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2017年4月14日(金)更新

リクルーター

リクルーターとは、入社志望者と直接コンタクトを取ることを目的として選ばれた社員のことです。制度の全貌について詳しく説明を行うとともに、すでに採用戦略の1つとしてリクルーター制度を取り入れ、実施している企業についても紹介していきます。

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目次

    メインビジュアル

    リクルーターとは?

    リクルーターは自社PRや動機形成促進などの重要な使命を与えられ、入社志望者と接触することになります。 その接触方法には実に様々な方法があるのです。

    • OBやOGが在学中に所属していたゼミやサークルの後輩にコンタクトを取る
    • 教授や大学を通じて対象となる人物にコンタクトを取る
    • 教授や大学に対して推薦応募枠として通知し、希望者を募る
    • OB・OG訪問を行った入社志望者に対してリクルーターを紹介する
    • 会社説明会に参加した際に記入してもらったエントリーシートの情報を使用して連絡を取る
    • ネット上より資料請求を行う際に記入してもらった情報を使用して連絡を取る

    企業が新入社員に求める能力や特性により、リクルーターの接触方法も変わってきます。 このことから、自社の求めている人物像をしっかりと明確にした上でリクルーター制度を取り入れる必要があるといえるでしょう。

    リクルーターが持つ5つの役割

    リクルーター制度は、採用情報によって集まった大人数をふるいに掛けていくという従来の採用方法とは大きく異なっており、企業の求める人材をピンポイントで獲得することが出来るという性質を持つことから、大企業だけではなく中小企業からも注目を浴びています。

    この制度の要として活動することになるリクルーターは、採用現場においてどのような役割を担っているのでしょうか。

    母集団形成(採用対象者を集める)

    母集団形成とは、自社に対して興味や関心を持っている求人者を集め、その全容について把握することです。 母集団を形成する際には闇雲に多くの人物に声を掛けていくのではなく、求める人物像をしっかりとイメージし、それにマッチングする人物に限定して集める必要があります。

    母集団形成の手段としてメジャーである企業説明会や就職斡旋サイトには、実に様々な求職者が集まることとなり、中には企業に対して大きな興味も無いまま母集団に加わる人もいました。

    そのため、このような募集形態では多くの人材が集まる一方、人材の質という面では非常に大きなばらつきが生じていたのです。 それに対し、リクルーター制度では企業側の求める人物像にマッチングした人物に向けて企業からアクションを起こすため、人材の質が保証された母集団形成が可能となります。

    リクルーターには、より質の高い母集団を形成するという大切な役割が与えられているのです。

    【参考】母集団形成とは?意味と方法についてのまとめ

    自社理解の促進・プロモーション

    企業説明会などでは多くの入社志望者に対して限られたスタッフしか用意することができず、情報の流れが一方的になりがちです。 その結果、企業の魅力を十分に感じ取ることの出来なかった入社志望者や、疑問を残したまま会場を後にする入社志望者も現れます。

    その点、リクルーターは入社志望者と主に一対一で関わりを持つため、非常に密度の濃い時間を共有することが可能となります。 その結果、相手の自社に対する理解度や興味についても把握しやすく、効果的なプロモーションを行うことが出来るのです。

    相手の求めている情報を的確に提供し、同時に自社の魅力を伝えていく。 リクルーターは面談相手専用の広報としての役割も担っているのです。

    意向上げ(志望度の向上)

    プレエントリー者の中で初期の段階から1つの企業だけに的を絞って就職活動を行っている人はごく僅かであり、多くの求職者は複数の企業の情報を収集し、その中からエントリーする企業を選んでいます。

    つまり、採用戦争を勝ち抜くには求職者側だけではなく、企業側も全力でアピールを行っていく必要があるのです。

    リクルーターとの面談によって自社への理解をより深めることに成功した求職者は、自社に対する興味と入社への思いを高めることになるでしょう。 このように求職者の志望度を向上させるという仕事もリクルーターの重要な役割なのです。

