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2018年9月19日(水)更新

内定者研修

内定者研修は、内定辞退を防ぎ、内定者を入社まで導くために重要な1つの要素です。研修で取り入れるべき内容は「働く」ということを理解してもらう、ビジネスマナーを身につけてもらうなど、さまざまなものが考えられます。本記事では、内定者研修で入れるべき内容のまとめ、ポイントや時期についても説明いたします。

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内定者研修の必要性

内定を出し、採用活動を終了させた企業がしなくてはならないことは、内定者を無事に入社までつなげることです。昨今の就職活動において、企業からぜひ入社して欲しいと思われる学生は、複数の企業からの内定を獲得している競合人材となります。内定辞退を防ぐためにも、入社までの「内定者フォロー」が非常に重要となってきています。

さらに学生たちには、未経験の社会で働くことや未知数である自らの能力への不安がつきまとっています。内定辞退を防ぐためのフォローを行いながら、学生の不安を取り除き、高い意識で入社式当日を迎えることができるよう導くためには、「内定者研修」が有効です。

内定者研修をより充実したものにするため、研修で入れるべき内容をまずは考えていきます。

【関連】内定者フォロー、正しくできていますか?内定辞退を減らす方法とは / BizHint HR

内定者研修で入れるべき内容1:企業で働くとは何か

アルバイト経験があったとしても、正規社員としての労働に従事したことがない学生にとって、そもそも企業で働くという現実を想像するのは難しいものです。一言でいえば、企業利益の追求とその対価としての賃金を得ることになりますが、もちろんそれだけではありません。そこで、まずは多様的な意味合いを持つ「働く」というイメージを鮮明にするための研修内容が必要になってきます。

社会人とは

広義での社会人とは、社会に参加している人、社会において責任を持って生活している人を指しますが、一般的には、社会人=労働者という意味で認識されています。よって、社会人は実社会における権利と義務の主体としての存在であり、人格が完成しているものとみなされることで、意思が尊重される反面、故意や過失などによる失敗に対しては、社会的な制裁を受けることにもなります。このことを十分に内定者に理解させることが必要です。

学生と社会人の違い

学生は授業料を払い将来のために知識や技能、資格などを習得し、学業成績を向上させることを目的とします。一方、社会人は組織の一員として、会社や上司の方針に基づいて、業務目標達成の一部を担うことになります。人間関係の面においても、両者の事情は異なります。学生は、ほぼ同年齢であり同質の人間関係の範囲で行動ができます。つまり、利害関係もなく気の合った人とだけと付き合うことができます。しかし、社会人は役割や利害が明確であり、職位や年齢、経験などの異なる集団の一員として行動することとなります。

社会に出て働くとは

大別すると、学生は一般消費者であり、社会人は消費者かつ提供者となります。消費者の判断基準は、自分が「好きなもの」「楽しいと思えるもの」「欲しいもの」などであり、提供者は「企業の売上、利益」「顧客が喜ぶもの」「顧客が必要としているもの」といったことを判断基準とします。つまり、社会に出て働くということは、企業の売上、利益に貢献するために、顧客が求めるものを創造し提供することを自らの仕事として従事することと言えます。

内定者研修で入れるべき内容2:会社への理解

社会人として働くことを理解した次は、実際に所属することになる企業が、どのような組織であるのかを知る段階となります。企業ごとに異なる風土や仕事の進め方などを知ることで、新入社員として、その企業で働くイメージを明確にできるような研修内容を用意します。

業務内容の理解

内定段階で配属先が決まっている場合、その部署に特化した業務内容を理解する機会となります。配属先が未定の場合は、まずは概要的、横断的に、さまざまな部署での業務内容の理解を目指します。部署によって業務内容は異なりますが、多くの部署において共通する業務もあるので、それらを理解することで入社前の実践的な準備となります。

