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2018年10月27日(土)更新

内定式

内定式とは、企業が内々定を出していた学生に対し、内定を正式に出す式典のことです。内定式の開催には、入社意志の最終確認、企業風土の浸透、内定者フォローや同期意識の醸成といった目的があります。この記事では、内定式の内容や、企画から開催までの流れ、人事としての心構えなど、内定式を開催する上で企業側が理解しておくべきポイントについて解説します。

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「内定」と「内々定」とは

内定式について理解するためには、まず「内定」と「内々定」について理解する必要があります。

「内定」とは、求人への応募者に対し、入社を正式に約束することを意味します。合意がなされた日から入社日までが内定期間となります。新卒の学生を対象とした内定は、一般的に経団連が発表している「採用選考に関する企業の倫理憲章」の「採用選考に関する指針」にある「採用内定日」(一般的に卒業年次の10月1日)以降に出されます。

倫理憲章に基づくと、大学生には採用内定日以降にしか内定が出せません。ですが、それでは採用活動上、支障が生じてしまいます。そのため、企業は内定の解禁日より前に最終選考を通過した学生に対し、「解禁日以降に内定を出す」という約束、つまり「内々定」を出します。

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内定式とは

内定式とは、企業が内々定を出していた学生に対し、内定を正式に出す式典のことです。一般的には、経団連の倫理憲章で規定される「採用内定日」、つまり解禁日とされる10月1日以降の平日に開催されます。内定式に出席した学生は「採用内定書」を受け取り、「内定承諾書」を提出します。

内定式を開催する目的

採用内定書、及び内定承諾書の交換だけに注目すれば、わざわざ内定式を開催する必要は必ずしもありません。また内定式の開催には、会場費や人件費、交通費など、様々なコストが発生します。では、なぜ内定式を開催するのでしょうか。その目的について解説します。

入社意志の最終確認

最も重要な目的として、入社意志の最終確認が挙げられます。

昨今の新卒採用市場は、大学生にとって売り手市場とされています。複数企業の内々定を勝ち取る学生も多くいますが、入社できる会社は一社です。学生側は遅くとも内定式までに入社する企業を選び、他の企業に関しては辞退します。そして内定式では、入社意志を最終確認し、誓約書を交わすことになります。

入社に関する事務手続きの実施

実務上の話となりますが、内定式では、企業へ入社する上での事務手続きが行われます。

企業は正式な内定を意味する「採用内定書」を学生に渡し、「内定承諾書」や「入社誓約書」といった書類を学生から受け取ります。

それ以外にも、勤務地・配属希望に関するアンケートや、卒業見込み証明書、成績証明書、健康診断書、給与や交通費振込のための銀行口座開設に関する書類など、入社に際し必要な書類の手続きが行われます。

社会人としてのマインドセット

社会人としてのマインドセットを持たせることも、内定式を開催する目的の一つです。

就職活動も終わり、気が緩んでいる学生たちも多いことでしょう。内定式には、学生たちの気を引き締め、社会人生活が始まることへの意識づけを行う意味もあります。

企業文化の浸透

企業文化の浸透も、目的の一つとして挙げられます。

新卒採用を行うメリットとして、企業文化の強化が挙げられます。一般的に、人は初めて入社した会社の文化や風土の影響を強く受けます。そのため、中途採用者の場合、ファーストキャリアでの経験や文化が邪魔をし、入社後に期待していたパフォーマンスが発揮されないといった障害が発生する可能性があります。

一方新卒採用者の場合は、一般的に職務経験が無く、どの企業組織にも所属したことがない「まっさら」な人材です。中途採用者と比較してクセがついていないため、企業の文化を浸透させやすく、企業風土を醸成させるにはうってつけの人材となります。

そして、企業文化の浸透を行うタイミングは、早ければ早いほど好ましい、と言えます。内定者に対し教育を施し、文化をしっかり理解してもらうことで、企業文化の強化が期待できます。

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内定者フォローの一環として

内定者フォローとは、内定辞退や入社後の早期離職を防ぐために実施する、入社までの期間のフォローのことです。人事担当者と学生の間で様々なコミュニケーションを重ね、入社への不安を解消し、入社への期待感を高めていきます。

内定式は、内定者フォローの一環としても開催されます。企業側が内定者に対し入社を歓迎する姿勢を見せることで、内定者の不安を払拭し、モチベーションを向上させる効果が期待できます。

