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2018年12月18日(火)更新

KSF

KSFとは事業における成功要因のことです。多様化する顧客ニーズの変化に対応しながら事業成功のための優位性を獲得していくためには、フレームワークを活用して分析を行い、KSFを抽出して様々な経営戦略に活用することが重要になってきます。本記事では、KSFの意味とその必要性、KPIやKBFなどとの関連性や分析手法などについてご紹介します。

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KSFとは

KSFはどのような時に用いるのでしょうか?ここでは、その意味と必要性についてご紹介します。

KSFの意味

KSFはKey Success Factorの頭文字で、訳すと「カギとなる成功因子」となります。つまりKSFとは、事業成功のカギとなる要因のことで、戦略目標達成の成否に関わる重要な要素となります。

経営戦略や販売戦略、マーケティングなど事業における様々な戦略立案に活用するために、市場などの外部環境や自社の内部環境を分析して抽出を行います。これとほぼ同義の意味合いで使われる他の用語には、KFS(Key Factor for Success)やCSF(Critical Success Factor)があります。

KSFの必要性

昨今、これまでになく企業経営における戦略の重要性が高まっています。

その理由として、大量生産大量消費の時代を経て市場には商品やサービスが常にあるのが日常化したため、多様化する顧客ニーズへの柔軟に対応することが消費者の購買を左右する時代へと変化しています。また、インターネットやSNS の普及など情報技術の発達や規制緩和などによる市場の発達により、競争優位の獲得にはスピードが求められています。

こうした変化により、経営戦略における判断材料は複雑化しつつも迅速化が求められるため、分析からKSFを抽出して戦略策定に活用することが事業成功の有効な手段となっています。

KSFの関連用語

KSFと関連性のある用語に、KGI、KPI、KBFがあります。ここでは、各用語の意味と関連性についてご紹介します。

KGI

KGIは、Key Goal Indicatorの頭文字で、「重要目標達成指標」と和訳されます。その意味は、経営の最終目標達成を評価するために最も重要な指標のことです。定量的な数値で設定され、経営の最終目標の達成度を測定するために用いられます。

KGIの具体例として、売上高や利益率、成約件数などがありますが、最終目標として最もふさわしいものを指標として設定します。事業成功に繋げるにはKGIの設定時にKSFを考慮することが効果的です。

【関連】「KGI」の意味とは?KGIとKPIの違いを徹底解説/BizHint

KPI

KPIは、key performance indicatorの頭文字で、「主要業績評価指標」と和訳されます。その意味は、業績評価指標の中で特に重要な指標のことです。経営をはじめ様々な戦略目標達成に向けた進捗の度合いを把握するための目安として定量値で設定されます。

最終ゴールであるKGIに対する中間目標としての役割を果たすため、週あるいは月単位など一定の期間毎に計測することで実行状況を把握し、改善に役立てることができます。KSFに基づいたKGIとKPIを設定することで、成功に向けた経営戦略に対する一貫性のある指標として有効性が高くなります。

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KBF

KBFはKey Buying Factorの頭文字で、「購買決定要因」と和訳されます。その意味は、顧客が商品やサービスの購入を決定するときに重視する商品の構成要素のことです。

例えばスマートフォンを購入する場合、バッテリーやユーザビリティ、防水など実用性のほか、デザイン性、ブランド、価格などが商品の構成要素として挙げられます。その中から自社商品のターゲットである顧客のKBFを把握することが、KSF抽出の重要な手掛かりとなる場合もあります。

KSF抽出のための分析手法

KSFを抽出するには適切なフレームワークを選択して分析を行うと効果的です。ここでは、抽出に用いられる主なフレームワークについてご紹介します。

3C分析

3C分析は、外部環境分析であるCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、そして内部環境分析であるCompany(自社)の3つの視点から分析を行うためのフレームワークです。

分析の手順はまず、市場・顧客分析を行って市場環境と顧客、さらに顧客ニーズについての状況や変化を把握します。これによりKBFを見出すことができます。次いで競合分析を行って競合の強み弱みや顧客ニーズに対応するための動向を把握します。最後に自社分析を行い、自社について状況を把握して競合との比較や自社の評価を行います。こうして顧客ニーズを満たして競合との差別化や優位性を獲得するためのKSFを抽出します。

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SWOT分析

SWOT分析は、内部環境分析であるStrengths(強み)、Weaknesses(弱み)、そして外部環境分析であるOpportunities(機会)、Threats(脅威)の4つの視点から分析を行うためのフレームワークです。

分析の手順はまず、外部環境に対する「機会」と外部環境からの「脅威」について分析を行い、自社にとって「機会」や「脅威」となりうる外部環境要因について把握します。例えば調査する外部環境要因としては、経済や政治の情勢、テクノロジーの発展による変化、顧客ニーズ、競合の動きなどが挙げられます。次に内部環境における「強み」と「弱み」について分析を行い、競合と比較して相対的な自社の強み弱みを把握します。

最後にクロスSWOT分析を行うことで競争優位性を獲得できるKSFを抽出します。

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バリュー・チェーン

バリュー・チェーンは、事業における主活動(購買、製造、販売、サービスなど)と支援活動(企業基盤、経営資源、技術開発など)の、どの工程で価値を生み出しているかを分析するためのフレームワークです。これは内部環境分析を行うために用いられます。

