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2018年11月19日(月)更新

1dayインターンシップ

新卒の採用活動を目的として、インターンシップを実施する企業は珍しくありません。中でも、近年注目を集めているのが「1dayインターンシップ」です。文字通り、1日で終了するインターンシップです。本稿では、その内容やメリットやデメリット、企業にとっての意味合いなどを考えていきます。

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1dayインターンシップとは?

インターンシップ(就業体験)は、既に日本の就職活動においても広く普及しています。欧米では20世紀初頭から行われてきたインターンシップですが、日本では1990年代から外資系企業を中心に取り入れられた、まだまだ歴史の浅い制度と言えます。

1997年9月18日には、当時の文部省/通商産業省/労働省が連名で「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を発表するなど、官民協働で普及に努め、短期間のうちに多くの企業で行われるようになったのです。

また、インターンシップは実際の採用選考とは一線を画するものでなければなりませんが(前述の「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」2014年4月8日一部改正を受けた、日本経済団体連合会「採用選考に関する指針」の手引き2013年9月13日改定による)、応募する学生が自身の適性を計ることもできるため、実質的なスクリーニングとしても機能します。

本来10日から3週間程度で行われるケースが多いインターンシップですが、ここ10年ほどで短期化が急加速し、2000年代後半からは1日だけでインターンシップを終える企業が現れるようになりました。これが「1dayインターンシップ」の始まりです。 本来のインターンシップの目的のひとつは、学生が企業で研修生として実務に当たることで、必要とされるスキルを習得し、成長体験を積むことにあります。もうひとつは、職種や企業への理解度を高め、就職後のミスマッチを減らすことですが、1dayインターンシップの場合には文字通り1日のみのため、それらの目的よりも、就職活動の一環としての、就業体験イベントの色合いが強い傾向があります。

急増する1dayインターンシップ

1dayインターンシップの増加には2段階あります。1つ目の山はいわゆるリーマン・ショック後の不況時です。この時期、インターンシップを導入する企業が全体的に増え、中でも1dayインターンシップに代表される短期間のインターンシップが急増しました。その後、経団連が「採用選考に関する企業の倫理憲章」を改訂した2011年3月以降、いったんは減少へ転じました。その改訂で、インターンシップは「5日間以上の期間をもって実施」とされたことを受けたものと思われます。

この影響で、2013年卒の学生のインターンシップ参加率は前年の50%近い水準から、一気に30%強まで落ち込むこととなりました。

出典:HR総研「2014年新卒採用動向調査」結果報告【3】」

このことは、いかに短期間のインターンシップが主流を占めていたかを示しています。 翌2014年卒の学生では、再び40%超がインターンシップを経験しましたが、企業側から見た1dayインターンシップの割合は14%にとどまっています。ところが2015年卒では24%に急伸。

出典:同「2015年新卒採用動向調査」結果報告【2】

続く2016年卒では39%と、1dayインターンシップが急増した2つ目の山が、まさに現在にあたります。

出典:同「2016年新卒採用 中間調査」結果報告【1】

※2015年の比率は22%と修正されています

最新の2018年度採用についての調査の中には、インターンシップ実施企業のうち7割超との驚くべき報告もあります。

出典:日経新聞電子版2017/1/16 「本当は選考なの?「1日インターン」就活生が殺到」

経団連も短期間のインターンシップを認めて、実施企業を増やそうという動向もあるため、企業にとっては追い風となるでしょう。

1dayインターンシップの種類別の内容と目的

急増中の1dayインターンシップですが、具体的にどのような内容で行われるのでしょうか。

そもそも、インターンシップ自体に標準的な定義づけや法整備がされているわけではないため、内容は企業によりまちまちです。期間が限られれば限られる程、その中で何を行うかは差が大きくなっているとも言えます。 一般的に言えば、その期間の短さから、実際にOJTを受けて実践的に就業経験を積む形式とは相性は悪いと思われます。逆に、学生から見て、興味はあってもよく知らない業種を大まかに理解するには適した方法でしょう。

例としていくつか確認しましょう。

企業説明会型

本来であれば、インターンシップと企業説明会とは別物です。これは前述のように、採用選考活動とは区別されるべきという考え方に基づきます。しかし、1dayインターンシップの場合には、事実上区別が難しいものになっています。

