はじめての方はご登録ください(無料)会員登録
search

2018年11月18日(日)更新

人材採用

人材採用戦略とは、新規雇用を単なる労働力の穴埋めとして実施するのではなく、人材育成戦略や人材配置戦略といった他のビジネス戦略との一貫性を意識しながら長期ビジョンで計画的に実施することで企業に大きな利益をもたらす優秀な人材を獲得できる重要戦略の一つです。どのような規模や形態の企業であっても人材採用戦略のメリットをしっかりと享受し、長期戦略として継続的に実施していくことができるよう、成功率を高めるポイントと効果を最大化させるためのコツを紹介致します。

人材採用 に関するビジネス事例や製品の情報を受取る

人材採用戦略を立案する上でのポイント

経営者や人事担当者の多くが人材採用戦略の本格的導入によって企業が享受することのできる数々のメリットや企業戦略としての重要性を認識しているものの、実際に効果的な人材採用戦略を構築し、継続して実施している企業はそう多くありません。

このような矛盾が生まれている背景には、人材採用戦略を成功させるために抑えておくべきポイントに対する理解不足や、優秀な人材を採用するために本当に必要なものがタイミングや相性といった偶発的要素ではなく、人材の見極めやコミュニケーション力といったテクニカルな部分や綿密に計算されたシステムの構築であるという成功要素に対する認識不足があるのです。

すでに構築している人材採用戦略を活性化させようと考えた場合、ただ闇雲に対策を講じることは得策とはいえません。 成功へと繋がるポイントを正しく理解し、適切に改善することによって、良質な人材採用戦略の再構築を目指しましょう。

企業が求める人材像を明確にする

日本経済の長期低迷と少子化の影響によって多くの企業で人材不足が深刻化しており、経営者や人事担当者は新規人材の獲得と早期戦力化に日々頭を悩ませています。しかし、人材が不足しているからといって人材補充という目先の目標だけを見据えて採用活動を実施してしまうと、雇用後のミスマッチや短期離職といったリスクが急激に上昇し、結果として人材不足期間を長期化させることにもなりかねません。

このような失敗を回避するためにも、人材採用戦略は企業成長戦略や人材育成戦略と一貫性を持たせて扱わなければなりません。なぜなら、人材採用戦略は新規人材を雇用すれば終了というものではなく、企業が求める人材像へと育成し、企業目標を達成するための戦力となった時に初めて成功したといえるからです。

企業が目指すビジョンとそれを実現させるために必要な人材像を明らかにしなければ、戦略的な人材採用を実施することはできません。現在、自社ではどのようなスキルや個性を持った人材を求めているのか。そして、その人材にどのような活躍を期待しているのか。社交性や協調性、積極性など出来る限り具体的にイメージをすることが大切です。

  • 事業拡大のために即戦力となる人材を追加募集したい
  • 新たな分野へ事業進出するため、知識や経験によって導いてくれる有識者や経験者を獲得したい
  • ライバル企業に大きな差をつけるため、多くのイノベーションを生み出してくれる独創的な発想力を持った人材を雇用したい

上記のように明確な人物像を作り上げることで採用判断を行う際の評価スケールの作成も容易となります。 「自社に入社してくれるのであれば誰でも構わない」という受動的発想を捨て去り、「自社の目指す目標に向けて一緒に努力を重ねてくれる人を見つけ出そう」という能動的発想で採用活動を行うことで、自社に多くの利益と刺激を与えてくれる魅力的な人材を獲得することが可能となるでしょう。

演繹的アプローチと帰納的アプローチ

企業が大きな目標を達成するために必要な力を与えてくれる人材像を導き出すためには、企業の現状把握と分析が必要です。この時、今後の事業戦略やビジョンの達成に対して不足している要素を洗い出して理想の人物像を作り上げていく方法を演繹的アプローチ、企業内で大きな成果や功績を上げている社員に共通する要素(共通項)から自社活動を更に活発にしてくれる人材像を作り上げていく方法を帰納的アプローチといいます。

演繹的アプローチは新規事業の立ち上げや事業転換など大きな変化を必要としている企業が人材募集を行う際に有効なアプローチ方法であり、企業が今以上に強くなるために必要な部分をピンポイントで補充する足し算的な効果を期待することができます。また、既存の従業員に対して大きな影響や刺激を与える人材を雇用することによって組織全体の革新的変化や組織力の底上げを戦略的に行うこともできます。

ただし、演繹的アプローチによって作り出された人物像にはコンピテンシーモデルが存在しないため、誰もが共通のイメージを浮かべることができるレベルまで詳細に作り込んでおかなければ採用担当者によってムラが生じてしまうことになります。

それに対して帰納的アプローチは、優れた能力やスキルを持つ従業員をすでに保有している企業が、事業規模の拡大や組織力の底上げを目的として人材募集を行う際に有効なアプローチ方法であり、優秀な従業員を複製する掛け算的な効果を期待することができます。

コンピテンシーモデルが存在するために採用の質が均一化されやすく、優秀な人材の複製という即戦力を獲得することができる反面、帰納的アプローチ単体では企業内に実在する要素や行動特性しか反映することができないため、必要に応じて演繹的アプローチによる要素の補充を行うなどの工夫が必要となります。