    一次面接官

    大企業における一般的な採用試験では一次面接や二次面接といった複数の面接を経て最終面接を行うプロセスが組まれていますが、リクルーター制度ではリクルーターとの面談の結果により推薦や合否判定が行われ、最終面接または最終面談に直接進むというプロセスが多く採用されています。

    そのためリクルーターは一次面接官としての役割も果たしており、自社にとって必要な人材を選び抜く観察眼や分析力、判断力なども求められるのです。

    内定辞退の防止

    より多くの企業から内定を集め、その中から自分が本当に進みたい道を選択するという考え方が主流となっている現在の採用市場では、2~6割もの内定が辞退されているという現状があり、企業側に大きな負担をかけています。

    内定後の辞退は企業側にとって人材や時間などに対する余計なコストを発生させてしまうだけではなく、その間に優秀な人材も市場から次々と姿を消してしまうため、企業の経営状況によっては致命傷にもなりかねないのです。

    【参考】内定者フォロー、正しくできていますか?内定辞退を減らす方法とは

    内定を辞退する2つの理由

    内定を辞退する理由は大きく2つに分けることができます。 1つは、より本命に近い企業から内定をもらうことができたから。 そしてもう1つは、入社に対して大きな不安を感じてしまったから。 この2つの理由に対して内定後にアフターフォローを行い、内定辞退を防止するのもリクルーターの役目なのです。

    内定者と自社の相性の良さを客観的に示す

    内定を受ける際には入社への確かな意欲と覚悟があった内定者も、同時期に平行して受けていた他社から内定通知が届くと心が揺れてしまうものです。 そんな時、最初に比較条件として持ち出されるのは企業としての規模でしょう。

    ネームバリューの強い大企業と知名度などの分野で争ったとしても分が悪く、効果的ではありません。 そこで、内定者が就職先に求めているものと自社が提供できるものがいかに合致しているかを示し、相性という方面から決意を固めてもらうべく再アピールを行うのです。

    それでもなお他社の方により大きな魅力を感じ、自身との相性が良いと思われる場合には、自社への入社を強く勧めたとしても業務内容への不満やイメージとの不一致によって早期退職するリスクが高まりますので、無理に引き止めないという選択肢を選ぶことも重要です。

    ですが、本来であれば入社志望者と自社との相性は面談時にリクルーターが見極めておくべき項目ですので、このような事態が続くようであればリクルーターに対する再教育や再選出も検討する必要があるでしょう。

    ネットワーキングの構築により安心感を与える

    高い志を持って就職活動を行う入社希望者の中には、内定を受けた途端に力が抜けてしまい、その反動から入社後の日々について大きな不安を抱える方もいます。 この現象は内定ブルーとも呼ばれており、内定辞退の大きな要因となっているのです。

    「本当にこの会社で良かったのだろうか」 「内定が決まった途端に連絡が無くなったけれど、入社後にきちんと教育してもらえるのだろうか」 「自分の他に採用された人達と上手くやっていけるだろうか」 など、実に様々な不安や悩みを抱えている内定者にとって、企業との接点であるリクルーターは安心感を与えることが出来る貴重な存在なのです。

    内定後にリクルーターから連絡を行い、企業の求める人物像について改めて確認しながら具体的な教育方法について話すだけでも入社後のイメージがつきやすくなりますし、内定を出すまでと何も変わらぬ姿勢で向き合ってくれるリクルーターに対して信頼を寄せることで孤独感が解消されます。

    また、交流会やインターンシップなど内定者同士が集まる機会を設けることで、お互いの存在が大きな励みとなり、抱えていた不安感も取り除くことができるでしょう。

    ネットワーキングの構築がもたらす効果は非常に大きく、内定者同士の横の繋がりによって協調性や結束力が高まり、先輩社員との縦の繋がりによって入社後の人間関係の構築の基礎を築けるなど、内定ブルーから抜け出せるだけではなく入社後の環境にも良い影響を与えてくれるのです。