また、2018年度採用についてはスケジュールが前倒しになっていることもあり、就活生側も、むしろ企業説明会の代替として1dayインターンシップを捉える傾向があるとの見方もあります。

出典:1dayインターンシップの企画・運営を請け負っている企業のブログ「もはや、1Dayインターンシップは長いのか⁉」

とは言え、企業の概要や業務内容をセミナー形式で説明するだけでなく、実際の職場を見学できるなど、雰囲気を体感できる内容を盛り込む企業も多いようです。学生に、自社のプロフィール的な情報だけでなく、具体的なイメージをどれだけ伝えられるかは企業側の工夫しだいと言えます。 インターンと呼べるだけの、その企業と関われた実感に乏しければ、学生側からの評価も下がると考えておいたほうがよいでしょう。

見学・体験会型

企業説明よりも、実際の職務をしている現場を見てもらうことに多くの時間を割く形式です。製造業など、労働環境や職務手順に関心が向けられる業界には特に適しています。 実際に職務を体験できるプログラムを組むケースも多いようです。1日とは言え、具体的な業務イメージを持てることのメリットは、企業にとっても学生にとっても大きいでしょう。

ワークショップ型

企業側が設定したあるテーマ、例えば、その企業の業態に即した課題について、参加した学生たちがグループで解決策を考えていく形式です。学校の授業やテストとは異なる、企業の実務をどのように進めていくのかというイメージを持てます。

もちろん業界や企業の置かれている状況などについての情報も前提として与えたうえでワークするため、学生にとっては業界・企業研究の一環としても有用です。一方、1日でできるワークには限界があるため、課題設定のレベルには注意が必要です。

1dayインターンを企業が開催するメリット・デメリット

では、1dayインターンシップを実施することは、企業にとってどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。長中期型インターンシップと比較して押さえておきましょう。

長中期型インターンシップに向けた正しいマッチング

長中期型インターンシップは、自社への理解をより深められ、学生たちのポテンシャルを引き出す成長の場ともなります。中には、インターン生が出したアイデアが、実際に新製品開発に繋がった最高のケースもあったそうです。

しかし1dayインターンシップの場合、当然だがコンテンツのボリュームには限度があります。業界や企業の入り口を案内し、興味を持ってくれた学生たちと一次接点を持てれば充分と考えておくべきでしょう。

まずは1dayインターンシップで学生たちとの間に大きなズレがないことを確かめ、自社を志望する学生の母集団を形成しておいて、その後の長中期型インターンシップへと繋ぐといった活用法も考えられます。1dayインターンシップを一次スクリーニングとして機能させる考え方です。これにより、コストのかかる長中期型インターンシップを実施する際には、既にある程度マッチングしたメンバーと、より深い相互理解を形成していけると思われます。

様々な学生に出会えるチャンス

企画から実施までの工数も要員も少なくて済むことは、1dayの最も大きなメリットです。1度のインターンシップで受け入れられる学生の人数は、企業それぞれの事情で異なってくるでしょうが、実施回数を増やすことが容易なため、上限値まで学生たちと接点を持つことができます。

長中期型インターンシップの場合、受け入れ人数を増やしてしまうと、結局一人ひとりの学生との接する時間が減ることになるため、最初にインターン参加のための選考プロセスを挟むのが普通です。また、何度も実施する体力がある大企業でなければ、1、2度の開催に限られてくるでしょうから、結果としては出会える学生の数は抑えられてしまうことになります。

1dayインターンシップは、企業側で間口を狭めすぎない、様々な学生と出会える形式と言えます。

若手社員のモチベーション向上

インターンシップ一般に言えることですが、実際に学生と接する企業側担当者は、入社から数年程度の若手社員であることが多いようです。学生にとっては、世代の近い社員が担当することで親しみを感じやすいでしょう。若手社員にとっても、仕事に馴染んできた頃に、自社を志望している学生と接することで、入社当初のワクワクした気持ちを思い出さないはずはありません。しかも、企業の人材採用のプロセスに関わることは、日常業務とは異なるモチベーションとなるでしょうし、社会人の先輩として、また自社の代表として振る舞うという責任感も生まれるでしょう。