【関連】コンピテンシーモデルとは?モデルの作り方や面接や人事評価での活用例をご紹介 / BizHint HR

先天的要素と後天的要素

先天的要素とはセンスやポテンシャルといった人材育成の影響をほとんど受けることのない要素を指し、後天的要素とは学力や知識、経験や技術力といった採用後の人材育成によって一定の成長を見込める要素のことを指します。

先天的要素の多くは後天的要素の成長速度に大きな影響を与えるため、新卒者採用など人材育成を前提とした新規雇用を行う際には先天的要素を優先的に評価していくことが有効であるとされています。逆に、中途採用や中高年者雇用など即戦力を期待して新規雇用を行う際には後天的要素を優先的に評価することが望ましいでしょう。

このように先天的要素と後天的要素を意識しながら人材像を作り上げていくことによって、先で行う採用基準の設定も容易となるのです。

企業の求める人材は日々変化していくことに留意する

企業は大きく掲げた企業目標の達成を目指し、小さな目標を一つ一つクリアしながら段階的に成長を重ねていきます。そんな企業の成長に合わせるように、人材採用戦略も細かな見直しが必要です。

  • 前回雇用した人材は求めていた人材像と一致していたか
  • 現在の企業目標は前回の募集時と同じものか
  • 企業の現状を振り返った上で求める人材像に変更はないか

新規雇用を行う度に見直しを行うことは大きな負担となってしまいますが、企業の現状に即した魅力ある人材の獲得という大きなリターンを得るためにも、手を抜くことなく丁寧に行うよう心掛けましょう。

必要とする人材にリーチできる採用手法を選定する

世の中には数多くの求人媒体が存在しており、その媒体によって人材の質は大きく異なっています。その中から企業が必要としている人材を発掘し、獲得するために、媒体ごとの特徴やメリット、デメリットについて理解しておく必要があるでしょう。

ハローワーク(公共職業安定所)による求人

ハローワークは安定した雇用機会を目的として厚生労働省が日本全国各地に設置した無料職業紹介所であり、誰もが気軽に求人情報を集めることができる公共施設として有名です。また、国が運営しているという安心感と雇用保険の窓口という役割から多くの求人者が情報を収集するために利用しているため、より多くのターゲットに向けて募集を行う際に有効な募集媒体となります。

【メリット】

  • 求人費用が無料である
  • 就職相談員と話し合いを行った上で採用試験という流れになるため、採用条件と極端に異なる求職者は少ない

【デメリット】

  • 求人票に掲載できる項目や行数に制限があるため、求人票を通じて企業理念や経営者の思い、業務内容の詳細などを十分に伝えることが難しい
  • 情報量の少なさによる認識不足と雇用推進という施設目的によって行われる積極的な職業斡旋により、採用条件とは異なる応募が増えることもある

紙媒体による求人

紙媒体と一言でいっても、新聞の求人広告欄や折込チラシ、求人情報誌にフリーペーパーと様々な媒体が存在します。紙媒体は読者層にバラつきがあるため、作り上げた人物像にリーチできる媒体を正しく選択することが成否の分かれ目となります。

【メリット】

  • 無料のフリーペーパーは多くの人が手に取りやすいため、幅広いターゲットへの求人募集に向いている
  • 地域密着型情報誌や新聞の折り込みチラシに掲載する場合、配布エリアと読者層からある程度までターゲットを絞り込むことができる
  • 他企業の情報を探している求職者の視界に偶然入ることがある(偶発的PRによる自社に対する興味心の新規開拓)

【デメリット】

  • 求人効果に関わらず料金が発生するため、アプローチに失敗した時のダメージが大きい
  • 掲載にかかる費用が他媒体に比べて高く設定されている場合が多い
  • 掲載できる情報量が少ないために自社の魅力を伝えるのが難しい
  • 紙面には多くの求人情報が敷き詰められているため見落としやすい
  • 求人原稿の作成代行など追加費用がかかることもある

Web媒体による求人

大容量の情報を高速で送受信できるブロードバンドの整備とパソコンやスマートフォンといった情報端末の一般家庭への普及が進んだ結果、ネットワークを通じて誰もが自由に情報を発信することができるようになりました。

20代の携帯端末所有率は95%前後ともいわれているため、Web求人媒体や自社Webサイト上での求人活動は、新卒者や20代の中途採用者をターゲットとする場合に非常に有効な手法だといえるでしょう。

【メリット】

  • 求人情報サイトへ求人情報を登録するだけではなく、自社のホームページやSNS上で情報を発信するなど情報公開の自由度が非常に高い
  • 求人サイトによってはスカウト機能など企業側からの登録者へのダイレクトアプローチが可能な機能が用意されている
  • 文字だけではなく写真や動画も扱えるため、企業に対する理解を深めやすい
  • 自社のサイト上であればスペースを気にする必要が無いため、会社側が求職者に伝えたい情報を全て盛り込むことができる
  • 就職活動を開始していない大学生の目にも止まりやすく、早い段階から就業意欲を育てることで他企業よりも優位に採用活動を進めることができる
  • SNSなどで情報が拡散されることによって、多くの求職者の目に止まる
  • 中小企業であっても魅力的な人事制度を構築して適切にアピールすることによって多くの注目を集めることができる
  • SNSや経営者のブログなどをきっかけに企業の活動内容に対する興味が高まるケースもある