職場(オフィス)見学

会社や業務内容の理解をより現実的なものにするためには、実際に現場を目にすることが効果的です。百聞は一見にしかずです。話で聞くイメージの世界と、実際に身を置くことになるリアルな空間を一致させることで、まさにそこで働いている自分の姿を具体的に描けるようになります。

社員紹介

職場見学の際には、社員紹介の機会を設けると効率的です。改まった形式の紹介もありますが、職場見学に先輩社員にも同席してもらいながら、適宜説明や質疑応答などを挟んだ自然な形での紹介ができると、実際に働く空間とそこで働いている先輩社員という二つを実感できる機会となります。

内定者研修で入れるべき内容3:ビジネスマナー

当然のことですが、社会で働く上でも企業で働く上でも、その前提には相手(他者)が存在しています。そして他者と関わることが必然である以上、マナーが求められることもまた必定となります。そこで、ビジネスにおいて良好な人間関係を築いていく上で身につけておきたいマナーを学べる機会を用意する必要があります。

あいさつ

人間関係は、あいさつから始まります。そして、あいさつは、相手の心を開く効果を持つほどの影響力を備えています。気持ちの良いあいさつは、相手への敬意や信頼を表すことができます。その結果、コミュニケーションがスムーズになり、ミスやトラブルの回避にもつながります。

【あいさつのポイントの例】

  • 明るい笑顔と声で
  • 相手より先に
  • 相手の目を見て
  • あいさつの言葉に一言添える

身だしなみ

職場や仕事によって、相応な身だしなみの基準は変わります。しかし、身だしなみというのは、個人の趣味やファッションではありません。あくまでも、身だしなみが適切なものかどうかの判断をするのは、職場で接する人たちということです。重要なことは、相手に不快感を与えない身だしなみであって、それにはどんな職場にも共通する「清潔感」「機能性」といったものがあります。

電話対応

社外の人との接点となる電話対応は、大げさな言い方をすれば、会社を代表しての行為ということになります。つまり、そこに新人もベテランもないということです。だからこそ、入社直後から相手への失礼のない対応が求められる仕事と言えます。

【電話をかけるときの注意点の例】

  • 相手の時間を割くことになるので、まずは都合をうかがう
  • 事前に目的をはっきりさせ、要件をまとめてメモしておく
  • 簡潔明瞭な話し方をする

【電話を受けるときの注意点の例】

  • 相手を待たせないことが重要。1コールもしくは2コールのうちに電話を取る
  • 第一印象を意識して、感じの良い声のトーンで応答する
  • フリーダイヤルでない場合、電話料金がかかっているというコスト意識を持つ

言葉づかい

正しい言葉づかいは、相手との関係性を明確にするものです。顧客、取引先、上司などに対して、尊敬や信頼を抱いていることを伝えるためにも不可欠なマナーです。つまり、ビジネスマナーにおける言葉づかいとは、敬語の使い方ということになります。

【敬語の種類】

  • 尊敬語:目上の人へ敬意を表す言葉で、動作・状態・所有物などに使います。主語は相手になります。
  • 謙譲語:自分がへりくだることで、間接的に相手に尊敬の意を表するときに使います。主語は自分になります。
  • 丁寧語:語尾を「です」「ます」調にすることで、丁寧な表現に変えます。
  • 美化語:「お」「ご」を頭につけることで、その物の言い方を美しくします。
普通の言い方 尊敬語(相手に使う) 謙譲語(自分に使う)
する/やる なさる/される いたす
いる いらっしゃる/おいでになる おる
言う おっしゃる/言われる 申し上げる
話す お話になる/話される お話する/申し上げる
聞く お聞きになる 拝聴する/うかがう
行く いらっしゃる/おいでになる うかがう
来る いらっしゃる/おいでになる 参る
見る ご覧になる 拝見する
知る お知りになる/ご存じ・・・ 存じ上げる
会う お会いになる お目にかかる
待つ 待たれる/お待ちになる お待ち申しあげる
訪ねる 訪ねられる/お訪ねになる お訪ねする/お伺いする
与える くださる/たまわる 差し上げる
もらう 受け取られる いただく
伝える お伝えになる 申し伝える

