はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年12月20日(木)更新

BtoBマーケティング

BtoBマーケティングとは企業が法人顧客に対して行うマーケティング活動です。BtoB取引は取引額、期間、決裁のプロセスに特徴があり、近年変化しつつある顧客の情報収集の方法に応じた戦略が必要です。本記事ではBtoBマーケティングの意味、手法、課題や成功事例をご紹介します。

BtoBマーケティング に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

BtoBマーケティングとは

ここでは、BtoBマーケティングの意味や、BtoCマーケティングとの違い、今BtoBマーケティングの手法が変わりつつあり注目されている理由をご紹介します。

BtoBマーケティングの意味

BtoBマーケティングとは、法人顧客に対して行うマーケティング手法です。BtoBとはBusiness to Businessの略で、企業間の取引を指します。例えば、医療用医薬品やソフトウエア開発など顧客企業向けに商品・サービスを提供する取引が、BtoBに当たります。

BtoB取引の主な特徴は「扱う金額が大きい」「長期的な取引になることが多い」「品質や納期に厳しい要求がある」ことなどが挙げられます。そのため、顧客企業は取引の経済的な合理性や相手企業の継続性、品質・供給体制の保証を重視します。

また、決裁は購買担当者、決裁責任者、実際の使用者などの間で組織的に決定されます。

よって、BtoBマーケティングでは情緒面よりも論理的な合理性や財務状況や導入実績などの信用力、商品・サービスの品質確保、提供体制への取り組みの訴求が重視される傾向があります。

さらに、購買担当者の考え方だけでなく相手企業の意思決定のプロセスを理解した上で、組織ごとに最適な訴求を行うことが重要です。

BtoCマーケティングとの違い

BtoCマーケティングとは、企業が個人消費者を対象に行うマーケティング活動です。BtoCとはBusiness to Consumerの略で、日用品や食料品のような消費財や不動産・自動車のような長期的に保有する資産性を持つものまで幅広い商品・サービスがあります。

BtoC取引をBtoBと比較すると「扱う金額が小さい」「一度のみの超短期から長期まで幅がある」「品質や納期が重視されないこともある」などの特徴があります。また小額なものでは価格、ブランド、品質に問題がなければ情報収集は省いて直感的に購入を決めるケースもあり、購入者や身内が使用者でもあり決裁責任者であるケースが普通です。

よって、BtoCマーケティングでは、価格、利便性などのシンプルなコストパフォーマンスやブランドの認知度や好感度など、情緒面での訴求が重視される傾向があります。また、消費財などは別ブランドへの乗り換えも頻繁に起こりうるため、飽きさせず、長期的に好まれる工夫も重要です。

BtoBマーケティングが注目される理由

近年はBtoBマーケティングの方法が変化しつつあり、新しい方法が注目されています。

従来から行われているBtoBマーケティングは、広告や出版、セミナーでの見込み顧客の集客、イベントへの出展、営業担当者によるテレアポ・メール・訪問など企業側から発信する手段が一般的です。

これでは、顧客が自力で情報収集するには、積極的に情報を発信している企業しか見つけることができず、また、商品や企業の詳しい情報を知るためには営業担当者にその都度問い合わせが必要なため、双方に労力がかかる点が課題でした。

ところが、近年は顧客企業の情報収集の手段が多様化しており、目的の情報を探すことが容易になりつつあります。例えばSNSや、役立つ業界知識や自社の魅力を詳しく紹介するオウンドメディアの出現、あるいはダウンロード資料の配信やイベント形式の多様化など、情報のマッチングの接点の選択肢が広がっています。

顧客はWEBで事前に情報収集できるため、問い合わせ段階で購入を前提にしているケースも増えています。そこでBtoBマーケティングは、従来型の自社からの情報発信に加えて、見込み顧客がWEBなどで情報収集したタイミングで確実に認知を獲得し、必要な情報は可能な限りあらかじめ提供してスムーズなリード化に繋げようとする手法も注目されています。

