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2019年1月21日(月)更新

アカウントベースドマーケティング

アカウントベースドマーケティング(ABM)とは、優良な企業顧客をターゲットにパーソナライズされた効果的なアプローチを行なっていくマーケティング施策のひとつです。経営資源を有効活用するために、マーケティング戦略のひとつとして多くの企業で注目されています。本記事では、アカウントベースドマーケティングの意味や必要性、メリット、実践方法からABM導入におすすめのツールまでご紹介します。

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アカウントベースドマーケティング(ABM)とは

他部門との連携や、顧客との長期的な取引の実現が見込めるのがアカウントベースドマーケティングです。アカウントベースドマーケティングの意味や必要性、インバウンドマーケティングとの関係性を知ることで、理解を深めていきましょう。

アカウントベースドマーケティングの意味

アカウントベースドマーケティング(ABM)とは、自社が獲得すべきターゲット企業(優良顧客)を定義し、適切なタイミングとアプローチ方法で、顧客を開拓していくマーケティング施策です。

対象企業を設定してコンタクトポイントの有無を確認し、適切なコンタクトポイントを創出した上でアプローチすることで、必要最低限の労力で大口商談を実現できる営業戦略として多くの企業が注目しています。また、将来の優良顧客となり得る見込み企業の開拓にもつながりやすく、マーケティングオートメーション(MA)SFACRMといったシステムと組み合わせて運用されます。

従来のマーケティングでは、各部門が独立して、特定リストへの営業やマス向けアプローチ(マスメディアへの広告など)が主流でした。しかし、アカウントベースドマーケティングでは、予め企業データと顧客データを整合・分析し、各部門で連携してターゲット企業を特定してからアプローチします。

アカウントベースドマーケティングと似たアプローチ手法として、デマンドジェネレーションやコールドコールなどがあります。

デマンドジェネレーションとは

デマンドジェネレーションとは、営業部門に提出する、新規顧客(見込み客)案件を発掘する活動全般を指します。見込み客の獲得、見込み客の育成、そして見込み客の絞り込みの3つのプロセスを連携させて行われることが一般的です。

コールドコールとは

コールドコールとは、つながりや関係性がない新規顧客に対して、電話営業でアプローチを行う手法です。主にBtoB営業で活用されている営業活動を指します。

それぞれの違いを比較

アカウントベースドマーケティングとデマンドジェネレーション、コールドコールでは以下の点で違いがみられます。

項目 アカウントベースドマーケティング デマンドジェネレーション コールドコール
対象顧客 大口顧客(優良顧客) 新規顧客(見込み客) 不特定多数の新規顧客
実施方法 顧客を特定し、最適なアプローチの実施 見込み顧客の獲得・育成をした上での実施 電話営業中心のアプローチ
担当部署 マーケティング部・営業部 マーケティング部 営業部

アカウントベースドマーケティングの必要性

BtoBマーケティングにおいて、アカウントベースドマーケティングが必要とされている背景には、以下の理由が考えられます。

企業・顧客データの有効活用

現在のデジタルマーケティングでは、消費者などのエンドユーザーの属性は獲得しやすい一方で、公開されている企業データ(売上や規模、事業内容など)と自社の顧客データを適切に管理・活用している企業は少ないといえます。BtoB企業が効率的に経済活動を行うためには、企業データと蓄積された自社の顧客データを整合・分析し、自社にとって有益なターゲット企業を特定することが近道です。

アカウントベースドマーケティングは、公開されている企業データと自社の顧客データを整合・分析し、自社にとっての最適な優良顧客を可視化できます。そのため、法人向けアカウントベースドマーケティング(BtoBマーケティングABM)の導入を検討する企業が増えていると考えられます。

事業部制による弊害の打破

近年、事業部制(事業運営に関する責任や権限を事業部に委譲する体制)を採用し、社内の競争環境を促進しようとする日本企業が増えています。一方、事業部毎が独立していると、他部署の動向を知る機会が少なく、連携しづらいのがデメリットです。特にアプローチしたい見込み顧客が、社内の別部署の優良顧客であることすらも知られていないケースも多く、機会損失や無駄な業務の発生につながってしまうことも珍しくありません。

アカウントベースドマーケティングでは、ターゲット企業を企業全体のアカウントとして定義することで、先にご紹介した事態を回避できます。また、今まで他部署が構築してきたターゲット企業との良好な関係性を分析し、新たなタッチポイントを見い出すことも可能です。