【関連】BizHint HR:内定者フォロー、正しくできていますか?内定辞退を減らす方法とは

内定ブルー対策

内定ブルーとは、内々定先や内定先に勤めることを悩む状態を指します。「その企業で活躍できるのか」「自分のファーストキャリアとしてその企業が本当に良いのか」といったことを考えあぐね、不安を感じ、憂鬱な状態に陥ってしまうことを意味します。

不安のタネとしては、大きく「同期や先輩社員との人間関係がうまくいくか」「自分が社会人として活躍できるかどうか」という二点が挙げられます。

内定式では、親睦会の開催や事業内容の説明を実施する企業が多くあります。同期や先輩社員とのコミュニケーション、業務内容の理解を通じ、学生の抱えがちな内定ブルーを和らげる効果が期待できます。

【関連】BizHint HR:内定ブルーを解消・防止するための内定者フォローのポイント

同期意識の醸成

同期とは、時にはお互い競い合い高めあうライバルであり、時には悩みや辛さを分かち合う仲間でもあります。同期の絆の深さは、多くの場合、企業にとってプラスに働くことでしょう。

内定式には、内定者が「入社」という人生の転機を共に迎えることで、同期意識を醸成し、横のつながりを強くする役割もあります。

内定式の内容

ここまでは、内定式を開催する目的について解説してきました。ここからは、内定式の具体的な内容について紹介していきます。

社長や役員、人事部長からの挨拶

内定者に向けて、社長や取締役といった役員、人事部長などからの挨拶が行われます。挨拶の内容としては、入社の歓迎メッセージや、入社後の活躍への期待、残りの学生生活でやっておくと良いこと、などが一般的です。

内定書の授与

採用内定書の授与が行われます。大手企業のような新卒採用者の多い会社では、事前に代表者を指定し授与することが一般的ですが、一人ひとり名前を読み上げ授与する企業も多いようです。

内定承諾書の提出

学生から内定承諾書を提出してもらいます。また、入社の諸手続きに必要な書類も回収します。

事業内容の説明

社会人として働くことを意識付けるため、改めて事業内容の説明を行う会社もあります。事業内容や業務内容をよく理解してもらうために、職場見学が開催されることもあります。

テストや適性検査の実施

語学力の調査や配置・配属先検討のため、内定式においてテストや適性検査を実施する会社もあります。

内定者研修の実施

内定者フォローや同期意識の醸成を目的とし、入社までの内定期間中に内定者研修を開催する企業もあります。

内定者研修の日程や内容は企業によってまちまちですが、内定式を皮切りに実施するパターンが主流のようです。日程も、1週間程度で集中的に実施される場合から、2週間〜1ヶ月に一度のペースで、定期的に行われる場合もあります。

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内定者の自己紹介

内定者の自己紹介を内定式で行う企業もあります。内定者は自己PRの機会として、事前に準備してくることが一般的です。人事担当者としては自己実現のサポートができるよう、一人ひとりの考えや想いをしっかり聴き、理解するようにできると良いでしょう。

内定者同士や先輩社員との懇親会

内定式では、内定者同士や先輩社員との親睦を深めることを目的とし、食事会や懇親会が開かれることも一般的です。

注意点としては、先輩社員なら誰でも良いわけではなく、内定者のロールモデルとなるような人材に参加してもらえるようにしましょう。模範としては相応しくない先輩社員とのコミュニケーションは、内定者のモチベーションを下げ、結果として内定辞退を招いてしまう場合もあります。

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内定式 企画から開催までの流れ

内定式の企画から開催までの流れについて解説します。

目的の確認

自社において、内定式を開催する目的やねらいを確認しましょう。

企業の中には、内定式を開催しない会社もあります。また、「学業や研究に支障が出る」という理由で、内定式開催に否定的な声が大学側から挙げられることもあります。何のために内定式を開催するのか、目的を明確に定められると良いでしょう。

開催日時の検討

開催日時を検討しましょう。一般的には、経団連の倫理憲章で規定される採用内定日(10月1日)直後の平日に開催するケースが多いようです。

開催場所の検討

内定式の開催場所を検討しましょう。

特に内定式に併せて職場見学を行う場合は、会社内の会議室で開催することが一般的でしょう。また、貸し会議室やホテルの宴会場、イベント会場などで開催する場合もあります。

全国に支社がある大企業の場合、会場を東日本と西日本、例えば東京と大阪といったように、複数に分けて内定式を開催する場合もあります。

ちなみに、会場までの交通費については、参加者の出席を促すため、往復交通費を企業が支給するケースが一般的です。

プログラムの検討と手配

内定式開催の目的を達成するためのプログラムを企画し、手配しましょう。

入社へのモチベーションを喚起するため、映像を制作して発表したり、アイスブレイクとなるようなゲームやワークショップを実施したり、芸能人を呼んでイベントとして盛り上げたりする企業もあります。