【デメリット】

  • 求人サイトによっては情報掲載料と別に成約料などの費用がかかる場合がある
  • 一定のPCスキルや情報リテラシーを持っていないと正しく活用することができない
  • パソコンの操作を苦手としている中高年者を対象として求人活動を行う場合には大きな効果を期待することができない
  • 求職者に誤解を与えることがないよう、常に最新の求人情報を公開しておかなければならない

【関連】厳選した就活サイト17個を徹底比較!【2017年最新版】 / BizHint HR

人的ネットワーク(人脈)の活用

小規模で経営している企業では古くから家族や親族の縁故採用(コネ採用)が当然のように行われており、大企業においても知人からの紹介によって人材雇用が行われるなど、以前から人と人との繋がりであるコネクティングを活かした採用方法は存在していましたが、その人材の持つポテンシャルや魅力よりも人間関係を重視して採用判定が行われることが多かったために正式な採用手法としては受け入れられず、世間から否定的な評価を受けることも少なくありませんでした。

それに対して友人や仕事関係者、大学やサークルの先輩後輩といった人的ネットワークの持つ情報力や連携力を最大限に活用しながら、優秀な人材を厳選してアプローチを仕掛ける採用手法をダイレクトリクルーティングと呼びます。

リファラルリクルーティング(リファラル採用、社員紹介制度)やヘッドハンティング、学生時代に培った人的ネットワークを利用して大学教授や新卒者に直接アピールすることができるリクルーター制度など、求める人材像とターゲット層に対して様々な施策を使い分けることができるのが大きな特徴であり、海外では多くの企業がすでに導入し、活用しているメジャーな採用戦略となっています。

【メリット】

  • 企業が必要としている要素を保有している人物にピンポイントでアプローチをかけることができる
  • 信頼関係が構築されている人物からのアプローチとなるため、話を聞き入れてもらいやすい
  • 事実上の第一次面接として取り扱うことにより、採用コストと企業負担が大幅に削減できる
  • 相互理解を深めやすく、企業とのエンゲージメントも高めやすい
  • 企業側と対象者の双方が平等な立場であるためアイスブレイクを行うことが比較的容易であり、リラックス状態を維持しながらコミュニケーションを図ることができる
  • 被紹介者を採用することにより、新たな紹介者として人的ネットワークを活用することができる

【デメリット】

  • 採用失敗や採用後の離職によって紹介者と被紹介者の関係を悪化させてしまう危険性がある
  • 短期間に大勢の人材を新規採用することが難しい
  • 既存従業員の持つ人的ネットワークの質と量によって成果に大きな差が出てしまう
  • インセンティブ(紹介報酬制度)を目的とした質の悪い紹介の増加や、紹介できる人材がいない従業員から不満が上がるなどのリスクが予測される
  • 集中的に実施し続けると、紹介者の実務に影響が出てしまう可能性がある
  • 同質の被紹介者が集まりやすいため、革新的な変化を求めている場合にはあまり適さない

【関連】「ダイレクトリクルーティング」とは?特徴と国内サービス総まとめ / BizHint HR
【関連】 リファラル採用の意味とは?メリットや組織に根付かせるポイントを解説/ BizHint HR
【関連】 「ヘッドハンティング」とは?外資系や大手などを取り扱うヘッドハンティング会社を徹底比較/ BizHint HR
【関連】 リクルーターの意味とは?制度と活動、導入している企業について/ BizHint HR

会社説明会、合同説明会の実施

会社説明会や合同説明会は、自社に対する理解の浅い求職者や十分な興味を持っていない求職者に対して有効なアプローチ方法です。多くの来場者を見込める企業であれば単独での会社説明会を、他社に興味を持って来場した求職者に対してもアプローチを図りたい企業であれば合同説明会と、企業の知名度や人気などにより適切に使い分けることで戦略的施策として扱うことができます。

【メリット】

  • 自社で扱っている商品やサービスに触れてもらうことにより、就業意欲を高めることができる
  • 全体への一括説明や時間をかけた個別対応など、様々な戦略を組むことができる
  • 母集団を形成し、ダイレクトマーケティングへと移行させることができる
  • 事前にインターネット上で話題を作っておくことにより、活動を開始したばかりのベンチャー企業や中小企業でも多くの来場者を集められる可能性がある
  • 求職者の生の声を聞くことができる

【デメリット】

  • 準備期間に多くの時間とコストを要する
  • 人件費や交通費、会場レンタル費など多くの費用がかかる
  • 知名度や業務内容により来場者数に大きな差が生まれるため、ネームバリューの強い企業との合同説明会の場合、自社のブースに求職者が集まらない可能性がある
  • 開催地や開催日時の設定によって来場者の質や人数に大きな差が生まれるため、十分なマーケティングの下に実施しなければならない

【関連】 《企業対象》会社説明会に向け準備すべきこと一覧・徹底解説/ BizHint HR

人材紹介、人材派遣の活用

人材紹介や人材派遣は、『必要な時』に『必要なスキルと持った人材』を『必要な期間だけ』雇い入れることができるサービスです。一定以上のスキルを保有する人材を多数抱えている場合が多く、様々な需要に対して適切な人材を紹介してくれることが大きな魅力のサービスですが、社外の力にばかり頼ってしまっては人材を見極めるスキルや人材採用に関するノウハウを自社内に蓄積することができないため、人材採用戦略において紹介や派遣といった雇用形態はあくまでも非常事態を緊急回避するための臨時策として扱うべきでしょう。

