インフルエンサー
インターネット技術やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の発展により、個人が自由に発信できる世界が浸透し、ビジネスの世界にも大きな影響を与えています。今回はビジネスの世界でも注目されているインフルエンサーの意味やインフルエンサー・マーケティング、インフルエンサー起用のメリットから活用事例をご紹介いたします。
インフルエンサーの意味とは
インフルエンサーとは、 一般社会や他者に大きな影響を与える、もしくは発信力を有する人物を指す 、マーケティング関連用語です。
ビジネスの世界では、インターネットマーケティングにおいて活用されることが多く、SNS(フェイスブックやインスタ)やブログ、動画サイトなどの特定のコミュニティを活用し、消費者の共感を喚起し、購買意欲に結びつける効果が期待できます。
中でもSNS上でのインフルエンサーの活躍は著しく、芸能人・タレントだけでなく、一般人出身の方でも大きな影響力を持つインフルエンサーも登場しています。
仮想通貨におけるインフルエンサーとは
インフルエンサーの存在が大きいといわれるジャンルの一つとして、「仮想通貨」が挙げられます。
為替や株式市場と異なり、世界中で24時間365日取引が行われている仮想通貨業界においては、最新情報の取得や適切な売買タイミングの把握は、仮想通貨取引での生命線といえます。そのため、仮想通貨取引に精通したインフルエンサーは、仮想通貨初心者や運用者の多くがフォローし、仮想通貨の魅力や将来の可能性を伝えている重要な役割を担っています。
仮想通貨という新しい技術が話題性を持ち、世間一般から注目された経緯には、少なからずともインフルエンサーの影響があると言っても過言ではないでしょう。
このように、SNSで活躍するインフルエンサーは、まだ世間一般に広がっていない、新たな商品(製品)・サービスや価値観の普及に大きな影響力を持っています。
今回はさまざまな業界で活躍するインフルエンサーの中でも、今後の新商品(製品)・サービスの普及に大きな鍵を持つSNSにおけるインフルエンサーについて、ご紹介いたします。
インフルエンサーの種類と背景
SNSで活躍するインフルエンサーは、さまざまな特徴があり、ビジネス業界に限らず、世間一般に新たな価値観を広める力を有しています。
インフルエンサーの種類
さまざまな業界で個性を発揮し、存在感を放つインフルエンサー。利用するSNSのフォロワー数やフォロワーの属性(性別や年代)によって、その影響力も異なるため、マーケティングや広告戦略に応じたインフルエンサーの選定が不可欠です。そのため、インフルエンサーの種類を理解するには、インフルエンサーの影響力と属性をそれぞれ理解しなければいけません。
以下の図はインフルエンサーの影響力順に図式化したものであり、ピラミットの上位にあるインフルエンサーほど影響力が強いと考えられます。
頂点に君臨するインフルエンサーは、芸能人やタレントといった、既に高い知名度を持つ人物を含む、フォロワー数100万人以上の メガインフルエンサー となります。ファッションとの関わりが多い著名なモデルもメガインフルエンサーに分類されます。その下に、 ミドルインフルエンサー 、 マイクロインフルエンサー 、 ナノインフルエンサー 、 一般ユーザー の順に続きます。
インフルエンサーの影響力は、インフルエンサーが持つフォロワーの数を指標にすることが多数ですが、各インフルエンサーの明確な定義はありません。
さらにインフルエンサーには、影響力以外にもインフルエンサーが持つ属性も異なります。一般的なインフルエンサーの属性は、以下の3つにカテゴリー分けできます。
-
芸能人・タレント型インフルエンサー
個性やライフスタイル、ファッションなどに特化したインフルエンサー -
特化型インフルエンサー
美容やスポーツ、為替・FX・仮想通貨などの金融関連など各業界に特化した有識者によるインフルエンサー -
クリエイター型インフルエンサー
写真や動画など自身の作品を発信するインフルエンサー
インフルエンサーが注目される背景
インフルエンサーが注目される背景には、消費者の購買に関わる行動の変化が挙げられます。
公益財団法人の吉田秀雄記念事業団が発表している『2020年の消費者』によると、消費者の購買に関する全世代の意思決定プロセスにおいて、 購入時に参考にするメディア・媒体を「クチコミサイト」と選択している割合が最も高く 、30歳未満の消費者に限定すると、約2倍までの割合を占めています。また、関心のきっかけや調査においても「クチコミサイト」の活用は高い割合を示しており、今後もこの流れは続くといわれています。