インバウンドマーケティングとの関係性

アカウントベースドマーケティングと密接な関係性があるマーケティング手法が、インバウンドマーケティングです。インバウンドマーケティングとは、質の高いコンテンツやSNSを活用して、集客を行うプル型のマーケティング手法です。

アカウントベースドマーケティングは、特定したアカウント(企業)毎にアプローチ方法を検討します。優良顧客となり得るリード企業を獲得するためには、ターゲット企業に良質なコンテンツを訴求し、自社の商品(製品)・サービスに興味を持ってもらった上で、関係性を強化しなければいけません。

アカウントベースドマーケティングを成功に導く上でも、特定したターゲットアカウント(企業)にとって、有益なコンテンツを作成するインバウンドマーケティングが欠かせないと考えられます。

【関連】インバウンドマーケティングとは?意味、メリット、活用方法や成功事例をご紹介/BizHint

アカウントベースドマーケティングのメリット

アカウントベースドマーケティングを実施することで、企業は多くのメリットを享受できます。

経営資源の有効活用

アカウントベースドマーケティングは、対象顧客を特定した上で、最適化されたアプローチが実施されます。ターゲット企業が明確なため、マーケティング部門や営業部門の担当者を集中させることができます。

経営資源の有効活用は、ROI(投資利益率)を高める重要な要素であるため、ABM導入は効果的な経営戦略といえます。

顧客の売上最大化

アカウントベースドマーケティングでは、顧客とのタッチポイントや今までの商談内容を分析することで、販売戦略を多様化させることも可能です。

商品(製品)・サービス単位で顧客への販売戦略を考える際、営業担当は単価の高い商品(製品)・サービスを販売する傾向が強くなります。しかし、アカウント(企業)単位で販売戦略を考えた場合、単価が低い商品(製品)・サービスでも導入先が多いアカウント(ターゲット企業)であれば、十分な売上・利益を見込めます。

このようにアカウントベースドマーケティングは販売する商品(製品)・サービスの多様化やクロスセルを可能とします。

営業部門との連携強化

アカウントベースドマーケティングの導入は、マーケティング部門と営業部門の連携を強化してくれます。

営業部門の現場で培った考えや発想を、マーケティング部門の担当者に共有することができ、両者の認識を合わせた上でのターゲティングが可能です。また、「営業活動をアカウント(企業)毎にパーソナライズするため、成果につながりやすい」、「Eメールやイベント、Webコンテンツといった効果測定しやすいアプローチ方法を採用し、目標を達成しやすい」というメリットも得られます。

アカウントベースドマーケティングの実施方法

アカウントベースドマーケティングの実施方法には、ある程度、共通点が存在します。今回はアカウントベースドマーケティングの実施方法をご紹介いたします。

顧客の洗い出し

アカウントベースドマーケティングでは、ターゲティングすべきリード顧客の洗い出しから始まります。企業名からのリストアップから始まり、ビジネスインテリジェンス(売上高や取引頻度、企業規模などの企業データ)を基に顧客の優先順位をつけていきます。

ターゲット顧客の調査

洗い出した顧客をひとつひとつ分析していき、ターゲット企業とすべき優良顧客を決定していきます。そのためにも選定の基準を定義することが大切です。選定基準の決定には、一般公開されている企業データと、現在までの自社の売上の大半を占める企業の属性を照らしあわせながら、定義していくことが効果的です。

企業の組織構造を分析し、組織内で決裁権を持つ重要な人物を特定するなど、アカウント(企業)毎に調査していきます。また、中長期的な視点で優良顧客となり得る顧客の調査も同時に行います。これらの調査作業には、企業データと自社の顧客データを紐付け、分析・抽出してくれるABMツール(アプリケーション)の活用がおすすめです。

最適化されたコンテンツの準備とチャネルの決定

自社がアプローチすべきアカウント(企業)を特定した後は、アカウント(企業)毎に最適化されたコンテンツとメッセージを準備します。対象企業の課題解決につながるような価値の高いコンテンツを用意した上で、顧客にきちんと届くようなチャネルを決定していきます。

近年では、WebやSNS、イベント(展示会)、ダイレクトメールなどのチャネルを活用することが多いといえますが、業界やターゲット企業によっては、紙媒体といった従来のチャネルが有効な場合もあります。そのため、最先端技術を活用したチャネルに特化するのではなく、特定したアカウント(企業)にふさわしいチャネルを選択することも大切です。