    【参考】内定ブルーを解消・防止するための内定者フォローのポイント

    リクルーターを用いるメリット(企業・就活生別)

    ここまで役割に重点をおいて説明してきましたが、リクルーターが実際の採用現場で入社志望者達と接触を持つことによって、その役割からどのようなメリットが生み出されるのでしょうか。 企業と就活生、それぞれの視点から紹介していきましょう。

    企業側

    リクルーター導入による企業側のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

    優秀な人材にいち早く出会える

    スタートダッシュに出遅れて損をしてしまうのは就活生側だけではなく、企業側も同じです。 そのため、就活解禁に合わせて採用情報の公開や企業面接会の開催など様々な手段を用いて採用活動を展開していくのです。

    しかし、プレエントリー時にはたくさんの応募があったにも関わらず、実際のエントリーでは大幅にその数が減少してしまい、こんなはずではなかったという思いをしてしまう採用担当者も少なくありません。

    この現象は、採用情報の公開が行われる就職活動解禁と採用に向けた面接が開始される採用面接解禁(=選考解禁)との間に長いタイムラグが生じているためであり、この数ヶ月の間に優秀な人材の多くは市場から姿を消してしまっているのです。

    自社との相性の良い人材を獲得することがベストではありますが、相性というものは短い期間で測りきれるものではなく、お互いの理解を深めることによっても高めることの出来る性質をもつため、採用活動の初期段階においてはその人物の持つスキルや実績を中心に評価することとなり、多くの企業が学歴や学部、過去の実績などを判断材料として人材を判断する傾向があります。

    数多くの優秀な人材が面接解禁時にすでに市場から消えているという事実は、企業にとって目を背けることの出来ない深刻な問題であり、大きな損失であるといえるでしょう。

    このような採用市場の現状を打破するべく、優秀な人材と就活開始直後に接触を図り、自社とのパイプを作るという使命を与えられたのがリクルーターなのです。

    【参考】優秀な人材とは?見分け方と採用方法、辞めていく会社の特徴

    企業の求めている人材にピンポイントでアプローチできる

    企業の職種や特色によっては、学歴や成績上の優秀さだけではなく、特別なスキルなどの個性を求める場合もあるでしょう。

    そのような人材との出会いは非常に貴重であり、企業としては多くの時間を費やしてでも相互理解を深めていきたいと願うものです。 ですが、就職説明会など多数の応募が見込まれる形式では個々の時間を確保することが難しく、理解が深まらないまま接点を失ってしまうことも多いのです。

    しかし、リクルーター制度であれば企業側からピンポイントでコンタクトを取るため1対1の時間を確保することが可能となり、相手の意向にしっかりと耳を傾けながら、自社に就職した場合のメリットについて時間をかけてアピールすることが出来るのです。

    リクルーター制度を正しく活用すれば企業の求める人物像により近い求職者と出会い、その人物の自社への興味と理解を高めることも可能となるのです。

    面談を通じ、就活生の考え方がわかる

    現状に即した情報は採用戦争において優れた武器であり、大きなアドバンテージを与えてくれます。

    カフェなど肩の力を抜くことの出来る環境でリクルーター面談を行うことによって、現役就活生から生の声として自身や周りの人間の就職活動における考えや思いを聞き出すことが可能となり、その情報をより効果的な採用活動へと活かすことができるのです。

    また、面談を行った就活生個人の特性を理解し、見極めたものを人事部に報告することにより、採用するにあたってどの部署への配属が適切であるかという人事戦略も組むことが可能となるのです。