さらに一般社団法人 新日本スーパーマーケット協会が発表している『スーパーマーケット白書』によると、「SNS による商品やサービスの購入経験がある」と選択した割合が、20代の女性だと30%以上、30代の女性では約25%を占めており、男性・女性の大半の世代が10%以上を占めています。今後 SNSは交流の場としての役割だけでなく、情報収集の場としての役割が強化されていき、消費者の消費行動に強い影響を与える存在になる と予想されています。
上記のことから、 消費者の購買に関わる行動の変化 が、インフルエンサーを起用したインターネットマーケティングを活性化させた要因と考えることができます。
また、 消費者の多様な価値観の浸透 がインフルエンサーの起用に貢献しているといえます。現在はSNSを中心に「拡散」を前提とした多種多様な価値観を尊重する傾向が強い時代に突入しています。決まった媒体・メディアからの情報よりも「知人からの奨励」を信頼する割合が80%を超えていることからも、多種多様の価値観を尊重する消費者が増えていると考えられます。
【参考】公益財団法人 吉田秀雄記念事業団 2020年の消費者 循環型マーケティングへの転換 P29
【参考】一般社団法人 新日本スーパーマーケット協会 スーパーマーケット白書/第三章 SNSと消費者・小売業
インフルエンサー・マーケティングとは
近年、マーケティング活動において、インフルエンサーを活用し、商品(製品)・サービスのPRを行う企業が増えており、大企業においてもその重要性が認知され始めているマーケティング手法が インフルエンサー・マーケティング です。
インフルエンサー・マーケティングとは、SNSやブログ、動画サイトをはじめとした特定のコミュニティやセグメントにおいて、 影響力の強い「インフルエンサー」といわれる人たちを起用し、消費者の購買意欲・行動を喚起する 、新たなマーケティング手法です。ブランド力の高い商品(製品)・サービスのターゲットを特定した上で、インフルエンサー自らが解説・PRすることで、高い広告効果が見込めます。中でも特に、20代から30代の女性をターゲットにしたマーケティングに有効とされています。
マーケティングで有効なインフルエンサー
インフルエンサー・マーケティングで特に重要な役割を果たすのが「マイクロインフルエンサー」と「ナノインフルエンサー」です。
高いPR効果が見込めるマイクロインフルエンサー
マイクロインフルエンサーは、フォロワー数は1万人~と、世間一般にインフルエンサーとして認知され始めるレベルですが、共感や影響を受けやすいフォロワーが多数を占め、高いPR効果が見込めるため、インフルエンサー・マーケティングで特に注目されています。
一般的にフォロワー数が増える程、「いいね」をクリックするフォロワーが減少する傾向があり、拡散数に比べて、実際の閲覧した数や購買に結びつく数はフォロワー数の数%~1割と言われています。一方で、マイクロインフルエンサーのフォロワーは深いコミュニティに属している傾向が強く、インフルエンサーに対して、強い共感や親近感を持ってるため、10万以上のフォロワーを持つ ミドルインフルエンサーと同等のPR効果や集客 が期待できます。そのため、商品PRや集客などに効果的です。
強い拡散能力を期待できるナノインフルエンサー
マイクロインフルエンサーと同様に、インフルエンサー・マーケティングで注目されているのが、シミュラークル型ナノインフルエンサーです。シミュラークル型とは、インフルエンサーとフォロワーが相互に情報を発信し合い、特定のコミュニティ内で情報が拡散されていく現象を指します。
ナノインフルエンサーとは、マイクロインフルエンサーよりもさらに狭いコミュニティ内で影響力を持つため、 強い拡散能力がある と言われています。一方で、情報の発信元の特定がしにくい、情報自体の信憑性が低い、情報の劣化といったデメリットも多く、シミュラークル型ナノインフルエンサーを活用する際は、拡散する情報やターゲットをより明確にしなければいけません。
学生・社会人サークル、共通の趣味を持つコミュニティが多く、 インフルエンサー自体の投稿単価も低い傾向 が見られます。そのため、地域密着や市場規模の小さい分野で差別化戦略やニッチ戦略を採用する企業とって、有効なインフルエンサーといえます。
インフルエンサー・マーケティングの注意点
