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2018年11月2日(金)更新

オヤカク

「オヤカク」とは新卒採用において、「入社について親は承諾しているのか?」を企業が内定者に確認することを指します。本人の意思では無く、親の反対を理由とする内定辞退が増えてきたことを背景に新卒採用活動のキーワードとして定着しつつあります。本記事ではこの「オヤカク」について解説いたします。

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オヤカクとは?

オヤカクとは、内定を出した企業側が内定者の両親に対して、入社の承諾が取れているか確認する、または両親に直接連絡をして、入社の承諾を取る活動を指します。

入社には学生本人の意思が尊重されますが、子供の将来を案じるご両親も少なくいらっしゃいます。そのため、入社をめぐり、後々トラブルにならないように、事前に承諾を取る「オヤカク」対策が大切です。

オヤカクが必要となった背景

本来、自分の意思で入社を決める就職活動において、なぜ「オヤカク」という活動が企業側に求められるのでしょうか。主な背景として、以下が挙げられます。

少子化により、親による進路への関与が強まった

少子高齢化社会に突入し、労働力が不足している日本において、子供の進路に関心を持つ親が増えています。1970年代前半の第二次ベビーブーム以降、子供の出生数、出生率は右肩下がりになっています。

内閣府の発表によると、前年比では微増減を繰り返していますが、欧米諸国と比べても低い水準になっています。そのため、一人っ子や兄弟が少ない家庭も増えており、親による進路への関与が強まったとされています。

また、「貧困」や「下流」というワードが取り上げられるようになり、手塩にかけた子供の将来を案じる親も増えてきたのも背景の一つといえます。

【参考】内閣府の少子化対策

売り手市場により、就職先の選択肢が広がった

第二次安部内閣により、2012年から大胆な金融政策を含む成長戦略「アベノミクス」以降、日本は円安・株高の経済状況が続いています。財務省の貿易統計によれば、平成27年度の日本の輸出総額は75兆円を超えており、日本経済を支える重要な産業でもあります。

そのため、アベノミクスの恩恵を受けた輸出事業や海外事業を展開する大手企業を中心に、過去最高益を記録しました。結果、採用現場でも就活生の売り手市場となり、内定が取りやすくなったため、選択肢の幅が広がっていることも要因となっています。

【参考】財務省貿易統計 

大手企業=安泰という親世代の強固な価値観

親世代に根強く残る、「大手企業=安泰」という価値観が子供の就職への関与を後押ししている背景があります。

ベンチャー企業も珍しくなくなった日本ではストックオプション制度を取り入れるなど、福利厚生のあり方も変わってきました。

そのため、福利厚生が充実していない中小企業やベンチャー企業も多数あります。

しかし、終身雇用制度や年功序列制度を垣間見たことがある、またバブル崩壊後の氷河期時代を味わった親世代には大手企業では手厚い福利厚生と安泰な人生が保証されるという強固な価値観を持っています。

【関連】福利厚生とは?導入目的や種類、ユニークな企業事例までご紹介 /BizHint HR

「ブラック企業」問題の表面化

近年、話題となっているのが「ブラック企業」という言葉です。製造小売業や飲食業界を手掛ける中小企業が名指しされることがありましたが、近年、長時間労働やパワハラが根強く残る大手企業も指摘されるようになりました。

そのため、誰もが知っている大手企業であっても労働環境を気にする親も増加し、子供が入社する内定先企業への関心が高まる要因にもなっているようです。

親による就職活動への介入の現状

上記でご紹介したように、いくら内定先の企業への関心が高まっているとはいえ、採用するのは成人式を終えた立派な大人です。

そのため、一部の親御さんが過剰に反応しているのだろうと甘く見ていると思わぬ失敗に出くわしてしまいます。

株式会社ディスコが行った調査では、学生が考える就職先の決定を担うキーパーソンは1位に「人事・採用担当者」が、2位に「父親」が、3位に「母親」がランクインしています。そのため、「オヤカク」による活動は内定辞退者を出さない重要な施策といえます。

【参考】株式会社ディスコ/【2015年度就活生モニター調査】2014年6月調査

就活生の相談相手の7割が母親

また、7割の学生が就職活動関連の相談相手に母親を挙げています。

普段から接することが多い母親は、就活生にとっても貴重な相談相手となります。

そのため、複数の企業から内定をもらった際、母親に相談することも十分に考えられます。そんな背景もあってか、両親向けの就職セミナーを開催している大学も約6割にのぼります。

