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連載:第39回 組織作り その要諦

急成長でも組織が壊れない会社の作り方。100名までに「組織の○○」を

BizHint 編集部 2022年4月18日(月)掲載
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人間と同様、組織にも成長痛があります。小規模組織では全員の顔が見えて意思疎通できていたものが、100名くらいでそれまでのやり方が機能しなくなる…。事業や組織をさらに拡大するために、組織づくりのハードルをどう乗り越えていけば良いのか?今回は、数年前まで社員数が二ケタだったものが、今や500名超。評価額も1000億円を超えるユニコーン企業「SmartHR」の執行役員・人事責任者の薮田孝仁さんに、同社の組織づくりを振り返っていただきました。

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株式会社SmartHR
執行役員・VP of Human Resource(人事責任者)
薮田 孝仁さん

2006年より株式会社ECナビ(株式会社VOYAGE GROUP)にてWebディレクターとして従事。2008年に株式会社ライブドアに入社し、2011年より人事を担当。2013年LINE株式会社に商号変更を経て、2013年4月より採用、育成、組織活性化を担当する人材支援室の立上げに従事。2018年12月、SmartHRに入社し、2019年1月より現職。採用、人材育成、評価制度、組織改善の分野を担当。


50名規模から見据えていた、社員が増え続ける未来。「採用の仕組み」の必要性

――現在の貴社の採用部門では、どのような目標をもって動いているのでしょうか?

薮田 孝仁さん(以下、薮田): まず半期に一度、会社全体として1年先までの人員計画を立てます。それを「どう充足させていくか?」が活動のベースになります。採用チームの役割は大きく2つ。一つは母集団形成。もう一つは、面接調整等のコーディネーション全般です。コーディネーションには、候補者のクロージングも含んでいます。それぞれで目標設定は違ってきます。

採用部門全体で重きを置いているのは、何より「充足」です。これを達成するためにいくつかの指標を見ています。 まずは、一次面接数。 母集団ももちろん大切ですが、一次面接に応じていただける方がどれくらい応募してきているかは、大きなポイントです。 そしてリードタイム。 応募から内定まで、どれくらいの日数を要しているかです。 そして最後に、内定承諾率 ですね。

――採用チームの体制について教えてください。

薮田: 2022年3月現在、正社員で13名、それ以外にも派遣社員の方や業務委託でサポートいただいている方も含めると20名程です。そのメンバーが3つのチームに分かれています。エンジニアやプロダクトに関わる人材を採用するチームが2名、ビジネス周りの人を採用するチームが4名、コーディネーション・面接の調整や内定のクロージングを担うチームが6名です。加えて採用全体を見るマネージャーがいます。

――3つのチームに分かれている理由は?

薮田: 少し昔話にもなりますが、まだ私が入社する直前、2018年頃の社員数は50名未満でした。採用は、前社長の宮田とオールマイティに人事業務をこなす方の2名で対応していました。その後、人事担当として私が入社し、さらに2019年に1名増えました。その時は、バックオフィスとビジネス、プロダクトの3つの部門をそれぞれ1つの採用担当として、1担当者が母集団形成からコーディネーションまでのすべてを担っていました。

そのうち、採用目標が増えるにつれて、一人の担当者がすべてをやるのはどうしても難しい…となってきました。 一人の採用担当者で対応できるのは、年間20名採用を超えると苦しいという指標 もありました。事業成長に伴う将来の採用数を鑑みると、採用メンバーの頭数を単純に増やし続けた場合、破綻するのが見えている…つまりスケールしないやり方でした。

そして中身を見ると、母集団形成や採用広報業務と、面接の調整などのコーディネーション業務とでは業務の毛色が全く違っていました。担当者によっても得意領域が異なることも見えていました。「だったら、分けた方が上手くいくのでは?」ということで、2019年の半ばぐらいから、現在に通じる「リクルーターとコーディネーター」という役割分担に変わっていきました。

例えて言うと、近年マーケティングや営業の分野で語られる「The Model(ザ・モデル)」の概念がベースにあります。顧客の認知を獲得し、ニーズを確認して、アポイントを取り、商談・受注し、定着・リピートしてもらうといった営業活動それぞれの役割を、役割ごとに得意なチームが担当するというものです。

採用においては、まず母集団形成、その後にコーディネート、そして内定・クロージング、さらには入社以降のオリエンテーション…と、当社の人事組織は「The Model」型になっています。採用人数がどんどん増えることが見えていましたので、採用担当者の頭数よりも、仕組みで解決すること、スケールする仕組みを作っておくことが重要でした。 「このやり方なら、スケールするな」と思いました。

人事・採用担当者の見極めは「数字で話せるかどうか」

――採用部門の担当者の採用や組織づくりはどう進めていったのでしょう?

薮田: 基本的には中途採用でした。採用経験のある方も必要ですし、そうでなくてもコーディネーション業務ができそうだということであれば採用していました。また、社内異動の方もいます。

とにかく、こういう人と決め過ぎず、色々な方を採用していましたね。その中で重視していたのは「数字やデータを見る力があるかどうか」です。というのも、The Model的な役割分担、目標設定をしていく上では、 必然的に数字で話す力が必要になる からです。

例えば、当社では採用管理表というものがあり、現時点のオファー数や通過者数などが見られるようになっています。

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