近年インフルエンサー・マーケティングに注目する企業が増えており、影響力の高いインフルエンサーを起用したいという需要が高まっています。しかし、インフルエンサーは従来のマーケティングとは異なる性質を持っているため、注意を怠れば起用した企業の企業価値を毀損してしまう恐れもあります。
インフルエンサー・マーケティングを実施する際は、以下の点に注意しましょう。
意図しないステルスマーケティングの実施
ステルスマーケティングとは、企業から金銭的な報酬を受けているにも関わらず、あたかも中立的な立場を装った上で、良いクチコミや評価を流し、消費者を騙す行為全般を指します。露出量を過剰に増やす、行き過ぎた演出を求めるPRは、消費者に「ステルスマーケティングである」と認識される恐れがあり、インフルエンサーに依頼を断られてしまう可能性があるため、注意が必要です。
そのため、インフルエンサー・マーケティングを担う担当者にはインフルエンサーをステルスマーケティングの担い手にしないための配慮が求められます。InstagramやTwitterでPRを行なう際は、ハッシュタグに「AD(Advertisement)」や「PR」をつけて、実施することが好ましいとされています。
影響力重視のインフルエンサーの起用
インフルエンサーの影響力を判断する基準として、フォロワー数や認知度を取り上げてしまいがちですが、影響力が高ければ、PRが成功するとは限りません。
インフルエンサー自身が紹介する商品のブランドに愛着を持っていなければ、消費者はステルスマーケティングと判断してしまい、インフルエンサーだけでなく、依頼主である企業側の企業価値を毀損するリスクが生じます。そのため、影響力を加味しつつも、PRの内容に適したインフルエンサーを起用することが大切です。
ターゲットの明確化
インフルエンサーを起用する際は、自社でPRしたい内容がどのようなターゲットにあたるかを明確にすることが大切です。ターゲットを明確にすることで、起用するインフルエンサーの選定がうまくいき、高いPR効果を得られることができます。
ターゲットを明確にしないままインフルエンサーを起用しようとすれば、PRまでの準備に多くの時間を費やし、機会損失を招いてしまいます。また、ターゲットが明確になっていないことで、消費者にステルスマーケティングと認識されてしまうリスクが高まってしまうこともあるため、自社の信頼を守る上でも、インフルエンサー・マーケティングに適したプロセスを辿らなければいけません。
インフルエンサーをSNSで活用するメリットとデメリット
インフルエンサーの起用は認知度やコスト面において、さまざまなメリットが得られます。一方で、インフルエンサーの特性から生じるデメリットも存在します。
インフルエンサーのメリット・デメリットを理解・把握することで、ビジネス効果を最大限に高めることができます。
インフルエンサー起用のメリット
インフルエンサーの起用には、主に「共感・購買力の向上」、「広告に対する拒否感の払拭」、「広告費用の削減」といったメリットを得ることができます。
共感・購買力の向上
インフルエンサーには、一定数のフォロワーや支援者(ファン)がおり、インフルエンサーの投稿が消費者の共感や購買力を高める効果が期待できます。消費者は自分が憧れる、または共感できる人物が勧める商品(製品)・サービスを信頼する傾向が強く、購買への心理的ハードルを下げると考えられています。
また、PRをお願いする企業側は、PRする内容に応じて、インフルエンサーやインフルエンサーが抱えるフォロワーの属性を把握した上でPRの依頼ができるため、従来のメディア・媒体での広告よりも共感・購買力を向上させることが可能です。
広告に対する拒否感の払拭
ミスクリックを招きやすいインターネット広告のほとんどは、ユーザーの任意により、表示・非表示が可能です。また、テレビや新聞・雑誌といった従来のメディアや媒体での広告は、一方的な配信を前提としているため、消費者の広告に対する拒否感を植えつけやすい傾向がみられます。
しかし、インフルエンサーは好感が高い人物が起用されることが多いため、商品(製品)・サービスのPRにおいても好感を持たれやすいメリットがあります。
広告費用の削減
インフルエンサーの中には、多数のフォロワーや支持者(支援者)を持つ一般人も多く含まれています。そのため、テレビや新聞・雑誌、ラジオといった従来のメディア・媒体で起用される芸能人やタレントを起用する費用よりも、圧倒的な低コストで起用することができます。
また、PRの方法は、ある程度インフルエンサー側の裁量によって行なわれます。そのため、細かい指示やPRコンテンツの制作に手間がかからないことも、広告費用を削減できる要因といえます。