    【参考】面談とは?面接の違い

    シンプルな選考フローと最終選考の円滑化

    一次面接官としての役割を与えられたリクルーターの場合、面談後に評価シートなどに記入して人事部へ提出し、最終選考へ推薦する就活生を選ぶこととなります。

    人事面接によって段階を踏んで行われる通常の採用方法では、個々の就活生と関わりを持つ時間があまりにも短いために最終選考の段階に至ってもまだ相互理解が深まっていない場合も多くありますが、リクルーター制度においては非常にショートな選考フローを用いているにも関わらず、面談終了段階ですでに多くの就活生が企業の求める人物像を正しく把握して自身の中で動機形成を始めているため、内定とするか否かを決断する採用選考の場で認識の不一致による混乱が起きることは少なく、選考作業もスムーズに行われるといった傾向があります。

    動機形成をしっかりと行えている就活生ほど内定ブルーに陥りにくいとされており、この点においてもリクルーター制度は企業側にとって優れた制度であるといえるでしょう。

    また最終選考で不合格となるケースが少ないことからリクルーターからの推薦が内々定のように扱われることもありますが、必ずしも合格を保証するものではないことを正しく理解してもらった上で最終選考を行う必要があります。

    就活生側

    リクルーター導入による就活生側のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

    企業や業界の内情を知ることができる

    就活生が企業情報を集めようと考えた際に最初に思いつくのが、公式Webサイトの閲覧や企業説明会への参加です。

    しかし、大勢の対象者に向けて行われるそれらの情報発信は、大枠での説明が中心となるため必ずしも必要としている情報が手に入るとは限りません。

    また、情報の流れが一方的になりやすく、疑問や詳細を求める声に対してのレスポンスが弱いことも問題点としてあげられます。

    一方でリクルーターとの面談の場においては一歩踏み込んだ企業の内情や業界全体の動向など実益性の高い話題も多く扱われ、企業側からの呼び掛けということで就活生側の精神的な負担も少ないため、より積極的に質問を行いやすいという大きなメリットがあるのです。

    万が一リクルーターのついた会社へ強い志望意志が無かった場合においても、同業界での就職を検討しているのであれば、業界人からリアルな内情を聞ける貴重な機会となるリクルーター面談を受けない手はないでしょう。 企業研究や業界研究を行う上で、リクルーター面談はこれ以上ない情報収集の場となるのです。

    企業を理解した上で選考を進めることができる

    リクルーターを通じて詳細な情報を収集することで企業理解を深めた就活生は、企業の求める人物像を正しくイメージすることができ、入社後の自分にどのような活躍が求められているのか、そして入社までどのような準備と心構えをしておくべきなのかという見通しをつけることが出来るようになります。

    理想の人物像を理解してもらう行為そのものは企業側にとってのメリットですが、最終選考となる面接対策を行う上での重要な情報でありヒントとなるため、就活生側にとっても大きなメリットであるといえるのです。

    リクルーターを用いるデメリット(企業・就活生別)

    どのような制度にも何かしらの問題点があるように、リクルーター制度にもデメリットは存在します。 デメリットについても企業と就活生、それぞれの視点から紹介していきましょう。

    企業側

    リクルーター導入による企業側のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

    アプローチできる対象が限定される

    リクルーター制度を最大限に活かすためには、すでに構築されたネットワークをフル活用する必要があります。

    OBやOGが在学中に所属していたゼミやサークルの後輩に対してコンタクトを取り、自社への興味を持つ後輩と面談を行うといった流れなどがそれに当たるでしょう。

    人は信頼できる人間からの言葉に耳を傾け、心を動かされる生き物です。 そのためリクルーター選定においても在学中に広いネットワークを構築し、精力的に様々な活動に参加していた人が多く選ばれるのです。

    しかし、それは裏を返せばアプローチできる対象者を限定してしまうことにもなります。 ネットワーク内に希望する人材がいた場合には強い効果を発揮できるのですが、ネットワーク外に優れた人材を見つけた場合にはリクルーター経由でアプローチをかけることが難しくなってしまうのです。

