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2018年11月21日(水)更新

マーケティングミックス

マーケティングミックスとは、ある特定の製品の販売において最も望ましい結果を得ることを目的として複数のマーケティング要素を組み合わせて扱うフレームワークのことです。当記事では、マーケティングミックスの4P分析を現場で最大限活用するために必要な情報やノウハウを、意味や構成要素、4P分析を用いた企業事例、活用するためのポイント、4C分析との違いや関係性などの項目に整理して分かりやすく解説いたします。

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マーケティングミックスとは

マーケティングミックスとは、ある特定の製品の販売において最も望ましい結果を得ることを目的として、複数のマーケティング要素を組み合わせて扱うフレームワークのことです。
マーケティングミックスには4P分析や4C分析、7P分析などいくつかのパターンが存在しますが、当記事では最も多く用いられている4P分析について解説を行っています。

4P分析について

4P分析は、アメリカのマーケティング学者であるエドモンド・ジェローム・マッカーシー(Edmund Jerome McCarthy)氏により、1960年に生み出されました。
4P分析は、企業視点である以下の4つのマーケティング要素で構成されています。

  • Product(製品) … 製品、サービス、品質、機能、デザイン、ブランド、アフターサービス(保障)
  • Price(価格) … 価格、割引、支払方法
  • Place(流通) … チャネル(流通経路)、流通範囲、立地、販売形態
  • Promotion(プロモーション) … 販売促進、広告宣伝、広報、Webサイト、メールマガジン

上記4つの要素から分析を行い、消費者や市場に自社の製品を効率的に届けるための戦略を導き出していきます。

4P分析と4C分析の違いと関係性

1993年、ノースカロライナ大学のロバート・ローターボーン(Robert F. Lauterborn)教授は4P分析が売り手である企業側視点であることを指摘し、買い手である生活者側視点の4C分析を提唱しました。
この4C分析は以下の4つのマーケティング要素で構成されています。

  • Customer Value(顧客価値)
  • Customer cost(顧客コスト)
  • Convenience(顧客にとっての利便性)
  • Communication(顧客とのコミュニケーション)

その意味からも分かるように、これら4Cののマーケティング要素はいずれも生活者側視点のものとなっています。
しかし、だからといって4P分析が生活者を無視した手法であるというわけではありません。

4P分析を行う際、生活者の利益や生活者との関わり方を必ず意識することになります。
それはつまり、4P分析に売り手側と買い手側双方の視点が含まれているということなのです。

4P分析と4C分析のマーケティング要素はそれぞれが連動しています。
どちらか一方が特別優れている手法ということではないため、常に買い手側の視点をしっかりと意識することで、いずれの手法においても同様の効果を得ることができるでしょう。

4P分析に3つの要素を加えた7P分析

マーケティングミックスの7P分析は、マーケティング学者のフィリップ・コトラー(Philip Kotler)氏が、急速に進む産業のサービス化に対応するために生み出した4P分析をベースとするフレームワークです。
7P分析はサービスマーケティングミックスとも呼ばれており、4P分析の4つの要素に様々なサービスの特性や特質を考慮した『People(人)』、『Processes(プロセス)』、『Physical evidence(物的証拠)』という3つの要素が加えられています。

4Pの構成要素

先述した通り、マーケティングミックスの4Pは4つのマーケティング要素で構成されています。

本章では、それぞれの構成要素について詳しく解説していきます。

Product(製品)

4P分析に含まれる4つのマーケティング要素の中で最も重要なのが商品戦略であるProductです。
Productでは生活者のニーズを満たし、顧客満足度やユーザー満足度を最大限にまで高めることができるように機能的価値、情緒的価値、自己表現価値という3種類の価値に対してアプローチを行います。

【チェックポイント】

  • 顧客やユーザーを単なる消費者ではなく、多種多様な生き方をする生活者として認識できているか
  • 顕在的ニーズと潜在的ニーズの両方に応えられているか
  • 他社製品との差別化を図れているか
  • 商品コンセプトと企業ブランドとの一貫性はあるか

Price(価格)

Productの次に重要となるのが、価格戦略であるPriceです。
Priceではターゲット層が製品に対して持っている相場観や競合他社の価格設定、製造や販売に必要となるコストなどの要素を踏まえ、総合的に判断して市場価格を設定していきます。