【メリット】

  • 紹介や派遣のプロとして、質の良い人材を紹介してくれる
  • 時間と手間を大幅に削減できるため、本業に集中することができる
  • 企業分析や必要な人材の洗い出しを第三者視点で行ってくれるサービスもある
  • 即戦力として期待することができる
  • 人材派遣であれば企業戦略に応じたタイミングで短期間のみ雇用することができる

【デメリット】

  • 成約報酬やコンサルタント料として多くのコストが必要となる場合がある
  • 雇用が長期化した場合にはランニングコストの負担が、短期離職が続く場合にはイニシャルコストの負担が大きくなる
  • 自社の社員として長期的な視野で育成することができない
  • 求めるスキルによっては対象となる人材が見つからないこともある

【関連】 人材紹介会社とは?メリット・デメリットと利用時のポイント/ BizHint HR
【関連】 労働者派遣とは?改正派遣法のポイントや注意点も解説/ BizHint HR

採用システムの構築を行う

人材を採用するには多くの時間とコストがかかります。その負担を無駄にすることなく企業資産へと昇華させるため、様々な採用条件に応じて柔軟に対応させることのできる採用システムとして構築しておく必要があるのです。

採用担当者の設定

採用担当者の設定は採用の質に大きく関わる重要な要素です。また、リクルーター面談であれば大学やサークルのOB、OG、自社サイトにおける求人募集であればパソコンやインターネットに精通した人物と、使用する採用手法によっても候補者は変わってきます。そのため、経営者や人事部だけではなく企業内の従業員全員が新規雇用や人材の受け入れに対して興味を持ち、必要時にいつでも採用担当者として活躍することができるよう積極的な姿勢で企業内の情報を収集する習慣を作り上げておく必要があるのです。

採用条件や募集環境によって多少のイレギュラーは発生しますが、自社で扱う採用手法を予めいくつかに絞っておき、それぞれの採用担当者を数名ずつリストアップしておくことで、人材補充の決断から実行のプロセスをスピーディーに進めていくことができるでしょう。

採用プロセスの最適化

選考回数が増えれば増えるほど、企業は大きな負担を負うことになります。そのため、採用プロセスはできる限り簡潔にしておく必要があります。ただし、採用後にミスマッチが発生してしまっては逆効果となってしまうため、採用担当者のスキルや経験を踏まえた上で正確な見極めを行うことのできる最小回数を適切に設定しなければなりません。

また、あえて選考回数や採用担当者の人数を増やすといった最適化の方法もあります。採用回数の削減が採用プロセスにおける負担の軽減を目的としたものに対し、採用回数の増加や複数の採用担当者による検討では採用者の質の向上を目的としているのです。一度の採用にかかる時間とコストは増加しますが、その人材が長期に渡って自社で活躍してくれることによって、結果的にコストパフォーマンス(費用対効果)の高い採用を行うことができたと評価することができます。

人材の質の見極めに自信がある企業は選考回数を減らし、候補者と時間をかけて向き合うことでより確実に良質な人材を獲得したいと考える企業は選考回数を増やすといった具合に、自社の方針や風土に合わせた採用プロセスを構築していくことで採用人材戦略の戦略性はより高まっていくでしょう。

オペレーションミスが生じにくい体制作り

どれだけ素晴らしい採用システムを構築したとしても、採用担当者が正しく把握していなければ正しい効果を生み出すことはできません。採用現場におけるオペレーションミスを最小限にするため、構築した採用システムを全従業員に対して公開し、いつでも自由に閲覧できるようにしておく必要があります。

また、採用システムについて不明な点や確認したい点を気軽に尋ねることができる窓口的人材を設定しておくことも重要です。採用システムに対する正しい知識を身につけた従業員は、採用担当者になって欲しいという企業側の申し出に対して臆することなく前向きに応じてくれることでしょう。

採用活動状況の見える化

情報の可視化を進めなくてはならないのは採用システムだけに限りません。採用活動の状況もまた、企業内で共有するべき重要な情報なのです。

採用担当者に多くの権限を与えることは効率化にも繋がるため決して悪いことばかりではありませんが、採用スキルが乏しい若手社員や企業の求める人材像を正しく理解していない従業員を採用担当者にしてしまった場合、本当に必要な人材を振り落としてしまったり、求めていない人材を最終選考まで押し上げてしまうといったトラブルが発生することもあるため注意しなくてはなりません。

定期的に採用活動状況の報告として選考対象者の基本情報や特記事項、自社に対する思いやアピールなどを共有することによって、必要に応じて経営者や人事部が採用担当者のサポートやアフターケアを行うことが容易となるのです。

採用の質の向上だけではなく、採用担当者の育成という観点からも採用活動状況の共有を可能にする環境を構築しておく必要があるでしょう。

内定後~入社までのプラン検討

どれだけ優れた人材を採用したとしても、人材育成戦略によって正しく戦力化することができなければ、その採用は失敗だったということになります。採用した人材がそのポテンシャルを最大限発揮して活躍できるようにするため、採用後のサポートについてもしっかりとプランニングしておかなければならないのです。

内定者フォロー

内定辞退率は年々増加し続けており、特に就職活動終了直後と入社直前の2つのタイミングで内定辞退数が集中している傾向があります。多くの人材と時間を費やして選び抜いた人材が入社前に内定辞退してしまうことによって、企業はコスト面で大きな損害を被ることになります。