BtoBマーケティングの手法

ここでは、BtoBマーケティングの手法と流れを紹介します。代表的な手段には以下のものがあります。

  • 広告…マス広告、リスティング広告
  • 出版…認知目的で自社のノウハウ・専門知識などを書籍出版
  • セミナー…見込み顧客向けに経営課題の解決方法を提案
  • イベント出展…同業が集まるエキスポなどへ参加
  • ダイレクトメール…新機能や価格、新サービス、導入事例などを発信
  • SNS…ツイッター、フェイスブック、ライン等で告知や紹介など
  • 自社メディア…オウンドメディア、ブログを構築
  • ホワイトペーパー…パンフレットやダウンロード資料で詳細な情報提供

近年BtoBマーケティングではITを活用した情報収集が一般化し、自社のオウンドメディアなどに記事、動画など様々なコンテンツを掲載して顧客の悩み解消や集客、さらに成約へと繋げる手法が増えています。

自社メディアや資料など様々なコンテンツを活用するマーケティングの手法をコンテンツマーケティングと言い、BtoBマーケティングでもこのようなコンテンツ主体の考え方が活用できます。

マーケティングの流れ

BtoBマーケティングの流れを紹介します。集客、リード、成約というプロセスはBtoCの場合と同じですが、BtoBでは買い手の企業組織が決定するため、成約に至るまでの意思決定の方法に特徴があります。

見込み顧客を集客

BtoBマーケティングで見込み顧客に認知してもらう段階では、様々なチャネルの活用が考えられます。例えば、広告やセミナーなど従来型の手段だけでなく、上述のようなSNS、自社メディア、ホワイトペーパーなどの手段を併用することも有効です。

BtoBマーケティングの集客ポイントは、ターゲティングを明確化することです。特に扱う製品・サービスがどんな業種でも必要なものではなく、ごく一部の業界でしか使わないようなニッチなものである場合、ターゲティングの段階でミスマッチをしてしまうと致命的になることがあります。

また、情報発信そのものも大切ですが、ターゲットである見込み顧客の企業がどのような課題を抱えているのかを適切に理解し、その興味関心に応える訴求の方法が有効です。

また、自社以外にも見込み顧客の悩みを解決する方法がある場合、顧客目線で様々な可能性を研究して自社のユニークな優位性を把握していれば、効果的に訴求できる可能性があります。

興味関心を獲得し検討に繋げる

多くの一般消費者を対象にするBtoCとは違い、BtoBの商品・サービスは価格が高い代わりに流通量が少ないという特徴があり、買い手にとっては機能や耐用年数など関心がある情報がそれほど出回っていないという課題があります。セミナーへの参加や売り手への問い合わせや商談での確認も選択肢のひとつですが、WEBサイトの情報で解決できれば、その方が便利です。

上述のようなコンテンツマーケティングの考え方を元に様々なチャネルを活用すれば、オウンドメディアやSNSなどを通じて見込み顧客に解決策を提示できます。顧客にとって情報収集の手段や検討材料が増えるだけでなく、自社にとっては集客と問い合わせ対応の一部機能を自動化することができます。

【関連】コンテンツマーケティングとは?メリットや種類、実践方法、事例などご紹介/BizHint

リード化から営業部門でのクローズ

リード化に成功した後は営業担当者が顧客と直接コミュニケーションを行います。リードという言葉は「見込み顧客」「見込み顧客からの問い合わせ」など様々な解釈がありますが、ここでは後者の意味で使います。

見込み顧客はWEBコンテンツやセミナーなどでの情報収集を経てリードの段階では購入を前向きに検討していることもありますが、そうであっても金額の大きさ、導入の労力、社内稟議が必要などの理由で、検討期間は長くなり、導入までの営業活動も長期化する点がBtoB取引の特徴です。

そのため、BtoBマーケティングでは、商品紹介、導入シミュレーション、価格交渉、社内説明、決裁者の承認などと順に手続きを踏んでいくことになり、長期的な付き合いになるケースが多くあります。見込み顧客との長い関係で徐々に関心を高めて成約に近づけていくことを「育成」という意味でナーチャリング(Nurturing)と呼びますが、これはBtoBマーケティングで多く見られる特徴です。