    このような場合にはプレエントリーや企業説明会への参加など相手からのアクションを待ってからでないと動き出すことができず、魅力的な人材を逃すことも少なくありません。

    リクルーターの選定が難しい

    リクルーターは多くの就活生の中から優秀な人材を選び抜き、どの企業よりも早くコンタクトを取ることを求められるだけでなく、自社の魅力を余す事無く伝えた上で就活生の質問や疑問にも的確に答えなければならないなど、非常に多くのスキルが求められます。

    新卒採用では評価の対象となる材料も限られており、人事のプロフェッショナルでさえも書類上の情報による先入観と闘いながら面談や面接を行うことになるのですが、リクルーターは企業への志望動機が完全に固まっていない状態で接触を図ることとなり、その個人の持つポテンシャルのみで自社との相性や貢献度の予測を立てなければならず、その負担は計り知れません。

    また、リクルーターの関わり方によっては大きなトラブルに発展してしまうこともあり、その情報が交友ネットワークやSNSなどの情報媒体を通じて拡散されてしまうことにより、企業イメージを大きく下げてしまうリスクも有しているのです。

    このように良くも悪くもリクルーターの質に左右されてしまう制度だけに、卒業してまだ間がない若手社員の方が後輩との関わりを持ちやすいだろうという安直な理由などで選定するのではなく、様々な要素を踏まえた上でしっかりと検討する必要があるのです。

    就活生側

    リクルーターとの接触により企業採用への道が大きく開かれる就活生側ですが、その反面でどのようなデメリットを受けることになるのでしょうか。

    大学のランクにより機会に差が生じる

    リクルーター制度は優秀な人材の青田買いを目的として行われているものであるため、一定のランク以上の大学に対して多くの企業が集中することとなり、自分の通っている大学にはごく少数の企業しかリクルーターを派遣していないといった状況も当たり前のように起こります。

    また、評価順位の高い大学においても、その大学のOBやOGが自社に在籍していないなどの理由により、ネットワークを活かした就活生探しが難しいと判断され、リクルーターによる人材探しの対象から外されてしまうこともあるのです。

    貴重な採用枠をリクルーター制度のために削られてしまうということは、対象外の大学に通う就活生からすれば受け入れ難い現状であるといえるでしょう。

    気が付かぬうちに不合格になっている可能性がある

    リクルーターとの面談は採用のための面接ではなく、「お互いに力を抜いてお話でもしませんか」という体裁で行われるため、面談を行った就活生に対して結果通知は行われません。

    そのため、リクルーターから誘いを受けて面談を行ったものの、それが本当にリクルーター面談だったのかどうかという確信が持てず、またどのくらいの期間をおいて最終面接についての話が出るのかも分からないために闇雲に待ち続けることになる就活生も少なくありません。

    『リクルーター面談は一回しか行われず、最終面接を勧める場合には面談から1週間以内に連絡が来る』などの明確な決まりがあれば良いのですが、実際には企業やリクルーターによって面談回数も通知までの期間もバラバラであるため全く予測がつかないのです。

    リクルーター面談において不合格となった場合に、フェードアウトしながら音信不通となっていくパターンが多く取られているのも、この問題を深刻化させる要因であるといえるでしょう。

    真意の分からない人物と1対1で関わる精神的負担

    リクルーター制度が始まった初期の頃は、まだほとんどの就活生がその存在を知らず、リクルーターとの面談においてもフラットな状態で向き合っていました。

    しかし、リクルーター制度を取り入れている企業への就職を目指すにはリクルーターとの接触が重要であるとの認識が高まるにつれて、リクルーター面談における精神的な上下関係が形成されていったのです。

    リクルーターを装って就活生へ接触を図り、その立場の強さを利用することで本来の目的とは関係なく親交を深めようとする人物も現れるなど、大きな問題の温床ともなりつつあります。