また、その段階から新たに採用活動を行おうと思っても市場の人材はピーク時に比べて激減してしまっているため思うようにはいかないでしょう。このような最悪の状況を回避するためにも、内定者へのフォローアップは適切に行わなければならないのです。

内定者は「本当にこの会社でよかったのだろうか」という自己判断に対する疑いや「入社してちゃんと働くことができるのだろうか」といった一抹の不安を抱えたまま入社日までの時間を過ごすことになります。その時間を有効に活用して上手く自己整理ができるならばそれに越したことはありませんが、その可能性にかけて放置しておくというのはあまりにもリスキーであり、戦略的とはいえません。

内定者フォローは内定者の採用に直接関わった採用担当者などが望ましいとされています。 自身に対する深い理解を持った採用担当者から、入社に向けての心構えや今後の流れの説明を受けることにより、質問や相談を行いやすい環境が自然と構築されていくのです。

採用というプロセスに採用後のフォローアップも加え、一連の流れとしてシステム化することによって内定辞退率を大幅に減少させるとともに、エンゲージメントを高めていくことが可能となるでしょう。

【関連】 「内定者フォロー」事例10選!計画のポイントや企業事例もご紹介/ BizHint HR

入社までの待機期間を活用したeラーニング学習

内定決定から入社までの数ヶ月は、内定者にとって貴重な学習期間となります。その限られた時間を有効活用するため、全面的にサポートしてくれるのがeラーニングシステムです。

eラーニングが一般化するまでは、各企業が独自に学習プログラムを設定しなければならず、その管理にも多くの時間と人材が必要であったため、コストパフォーマンスの低さから入社前の自主学習環境の構築を諦める中小企業が少なくありませんでした。しかし、eラーニングであれば一定のコストを支払うだけで簡単に学習管理システムを構築することができる上、学習対象者の人数に合わせた料金形態を取っている運営会社も多いため、採用システムの一環として組み込むことが容易と可能となったのです。

入社後に配属される部門に合わせた専門的学習プログラムを与えることによって、採用後に実施される実務に即したハイレベルな人材育成に対する心構えや業界に対する基礎知識の習得を可能とするeラーニングは、今や人材採用戦略にとってもはや無くてはならないキーツールとなっています。

【関連】 LMS(学習管理システム)とは?意味やメリット、導入方法からLMSの今後までご紹介/ BizHint HR

フィードバックによるモチベーションアップ

企業側が面接や面談といった直接的コミュニケーションとメールやチャットといった間接的コミュニケーションを使い分けながら相互理解を深めるように、採用者側もこれらのコミュニケーションを通じて一つでも多くのフィードバックを与えてもらうことを望んでいます。

自己評価ではない第三者視点による評価は大きな刺激となり、自分を見つめ直すための材料となります。また、無自覚だった魅力や強みに気づくことにより、自信を持って入社までの日々を過ごすことができるのです。

【関連】フィードバックの意味とは?ビジネスシーンにおける活用方法をご紹介/ BizHint HR

人材採用戦略の効果を最大化させるためのコツ

ここまでは人材採用戦略の成功率を高めるためのポイントについて紹介してきました。しかし、それらのポイントを抑えておくだけでは人材採用戦略としては不十分です。年々激化している採用戦争においてライバル企業に大きな差をつけるためには、人材採用戦略の効果を最大化させるためのコツについても把握しておかなければならないのです。

イノベーションを生み出せる採用を行う

イノベーションとは企業内に革新的変化をもたらす技術やアイディアのことです。生産技術や情報技術の飛躍的な向上により、同業種の企業間における技術力や商品力の差はほとんど変わらないレベルにまで縮まってしまいました。

そのような現代社会において他社との差別化は全企業における最重要課題となっており、その実現のためにイノベーションを生み出すことができる人材を必要としているのです。

【関連】 「イノベーション」の意味とは?種類や必要性、イノベーションの興し方から課題・事例をご紹介/ BizHint HR

異分子を積極的に取り入れるメリットとデメリット

確かに多くの企業がイノベーションを生み出す人材を求めています。しかし、革新的な変化を生み出す可能性のある人材を次々に採用すれば良いというものではありません。変化を好む人材ばかりを採用した結果、企業色が曖昧となり、組織力が急激に低下してしまうということがないようにバランス良く採用し、企業内で配置する必要があるのです。

安定した企業活動を継続するためには従来の技術を引き継ぐ従業員や経営者の思いを継承する次世代リーダーが必要不可欠であり、それらはイノベーションとは相反する人材となるため、新たな人材を募集する際にはその人物の配属先での活躍をイメージした上で継承型と革新型から選択し、人材像に盛り込んでおかなければなりません。

また、人材採用に先駆けて風通しの良い企業風土を構築しておくことにより、採用された革新型の人材はそのパフォーマンスを十分に発揮することができるでしょう。

優先項目と優先順位の設定

企業が求める人材像を具体的に作り上げておくことは人材採用戦略を成功させるために欠かせませんが、それら全ての要件を完璧に満たす人材を一定の期間内に見つけ出すことは非常に困難であり現実的な戦略とはいえません。