長中期型インターンシップの場合、企画自体が大掛かりになるため、担当者の負担も大きいと言えます。したがって経験豊富な中堅以上の社員が主担当とならざるをえない面があります。対して1dayインターンシップでは、前述の説明会型、体験会型、ワークショップ型のどのタイプでも、企画ボリュームが小さく、若手社員も前面に出やすいでしょう。

新しいアイデアのヒント

学生たちは、当然のことながら、今は消費者の一員です。しかも志望する時点で、企業にとっては、自社製品について強い関心のあるユーザーだと言えます。その学生たちと、インターンシップを通して自社の事業について考える機会を持つことは、社内だけでは思いつけないようなアイデアのヒントをもたらしてくれます。

前述のように、実際に新製品開発に繋がったケースもあり、企業にとっては嬉しい副産物となりますし、学生にとっても自身のポテンシャルを引き出す貴重な機会を得られます。現実に、この効果を期待してインターンシップを実施している企業も多くあります。

1dayインターンシップのメリットは、多くの学生たちと出会うことができることです。それは即ち、より多様なアイデアに触れる機会を得られるということでもあります。

1dayインターンを企業が開催する難しさ

1dayインターンシップには、これまで確認したようなメリットが数多くあります。しかし、短期間ならではの難しさや、注意が必要な点もあります。そちらも押さえておきましょう。

学生に成長の経験を与える難しさ

前述のように、インターンシップの本来的な目的のひとつは、学生に実務を通じて成長を経験させることにあります。しかしながら、1dayインターンシップの場合、実質数時間の中でそこまでの経験を与えるのは容易ではありません。実践的就業経験を積む目的とは相性が良くない1dayインターンシップですが、例えば社内で既に実績のあるプロジェクト例をサンプルとしたグループワークを実施するなど、短時間で成功体験をなぞれるようなコンテンツを含める工夫などにより、まったく不可能でもないでしょう。

自社の人材採用のニーズと学生のニーズ、双方をよく見極めながら企画する必要があります。

“インターン”という言葉への期待感

学生側からは「インターンシップ」に対し、実際の就業を通じて、企業と関わって社会人としての経験を積むことへの期待感を持って応募してきていることを前提にすべきでしょう。そのくらいの人材こそ企業側も求めるのではないでしょうか。長中期型インターンシップであれば、その目的に沿ったコンテンツ設定も可能です。むしろ、そのために長中期で実施するとも言えます。

しかしながら、1日(実質数時間)でその期待に応え切るのは困難と言えます。短時間とは言え、実際の業務と関わった実感を持てるようなコンテンツを盛り込むなど、期待に応える工夫を求められるところです。

学生一人ひとりとのコミュニケーションの希薄さ

1dayインターンシップのメリットに、多くの学生と出会えることを挙げましたが、やり方によっては、単なる大きな母集団形成をしただけにとどまり、その後のマッチングに活かせないパターンもありうることは忘れてはいけません。学生一人ひとりと、どのように接点を作るのかを意識した企画をしなければ、コミュニケーションを充分に取れないまま終わるのは自明のことです。

事実、1dayインターンシップについての学生側のデメリットとして真っ先に挙げられるのは、企業説明会のレベルにとどまる点です。逆にメリットとして挙げられる点は、就活仲間を増やせるという点であることは注目すべきです。

これは、本来のインターンシップの目的とずれたところで評価されている点で、企業側・学生側双方にとって好ましいことではないと考えられます。企業ごとに受け入れられる人数は異なるので、キャパシティに見合った学生数と、しっかりコミュニケーションを取れるように企画する必要があるでしょう。

採用につながる1dayインターンシップの設計方法

1dayインターンシップのメリットとデメリットを確認してきました。では、メリットを活かした1dayインターンシップを準備する場合、注意点はどんなところでしょうか。段階別にまとめてみます。

ターゲット学生の決定

当然のことですが、インターンシップ以前に採用活動の前提として、自社でどのような人材を求めているのか、ある程度まではイメージを固めておいたほうがよいでしょう。また、採用目標人数も固めておけば、どのくらいの母集団形成が必要なのかも逆算できます。インターンシップの規模や実施回数を決める上でも、初めに検討しておいたほうが良いでしょう。

さらに、1dayインターンシップにおいては、多くの学生と出会う機会を設けられるメリットがあることは確認しました。ほしい人材イメージはあるが、多くの学生とも会いたい。二律背反とも言えますが、エントリー時にスクリーニングすることは可能です。