【チェックポイント】

  • 価格設定は適切であるか(高すぎたり安すぎたりしていないか)
  • 他社製品に対する競争優位性はあるか
  • 商品価値は正しく評価できているか
  • 十分な利益が確保されているか
  • 浸透価格政策を実施する場合、市場シェアの拡大に伴ってコストが下がる見込みがあるか

Place(流通)

製品と価格が決定したら、生活者に製品を届けるための流通戦略(流通チャネル戦略)を構築していきます。
インターネット上での販売の有無や独占販売権の有無、流通範囲、店舗の立地条件など詳細までしっかりと決めておきましょう。

【チェックポイント】

  • ターゲット層の生活パターンや行動パターンを具体的にイメージできているか
  • 購入希望者の利便性を十分に意識しているか
  • 販売チャネルと企業ブランドとの一貫性はあるか
  • 流通コストは商品価格に対して妥当であるか(販売価格に大きな影響を与えていないか)

Promotion(プロモーション)

生活者が自社製品の存在を認識し、購入に至るまでの道筋をつけるのがPromotionです。
Promotionでは自社製品の特徴や魅力を生活者に伝え、購買意欲を高めるためのプロモーション戦略を構築していきます。

なお、最近では特定のコミュニティやセグメントにおいて非常に強い影響力を持つインフルエンサーを活用した「インフルエンサーマーケティング」や、口コミの持つ拡散力を利用する「バズマーケティング」などのPromotionも活発に行われています。

【チェックポイント】

  • ターゲット層に対して情報を正しく届けることができるか
  • 潜在ニーズを顕在化させるためのアプローチが含まれているか
  • 購買意欲を十分に刺激し、購買行動につなげることができるか
  • 販促コストは商品価格に対して妥当であるか(販売価格に大きな影響を与えていないか)

マーケティングミックスの4P分析を用いた企業事例

マーケティングミックスというフレームワークを本質的に理解するためには具体的な事例を用いて学ぶことが一番です。
ここではスターバックスの日本進出が成功した理由をマーケティングミックスの4P分析を用いて分析していきます。

Product(製品)

スターバックスは世界各国に店舗を持っているコーヒーチェーン店です。
日本国内でもその人気は強く『スタバ』という愛称で多くの人々に親しまれています。

商品のバリエーションや細かな味付けを国や地域によって変えるなど、世界中で愛されるための努力や工夫を行っているスターバックスですが、心地良い空間と時間を提供することにも力を入れています。
「1,000の店舗、1,000の個性」という言葉を掲げ、全ての店舗が個性を持ち、その地域の生活者に対して自宅でも職場でもない第三の居場所(サードプレイス)を提供しているスターバックスにとって、店内に足を踏み入れた瞬間から始まる『体験』はコーヒーと同等以上の価値を持つサービスであるといえるでしょう。

【参考】会社案内/スターバックス コーヒー ジャパン

Price(価格)

1996年に銀座に日本一号店をオープンした当時、スターバックスのコーヒーは他のコーヒーショップの約2倍という非常に高い価格でした。
しかし、スターバックスを利用した人々は美味しいコーヒーと素晴らしい体験に価格以上の価値を感じ、次々にリピーターとなっていったのです。

昨今では安くて美味しいを売りにしたコーヒーが増えましたが、それでもなおスターバックスには良質な空間と時間を楽しめるという競争優位性があります。
ブランドイメージと最高のサービスによって多くのファンを獲得することができたスターバックスは、これからも価格競争に巻き込まれることなく独自の路線で戦い続けることができるでしょう。

【参考】スターバックスは昔、喫煙可だった! 幻の一号店の存在も… - ライブドアニュース

Place(流通)

スターバックスはオシャレに敏感な若者や所得水準が比較的高いビジネスマンが数多く集まるエリアに次々と出店することで、オシャレで高級感のあるブランドイメージを定着させることに成功しました。
また、一部の特殊商圏を除き全店直営で運営することによって、スタッフからの自発的な提案を柔軟に受け入れ、きめ細やかなサービスを継続的に提供できる環境を実現させました。

【参考】よくあるご質問: 出店情報について/スターバックス コーヒー ジャパン

Promotion(プロモーション)