コンタクトポイントの設置

最適化されたコンテンツの準備とチャネルの決定が完了した後は、アカウント(企業)へのコンタクトポイントの有無を確認します。コンタクトポイントの創出・設置方法は多様化しており、従来のイベントでの名刺獲得やWebサイトでの会員登録、コールドコールによる意思決定者の特定も有効です。

一方で、SNS広告やIPアドレスを活用した広告バナーの設置などWebマーケティングの技術も向上しており、効率的なコンタクトポイントの創出・設置も可能です。また、獲得した顧客情報はマーケティングオートメーション(MA)ツールやSFACRMと組み合わすことで、精度の高いアプローチが期待できます。

キャンペーンの実施と効果測定

ターゲット企業とのコンタクトポイントを設置(または創出)した後は、ターゲット企業に最適化されたキャンペーンを実施して効果を測定するなどPDCAを回していきます。アカウントベースドマーケティングを前提としたABMツール(アプリケーション)も登場しており、ターゲット企業毎にパーソナライズされたキャンペーンを迅速に展開する環境が整いつつあります。

そのため、単体のキャンペーンだけではなく、複数のキャンペーンを実施した上で優良顧客の開拓を行うことが大切です。Webサイトの訪問率やDMの開封率、展示会などのイベントでの反応といったさまざまな顧客の反応を分析し、その都度、キャンペーンの内容を最適化していきます。

アカウントベースドマーケティング向けのおすすめツール3選

近年、アカウントベースドマーケティングだけでなく、迅速なマーケティング活動が行える環境が整いつつあります。今回はアカウントベースドマーケティングにおすすめのツールをご紹介いたします。

株式会社マルケトのABMアプリケーション

さまざまなマーケティングプラットフォームを提供する株式会社マルケトは、アカウントターゲティング機能やマルチチャネルでの獲得率、そして収益ベースでのアカウント測定などアカウントベースドマーケティングに必要な機能を集約したアプリケーションを提供しています。

また、マーケティング部門や営業部門といった他部門との迅速な連携機能や対象顧客毎のアカウントベースドマーケティングプログラムの最適化などの機能も備わっており、自社のアカウントベースドマーケティングの促進が可能です。

【参考】株式会社マルケト:ABMアプリケーション

FORCAS

アカウントベースドマーケティングツールを開発する株式会社FORCASは、成約確度の高いターゲット企業の自動抽出に長けたABMアプリケーションを提供しています。既存顧客の傾向を自動分析し、成約確度の高い見込み顧客を抽出してくれます。また、既に導入されている営業リストや名刺データなどの顧客データの統合、さらにはマーケティングオートメーション(MA)ツールやSFACRMとの連携も可能です。

ターゲット企業の情報をまとめて表示することが可能なため、顧客アプローチの手間を大幅な削減が可能です。

【参考】株式会社FORCAS:ABM実践を強力にサポートするBtoBマーケティングツール

uSonar

中堅・大手企業向けデータベースマーケティング支援事業を担う株式会社ランドスケイプは、優良顧客の名寄せやデータクレジングが可能なデータ統合ツール「uSonar」を提供しています。日本最大の企業データ「LBC」を搭載しており、マーケティング対象となる自社の顧客データを統合した包括的なデータ分析を基に市場・顧客理解を促して重点的にアプローチすべき企業群を可視化します。

従来のマーケティングオートメーション(MA)ツールやSFACRMとの連携も可能です。

【参考】株式会社ランドスケイプ:ABMを実現するデータ統合ツール「uSonar」 ~日本最大データを活用した顧客データの整備・統合によりCDPを実現し、ABMを支援~

まとめ

  • アカウントベースドマーケティングとは、自社にとって優良な顧客企業を可視化・特定し、アカウント(企業)毎に最適化されたアプローチを行うことで、効率的な営業活動を見込めるマーケティング施策です。
  • アカウントベースドマーケティングが必要とされる背景には、ターゲット企業情報の不足と事業部制のよる弊害が挙げられます。
  • アカウントベースドマーケティングのメリットには、経営資源(人材)の有効活用、ターゲット企業へのクロスセル、営業部門などの他部門との連携、アプローチ方法の効果想定のしやすさなどが挙げられます。
  • アカウントベースドマーケティングの実施には、顧客の洗い出し、ターゲット顧客の調査、最適化されたコンテンツの準備とチャネルの決定、コンタクトポイントの設置、そしてキャンペーンと効果測定の実施が重要です。

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