ほとんどの企業がWeb上のエントリー方式を採用している現在、エントリーシートの設問として、保有スキルや志向性、どの程度の志望動機があるのかなどを設定することで、インターンシップに参加する学生を実質的に絞り込むことができます。絞り込みすぎては本末転倒ですが、最低限のターゲット像を固めておくことで、より有意義なインターンシップを実施できるでしょう。

形式や企画の決定

前述のように、1dayインターンシップにもいくつかの形式があります。自社の事業内容や、1dayで行うことのメリット・デメリットをベースにして、現実的な費用や要員についてのコストと折り合いをつけて企画する必要があります。時間は短いものの、単なる企業説明とは差別化を図れるよう、実務体験に近い企画を組めればベストと言えます。

しかし、欲張ってあれもこれもと企画しても、実質数時間で行うためには一つひとつのコンテンツの意味が薄まりかねません。絞り込みと作りこみ、1日だからこそ、設計はしっかり考えておきたいところです。それでも、長中期型インターンシップと比べれば必要な時間はずいぶん少ないはずです。

集客

実際にインターンシップに参加する学生を集めるにあたり、広告などの訴求手段を考えなければなりません。

学生も企業も大手リクルーティングサイトに集中しがちですし、閲覧数から考えれば確かに効果もあると思われます。しかし、自社の業種や業界によっては、必ずしもリクルーティングサイトがベストな選択肢とは限りません。ターゲットが明確ならば、大学や、場合によっては自社のSNSを利用するなど、様々なアプローチが考えられます。

また、集客手段だけでなく、当然ながら告知する内容も重視する必要があります。1dayであっても、自社の魅力をしっかり伝えられる企画をしていることを、短時間で理解できるように、かつ、情報不足とならないようにしたいところです。そもそもの企画が重要なのはもちろんですが、「刺さる」見せ方ができるかどうかが集客結果を左右するでしょう。

運営

「インターンシップ」が普通になっている現在、それだけで学生が飛びつくような状況ではありません。しっかりした企画内容と集客ができたら、後は当日それが実現できる運営体制を準備しておくことが重要です。いかにWebサイトでの見栄えが良くても、当日の自社社員がもたついていたら、学生は、看板に偽りありと判断すると思っておいたほうがいいでしょう。

しかし逆に言えば、実際の運営体制をしっかりしておけば、それ自体が自社の魅力を訴求する、もっとも効果的なコンテンツともなりうるのです。1日限定のため、コンテンツ自体のボリュームは限られるので、その中でスマートに進行できるように準備しておきたいところです。

フォロー(アフターケア)

1dayインターンシップのメリットとして、多数の学生と出会えることを挙げました。しかし逆の見方をすれば、学生側も多くの企業のインターンシップに参加できるということです。短時間で経験した企業での実務も、数が多ければ当然1社1社の印象は薄れるでしょう。そこで必ず必要となるのは、参加した学生へのフォローです。

メール連絡や、自社SNSへの参加を促すなどはマストと考えたほうがいいでしょう。さらには、インターンシップ後に考えた疑問や興味に対して答えられるような、対面の機会を設けられれば、さらによいと思われます。事業内容や就労条件よりも、実際に働く段階での具体的なイメージを持たせるフォローが、最強の訴求と言えます。

担当するのは人事担当者か採用担当者か

インターンシップ全般に言えることですが、社内の誰が担当するのかは、企業が頭を悩ますポイントです。インターンシップが採用選考活動と区別されるべきものだとしても、企業側としては、やはりインターンシップの参加者から、有用な人材が欲しいというのは本音でしょう。とすれば、やはり採用担当者をメインにしたいところですが、実際のインターンシップのプログラムの中で、あまり前面に出るのは避けた方が無難かもしれません。

一方、人事担当者は、その企業にとってどのような人材が必要となるか、最も理解している立場にあります。こちらもインターンシップは無視できないイベントでしょう。企画や運営は人事担当が、現場でのバックアップは採用担当が、といった役割分担をしっかりしておくことが重要です。そして前述のように、普段は人事や採用ではなく、企業の実務にあたる若手社員がインターンシップ現場での主役となったほうが、学生から見ても魅力あるものとなるはずです。