分析の手順はまず、自社における主活動と支援活動をリストアップし、図式化します。次に各レイヤーのコストや強み、弱みについて分析を行い、自社の現状を把握していきます。最後にVRIO分析のフレームワークを用いてValue(価値)、Rareness(希少性) 、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)の4つの視点から経営資源について分析を行い、各レイヤーについての競争優位性レベルを把握します。

このようにして自社の強みや優位性について明確に把握することによりKSFを抽出することができます。

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PEST分析

PEST分析は、外部環境についてPolitics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの要因から分析を行うためのフレームワークです。分析を行うことで4つの要因について掘り下げて把握することができます。

各要因について分析する項目の例としては以下が挙げられます。

  • 政治:市場の変化に影響を与えるもの
    例/法改正や税制、政治動向など
  • 経済:顧客の価値観に変化に影響を与えるもの
    例/景気や株価、賃金、物価など
  • 社会:顧客ニーズの変化に影響を与えるもの
    例/人口構成、トレンド、世論など
  • 技術:商品の生産やマーケティングなどに影響を与えるもの
    例/新しい技術、インフラ、特許など

これにより外部環境の状況を把握して自社に与える影響を「脅威」と「機会」の側面から捉えることで、差別化や優位性獲得につながるKSFを抽出します。

【関連】PEST分析とは?やり方やテンプレートをご紹介/BizHint

5F分析

5F分析は、外部環境である業界について「業界内競合」、「売り手」、「買い手」、「代替品」、「新規参入」の5つの要因から分析を行うためのフレームワークです。分析を行うことで5つの要因について掘り下げて把握することができます。

各要因について分析する項目の例としては以下が挙げられます。

  • 業界内競合:競合との競争関係を激化するもの
    例/業界の成長性、競合の資本力やブランド力など
  • 売り手:売り手の交渉力が強まることで原材料費の高騰により利益を低下させるもの
    例/サプライヤーの企業数や寡占の有無、サプライヤーとの力関係、サプライヤー切替えの可能性など
  • 買い手:買い手の交渉力が強まることで商品価格の低下により利益を低下させるもの
    例/販売業者の数や需要と供給のバランス、買い手との力関係など
  • 代替品:代替品により自社商品の脅威となるもの
    例/代替品となる商品、代替品の価格、代替品が提供する価値など
  • 新規参入:新規参入により自社商品の脅威となるもの
    例/法整備による規制の有無、技術水準の程度、市場の経済規模など

これにより業界の構造を把握することで、競争優位を確保する立ち位置を見つけてそのポジションを獲得するためのKSFを抽出します。

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KSFを導くためのポイント

ここでは、分析から有益なKSFを抽出するための重要なポイントについてご紹介します。

ファクトベースで思考する

ファクトベースとは「事実に基づく」ことで、論理的思考の基本として重要視されています。ある問題について論理的に考えたとしても、それが事実に基づいて思考した結果導き出された結論でなければ解決策として無益なものになってしまいます。

これは、自社ビジネスの成功要因を見出す場合にも役立つ重要な考え方で、KSF抽出における「事実に基づく」必要性は次の2つが考えられます。

  1. 分析のために収集した情報が事実かどうか
  2. フレームワークで整理した情報を分析するときに固定観念や通説などの先入観が入っていないか

1については、特に2次情報の場合には情報元の信頼性について確認する必要があります。2については、個人の持つ固定観念や従来の常識などに囚われて分析を行うと、戦略的な発想を妨げるおそれがあるため注意が必要です。

ファクトベースで思考することにより抽出されたKSFなら、トップの経営者に対しても説得力が高まります。

構造的に理解する

KSFを抽出する場合には、多岐に渡る情報を扱うため情報量も多くなります。それらをフレームワークによって情報を整理しただけで把握することは難しいでしょう。そこで全体を構造的に捉えることが理解を促進します。このときのポイントは2つあります。

  1. 情報から見えてくる事象を構造化して捉える
  2. 事象同士の関係性に着目して体系的に捉える

1については、フレームワークで大まかに構造化された状態から更なる理解を促進するために、他のフレームワークを併用する、あるいは独自の切り口で構造化してみるとよいでしょう。2については、事象同士の関係性に着目し、因果関係についても考えてみると体系化しやすくなります。

このようにしてフレームワークの活用をさらに一歩踏み込むと、全体を体系的に捉えやすくなるため、隠れていた問題や改善点などが浮かび上がってくるメリットもあります。

問いを繰り返す

分析の結果から見出した成功要因の中からさらにKSFに絞り込んで行く場合に役立つのが、ロジカルシンキングで用いられる「so what?」と「Why so?」です。それぞれ使い方のポイントは以下に挙げられます。

  • so what?(だから何?)で、根拠となる事象に対して問いかけた答えが成功要因であるかを検証する
  • Why so?(それはなぜ?)で、成功要因に対して問いかけた答えが根拠となる事象であるかを検証する

このso what?とWhy so?の2つの問いを、分析者がKSFに対して確信を持てるまで繰り返すことが大切です。こうして抽出されたKSFこそ、戦略の立案に必要な要素になります。

まとめ

  • KSFとは、事業成功の可否を決める要因のことです。KSFを考慮してKGIやKPIを設定すると経営戦略に対する一貫性が図れます。
  • KSFを抽出する場合には、ファクトベースで構造化して全体を体系的に捉え、問いを繰り返して検証することがポイントです。
  • 競争の激しい業界では、KSFに基づく戦略だけで差別化や優位性を獲得するのが難しい場合もあり、積極的にKSFを創出していく姿勢が必要です。

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