    目の前にいるOBやOGはただの友人としてアドバイスをしに来てくれたのだろうか、それともリクルーターとして自分を評価するために来たのだろうか。

    真意の分からない目上の人物と関わりを持たなければならない状況というのは、就活生に大きな精神的負担を与えることになるでしょう。

    リクルーター設置にあたり検討すべきこと

    16年卒採用結果によると、リクルーター制度を導入した企業は前年度に比べ約4.5%増加したといわれています。

    多くの企業が注目し、導入を検討しているリクルーター制度ですが、リクルーターを設置するにあたりどのような点に注意する必要があるのでしょうか。

    経営トップの協力を得られるか

    リクルーター制度を導入するということは、これまで人事部が単独で行っていた新卒採用について他の部署にも協力を求めることとなるため、人事部長や社長など経営トップ陣の全面協力が必要不可欠となります。

    日本企業においては現在でもトップダウン手法が多く用いられており、リクルーター制度の詳細や必要性などを社員全体に周知するにはトップ陣による情報発信が一番効果的なのです。

    情報発信者となるトップ陣がリクルーター制度導入に前向きであるほど、社員も一丸となってリクルーター制度の導入に向けて動いてくれることでしょう。

    リクルーターを介して成したいこと・役割の明確化

    自社にリクルーター制度を導入して就活生へコンタクトを取ることが決まった場合、どのような目的で接触を図るのかという目的を明確にしておく必要があります。

    リクルーターに一次面接官としての役割も与えて人材に対する評価も行わせるのか、それとも就活生の自社に対する興味や関心を強めさせて動機形成のみを行わせるのか。

    目的について検討し、役割を明確化させることによってリクルーターの精神的負担を軽減し、またリクルーターによる想定外の行動も予防することが出来るのです。

    『良い学生』の基準を設ける

    学生時代のネットワークを活用してコンタクトをとる場合であれば比較的容易ですが、その他の方法により就活生と接触を図る場合には『良い学生』の基準設定が非常に重要なものとなります。

    なぜなら、リクルーターは多くのプレエントリー者や会社説明会参加者の中から書類上の情報だけを頼りにしてコンタクトを取る人物を選定しなければならないからです。

    『良い学生』と一言で表現しても、その評価基準は個人個人によって大きく異なります。 専門的な高いスキルを持つ即戦力を求めるのか、それとも幅広い分野に強い応用力のある人材を求めるのか。

    リクルーターに依頼する前段階において『良い人材』という評価基準をしっかりと設定しておくことで、採用現場の混乱を防ぎ、よりイメージにあった理想の人材を集めることが可能となるのです。

    【参考】求める人物像を定めるためのポイント

    リクルーターの人選

    リクルーター制度をすでに導入している企業の多くは、リクルーターに入社1~5年の若い社員を選定しています。 これには就活生の緊張感を和らげて円滑なコミュニケーションを図る目的や、在学中に形成されたネットワークの価値が下がらぬうちに活用しておきたいという人事側の思惑があるのです。

    しかし、リクルーターの役割は非常に重要なものであり遂行には多くのスキルとセンスを要求されるため、想定していたよりも結果に繋がらず、人件コストに見合わないという理由によってリクルーター制度を中止する企業も少なくありません。

    更に、若手社員の貴重な時間を消費してリクルーターとして活動を行わせるため、社員自身の育成方針への影響や、通常業務に対する意欲の減退などのリスクも考えられます。

    社内のルール作り

    リクルーター面談は通常の面接とは異なり、カフェなどで飲食を共にしながら行われます。 そのため、本来の勤務条件とは異なる時間帯や曜日に面談日が設定されることも多く、業務時間外手当や休日出勤手当などをどうするかについてしっかりと定めておく必要があるのです。

    リクルーター以外の社員から「特別扱いしているのではないか」というクレームを受けないようにするためにも、自社にとって非常に重要な役割を担っていることを正しく理解してもらえるよう努め、作成されたルールについてもリクルーターのみに通知するのではなく、社内全体に向けて通知する形を取ることによってトラブルへの発展を未然に防ぐことが出来るでしょう。