ナーチャリングのポイントは、見込み顧客企業の様々な当事者の要求を把握することです。例えば、業務用ソフトウエアの導入で購買担当者は価格にメリットを感じて前向きだったとしても、使用者は高額で使い勝手が良い他社商品を希望し、決裁者は納期を重視しているというケースもあり得ます。

また、見込み顧客の情報を管理し、SNSやメールなどを活用して継続的に情報発信をコントロールするマーケティングオートメーション(MA)というツールを利用するのも一つの手段です。いずれにせよ、当事者のニーズを捉えた継続的な情報発信や提案が重要です。

BtoBマーケティングの課題

BtoBマーケティングならではの課題について、自社組織と顧客企業に関する代表的なものをそれぞれ紹介します。前者は部門間の連携不足で、後者は顧客企業の組織体制を理解することの困難さです。

部門間の連携

部門間の連携不足は、特に分業が確立されている組織でBtoBマーケティングを行う際に起こりやすい課題です。

例えば、マーケティング担当者は新規事業の拡大方針が有効だと分かっていても開発部門は既存事業に注力しているなど横関係のねじれ状態のケースがあります。その他には、マーケティング部門の施策が現場に正しく伝わらないなど縦関係の連携不足のケースです。

このような連携不足が起こると、戦略策定と実践という基本的なプロセスが非効率になってしまうだけでなく、顧客企業に対して整合性がとれたアプローチが難しくなる問題があります。

顧客企業によっては不動産取引やシステム部門などで専門的な担当者が最新情報を欠かさずに収集しているケースもあります。その場合、自社の広報と営業との間で連携がとられていなければ、見込み顧客が入手している情報と営業担当者の認識に差異が生まれ、混乱を招くことも考えられます。

例えば「AI」(人工知能)や「ビッグデータ活用」などの流行しているワードは、基礎知識がなければ誤解しやすい分野でもあります。まだ実用化されていない技術を広報部が未来ビジョンとして積極的に宣伝するのは企業ブランドにプラスになる一方、実際の企業の技術水準よりも顧客が過度に期待を抱いてミスマッチを起こすケースもあります。

ターゲット企業の組織を把握

BtoBマーケティングでは顧客企業の組織体制を把握することも大きな課題です。

上述のBtoCマーケティングとの違いの説明でも触れたように、BtoCでは購入者が直感と独断で購入を決めることが多いですが、BtoBで企業が買い手になる場合は社内の関係者に導入の意義を説明して合意を取り、決裁者に承認を受けるなど複雑なプロセスを踏む必要があります。

具体的な課題としては、顧客の企業組織としての決裁プロセスを理解することです。 その例としては以下が挙げられます。

  • 購買担当者の直属の上司の役職
  • 最終決定は何の会議でどんな手続きがあるか
  • 実質的な決定権は誰が持っているのか
  • 形式的には決裁者ではないがキーマンは誰か
  • ユーザーは何に関心を持っているのか

また、決裁でポイントとなるコアの要素を理解することも欠かせません。

顧客がコスト重視なら、予算規模や商品の費用対効果を把握することが必要です。あるいは納期重視であれば、コストがかかってでも人員を集中的に投下して導入期間を短縮する提案が求められる可能性があります。

予算、機能、補償など、顧客の求める要素は優先順位とともに正確に把握することが重要です。

BtoBマーケティングの成功事例

BtoBマーケティングでもオフラインよりもオンラインのチャネルが重視される傾向になりつつあり、顧客が検索エンジンなどで情報収集した際に満足な情報をわかりやすく発信できているかどうかが重要です。

ここでは、一般的な広告やセミナーといった手法に加えてWEBを有効活用している2社の例をご紹介します。

ストライクのオウンドメディア活用例

株式会社ストライクは、専業M&A仲介会社です。M&Aとは企業同士の合併吸収を指し、仲介会社は完全にBtoBの業態です。M&Aは事業経営だけでなく会計や法務などの専門知識も必要な上に、会社の命運を左右するほどの重要事項であるため、信頼感と説得力を持たせるマーケティング戦略が必要です。