結論としては、人事、採用、そのほかの部門の社員、全員協働で運営するかたちがベストと言えます。

1dayインターンシップが中小企業に効果的な理由

ここまで、1dayインターンシップのメリット・デメリット、具体的な方法や注意点について確認してきました。1dayインターンシップは、中小企業にこそふさわしい採用手段であるとも言えます。なぜなら、大手企業のように知名度があり、待っていても学生がエントリーしてくるわけではなくとも、企画次第、準備の充実次第で、最大限の効果を挙げられる可能性があるからです。

しかも、時間的な制約が少なく、準備コストが少ないことは大きなメリットになるでしょう。企画には力を入れるとしても、実際の要員数や場所などを押さえる費用等、大きく削減できる点は無視できません。

1dayインターンシップの光と影

日本におけるインターンシップは、最初に触れたように官民協働で推進してきた施策とも言えます。しかしながら、ここ数年でその取り巻く環境は大きく変わっていることも、ここで付け加えておきます。

2013年6月14日、安倍政権下で閣議決定された「日本再興戦略」に、「2.雇用制度改革・人材力の強化  ⑤若者・高齢者等の活躍推進」として、新卒採用のスケジュール変更が盛り込まれました。「学修時間の確保、留学等促進のため」として、従来よりも2か月遅いスケジュールを要求したことに対し、経団連も「採用選考に関する指針」として、準じた内容を提言しました。

出典:経団連「採用選考に関する指針」2013年9月13日

しかしながら、企業に対して強制力のあるものでもなく、特に外資系やベンチャー企業など経団連に属さない企業を中心に、そのスケジュールよりも早く学生を囲い込もうとする動きが多く見られたことは、既に多く報道されているとおりです。

インターンシップとのかかわりとしては、企業が実際に採用のための説明会などの「広報活動」を始められるのは3月ですが、インターンシップは「採用活動とは採用選考活動とは一切関係ないことを明確に」という前提で、それ以前に行うよう明記してあります(同前)。つまり、いつから始めてもいいわけですが、それを隠れ蓑にして、つまり経団連の指針を守るように見せかけて、1dayインターンシップと称した企業説明会が多く行われたこともまた、社会問題として報道されました。法令ではないため違法ではものの、インターンという言葉に惹かれた就活生たちにも不評なケースもあり、採用活動の混乱を招きました。1dayインターンシップを実施する際には、この状況を念頭においておかなければいけません。

もっとも、最新の動向では、インターンを採用活動として認めようとする流れもあります。内定インターン枠を事実上認めるべく、「文部科学、厚生労働、経済産業の3省は企業がインターン時に得た学生の評価を採用にも生かせる案を検討」しているとの報道がされています。

日経新聞電子版2017年1月11日「インターン採用の解禁案 文科など3省、経団連と調整」

1dayインターンシップを取り入れている企業の事例

前述したように1dayインターンシップであっても、企画力次第で訴求力を高めることはできます。リクルーティングサイトを見ても、工夫している企業が多いと感じます。企業説明の要素は取り入れつつ、やはり「就業体験」の要素が盛り込まれたものが多いと感じます。これから1dayインターンシップの導入を考えている企業担当者は、ぜひ既に導入済み企業の工夫を見ておいてほしいところです。

例えば、人事担当者がエスコートした「面接官体験」などは、学生にとって、その後の就職活動にもメリットがあるでしょうし、社会人としてのコミュニケーションの基礎を知ることもできます。あるいは実際に動いている商品開発プロジェクトに、部分的に参加するプログラムもあります。普段使っている商品やサービスがどのようにリリースされているか知ることで、業種への理解を深められることは前にも触れた通りです。

他にも、「ビジネス体験型」をはっきりとうたい文句とする1dayインターンシップを実施した企業もあります。グループワークを活用して、実際の企業活動を知る機会を提供するコンテンツと思われます。

繰り返しになりますが、1dayだからこそ、企業の本気の企画力が求められるのです。

まとめ

  • 1dayインターンシップはコスト面や多数の学生と会えるというメリットがある。
  • しかし、安易に実施すると、逆に学生たちとのミスマッチを招きかねないため、準備から運営まで、しっかりと企画していくべき。
  • 内容も、インターンシップと名乗る以上、就業体験と学生とのコミュニケーションは必須のもの。

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