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2018年9月20日(木)更新

カルチャーフィット

『カルチャーフィット』の意味とは〝企業文化への適応性〟です。近年急成長を遂げている企業では、特に新卒採用において『カルチャーフィット』を重視しており、カルチャーフィット率の高い人材を確保することで採用後の離職率を下げ、企業全体の生産性をアップさせることができると考えられています。

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カルチャーフィットの意味とは?

culture=文化、fit=適合。『カルチャーフィット』という言葉自体に新しさを覚える人も多いかもしれませんが、新入社員の採用時に『社風に合う、合わない』といった言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

カルチャーフィットとは、直訳すると文化適合、ビジネス分野では『企業文化への適合性』を意味する言葉で、ほとんどの会社では採用時にこのカルチャーフィットを一つの採用基準として取り入れていると言えます。『この人のスキルは高いけどウチの会社には向いてない』といった言葉は、多くの企業での社員採用時に聞かれるものですが、実際にその候補者が『向いていない』という感覚がどういう根拠のもとに生まれるのかを説明するのは簡単ではありません。

しかしこの『なんとなく』向いているのか、向いていないのか、が社員の未来や志望者の未来を決定する大きな要素になることはいうまでもありません。近年ではこの『カルチャーフィット』をより具体的に分析し、人事で活用することが企業成長の要になるという考えが主流になってきています。

本記事ではこの『カルチャーフィット』の意義や活用方法、事例などをご紹介していきます。

カルチャーフィットが注目される背景

競合優位性の観点

特にインターネット産業などの分野では、目まぐるしく変化するトレンドに合わせて商品やサービスを供給し、他の企業に差をつけるのは難しい現状があります。そんな厳しい競争の中で差をつけるために重要となるのが『カルチャーフィット』だと考えられています。モチベーションの高い社員が多い企業と、そうでない企業の間に差が生まれることはいうまでもありませんが、社員のモチベーションはその人個人の技術やスキルとは別のところにあり、カルチャーフィットの度合によって、高くも低くもなる可能性があります。

いわば『目には見えない生産性』『事業の伸び率』になりうるのがこのカルチャーフィットで、採用時にカルチャーフィット率の高い候補者を採用できれば、企業間の競争の中でも優位に立てる可能性が広がります。

長期的成長の観点

「入社したけれどやっぱり自分には合っていない」といって会社を辞める人は少なくありません。社内で経験を積んだ人が定期的に辞めていくのでは、会社としての成長は難しくなるだけでなく、採用コストもかさむ一方。

この問題を解決する要素としても『カルチャーフィット』が重要視されています。長期的成長のためにカルチャーフィットを重視するという感覚は、フランクに言い換えれば『その人と一緒に長期の旅行にいけるか』という感覚に似ているという人もいます。一緒にいてメンバーとして楽しく仕事ができるか、お互いに良い影響を与え続けられるかというような要素が『カルチャーフィット』には含まれているということになります。

カルチャー(企業文化)の醸成方法

カルチャーの可視化

「社風にあう、あわない」の議論はとてもあいまいで、客観的に分析することが難しい問題がありましたが、近年では『カルチャーフィット』を視覚的に分析できるようにするソフトなどの開発が進んでいます。

〝mitsucari〟(ミツカリ)もその一つ。このサービスでは既に存在している『カルチャー』(会社文化)をカテゴリ別に分析でき、採用時には候補者がどの程度のカルチャーフィット率を保有しているかを客観的に分析することが可能になります。

このようなシステムによって採用時には人事担当者だけでなく、社員、候補者の全員が結果に納得できるというメリットもあります。

「mitsucari」で「社風」を見える化すると採用が変わる?応募者と企業の相性を測定

カルチャーフィット率の設定

リーダーを中心としたメンバーの結束力を重視する企業にとって、カルチャーフィット率の高い社員を採用することは既存の体制・チームを乱さないようにするというメリットがあります。しかしそれと同時に新しいものを拒絶し、企業文化が守りに入ってしまうという危険性もあります。

大手企業facebook社の場合にはカルチャーフィットのディメリットや曖昧さを問題視しており、『偏見のワナ』と呼んであえて採用基準に加えない方針をとっています。

ただしカルチャーフィットを積極的に活用している企業も、カルチャーフィットの問題点を見過ごしているわけではありません。企業文化の停滞を防ぐ手段としては『カルチャーフィット』の合格ラインを高くしすぎない方法が有効と考えられており、例えば50%に設定した場合には残りの50%、70%に設定した場合には残りの30%を『新しい要素』として受け入れることで既存のカルチャーの停滞を防ぎ、事業拡大のバランスを維持できるというのがカルチャーフィットを支持する企業の考えです。