インフルエンサー起用のデメリット
インフルエンサーを起用する上でのデメリットは、「炎上による企業価値の毀損」、「露出量の調整が効きにくい」、「インフルエンサーの選定が困難」が挙げられます。
炎上による企業価値の毀損
インフルエンサーが活用する動画サイトやSNSの多くは、情報の拡散性が高く、一度拡散した情報を収集させることが困難です。そのため、インフルエンサーは商品(製品)・サービスの内容をしっかりと理解せずにPRした結果、誤ったイメージや内容が拡散してしまうリスクが考えられます。
またインフルエンサーは、PRだけでなく自分自身の裁量であらゆる情報を発信しています。そのため、インフルエンサーがPRとは関係のない情報を発信したことで炎上した場合、協賛している企業に飛び火するリスクも考えられます。その結果、協賛する企業の企業価値を毀損してしまう恐れがあります。
露出量の調整が効きにくい
インフルエンサーを起用したPRの発信方法や回数は、ある程度インフルエンサーの裁量に任されています。また、過剰な商品のPRは消費者にステルスマーケティングと認識されてしまう危険性が高いため、好感度を重視するインフルエンサーは、過剰な広告やPRを嫌う傾向がみられます。
その結果、依頼主である企業が露出量の調整を自由に設定することが難しくなり、想定以上の広告効果が見込めない恐れがあります。
インフルエンサーの選定が困難
インフルエンサーは特定のセグメントやコミュニティにおいて、最大限の広告効果を発揮することができます。しかし、インフルエンサーのファンやフォロワーの数だけで高い広告効果が見込めるとは限りません。フォロワー数を偽装している悪質なインフルエンサーが存在していることもあり、企業が想定したPR効果を見込めない可能性があります。
そのため、インフルエンサーを起用する際は、キャスティング会社を利用する、インフルエンサーと綿密なコミュニケーションを行うなど、選定に時間をかけることが大切です。
インフルエンサーをSNSで起用するためのポイント
インフルエンサーを起用し、自社の製品(商品)・サービスの認知を高めるためには、以下のポイントに押さえることが大切です。
コミュニティの特徴把握と選定
インフルエンサーは、特定のコミュニティやセグメントを活用して情報発信を行なっています。インフルエンサーを支持するファンやフォロワーは、多種多様の価値観を持っているため、ユーザーひとり一人に合わせた情報発信は難しいといえます。最大限のPR効果を高めるためには、 インフルエンサーが活用しているコミュニティやセグメントの特徴を把握し、選定すること が大切です。
Facebookは実名登録制を採用しており、情報の信頼性を高めることに長けています。しかし、実名登録制がゆえにインフルエンサーが育ちにくい環境のため、インフルエンサーを起用したPRには向いていないとされています。
リアルタイムでさまざまな情報を得られるTwitterは、情報の拡散性が高く、商品(製品)・サービスの提供開始直前のPRに効果的です。一方で誤った情報があたかも事実かのように広がることもあり、投稿内容の炎上による企業価値の毀損を招く、事態の収拾や情報の修正が難しいといったデメリットが指摘されています。
このように、動画サイトやブログ、SNSといったサービスひとつ一つに特徴があるため、PRしたい内容に沿って、選定を行なうことが大切です。
キャスティング会社の活用
インフルエンサーの中には、芸能人やタレント以外にも、一般人から知名度を上げて影響力を高めた方が大勢いらっしゃいます。また、インフルエンサーひとり一人に異なる特徴や得意分野が持っているため、インフルエンサーの選定に難航することが珍しくありません。
そこで活用したいのが、 インフルエンサーの起用をサポートするキャスティング会社 です。インフルエンサーキャスティングサービスを提供している会社のほとんどが、実績のあるインフルエンサーをリスト化しており、交渉から商品サンプルの送付、レポーティング、支払いなどのPRに関わる業務の代行やインフルエンサーとの信頼関係の構築支援を行なってくれます。
また、取引実績のある広告代理店にキャスティング依頼することも、相性の良いインフルエンサーの起用に有効です。
インフルエンサーを中心とした企画立案
インフルエンサー・マーケティングを成功させるためには、インフルエンサーと良好な関係性を構築することが大切です。しかし、商品(製品)・サービスのPRを優先した企画立案は、インフルエンサーの反発を招くだけでなく、インフルエンサー自身がPRをお願いした企業に対して、悪いイメージを持ってしまう恐れがあります。