しかし、これだけは譲ることができないという優先項目を予めリストアップしておくことにより、応募者の中から優先項目を全てクリアしている人材を採用候補者として選別することが可能となるのです。また、優先項目内での優先順位を設定しておくことによって、採用候補者が複数名となった場合でも採用優先度を正しく見極めることができるでしょう。

面接や面談の均質化

面接は筆記試験では図ることのできない採用候補者の内面を評価するために必要不可欠な選考方法です。また、面談は面接から緊張感や威圧感を取り除くことによって気軽に相互理解を深めることのできるコミュニケーション手法です。

人と人が直接的に関わるこれらの手法は、担当者の持つ観察眼やコミュニケーション力に効果が大きく左右されるため、均質化を図ることが難しいとされています。企業はどのような準備をすることで、面接や面談の均質化を実現させることができるのでしょうか。

【関連】 面接と面談の違いを理解し使い分ければ、採用は劇的に変わる/ BizHint HR

面接官トレーニング、リクルータートレーニング

面接や面談の質を早期に高めたい場合、その担当者に対して専門的なトレーニングを実施することが効果的です。面接官トレーニングやリクルータートレーニングは、話す技術や聞く技術に特化したプロフェッショナルを育成することを目的としており、企業の魅力を伝える話術やオープンクエスチョンの積極的利用などテクニカルな部分もしっかりと学ぶことができます。

人材採用を戦略的に扱う場合、全従業員が採用担当者として活躍できるベースを構築しておくことが望ましいため、情報整理やプレゼンテーションを得意とする従業員数名をトレーニング研修に送り出し、その研修成果を全従業員に共有させるといった工夫を加えることで更なる効果を期待することができるでしょう。

【関連】 面接官トレーニングで選考の精度や効果を上げる方法を、具体例を交えてご紹介/ BizHint HR

評価ツールの導入、活用

面接という場を用いて採用候補者から直接引き出す情報には大きな価値がありますが、短時間の中で採用判定に必要な情報を正確に引き出すことは容易ではありません。また、履歴書や職業経歴書、エントリーシートなどの提出書類からは基本的な項目しか読み取ることができず、採用候補者の人間性や職業適性といった要素を図ることはできません。

そのような問題を解消し、採用担当者の負担を減らすために有効な手法が、評価ツールの導入です。配置予定のポジションに必要な要素とその判定方法をまとめた面接用シートや評価スケールを用意しておくことにより、限られた面接時間を有効に活用し、効率的に情報を引き出すことができます。

また、近年ではビジネスマンとしての一般的適性検査だけではなく様々な業種や職種に関する専門的な適性検査も登場しているため、積極性や忍耐力、責任感や倫理性といった性格的判断と合わせて実務に関わるセンスやポテンシャルを推測することも可能となっています。

評価ツールによって得た情報は、採用の際の判断基準としてだけではなく人材配置やプロジェクトメンバーへの起用検討といった場面でも活用することができます。情報の取得と管理、活用を意識的に行うことにより、人材採用という瞬間的な効果ではなく企業活動全般において大きな効果をもたらす価値のある資産を作り上げることが可能となるのです。

口説く力を身につける

面談担当者は、採用候補者に対して対面でのダイレクトアプローチを行うことができる貴重な人材であり、面談担当者の保有するコミュニケーション力やプレゼンテーションスキルがダイレクトリクルーティングにおける採用率に大きな影響を与えることは明白です。しかし、このようなテクニックは一朝一夕で身につくようなものではなく先天的要素が強いために、自分にはそのような才能は無いと諦めてしまう面談担当者も少なくありません。

経営者や人事部は全ての面談担当者が自信を持って面談を実施することができるよう、常日頃から自分の行っている業務内容に興味を持って取り組み、企業活動に積極的に参加することによって同様のスキルが少しずつ身についていくということを全従業員に対して周知しておく必要があります。全ての面談担当者が自信に満ちあふれた表情で自社の魅力を伝えられるようになった時、面談採用率は大幅に上昇することになるでしょう。

在職者の転職意欲を正しく把握する

即戦力となる人材を求めて採用活動を進めていると、在職中の人物が面談リストにあがることがあります。そのような人物と面談を実施する場合、通常の情報収集に加えて転職意欲(転職モチベーション)の把握を行わなければなりません。

  • 現時点で自社に対してどの程度の興味を持っているのか。
  • 転職タイミングはすでに決定しているのか、決定しているのであればいつか
  • 現在の職場にどのような不満を抱えているのか
  • 転職を決断するのに必要な条件は何か(収入、業務内容、労働環境、役職、人間関係など)

この中でも特に、転職先に求める条件と転職タイミングは重要な項目となります。自社とのマッチングを確認し、その上で人材獲得を目指したいと判断した場合には、転職タイミングから逆算してフォローアップの間隔や方法を検討していくようにしましょう。

給与面以外の魅力を生み出す努力を行う

【出典】有効求人倍率の推移(2017年全国版)-年収ラボ

平成21年度以降ずっと有効求人倍率は毎年増加しており採用市場は完全な売り手市場へと転換したといわれていますが、その市場変化を実感することができていない経営者や人事担当者は多いのではないでしょうか。

このことから、求職者数に対する求人企業数や総求人数の増減がその年の採用事情に決定的な影響を与えるまでの力を有しているわけではなく、求職者は売り手市場と呼ばれる現在においても手当たり次第に多数の求人に応募することなく、一つ一つの企業情報や求人条件を吟味し、シビアな視点で応募企業を選定しているという実情が見えてきます。