【参考】Career Mart

実際にあった内定者の親御さんとのトラブル

では、実際に内定通知後、内定者の親御さんとはどのようなトラブルが報告されているのでしょうか。

採用担当者がよく直面する親御さんとのトラブルは以下のような事例が挙げられます。

  • 法定労働時間を遵守した上での残業に対して、クレームを入れる
  • 入社後に帰省を強制する
  • 無断欠勤、音信不通になった後、両親からの退職届や退職手続きが行われる
  • 内定後、事細かに経営状況を確認してくる

ご覧の通り、トラブルのほとんどが入社後に起こるものです。 こういったトラブルを未然に防ぐためにも、内定先企業はご両親に十分な説明が必要だということがわかります。

【参考】Ventryホームページ

実際に行われている「オヤカク」は?

では、実際の「オヤカク」の活動内容はどんなものがあるのでしょうか。

主な「オヤカク」の活動として、会社情報資料の送付、採用ホームページ内に学生のご両親に向けたページの作成、両親向けの内定理由通知書と会社案内・パンフレットの送付、内定承諾の段階での挨拶状を送付、内々定・内定の段階での電話による挨拶、経営者・採用担当者による家庭訪問、内定者懇談会への同席依頼が挙げられます。

贈呈品を持って、家庭訪問を行う企業もあります。ここまで「オヤカク」を徹底する企業も存在するため、最低でも会社資料や挨拶状などの送付は行っておくべきでしょう。

オヤカクを行う際のポイントとは?

「オヤカク」を行う上で、大切となるポイントは何でしょうか。

さまざまな側面で両親に確認を取る

「オヤカク」の目的は“親の確認を取る”ことです。そのため、入社の承諾を取るだけでは先に挙げたようなトラブルが発生してしまいます。ほとんどのトラブルが会社側と親御さんとのコミュニケーション不足にあります。

親御さんの気持ちになって考えると、あらゆる側面で、子供が入社する企業はどんな会社なのかを気になるのは当然です。事業内容や福利厚生はもちろん、働き方や会社の理念、社会貢献活動、会社の経済状況(上場企業である等)などあらゆる側面で理解してもらう必要があります。

また、企業説明会や視察会などで実際に働いている社員の紹介などを行うことで、理解が深まりやすくなります。そのため、内定通知を出した後は“親御さんに入社を承諾してもらう”のではなく、“親御さんに子供が入社する会社を理解してもらう”ということが大切です。

会社に対する理解が深まれば、入社の承諾はもちろん、入社とのトラブルも発生しにくくなります。

継続的に候補者と親の意向を確認し細やかに対応する

就活生(候補者)の意思決定において親の与える影響は大きい事は前述の通りですが、その兆候が見て取れた場合には、候補者と親両面の意向の推移を記録し細やかな対応をするようにしましょう。

具体的には採用管理システムなど選考情報が一元化できるツールを用いて、定期的にアラートが上がるような仕組みを導入しコミュニケーションを取るようにする他、現在自社に対しどの程度理解を示してもらっていて、どのような情報が更に必要かを記録し対応をしていくことで、今後増える事が予想される「オヤカク」に対し、過去事例を踏まえ焦らず効果的な対応ができるようになります。

【関連】採用管理システム比較 25選 【無料プランのクラウドツールも紹介】 /BizHint HR

オヤカクを行う際の注意点とは?

「オヤカク」を行う際にも注意が必要です。ただ単に「オヤカク」を行うと、逆に内定辞退者を輩出してしまう恐れがあるので、しっかりと確認しましょう。

過度なオヤカクは内定者に不信感を抱かせてしまう

何事もやり過ぎは良くないといいますが、過度なオヤカクはかえって、内定者に不信感を抱かせてしまいます。オヤカクの対象は内定者のご両親ですが、あくまで主役は内定者です。

そのため、オヤカクを行う前には本人にオヤカクの目的や趣旨をきちんと説明する必要があります。過度なオヤカクは「オハワラ(就活終われハラスメント)」と受け取られる可能性もあるので、内定者・ご両親ともにコミュニケーションを大切にする必要があります。

【関連】内定辞退を防止する施策とは?効果的な取り組み事例総まとめ / BizHint HR

まとめ

日本がかつて経験した高度経済成長期とは異なり、大手企業でもどうなるかわからない時代に突入しています。そして、その空気を一層感じているのは就活生だけではありません。

より優秀な学生を採用するためにも「オヤカク」は重要な採用活動の一環です。採用担当者は「オヤカク」も採用計画に含めることを忘れないようにしましょう。

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