そのため、インフルエンサーを起用する際は、 インフルエンサーの立場や考え方(自分が良いと思う情報を発信したい、ファンを思いやるなど気持ち)を尊重 した上で、依頼することが大切です。
インフルエンサーを活用した事例
インフルエンサーは、主に動画投稿サービスやSNSを活用して、自分自身が興味を持つ情報を発信しています。インフルエンサー・マーケティングとして、一般的に活用されている事例をご紹介いたします。
インスタグラム(インスタ)を活用したインフルエンサー・マーケティング
【出典】インスタグラムジャパン 求人
全世界で7億人のアクティブユーザーを抱える、人気写真投稿アプリのインスタグラム(以下、インスタ)は、若い女性を中心に人気の高いコミュニティと認識されています。そのため、女性向けのファッションやグルメ、美容関連業界のPRに長けているとされています。
写真投稿をメインサービスに位置付けているため、ビジュアルを重視したPRに適しています。ハッシュタグと呼ばれる、「#」と単語を組み合わせた文字列を同時に投稿でき、投稿者が発信する情報を求めるユーザーに発見してもらえる確率を高めることができます。
また、「インスタに適した(好評価や支持を得られる)写真」を意味する『インスタ映え』は、自由国民社が毎年行なう「ユーキャン新語・流行語大賞」の2017年年間大賞を受賞しており、日本においても絶大な影響があると考えられています。
【参考】インスタグラムジャパン Instagram Business ブログ
【参考】自由国民社 「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞 全受賞記録
YouTubeを活用したインフルエンサー・マーケティング
【出典】YouTube LLC
国内外のさまざまジャンルの動画を楽しめるYouTubeは、全世界で10億人以上のユーザーが抱える世界屈指の動画投稿サイトです。動画コンテンツによる広告収益で生計を立てる、YouTuber(ユーチューバー)という新たな職業が登場するなど、若年層の支持が高い動画サイトとしても知られています。
YouTubeをコミュニティとして選択しているインフルエンサーも多く、インフルエンサーを起用しやすく、PRの際も実際の商品(製品)・サービスのイメージやリアルな使用感を発信できるため、高い共感性を生み出す効果が期待できます。
【参考】YouTube プレスルーム
Facebookを活用したインフルエンサー・マーケティング
【出典】フェイスブックジャパン
全世界の利用者が13億人を超えている世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービスであるFacebookは、実名登録制を採用しているため、インフルエンサーが育ちにくいといわれています。そのため、インフルエンサーを起用するのではなく、企業自らがアカウントを作成し、情報を発信するコミュニティとして活用されています。
Facebookを利用する一般ユーザーのシェアを活用したマーケティングが主流であり、自社の情報発信を基に、PRや共感を得ることができます。
Twitterを活用したインフルエンサー・マーケティング
【出典】Twitter, Inc.
280文字以内で自由に情報を発信でき、さまざまなトレンドニュースを知ることができるTwitterは、情報の拡散性が高く、商品(製品)・サービスの提供開始直前に行なう、またはスピード感を重視するPRに最適とされています。
インスタと同様に、ハッシュタグ(#)といわれる文字列を投稿できるため、ターゲットを絞ったPRや宣伝が可能です。情報の拡散性が強いため、誤った情報や認識が投稿されると事態の収拾が困難となり、インフルエンサーや依頼主である企業に対するマイナスイメージが定着する恐れがあります。
インフルエンサーは仕事になるのか?
一般人からも影響力の高いインフルエンサーが登場しており、1回の投稿で大きな収益を上げている方も少なくありません。スマートフォンとインターネット環境があれば、誰でも手軽に投稿できるので、SNSインフルエンサーを目指す方も少なくありません。また、インフルエンサーとしての収入がどれくらいあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。今回はインフルエンサーとしての収入と、人気のSNSであるインスタやTikTok(ティックトック)などで人気のインフルエンサーをご紹介いたします。
インフルエンサーはどれくらい稼出でいるのか?