スターバックスは「人々の心を豊かで活力あるものにするために-ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」というミッションを掲げています。
そして、そのミッションを達成するために愚直に取り組むことこそが最大のブランディングであると考えています。

ミッション達成に向けて愚直に取り組んだ結果、スターバックスは大々的な宣伝活動を行っていないにもかかわらずSNSや口コミでの情報拡散によって多くの人が認知し、「一度は行ってみたい」と強い憧れを抱かせる企業に成長することができました。

【参考】スタバはなぜ値下げやテレビCMをしない?高いブランド力構築の戦略を元CEOに聞く / ビジネスジャーナル

マーケティングミックスの3つのポイント

正しく扱うことで組織に多くの利益をもたらしてくれるマーケティングミックスですが、次の3つのポイントを意識することによって成功率と効果を最大限にまで高めることができます。

  • STP分析の結果との一貫性をもたせる
  • 4つのマーケティング要素の整合性を図る
  • 相乗効果(シナジー効果)を生み出す

STP分析の結果との一貫性をもたせる

STP分析とは、アメリカの経営学者であるフィリップ・コトラー(Philip Kotler)氏が提唱したマーケティング戦略における基本的なフレームワークです。
『セグメンテーション(Segmentation=市場細分化)』、『ターゲティング(Targeting=標的市場の選定)』、『ポジショニング(Positioning=自社の立ち位置の明確化)』という3つのプロセスの頭文字を取って、STP分析やSTP戦略と呼ばれています。

マーケティングミックスとSTP分析はいずれもマーケティング戦略を立案するためのプロセス(マーケティングプロセス)の1ステップです。
そのため、マーケティングミックスには必ずSTP分析によって導き出されたターゲットや自社製品のポジションとの一貫性を持たせなければなりません。

ターゲットに対する効果的なアプローチと他社製品との差別化を実現させるためにも、常にSTP分析の結果を意識しながらマーケティングミックスを実施するようにしましょう。

【関連】マーケティングの基本『STP分析』のポイントや戦略、書籍をご紹介 / BizHint HR

4つのマーケティング要素の整合性を図る

『高品質かつ低価格』にこだわって商品開発を行っても、販売チャネルを激安店だけに絞込み、安さを前面に出した宣伝を行ってしまっては肝心の品質の良さを伝えることができません。
同様に、高齢者向けサプリメントのテレビコマーシャルに若い世代から絶大な人気を誇る20代のアイドルを起用したとしても、実際に高齢者がサプリメントを継続的に摂取することによって得られる効果や変化を映像で十分に伝えることはできません。

マーケティングミックスを実施する上で大切なのは、『Product(製品)』、『Price(価格)』、『Place(流通)』、『Promotion(プロモーション)』という4つのマーケティング要素の統合性をしっかりと図ることです。
要素間の矛盾を排除し、しっかりと統合性を図ることで、マーケティングミックスの効果はより安定したものとなるでしょう。

相乗効果(シナジー効果)を生み出す

希少な成分を配合した化粧品を発売する際、あえて相場価格よりも高めの価格設定を行い、更に月間販売数を一定数に限定することによって希少価値のある商品を演出することができます。
また、ターゲット層から強い支持を受けているアパレルショップのカリスマ店員に新商品のプロデュースを依頼し、更に自ら広告塔となってSNSなどで宣伝してもらうことにより、最も効率の良い形でターゲット層にアプローチを行うことができます。

このように4つのマーケティング要素の内容やバランスの微調整を行い、その相乗効果を最大化させることによって、マーケティングミックスによる効果を最大限に高めることができるでしょう。

まとめ

  • マーケティングミックスとは、ある特定の製品の販売において最も望ましい結果を得ることを目的として複数のマーケティング要素を組み合わせることである
  • マーケティングミックスの4P分析は『Product(製品)』、『Price(価格)』、『Place(流通)』、『Promotion(プロモーション)』の4要素で構成されている
  • 一貫性や整合性、相乗効果を意識することでマーケティングミックスの成功率と効果を最大限にまで高めることができる
  • 4P分析は企業視点、4C分析は生活者視点の手法とされているが、2つの手法の構成要素はいずれも連動しているため4P分析であっても生活者視点を十分に意識しながら行うことで4C分析と同様の効果を得ることができる

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