近年は経営者の高齢化や後継者不足を背景に、M&A件数は増加傾向で経営者からの需要も増えていますが、多くの経営者は一般的にM&Aを経験したことが無く知識不足のため、信頼できる情報を求めています。従来から情報収集の手段は書籍、セミナー、付き合いのある金融機関、税理士・顧問弁護士などの専門家への相談が一般的ですが、WEBで手軽に調べたいというニーズも増えています。

ストライクはオウンドメディア「M&A Online」を運営しており、M&Aに関する最新ニュースや、リアルタイムで進行中のM&A案件、M&Aの様々な種類や手続きの解説、公認会計士や弁護士など専門家によるコラムも掲載しています。良質なコンテンツで集客に成功しており、月間100万PVを達成しています。(2018年12月時点)

また、ストライクはホームページでも積極的に情報発信をしています。例えば、仲介実績や自社の取り組みについての最新情報に加え、「M&A市場SMART」というページで新たな売り手・買い手企業の情報を掲載するなど、M&Aを検討している企業なら定期的に訪問したくなるWEB戦略を取っています。

M&Aは他の業種と比較して成約件数は多くありませんが、顧客が仲介業者を探す際の自社サイトへの集客、セミナー参加、リード、受注、成約につなげるマーケティングの導線などがスムーズな事例です。そのため、ストライクは同業の日本M&AセンターやM&Aキャピタルパートナーズと合わせて、専業M&A仲介の大手三社と呼ばれています。

【参考】 ストライク「M&A仲介とM&A市場SMART運営のストライク」

NECの情報発信によるナーチャリング

NEC(日本電気株式会社)は電気機器やシステム開発に強みを持つ大手メーカーで、大企業や官公庁のシステム開発や通信事業で売上高の8割程度を稼ぐBtoB企業です。

NECはホームページで「セキュリティ」「AI」「IoT(モノのインターネット化)」など、法人企業にとって関心が高まっているテーマに関するコンテンツを多数用意しています。サイト内を回遊すれば、コラムや動画で最新の技術動向が一通り理解できるだけでなく、ソリューションの導入事例も確認することができます。

技術的な用語は顧客が関心を持っていても、専門知識がなければ理解することが難しく、自社ビジネスにどう役に立つのかイメージしづらい課題があります。これを解決するために、具体的な事例がコンテンツ形式で紹介されているほか、技術を活用した作品の展示会や法人向けセミナーなども開催しており、技術力を訴求する場を設けています。

また、サイトから資料(ホワイトペーパー)をダウンロードできますが、その際に顧客情報を入力させるようになっており、メールマガジン、パンフレットの送付、セミナー紹介によりリード化や長期的な関係構築に結びつける仕組みになっています。

M&Aと同様、ITソリューションの導入は顧客企業にとって多額の費用や人員の確保が必要になる大きな決断のため、十分な社内調整と経済的なメリットの検討が必要です。NECの継続的な情報発信は、長期にわたるコミュニケーションによって成約に結びつけるナーチャリングの意味があり、顧客の長い購買行動の様々な場面での意思決定を助ける狙いがあると思われます。

【参考】NEC/セグメント情報
【参考】NEC「ソリューション・サービス」

まとめ

  • BtoBマーケティングとは、企業が法人顧客に対して行うマーケティング活動で、信頼性の重視や取引額の大きさ、長期視点などの特徴があります。
  • BtoB取引でも顧客がITによる情報収集の環境が整ったことで、WEBでのコミュニケーションが重要になっています。
  • BtoBマーケティングはリードから成約まで長期間にわたるコミュニケーションが必要なため、ナーチャリングの考え方が有効です。

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計90,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 事業運営のキーワードが把握できる
  • 課題解決の事例や資料が読める
  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

この記事の関連キーワード

フォローボタンをクリックすると、キーワードをフォローすることができます。

キーワードについて

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次