インフルエンサー・マーケティングを実施する、LIDDELL 株式会社が行ったアンケート調査によると、インスタで活躍する20代女性インフルエンサーの 平均月収は12万7,928円 とされており、中には30万円以上稼ぐインフルエンサーが約1割にのぼるアンケート結果が得られました。
【参考】LIDDELL 株式会社 PRESS RELEASE
女性に人気の高いインスタによる収入単価は、 1投稿・1フォロワーにつき、3.5円程度 とされています(その他にも「いいね」、コメント数に応じたエンゲージメント課金、投稿が閲覧された数に応じたインプレッション課金、投稿に記載されたURLのクリック数に応じたクリック単価課金などがあります)。商品PRは 1投稿で5万〜、10万〜 といった単体依頼も可能で、フォロワー数に応じて、単価が変動します。
今回、アンケートが実施された対象インフルエンサーの職業の半数はフリーランスが占めており、中には調理師や看護師などの専門職従事者の方もいらっしゃるため、アイデアや工夫によって、月に10万円以上の収入を得ることも可能です。
世界には、1投稿で1億円以上の収入を得るインフルエンサーも存在します。「自由な働き方」が推進される中、好きな時間に好きな事で収入を得やすい時代となっており、インフルエンサーはビジネス界においても注目される存在となっています。
【参考】LIDDELL 株式会社 PRESS RELEASE
インスタやTikTokなどで今人気のインフルエンサー一覧
インフルエンサーは芸能人・タレントなどの特権ではなくなり、一般ユーザーでも世間一般に多大な影響力を発揮するインフルエンサーも登場しています。今回は10代~30代に人気の高いSNSのインスタやTik Tok(ティックトック)で活躍する、人気インフルエンサーをご紹介いたします。
インスタで活躍する、人気インフルエンサー一覧
インフルエンサー | フォロワー数 | 概要 |
---|---|---|
渡辺直美 @watanabenaomi703 | 8,300万人 | 日本の女性お笑い芸人として活躍する傍ら、自身のアパレルブランドを手がけるなど幅広い分野で活動 |
佐々木希 @nozomisasaki_official | 3,500万人 | ファッションモデル、女優、タレントとして幅広く活躍。主にファッション・アイテムを身に付けた自身の写真が多く、10~20代の女性から圧倒的な支持を得ている |
ひかる @cho_so | 66万人 | ママの視点からお子様「そう君」の子育ての様子を中心にアップしている。子育て中の母親だけでなく、幅広い女性から支持を集めているインフルエンサー |
Halno Kujiraoka @ halno | 27万人 | 魔法使いのように箒にまたがった自分自身と世界中の景色と合成した写真が好評のミドルインフルエンサーであり、クリエイター型インフルエンサー |
※フォロワー数は2018年10月時点の数となります。
Tik Tok(ティックトック)で活躍する、人気インフルエンサー一覧
Tik Tok(ティックトック)とは、Bytedance株式会社が提供するショートビデオコミュニティのひとつで、音楽に合わせたダンスや口パクの様子を15秒前後の動画に作成・加工した上でシェアできるSNSサービスです。
主に10代の若者に爆発的な人気があり、簡単に投稿・共有でき、写真では伝わらない臨場感や雰囲気がフォロワーに伝わりやすいといった、動画ならではの魅力があります。
インフルエンサー | フォロワー数 | 概要 |
---|---|---|
渡辺リサ | 73万人 | かわいいいビジュアルだけでなく、動画の撮影・加工技術にも定評がある |
りかりこ | 72万人 | ビジュアル・スタイル抜群の双子の姉妹の人気インフルエンサー。双子だからこそできる、息ぴったりの動画や双子コーデなどのファッションスタイルも人気 |
めいめい | 287万人 | 「女子高生ミスコン2017-2018」でグランプリにも選ばれたインフルエンサー。「日本一かわいい女子高生」らしい仕草や愛嬌が人気 |
※フォロワー数は2018年10月時点の数となります。
まとめ
- インターネット技術の発達やSNS利用の浸透により、芸能人や有名人でなくても、インフルエンサーとして活躍できる機会が増えています。
- 共感を生みやすいインフルエンサーは、自社の商品(製品)・サービスを認知したい企業にとっても魅力的な存在です。
- しかし、従来のマーケティングとは異なる性質を持っているため、インフルエンサーを起用する際はデメリットや注意点をしっかりと理解・把握しなければいけません。
こちらの記事もあなたにオススメ
マーケティングの記事を読む
- ブルーオーシャン戦略
- ABC分析
- データドリブン
- AIDMAの法則
- VRIO分析
- AISAS
- PEST分析
- エンゲージメントマーケティング
- マーチャンダイジング
- ランチェスター戦略
- PPM分析
- アンゾフの成長マトリックス
- セグメンテーション
- ポジショニング
- メールマーケティング
- マーケットシェア
- ターゲティング
- アカウントベースドマーケティング
- ブランディング
- カスタマーエクスペリエンス
- O2O
- オムニチャネル
- Webマーケティング
- イノベーター理論
- 3C分析
- BtoBマーケティング
- コンテンツマーケティング
- ダイレクトマーケティング
- インバウンドマーケティング
- マーケティングオートメーション(MA)
- KSF
- MECE
- 市場調査
- エリアマーケティング
- 商圏
- SWOT分析
- マーケティングリサーチ
- マーケティングミックス
- マーケティング戦略
- マーケティング・プロセス
- STP分析
- ファイブフォース分析(5フォース分析)