    採用管理システムの導入

    リクルーターを導入することで、面談の頻度が急激に増加していきますが、ただ無秩序に面談を行うだけでは、活動状況のモニタリングができない他、候補者情報がリクルーターに属人化されてしまい、肝心の優秀な候補者の情報が溜まっていきません。

    そのため、採用に関与する人が一定数を超えることが見込まれたタイミングで、できるだけ早期にシステムで採用情報を一元管理していくことが重要になります。

    人事向けニュースサイト「BizHint HR」編集部では、独自で調査を行い、採用管理システムを特徴ごとに比較した一覧表を作成しましたので、リクルーター制度と合わせご参考ください。

    リクルーターの活用事例:株式会社ビズリーチ

    リクルーター制度によって採用戦略に新たな幅が生まれ、優秀な人材の獲得に対して大きな効果が期待できることが分かりました。 しかし、多くの企業はまだリクルーターの活用方法について正解を導き出せていません。

    そこで、16年卒採用から正式にリクルーター制度を導入した株式会社ビズリーチの実例を参考にしながらリクルーターの活用方法について考えていきたいと思います。

    リクルーターの選出方法

    株式会社ビズリーチの場合、リクルーター制度を導入するために社員の意識を変えるのではなく、常日頃から人材採用の重要性を周知させていたという点が他社と大きく異なります。

    新しい人材の持つ無限の可能性について全社員の理解を十分に深めることが出来ていたため、リクルーター制度を導入すると決断して社内公募を行った際にも各部署から積極的に手が上がり、社内全体で数十名もの応募が集まったのです。

    その応募者の中からリクルーターを選定するにあたって重要視したポイントは、自社に対する理解度とコミュニケーション力。 企業理解を深め、動機形成を行い、内定後の辞退率を激減させるという明確な目的を設定していたからこそ、リクルーターの選定をスムーズに行えたといえるでしょう。

    人材採用で大手企業に勝つポイント

    採用戦略を立てるにあたって忘れてはならないのが大手企業の存在です。 ネームバリューや市場への影響力で勝っている大手企業に対し、中小企業にはどのような工夫や努力が求められているのでしょうか。

    リクルーター面談を行い、最終面接の対象者を選出し、面接に向けたアドバイスやサポートを行う。

    多くの企業はこのプロセスに全力を注ぎ、内定後にはリクルーターを本来の業務へ完全に戻してしまいます。 その結果、入社後の教育に対する不安や企業そのものに対する不信感が募り、内定辞退という結果を招いてしまうのです。

    そのような就活生心理に対し、株式会社ビズリーチでは内定理由のフィードバックを迅速かつ詳細に行うことを徹底しています。

    内定者のどこに魅力を感じて内定を出すに至ったのか、そして入社後にはどのような活躍を期待しているのかということを包み隠さず伝えることによって、内定者と企業との間に深い信頼関係を構築していくのです。

    また、今後のビジョンや企業側が求めるものを明確にすることによって、企業やリクルーターの期待に応えて更に評価されたいという親和動機を高め、他企業への優秀な人材の流出を食い止めることが出来るのです。

    このようなきめ細かいアフターケアは、どのような企業においてもすぐに導入することが可能であるにも関わらず大きな効果を期待できます。 そして、そのサポート力を最大の武器として掲げることで、大手企業と相対した場合においても引けを取ることなく戦うことが出来るのです。

    リクルーターを利用する企業例

    リクルーター制度を実施している、または過去に実施していたといわれている企業を業種別にまとめて紹介致します。

    なお、いずれの企業においても現時点での正しい情報を表すわけではないことをご了承下さい。

    銀行系

    • スルガ銀行(スルガ銀行株式会社)
    • みずほフィナンシャルグループ(株式会社みずほフィナンシャルグループ/通称みずほFG)
    • みずほ銀行(株式会社みずほ銀行)
    • ゆうちょ銀行(株式会社ゆうちょ銀行)
    • 広島銀行(株式会社広島銀行/通称ひろぎん)
    • 三井住友銀行(株式会社三井住友銀行/略称SMBC)
    • 三井住友信託銀行(三井住友信託銀行株式会社)
    • 七十七銀行(株式会社七十七銀行/通称しちしち)
    • 西日本シティ銀行(株式会社西日本シティ銀行)
    • 静岡銀行(株式会社静岡銀行/通称しずぎん)
    • 千葉銀行(株式会社千葉銀行/通称ちばぎん)
    • 北陸銀行(株式会社北陸銀行/通称ほくぎん)