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内定者への連絡

内定式の手配が済み、プログラム内容が決まり次第、内定者へ詳細を連絡しましょう。遅くとも一ヶ月前には連絡するようにしましょう。

連絡すべき内容としては、以下のような項目が挙げられます。

  • 日程
  • 開催場所
  • 式の内容
  • 服装
  • 持ち物

特に服装に関しては、学生側も迷うことが多いようです。例えば「服装自由」という表記では、スーツの方が良いのか、私服の方が良いのか、会社の風土を理解しきれていない学生では、判断に迷うところでしょう。「スーツでお越しください」「普段通りの格好でお越し下さい」などと、連絡の際には学生側にとって判断しやすい表現を心がけるようにすると良いでしょう。

持ち物は、スケジュール帳、筆記用具、メモ帳、内定承諾書などの提出書類、交通費精算のための印鑑などが挙げられます。チェックリストのような形で連絡できると親切でしょう。

連絡方法としてはメールが一般的です。しかし、よりフォーマルな雰囲気を出すことで、就活が終わり安堵している学生の気を引き締めたい場合や、特にイベントとして歓迎の姿勢を伝えたい場合などは、案内状として手紙を送る企業もあります。

また、内定者の不明点を解消し、不安を払拭するためにも、可能な限り電話でも連絡し、状況を確認できるようにすると良いでしょう。

人事としての心構えやポイント

内定式を開催する上で、人事担当者として理解しておくべきポイント、心構えを解説します。

内定辞退は内定式までに

内々定や内定の辞退は、要員計画や採用計画に狂いが生じるため、採用担当者としてはなんとか回避したいところです。少し無理をしてでも、内定を学生に承諾してもらいたい、そう思うこともあるでしょう。

ですが、無理に内定承諾を強要することは得策とは言えません。自社の内定を強要することは「オワハラ」(就職活動終われハラスメント)にもつながり、採用ブランドを大きく傷つけてしまう可能性があります。

また、学生が採用担当者に押し切られるような形で内定を承諾したとしても、わだかまりや不安感が募り、結果として内定式後や入社直前に辞退をしてしまうようなケースも起こりえます。

特に内定式後は、懇親会や交流会、内定者研修などが開催され、同期間の親睦が深まっていきます。このような状況下で、同期に度重なる内定辞退が発生した場合、他の内定者にも不安感や不信感を募らせてしまうことになります。

このように、内定承諾の強要は得策ではありませんが、採用担当者側にも都合があります。内定辞退が発生した場合、秋採用を通じて欠員を補充したり、要員計画を見直したりする必要があります。特に内定式の後に内定辞退が発生した場合、そのタイミングが遅ければ遅いほど、採用担当者の首が締められることになります。

結論としては、学生がもし内定を辞退する場合は、遅くとも内定式までに辞退してもらうよう促すのが良さそうです。採用担当者側の事情を内定者の学生にも伝えた上で、もし内定辞退をする場合は、可能な限り早く、遅くとも内定式までに出してもらうように約束できると良いでしょう。

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遅刻者、欠席者のフォロー

内定式は出来る限り全ての学生に出席してほしいものですが、大学の授業や研究との兼ね合いで欠席せざるをえない場合もあります。また、遠方から来る場合は、交通機関の遅延による遅刻の可能性もあります。

学生側も、内定式は重要なイベントであるという認識を持っています。その為、欠席や遅刻に関し、必要以上に戦々恐々としている内定者も多くいます。採用担当者としては、このようなケースは「仕方がない」と割り切り、遅刻者、欠席者に対してしっかりフォローする方が得策と言えるでしょう。

学生の様子を観察しよう

選考時の面接では、学生側も入念に対策を練ってきます。そのため、内定者の普段の生活における人柄を把握しきれない場合も多いでしょう。内定式やその後の懇親会では、選考時にはわからなかった、内定者のふるまいや性格、人柄が現れる可能性があります。学生の様子を観察し、以降のフォローアップの参考にすると良いでしょう。

まとめ

  • 内定式とは、内定の解禁日とされる10月1日以降に正式に内定を出す式典のこと
  • 一般的な内容は、社長や役員、人事部長からの挨拶、内定書の授与、内定承諾書の提出。企業によって内定者研修につなげる所も
  • 内定式は入社意志の最終確認の場でもある。もし学生側が内定辞退をする場合は、採用計画の立て直しや他の内定者のモチベーションにも関わる。遅くとも内定式までに辞退してもらうよう促せると良い

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