ほうれんそう(報告・連絡・相談)

業務状況や結果を上司に報告することは、ビジネスにおける基本となります。しかし、仕事を潤滑に進めていく上ではこれ以外にも必要なことがあります。よく耳にする「ほうれんそう」、すなわち報告・連絡・相談です。

定期的に状況や結果を報告するだけでは、スピードを求められる昨今のビジネス社会では、判断が遅れてしまうこともあります。タイムリーな判断ができるように、連絡・報告を密にすることが求められます。また、仕事を遂行していくうちに生じてくる疑問や不安も、上司や先輩に相談することで解決、解消され、パフォーマンス低下の防止につながります。

とはいえ、「ほうれんそう」に慣れていない多くの学生は、この慣習の重要性を理解できていません。研修では、企業独自の「ほうれんそう」の具体的な方法をレクチャーする前に、自らの勝手な判断が、ビジネスにおいては大きな損失につながる危険性をはらんでいることを認識させることから始めると良いでしょう。

内定者研修で入れるべき内容4:チームビルディング

仕事をするときには、個人で進めていく業務もありますが、部署内や部署を横断したチームで取り組む業務もあります。チームで仕事をしていく上で必要となるのは、目的・目標を達成するために良好なチームワークを構築すること、すなわちチームビルディングです。

チームで働くとは

チームで働くというと、個を抑えてチームのために身を捧げることが求められるように思われがちですが、それではチームで働くことのダイナミズムを削いでしまうことになります。チームを構成する個人というものはあくまでも個性的なまま存在して、その人それぞれの特徴や長所を融合させることでシナジー効果を生み出し、個の総和以上の力を発揮することが醍醐味となります。もちろん、全員が独断専行であってはチームビルディングは叶わないので、相互に不足していることを補完し合うことも、チームで働く上では不可欠となります。

同期の絆を深める

内定者研修におけるチームビルディング用ワークは、実際の業務に向けての練習の場でもありますが、一方では同期との絆を深める場にもなります。働き始めた後、困った時の救いになってくれるのは、同期の存在だったりします。同期とは、ときにライバルであり、ときに心強い味方でもあります。ベテランになった後にも続いて行く、強固な絆を結ぶきっかけとなるプログラムになりえます。

【関連】チームビルディングの意味・目的とは?ゲームなどの手法もご紹介 / BizHint HR

内定者研修のポイント

そもそも人事部として内定者研修を実施する目的は何なのでしょうか。その目的を明確にすることで、自ずと研修におけるポイントが見えてきます。簡潔に言えば、入社に際しての企業と内定者相互の要求のすり合わせということになります。つまり、企業側が内定者に求めることと内定者が企業に求めることを伝え、把握し合うことです。

①内定者との連絡を定期的に取る

内定者は、内定の連絡を受けた後も実際に入社式を迎えるまでは、さまざまな不安を抱えています。たとえば、入社日までのスケジュールの連絡がしばらく来ないだけでも、「自分だけ連絡を忘れられているのかもしれない」「実は、いただいた内定の連絡は手違いだったのではないか」という不安を抱いたりします。

もちろん、人事担当者は採用業務だけに従事しているわけではないので、こまめな連絡を入れる時間が取れないこともあります。しかし、月に1回は連絡を入れるなどの定期的な連絡の予告をするだけで、内定者の不安は一気に軽減されます。まずは内定者を安心させるためにも、定期連絡をとるようなフォローを心がけると良いでしょう。

②内定者同士の交流の場を設ける

内定者の不安は、入社後のことにも及びます。同じ学校で友人に囲まれていた環境から、企業という右も左もわからない、見知った顔のいない環境に飛び込んでいかねばならない現実は、等しく不安を生じさせるものです。