    証券

    • SMBC日興証券 投資銀行部門(SMBC日興証券株式会社)
    • 大和証券(大和証券株式会社)
    • 野村證券(野村證券株式会社)

    政府系金融機関

    • 商工中金(株式会社商工組合中央金庫)
    • 日本銀行
    • 日本政策金融公庫(株式会社日本政策金融公庫)
    • 日本政策投資銀行(株式会社日本政策投資銀行/略称DBJ)
    • 農林中央金庫

    保険

    • かんぽ生命(株式会社かんぽ生命保険)
    • 住友生命(住友生命保険相互会社)
    • 太陽生命(太陽生命保険株式会社)
    • 大同生命(大同生命保険株式会社)
    • 第一生命(第一生命保険株式会社)
    • 東京海上日動(東京海上日動火災保険株式会社/通称マリン)
    • 日本生命(日本生命保険相互会社)

    通信

    • NTTコミュニケーションズ
    • NTT西日本(西日本電信電話株式会社)
    • NTT東日本(東日本電信電話株式会社)

    インフラ

    • J-POWER(電源開発株式会社)
    • JXエネルギー(JXエネルギー株式会社/旧商号はJX日鉱日石エネルギー)
    • 関西電力(関西電力株式会社/通称かんでん)
    • 九州電力(九州電力株式会社/通称きゅうでん)
    • 四国電力(四国電力株式会社/通称よんでん)
    • 大阪ガス(大阪ガス株式会社)
    • 中部電力(中部電力株式会社/通称ちゅうでん)
    • 東京電力(東京電力ホールディングス株式会社/通称とうでん)

    鉄道

    • JR貨物(日本貨物鉄道株式会社)
    • JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)
    • JR東海(東海旅客鉄道株式会社)
    • JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)
    • 京急電鉄(京浜急行電鉄株式会社)
    • 近畿日本鉄道(近畿日本鉄道株式会社)
    • 小田急電鉄(小田急電鉄株式会社)
    • 東急電鉄(東京急行電鉄株式会社)

    建設

    • 鹿島建設(鹿島建設株式会社)
    • 清水建設(清水建設株式会社)
    • 大成建設(大成建設株式会社)
    • 大林組(株式会社大林組)
    • 竹中建設(株式会社竹中建設)
    • 竹中工務店(株式会社竹中工務店)

    メーカー等

    • AGC旭硝子(旭硝子株式会社)
    • JFEスチール(JFEスチール株式会社)
    • キヤノン(キヤノン株式会社/通称キャノン・Canon)
    • トヨタ自動車(トヨタ自動車株式会社/通称TOYOTA)
    • マツダ(マツダ株式会社/通称MAZDA)
    • 旭化成(旭化成株式会社)
    • 新日鉄住金(新日鐡住金株式会社)
    • 川崎重工(川崎重工業株式会社/通称Kawasaki)
    • 日清紡(日清紡ホールディングス株式会社)
    • 日立製作所(株式会社日立製作所/通称HITACHI)

    小売り

    • 高島屋(株式会社髙島屋)

    人材

    • リクルートエージェント(株式会社リクルートキャリア)

    まとめ

    • リクルーター制度とは優秀な人材にいち早く接触するための採用戦略の1つである
    • リクルーター制度の導入にはしっかりとした下準備が必要である
    • リクルーター制度は全社員が同じ認識を持って実施することで大きな効果を発揮する

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