するプロセスになります。商品の費用対効果など様々な角度から比較検討を行うほか、意思決定の判断材料を集めるために、インターネットでショッピングサイトのレビューや口コミサイト、SNSなど幅広く検索を行います。多角的に収集した情報を基に消費者は購入を検討し、意思決定を行います。

このプロセスで企業が購入意思決定に関与するためのポイントは、顧客の納得性を高める情報を提供することです。その手段は企業サイトやショッピングサイトのほか、SNSによる顧客とのコミュニケーションによって出てきた「商品やサービスについて知りたいこと」に応えることも有効でしょう。

Action(行動)

検索して検討した結果、実際に商品やサービスを購入するのがこのプロセスです。企業の行うマーケティング施策は、顧客を購買行動へと導くことが最も重要になります。

購買行動で確実に商品を購入してもらうためのポイントは、分かりやすく安心して購入できるように工夫を施すことです。例えば、インターネットのショッピングサイトの場合には、デザインや配色などユーザビリティを考慮して直感的に分かりやすくすることが効果的です。実店舗の場合には、顧客が確実に店舗に辿り着けるように情報提供を行い、商品を手に取ってもらうためにポップで目立たせるなどの工夫を行うとよいでしょう。

これは競合他社の商品に顧客を奪われないようにするためだけでなく、気持ちよく買い物できたことで次回の購入に繋がる可能性を高めます。

Share(共有)

商品やサービスを購入した顧客が、購買行動の経験や使用感などについてインターネット上で共有するのがこのプロセスです。顧客は購入した商品について納得感が高い場合には好意的に、低い場合には中傷的な表現で共有します。

購入者のレビューやソーシャルメディアで共有される口コミは、実際に購入し使用した経験に基づくためそれを見た第三者に説得力を与えるでしょう。また、SNSで繋がりのある友人や知人は顧客と近い関係にあるためその口コミ情報は信頼性が高く、購買行動に大きく影響します。

企業にとって有益な情報を共有してもらうためには、顧客の期待に応える努力や信頼関係を深めることがポイントになります。例えば、ネガティブな内容については社内で検討して改善策を施すことが必要な場合もあるでしょう。賞賛などポジティブな内容ついてはさらに強化するための対策を施すことで競合との差別化を図ると効果的です。

購買行動モデルの変遷

ここでは、代表的な購買行動モデルについてご紹介します。ターゲットとなる消費者の購買行動に応じたマーケティング施策を行うには、適切なモデルを選択することがポイントです。

AIDMAはマス広告による購買行動モデル

AIDMA(アイドマ)の法則は、1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した購買行動モデルです。一般的な消費者行動プロセスに基づいた購買行動モデルとして、マスメディアを中心としたプロモーション施策に日本の多くの企業で用いられてきました。

このモデルは、以下の5つの消費者行動プロセスの頭文字をとってAIDMAと呼ばれています。

  • A(Attention)注意・認知
  • I(Interest)興味・関心
  • D(Desire)欲求
  • M(Memory)記憶
  • A(Action)行動

消費者はマスメディアやマス広告によって商品の存在を認知します。次に商品の好みや、必要性などに応じて商品の購入を検討します。それによって購買の意思が決定すれば商品を購入する行動に至ります。

特に住宅や自動車のように、消費者が時間をかけて購入を検討する商品において有効なフレームワークとも言われています。

【関連】AIDMAの法則とは?5つの要素と関連フレームワークをご紹介

AISCEASはAISASモデルの購買決定プロセスを詳細化

AISCEAS(アイセアス)の法則は、2005年にアンヴィコミュニケーションズが提唱した購買行動モデルで、AISASモデルと同じく、インターネット時代の購買行動モデルのひとつです。

AISASモデルとの違いは、「検索」の後に「比較」、「検討」のプロセスを加えることで、認知後から購買意思決定までのプロセスを詳細化していることです。

このモデルは、以下の7つの消費者行動プロセスの頭文字をとってAISCEASと呼ばれています。

  • A(Attention)注意・認知
  • I(Interest)興味・関心
  • S(Search)検索
  • C(Comparison)比較
  • E(Examination)検討
  • A(Action)購買
  • S(Share)共有

消費者はマスメディアのほか、インターネットでの口コミや広告によって商品の存在を認知します。次に商品の好みや必要性に応じて、インターネットでの検索や口コミ、ブログなどで比較・検討を行い、商品の購入を検討します。

それによって購買の意思が決定すれば商品を購入し、使用した感想や評価についてブログやネット通販サイトのカスタマーレビューなどに情報共有します。

SIPSはSNS時代の消費行動モデル

SHIPS(シップス)の法則は、2011年に電通モダン・コミュニケーション・ラボが提唱した消費行動モデルです。

スマートデバイスの普及が進むなか、インターネットの活用は検索の他にソーシャルメディアの利用へと広がっています。このモデルは、ソーシャルメディア時代の消費行動プロセスを簡潔に表現したフレームワークとなっています。

このモデルは、以下の4つの消費者行動プロセスの頭文字をとってSHIPSと呼ばれています。

  • S(Sympathize)共感
  • I(Identify)確認
  • P(Participate)参加
  • S(Share & Spread)共有・拡散

消費者は、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアの情報から共感できる商品があると、インターネットの検索などでその商品について情報収集を行います。その結果、購買の有無に関わらず共感した商品についてFacebookの「いいね!」ボタンを押す、あるいはTwitterのリツイート機能で共感の輪に参加します。

こうしたSNS機能の活用によって、情報が共有、あるいは拡散されることでソーシャルネットワーク上の第三者に対する新たな共感へと繋がります。

Dual AISASはAISASの進化形

Dual AISAS(デュアル アイサス)の法則は、2015年にアタラ合同会社の有園氏が考案し、同氏と電通プロモーション・デザイン局とで改良された購買行動モデルです。

これは従来のAISASモデル(以下の図中「買いたいAISAS」)に加えて、認知した商品に対する共感からSNSなどを通して情報が拡散され広まっていく(以下の図中「広めたいA+ISAS」)という「二重構造」から成り立っています。

【出典】ウェブ電通報/“Dual AISAS”で考える、もっと売るための戦略。

これからはSNSや商品レビューを通して第三者へ情報を拡散するという消費者行動を、広告戦略として活用することも視野に入れたマーケティング施策が有効になるでしょう。

まとめ

  • AISASモデルは、インターネット時代における消費者の購買行動モデルの基本となるフレームワークです。
  • インターネットの普及により購買行動は多様化しています。そのため、今後は新たな消費者行動を想定したマーケティング施策を行うなどの工夫が求められています。
  • 購買行動モデルの活用は、ターゲットとなる消費者の購買行動に合わせてフレームワークを選択することがポイントです。

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計90,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 事業運営のキーワードが把握できる
  • 課題解決の事例や資料が読める
  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

この記事の関連キーワード

フォローボタンをクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードについて

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次