カルチャーフィットの見定め方

複数回の面接

日本企業の一般的な選考方法としては書類選考、対人面接がありますが、カルチャーフィットを重要視したい(特に)海外企業では、次のような方法を加えることでより選考を正確にできる工夫をしています。

  • ジョブディスクリプション(職務記述書)にカルチャーフィットに重点をおくことをあらかじめ記載する。
  • カルチャーを分析するための質問を設定し履歴書に添付する。
  • カバーレター(YouTubeを使った自己紹介ビデオ)を添付することを条件にする。
  • 電話面接をする。etc…

自社イベントへの招待

海外企業の中には、採用試験の最終段階として企業イベントへの招待を設けている所があります。このイベントの段階で候補者はすでにある程度の人数に厳選されており、一般的な企業であればこの時点でOKを出す場合もあるでしょう。

ただし最終試験では『カルチャーフィット』を大きな選考基準の一つとして設定しており、参加者に社内の文化を肌で感じてもらうこと+社員とのコミュニケーションでカルチャーフィットがどの程度かを確認することが大きな目的。これによって企業にとって有意義な人材を確実に確保することができるというものです。

候補者の評価を一元管理

採用時に候補者の情報(カルチャーフィット率)を客観的に分析して一元管理しておくことにより、採用後の問題の対処にも役立ちます。既存の社内チームと意見の相違や問題が起きた場合にも、原因の分析や、解決の糸口として相違点や改善点などを見つけるのに活用できます。

カルチャーフィットの実践事例

ザッポス社の場合

ザッポス社は米ラスベガスに本拠地を構える大手靴メーカー。ザッポスがかかげる企業理念(コアバリュー)の一つ目に『WOWを届ける』(顧客に驚きと感動を与える)という項目があり、社員採用時には応募者がこのコアバリューを満たしているかが大きな判断基準となります。カルチャーフィット率の高い人材を獲得するためにザッポス社で具体的に行っている方法は次のこと。

  • 応募フォームに応募者の分析の材料となる独自の質問を盛り込む。(Q.自分の運の良さを10段階で評価すると?Q.自分をヒーローに例えると?など..)
  • カバーレター(応募者作成のYouTube動画)の添付を応募条件とする。
  • 本社でのイベント参加を最終選考項目として設ける。
  • 入社後の辞退を金銭的サポートとともに推奨する。
  • 社員からの紹介制度(報酬制)を導入。

入社後に「やっぱりこの会社は自分に合っていない」と感じる人はかなり多いですが、そこでやめることを推奨するケースは稀。カルチャーフィットを重視するザッポス社では、新入社員が研修中に入社を辞退したい場合に、4,000ドルの退職金を支払うというシステムをとっており、これによって会社側・新入社員の両方にとって損のない解決策として設定しています。

働きやすさとはカルチャーが合うか合わないか

自由だけど厳しい、米ザッポス社のカルチャーフィット採用

VOYAGE社の場合

従業員の意識調査を行っているGPTW(Great Place to Work®)の調査で『働きがいのある会社』ランキング1位になったのがこの『VOYAGE』社。公式のHPにも大きく掲げられているのが経営理念の『SOUL』(創業時からの想い)と『CREED』(価値観)で、この二つの理念を組織文化の軸としていることが特徴です。

採用時にはこの理念を基軸としたカルチャーフィットに重点をおき、入社後も個々のミッションでの問題や、エンジニア側×経営者側での問題などに対してもカルチャーフィットの視点からの問題点の洗い出しや企業理念を基準に解決が図られています。

社員は同じ船に乗る「クルー」だから理念で採用する

まとめ

これまで『社風にあう、あわない』として片づけられてきた漠然とした判断基準も、近年ではより具体化し、事業の発展や社員のモチベーションに直接作用する基準のひとつ=『カルチャーフィット』として注目する企業が増えています。

採用でのカルチャーフィット率は中途採用よりも、これからの伸びしろに重点をおく新卒採用で重視する場合が多く、カルチャーフィットに重点を置くことで離職率の低減や企業成長にもつながると考えられています。

人事担当者にとっては『採用人数』を自分の功績として評価しがちですが、本質的な事業の成長を目指すのであれば、応募者×企業文化のフィット率に着目することは必然的だといえるでしょう。

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