内定者研修
採用難や就職観の変化、少子化、グローバル化など様々な理由により、重要性が高まり続けている内定者研修。しかし、「周りの企業がやっているから」など、明確な目的意識を持たないまま内定者研修を実施している企業は決して少なくありません。重要性を正しく理解し、ノウハウを学ぶことで、内定者研修の精度は大きく向上します。今回は、株式会社グロービスで内定者・新人向けサービスの運営を担当する寺内健朗さんに、内定者研修の重要性が高まっている理由や研修内容、研修の設計方法、成功させるポイント、内定者研修のあるべき姿について語っていただきました。
内定者研修の重要性が高まっている理由
なぜ、内定者研修が必要になってきているのか。日本経済と企業を取り巻く大きな環境の変化からお伝えします。
まずは「 働き手の減少 」です。少子化により若い働き手が年々減っていくなかで、多くのベテラン層が退職していきます。そのため、どの企業も限られた人材でどのようにビジネスを進めるかについて、大きな課題感を抱いています。
つぎに「 国内需要の変化 」です。高齢者比率の増加と、本格的な人口減少が進むことから、国内の消費全体も減少方向にあるため、今までとは違う顧客や事業を開拓していかなければ生き残れない経営環境が到来しつつあります。そのため、どの企業もITの活用や新規事業の開拓、グローバル展開に着手せざるを得ません。
働き手は減少し、ビジネスを取り巻く環境も複雑さを増しています。このような状況に対応するため、 若手人材を少しでもはやく一人前に育て上げ、一段高いマインド(心構え)やスキル(技術)を持った状態でビジネスに参画してもらうことが、企業が勝ち残るためのカギになるでしょう。
そのため、新人社員の早期育成が非常に重要な課題となっており、「これまでの入社後の研修だけではたりない、間に合わない」と感じている企業も増えてきていることから、内定者研修で育成のステップを一段階早め、しっかりとしたマインドやスキルの土台作りを行う必要性が高まっているのです。
近年の若者の志向性も要因のひとつ
内定者研修は内定辞退防止の役割も果たします。これは近年の若者の志向性に関係があります。
近年の若者の多くは「 物質よりも精神的な満足 」という考え方の傾向が強く、 企業に対し「自己成長」や「自己の価値感」の優先を期待しています。
そのため、内定者研修を通じて「この会社に入社したら自分は大きく成長できそうだ」と思ってもらえることや、「自分の価値感と合っている」と感じてもらうことが大事です。そのように感じてもらうことで、企業に対する信頼感や愛着も強まっていくでしょう。
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