内定者が共通して抱くこの不安を解消する方法の一つが、同期のつながりをつくる場、親睦を深める場を設けることです。同じ不安を抱えた者同士だからこそ、短時間で打ち解け合うこともでき、その結果同期の結束を固める機会にもなります。

③柔らかな雰囲気で行う

ビジネスの世界は甘くはありません。一言でいうならば、競争社会です。しかし、それまで本格的な競争社会に身を置いたことのない内定者を、そのシビアな雰囲気のなかに一気に放り込めば、無用な不安を増長させてしまいます。

ものには順序があります。一つひとつステップを踏みながら、徐々に新しい環境に馴染ませていくことが、長期的には最適な選択となります。なかには、恐怖さえ感じてしまうような内定者研修を実施している企業もありますが、入社前の大切なタイミングでは、やはり企業に対しても、同期に対しても安心感を得られるような柔らかい雰囲気でのファーストステップを踏ませてあげることが望ましいでしょう。

④必要最低限なことだけ行う

せっかく内定者を一堂に集めて研修を実施するのだから、人事部としては多くの内容を詰め込みたくなってしまうかもしれません。しかし、あまり多くのことを要求することで、すべてが消化不良になり、企業も内定者も不全感しか残らない研修となってしまったら本末転倒です。欲張りたい気持ちを抑えて、入社に際して必要最低限なことに絞ったプログラムにすることが、効果的な研修にするポイントです。

もちろん、必要最低限なことは、業界や企業によって異なります。一方で、社会人として汎用的に求められる力というものもあります。たとえば、日常的な業務の一つに文書作成があります。それには当然、一定の文章力が求められます。それと同時に、文書作成のための情報収集力も必要になります。「文章力=書き伝える力」と「情報収集力=読み取る力」を鍛えるために、入社までに抑えておきたい企業の歴史や業界の概要、動向などを読ませ、それについてのレポートを作成させることは、実践的な力を体得させるプログラムだと言えます。

【関連】「内定者フォロー」事例10選!計画のポイントや企業事例もご紹介 / BizHint HR

内定者研修を行う時期

卒業をするまでは、内定者は当然大学の授業に出席します。特に4年生の秋以降は、卒業論文の作成に時間を割かれる学生は多いです。そのようなスケジュールで進む学生生活と並行して実施される内定者研修は、一般的にはいつごろ行われているのでしょうか。

内定式後

多くの企業は、10月1日に内定式を行ないます。その内定式において、同期の顔合わせを済ませてから、時を空けずに内定者研修を実施するパターンが主流のようです。1週間程度で集中的に実施する研修から、2週間〜1ヶ月に一度のペースで、定期的に行われる研修もあります。

春休み

最近は、卒業論文の提出と卒業試験を終えた、2月3月の春休み期間中で実施をする企業も増えています。学業をひと段落させたあとに行われることで、内定者が研修に心置きなく没頭できることが利点です。一方で、卒業旅行を予定している学生も多数いることで、人事担当者はスケジュール調整に頭を悩ませることにもなるようです。

内定者研修を受ける際の服装

企業側から「リクルートスーツの着用で問題ありません」というように明確に指示することで、内定者を混乱させずにすみます。研修が複数回実施される場合でも、シャツやカットソーの色を変えれば同じスーツで対応できるので、内定者も安心するでしょう。

逆に、服装を指定しないことで、就職活動を終えた内定者のなかには、ファッショナブルな服装にしたいという気持ちが湧く人も出てきます。研修時、人事部の手間を増やさないためにも、明確な指示は有効となります。

まとめ

  • 内定者研修は、企業と内定者相互の要求のすり合わせの場。
  • 内定者が、社会人として、不安なく、高い意識で入社日を迎えられるためのプログラムが好ましい。
  • 研修内容は、あれもこれもと欲張らずに必要最低限なものにする。

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