では、より多くの応募者から優秀な人材を発掘するため、企業側は社員募集を行うにあたってどのようなアピールを行えばよいのでしょうか。

自社への応募意欲を刺激するために高い報酬を提示することは非常に有効ですが、無闇に応募総数を増やしてしまい採用コストを増幅させてしまう原因となる上、ランニングコストの増加という長期的な負担を抱えることになるため、通常の人材採用戦略として考えた場合、その優先度は低く設定するべきだと考えられます。

それに対し、労働環境の改善や福利厚生の充実といった取り組みであれば、新卒者や中途入社者だけではなく既存の従業員のモチベーションを高めることができるためコストパフォーマンスが高く、採用ブランディングという点でも効果を期待することができます。

経営陣や人事部は、採用した人材が長期に渡って働きたいと思える環境の構築が巡り巡って採用の質を向上させることを正しく理解し、広い視野で人材採用戦略を実施するよう心掛けましょう。

応募者の質と量を両立させる

応募者数が増加すればするほど、優秀な人材と出会える可能性は高くなります。しかし、応募者の増加に比例して採用担当者の負担も膨れ上がるため、優秀な人材の見落としや採用コストの増加といったリスクが発生してしまうのです。

応募者の質と量のバランスを調整し、最適なポイントを見つけ出すことによって人材採用戦略の効果を何倍にも増幅させることが可能となります。優秀な人材を効率よく採用するため、以下の点に注意して求人情報を作成するようにしましょう。

ターゲットの適切な設定

ネームバリューの強い大手企業であれば特別な工夫を施さなくても求人募集に対する一定数の応募を見込むことができますが、名前を広く知られていない中小企業の場合にはそう簡単にいきません。

そんな状況を打破しようと、当初計画していたよりも緩めた条件で求人情報を作成することがありますが、この時に深く考えることなく複数の項目を緩めてしまうと採用判定時や採用後に大きなトラブルを生み出す原因となるため注意が必要です。

  • 募集年齢を引き上げることで人材育成戦略や企業戦略の長期プランに支障をきたさないか
  • 条件から除外する資格は入社後に無理なく早期取得することが可能か
  • 未経験者を即戦力に変えることのできる人材育成戦略が構築されているか
  • 未経験者を配置しても大きな損失が発生しないポジションか
  • 労働条件の変更は同一業務を行う既存の全従業員にも適用できるものか
  • 募集条件を緩めることによって人材選別や採用判定が困難とならないか

このように、企業戦略や内部環境によって緩めることのできる募集条件は大きく異なります。より多くの応募者を集めるためにターゲット層を拡大する際は、十分な自社分析を行った上で適切に再設定するようにしましょう。

業務内容の明文化

応募者の質と量を同時に高める方法として、業務内容の明文化があります。人は何かを決断しようと思った時、より具体的で明確な情報を信用し、高く評価する傾向があります。

それは採用市場においても同様であり、淡々と最低限必要な情報のみが書き綴られている求人情報よりも活き活きと働いている自分の姿をしっかりとイメージできる求人情報の方が魅力的だと感じやすいのです。

また、就業イメージを持つことによって企業が求めている人材とのマッチングの高い人材が集まりやすくなるため、即戦力化や長期雇用といった効果も期待することができます。入社後の「こんなはずではなかった」が一切発生しない求人情報を目指し、業務内容の再確認と明文化を実施することによって、応募者の質と量を最高レベルにまで高めることが可能となるでしょう。

現場の声を十分に反映させる

企業戦略を大幅に変更する場合や、新たな分野へ進出するなど大きな動きを伴う場合には経営陣や人事部が率先して戦略的に求める人材像を作り上げる必要がありますが、組織力の底上げや既存従業員の労働環境の改善を目的として新規雇用を行う場合には、現場の声を求める人材像に十分反映させる必要があります。

現場で日々働く従業員の中には創業者や経営者よりも現状を正しく把握し、現場をより良くするために必要な人材要素を的確にあげることのできる人物が数多くいます。その声を活用することにより、採用後に生み出される利益を最大化させていくのです。ボトムアップを自然に行うことのできる企業風土を構築しておくことにより、採用条件の優先項目や優先順位なども適切かつスムーズに行うことが可能となるでしょう。

待機型採用手法からの脱却

これまで日本企業の多くは求人に対して応募してきた応募者の中から最も優秀な人物を選定して採用するという待機型採用手法を中心に行ってきました。しかし、人財という言葉の登場やITインフラの発達によって採用戦争が加速した結果、ダイレクトリクルーティングやインターネットを使用したダイレクトアプローチなど、企業側からアクションを起こす活動型採用手法が次々に誕生し、従来の待機型採用手法を用いるだけでは優秀な人材にリーチすることが難しい状況へと変化していったのです。

優秀な人材に対してライバル社よりも早くアプローチを仕掛けることのできる活動型採用手法は人材採用戦略において非常に優れた手法ですが、そんな活動型採用手法にもデメリットは存在します。それが、一定期間内における採用人数の限界と比較対象がいないことによる採用判断の難しさです。

大勢の応募者を筆記試験や面接によって点数化し、その年に採用したい人数を上位成績者から拾い上げていく従来の採用方法とは違い、面談相手の就業意欲が十分に高まらなければ採用ステップに進めない面談は早期に一定数の新規人材を必要とする企業には向いていません。そのため、活動型採用手法だけを用いて人材補充を行うということも非常にリスキーなのです。

採用市場全体を見渡す広い視野を持ち、待機型採用手法と活動型採用手法を適切に使い分けることによって、今後更に激しさを増していく採用戦争を勝ち抜くことができるでしょう。

【関連】「ダイレクトリクルーティング」とは?特徴と国内サービス総まとめ / BizHint HR

PDCAサイクルを意識的に回す

計画(Plan)を立てて実行(Do)に移し、その結果をしっかりと検証(Check)した上で計画の改善(Action)を行う。

この一連の流れがPDCAサイクルであり、計画に関わる全ての人物がこの流れを意識して行動することによって計画の質を高めていくことができます。

状況や条件の変化が頻回に起こる計画や長期に渡る計画を実施する際に有効なPDCAサイクルは、市場変化の激しい人材採用という分野においても高い効果を発揮します。採用結果の合否に関わらず、一つ一つの採用活動を詳細に分析することにより、自社の人材採用戦略が持つ強みと弱みを認識し、より強固な戦略へと育て上げることが可能となるでしょう。

採用管理システムが人材採用戦略の常識を大きく変える

採用活動の負担軽減と母集団形成を主な目的として、求人表作成や応募フォームの自動作成から応募者管理まで一括して行うことのできるシステムをATS(Applicant Tracking System=申請者追跡システム)といいます。そして、採用管理機能を更に強化したものを採用管理システムといいます。

採用管理システムにできること

採用管理システムが扱う情報は多岐に渡っており、システムによっても機能に差があるため一概には言えませんが、主に次のような機能が備わっています。

  • 求人情報の作成、公開、管理
  • 様々な求人媒体への一括掲載
  • 求人に対する応募者の登録、管理
  • 履歴書やエントリーシートをデジタルデータとして保管
  • 応募に至った求人媒体(応募経路)の記録、分析
  • 面談や採用試験の日程調整(スケジュール調整)と進捗度管理
  • 選考内容と評価の保存
  • 適性検査の実施、管理
  • 採用後のフォローアップ
  • 応募者、採用者とのメール管理
  • 採用手法ごとのコストパフォーマンスの自動分析とレポート化
  • 人材採用の質に直結する様々な要素のビジュアル化(可視化)

PDCAサイクルによる採用ノウハウの蓄積と人材採用戦略の改善は、採用コストの減少や優秀な人材の獲得数増加という明確な形で効果を示します。しかし、膨大な採用関連情報を自社内で適切に管理して分析し、活用まで行うという一連の流れを継続することは想像以上に難しく、正しくPDCAサイクルを回し続けている企業は決して多くないというのが現状です。

それは裏を返せばPDCAサイクルを正しく回し続けることによって大きなアドバンテージを得られるということでもあるため、同業他社よりも質の高い人材採用戦略を構築したいと考える経営者や人事担当者はこぞって採用関連情報の継続管理と活用という困難課題をいとも簡単に解決へと導いてくれる採用管理システムの導入を検討しているのです。

採用管理システムを導入するメリット

採用管理システムを導入するメリットは経営者や人事担当者がPDCAサイクルを安定して回せるというだけではありません。

  • 採用活動の負担が激減することにより、コア業務へ集中することができる
  • 面談担当者や採用担当者の適性や不足スキルを確認し、質の向上を図れる
  • 全従業員に対して人材採用状況をリアルタイムで公開し、情報共有することができる
  • 採用に関するオペレーションミスを激減させることができる
  • 採用担当者の変更や引継ぎをスムーズに行うことができる

このように、採用管理システムは様々な場面で企業活動をサポートしてくれる万能ツールなのです。数多く存在する採用管理システムの中から自社に最適なものを導入することにより、本業の手を抜くことなく優秀な人材への積極的なアプローチを行うことができる、攻守揃った人材採用戦略を構築することが可能となるでしょう。

【関連】「採用管理システム」導入メリットと、比較・検討のポイント / BizHint HR

まとめ

  • 企業はその規模に関わらず、人材採用戦略を活用することによって採用市場で大きなアドバンテージを得ることができる
  • 企業戦略や人材育成戦略などの戦略と一貫性を持たせて運用することにより、人材採用戦略の効果を最大化させることができる
  • 数多く存在する求人募集方法から自社にとって最適な媒体を選択することが優秀な人材との出会いに繋がる
  • 求職者側の満足度向上を意識して構築された人材採用戦略によって平均勤続年数は上昇し、採用のコストパフォーマンスも高まっていく
  • 採用管理システムの重要性を正しく理解し、自社に最適なシステムを選択することによって、競合他社に大きな差をつける人材採用戦略を構築することが可能となる

注目のビジネス事例トピックを、逃さずチェック。

大手やベンチャー含め計90,000人以上の会員が利用しています。

BizHint の会員になるとできること

  • 事業運営のキーワードが把握できる
  • 課題解決の事例や資料が読める
  • 厳選されたニュースが毎日届く
  • アプリで効率的に情報収集できる
いますぐ無料会員登録

ビジネス事例や製品の情報を受取る

フォローしたキーワードの最新トピックをトップページに表示します。 フォローはでいつでも変更することができます。
フォローを管理する

目次